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Brand Management

Brand Management

商品・サービスのブランドマネジメント

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Takumi Kato

April 01, 2022
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  1. 商品・サービスのブランドマネジメント 明治⼤学 商学部 加藤拓⺒ Marketing #02

  2. 位置付け 顧客管理と効果測定 戦略と実⾏ 価値づくりの考え⽅ 調査による客観的な状況把握 #01 マーケティング #02 ブランドマネジメント #04

    市場調査 #07 科学的検証 #08 感性⼯学 #05 消費者⾏動 #03 ロイヤルティとCRM #10 クチコミ #09 戦略と組織能⼒ 仮説⽴案 具現化 検証 #06 知覚品質
  3. 1.ブランドとは何か︖ 2. ブランドマネジメントとは何か︖ 3. 企業ブランドと商品ブランド 4. ブランドイメージ・ブランドネーム・ブランドカラー 5. まとめ

  4. 1.ブランドとは何か︖ 2. ブランドマネジメントとは何か︖ 3. 企業ブランドと商品ブランド 4. ブランドイメージ・ブランドネーム・ブランドカラー 5. まとめ

  5. 良いモノをつくれば売れる︖

  6. ブランドという資産の軽視 ⽇本の製造業にブランドが不⾜している原因は, 「(つくり⼿⽬線で)良いモノをつくる努⼒」は怠らないが, 「消費者に良いモノとわかってもらう努⼒」が不⾜している

  7. ブランドとは AMA. Branding. https://www.ama.org/topics/branding/ Aaker, D. (2014). Aaker on branding:

    20 principles that drive success. Morgan James Publishing.(阿久津聡訳. (2014).ブランド論.ダイヤモンド社.) Keller, K. L. (1997). Strategic brand management, Prentice Hall. (恩蔵直⼈ら訳. (2010). 戦略的ブランド・マネジメント. 東急エージェンシー.) ブランドとは,同⼀のニーズを充⾜するように設計された競合と何らかの ⽅法で差別化するための次元を伴った商品・サービス Kevin Keller ブランドとは,商品・サービスを競合とは異なるものとして識別する名前, デザイン,シンボル,機能,その組み合わせ. American Marketing Association ブランドとは,組織から消費者への約束である. ブランドネームやロゴマーク,機能よりもはるかに⼤きい. David Aaker
  8. ブランドがあるとは 「企業は価値を常に約束し,消費者はそれを絶⼤に信頼する」 という状態こそが強固なブランドが存在することを意味する コンセプトが明確でないと,企業は何を約束して良いかわからない

  9. ブランドと消費者の関係 企業 消費者 約束 信頼

  10. ブランドを考える出発点 企業 消費者 約束 信頼 • 消費者に何を約束しているか︖(コンセプトは何か︖) • ⼀貫して具現化し,⼀貫して提供しているか︖ •

    消費者は企業を信頼しているか︖ • 信頼の中⾝(ブランドイメージ)は何か︖
  11. ブランド価値の測定︖

  12. ブランド評価機関の台頭 Interbrand1 • 財務⼒,購買意思決定に与える影響⼒,将来収益の確かさという観点で評価 • ブランドの⾦銭的価値測定のための世界標準としてISO10668の認定 Brand Finance2 • 企業がそのブランドを有していなかったと仮定したとき,ブランドに起因する将来の

    収益を⾒積り,ブランド使⽤に対するロイヤルティ請求額を計算 Forbes3 • 売上,利益,資産,市場価値の4つの指標で評価 Kantar4 • 消費者調査と財務分析を組み合わせた独⾃のブランド評価 • 50超の市場で300万⼈の消費者と10万以上の異なるブランドをカバーした調査 1: Interbrand. https://www.interbrandjapan.com/ja/brandranking/method.html 2: Brand Finance. https://brandirectory.com/methodology 3: Forbes. https://www.forbes.com/global2000/#6c3eb466335d 4: Kantar. http://www.millwardbrown.com/brandz/rankings-and-reports/top-global-brands/2015/methodology
  13. ブランド評価の難しさ 確⽴されたブランド評価の⽅法はなく,評価視点によって結果は変動する • 株式時価総額での評価 → 毎秒値が変わったり,災害等の外部環境の影響が⼤きすぎる • 財務視点での評価 → ⾚字でも強固なブランドを有する企業がある

  14. 消費者の知覚こそ現実

  15. 1: Ries, A., Trout, J. (2009). The 22 immutable laws

    of marketing: Exposed and explained by the world's two. Harper Collins. 商品・サービスに対して, • 再購⼊意向・⽀払意思額・ロイヤルティは⾼まっているか︖ • その理由として,コンセプトを挙げているか︖ 消費者の知覚 = 現実 物理的指標の優劣ではなく,消費者の知覚上での優劣を検証すべき マーケティングとは,商品の戦いではなく,知覚の戦いである. 知覚こそ現実であり,その他のものはすべて幻である.1
  16. 価値づくりにおける測定すべき消費者の知覚 認知 消費者が知らないと何も始まらない 「買いたいほどではない」では価値ではない 「安いなら買う」では価値が低い 「1回で⼗分」では利益率が低い (再購⼊意向・推奨意向) コンセプトが理由で なければ再現性が低い 購⼊意向

    ⽀払意思額 ロイヤルティ コンセプト 想起率
  17. ブランド認知の⽔準 トップオブマインド ブランド想起 ブランド認識 ブランド未知 認知度 低 ⾼ ⼼の中で最上位の認知である 純粋想起で最初に挙げたブランド

    カテゴリーに属するブランドを 挙げてもらう純粋想起で確認 選択肢を提⽰して,認識している ブランドを問う助成想起で確認 選択肢を提⽰しても認識がない Aaker, D. A. (1991). Managing brand equity. Free Press. (陶⼭計介ら訳. (1994). ブランド・エクイティ戦略. ダイヤモンド社)
  18. 1.ブランドとは何か︖ 2. ブランドマネジメントとは何か︖ 3. 企業ブランドと商品ブランド 4. ブランドイメージ・ブランドネーム・ブランドカラー 5. まとめ

  19. ブランドは広告でつくるものではない

  20. ブランドマネジメントとは ブランドマネジメント = コンセプト策定 + ⼀貫した具現化 コンセプト策定 ⼀貫した具現化 実⽤的+⼼理的な問題を解決する 時代によらない価値の定義

    定義したコンセプトを ⼀貫して具現化・訴求 流⾏ 性能・技術 デザイン・UX 本質的な 価値 Who What How どんな困っている⼈に? どんな価値を︖ どうやって提供するか︖ 狙いどころ Concept ZMOT (Zero Moment of Truth) Webサイトや⼝コミを⾒たとき FMOT (First Moment of Truth) 店頭で商品を⾒たとき SMOT (Second Moment of Truth) 商品・サービスを利⽤したとき
  21. ブランドマネジメントは⻑期的な資産構築 Ø 経営層はブランド構築が競争優位に貢献するという強い信念が不可⽋ Ø 短期的な利益の減少も覚悟し,将来に向けた⻑期的な投資を決断 1. ブ ラ ンド マ

    ネ ジ メ ント は ⻑期的な視座が 不可⽋で ある Ø ⼈材や情報と同様に,ブランドは貸借対照表に現れない資産 Ø ブランドを定量的に測定することは⾮常に困難 (確⽴した⼿法はない) 2. ブ ラ ンド 資産は 簡単に数値評価で きる もの で は ない Ø R&D, デザイン, ⽣産, 販売等の多様な部⾨で意思統⼀ Ø 限られた社内資源をどこに重点的に割くか,全体的な視点で意思決定 3. ブ ラ ンド マ ネ ジ メ ント は 卓越した 調整能⼒が 必要
  22. あるべきブランドマネジメント あるべき姿 ブランドコンセプトを重視 ブランドは競争優位をもたらす資産 ⻑期的視野 消費者+社員+株主へ伝達 グローバルかつ複数ブランドに焦点 ブランド責任者が⻑期在任・⾼地位 古典的な姿 販売・シェアを重視

    ブランドは利益直結 短期的視野 消費者へ伝達 単⼀市場・単⼀ブランドに焦点 ブランド責任者が短期在任・低地位 Aaker, D. A., Joachimsthaler, E. (2012). Brand leadership. New York : Free Press.
  23. ブランドマネジメントのイメージ 「すべての消費者がたった1つの不満もない完璧さ」など存在せず, コンセプトの完成度を1つ1つ⾼め続ける意思とプロセスが重要 (永遠に到達しない) ⽬指すコンセプト 時間 現在地 ブランドを⾼め続ける 現実の道 技術的制約から

    難しい道 ゴール … フェーズ1 フェーズ2 品質 この積み重ねた時間の⻑さこそ, 他社の模倣を防ぐ企業競争⼒
  24. ブランドができない典型的な例 AI ウェルネス インクルーシブ サステナブル DX メタバース コネクテッド シェアリング パーソナライズ

    世界初の技術 オープン イノベーション コトづくり デザイン シンキング ⾃動運転 VR/AR オムニチャネル 電動化 ロボティクス
  25. 企業におけるブランドマネジメントプロセス 企業ブランドの策定・⼀貫性評価 コミュニケーション 具現化評価 (クリエイティブ) プロモーション 商品 具現化・評価 (デザイン/UX) 両者の

    ⼀貫性評価 コンセプト 策定 ・ 検証 商品・サービス開発
  26. 予測するべからず

  27. 2種類の予測 販売・製造計画に向けた短期予測 • ⽬的︓コスト削減 • 期間︓数ヶ⽉先 • ⼿法︓過去傾向に基づく統計モデル 新価値に向けた⻑期予測 •

    ⽬的︓新価値の創出︖ • 期間︓10年先 • ⼿法︓存在しない やるだけ効果が出る.ただし, • 常に予測モデルの更新が必要 • 内部に専⾨家を採⽤しないと困難 (ピッチャーにキーパーをやらせる愚) そもそも不可能.したがって, 訪れると想定される未来をベースに, 解決されていない問題を考える (⾃動運転や⾼齢化を前提として考える)
  28. 「変わるもの」より「変わらないもの」 「10年後には何がどう変わっているか︖」ではなく, 「10年経っても変わらない価値は何か︖」の⽅が重要 Jeff Bezos

  29. 流⾏との付き合い⽅ 1 「流⾏はつくるもの」が基本信条 流⾏は市場になかった価値が投⼊されて⽣まれる. 世界中の会社が変化を起こそうと努⼒する中,追随姿勢で勝てるわけがない. 2 本質は変わらない 表⾯の⼿段は変われど,基本的に⼈間が嬉しいことの本質は変わらない. 来年から,「家事をラクしたい」 「思い出をつくりたい」という考えがなくなる訳がない.

    3 想定される外部環境の変化を前提とする 今後,⾼い確率で起こる環境変化には⽬を向ける必要がある.無視してはならない. それを前提としたうえで,残り続ける問題・新たに⽣まれる問題を主観的に考える.
  30. アップデート時のコンセプト策定プロセス 問題認識 時代洞察 今のお客様の 潜在的な問題 ⾼い確率で想定される 技術進化・社会変化が 新たに⽣み出す問題 Step1 Step2

    本質的な価値の決定 Step3 コンセプト策定 Step4 input output 守るべき価値 + 変えるべき価値 誰に・何を・どのように
  31. ⼀貫した具現化を社内で進めるために

  32. ブランドの”聖書” Concept ZMOT (Zero Moment of Truth) Webサイトや⼝コミを⾒たとき FMOT (First

    Moment of Truth) 店頭で商品を⾒たとき SMOT (Second Moment of Truth) 商品・サービスを利⽤したとき Brand Equity Book チームにブランドコンセプトを共有・浸透するためのドキュメント
  33. 1 . V i s i o n 2 .

    C o n c e p t 3 . M e s s a g e 4 . Pe r c e i v e d Q u a l i t y 5 . C o n s u m e r Pe r c e p t i o n s モデルチェンジを繰り返しても変化しない,ブランドの根源的な存在価値 提供する価値(Who / What / How) どんなコミュニケーション⼿段でも,⼀貫して消費者に伝えること デザインやUX等の数値で表現しにくい感性的価値の可視化 コンセプトの具現化を検証するために必要な消費者視点の評価軸 Brand Equity Bookの構成
  34. 競合他社の模倣を防ぐ

  35. 模倣に強くなる視点 「消費者が喜び,競合他社が嫌がり,⾃社が儲かる」戦略を実⾏ プロセス 垂直統合プロセス コンセプト具現化に必要で,難易度が⾼い技術や 顧客接点を⾃社の垂直統合で構築 ・Appleの垂直統合 ・Toyotaのカイゼン ブランド コンセプトの⼀貫した具現化

    顧客価値のあるコンセプトを⼀貫して具現化すると ともに,該当しない要素を徹底して除外する ・Apple ・dyson 戦術 ⼀⾒して⾮合理 競合がまねようという動機を持たない⼀⾒すると 不利な要素だが,コンセプトの具現化には切り札 ・Starbucksの直営店 ・アスクルの中間業者 戦略 否定する勇気 顧客価値から⽬をそらさず,これまでの競争領域が 覆った場合に⾃ら否定し,コンセプトや⼿段を刷新 ・Roomba ・IQOS
  36. 先発優位︖ 必ずしも先発優位とは⾔い切れず,消費者の知覚にブランドを築いた企業が勝る 1: Robinson, W. T., Fornell, C. (1985). Sources

    of market pioneer advantages in consumer goods industries. Journal of Marketing Research, 22(3), 305-317. 2: Kalyanaram, G., Urban, G. L. (1992). Dynamic effects of the order of entry on market share, trial penetration, and repeat purchases for frequently purchased consumer goods. Marketing Science, 11(3), 235-250. 3: Bohlmann, J. D., Golder, P. N., Mitra, D. (2002). Deconstructing the pioneer's advantage: Examining vintage effects and consumer valuations of quality and variety. Management Science, 48(9), 1175-1195. 4: Tellis, G. J., Golder, P. N. (2006). Will and vision: How latecomers grow to dominate markets. Figueroa Press. 5: Shankar, V., Carpenter, G. S., Krishnamurthi, L. (1998). Late mover advantage: How innovative late entrants outsell pioneers. Journal of Marketing research, 35(1), 54-70. 6: 新宅純⼆郎. (1994). ⽇本企業の競争戦略: 成熟産業の技術転換と企業⾏動. 有斐閣. 先発優位 • 後発企業に⽐べ,先発企業の市場シェアの⽅が⼤幅に⾼くなる1 • 市場シェア・リピート購買率・トライアル率で先発企業が優位性を有する2 • 商品の多様性が重要なカテゴリーでは先発優位となる3 後発優位 • 先発商品は失敗率が⾼く,市場シェアも⾼いとは⾔えない4 • 先発企業よりも⾰新的な後発企業の⽅が市場シェアが⾼くなる5 • 先発企業は新しい技術の取り込みを躊躇し,後発企業に遅れをとる6
  37. ブランドの持つ⼒

  38. McClure, S. M., Li, J., Tomlin, D., Cypert, K. S.,

    Montague, L. M., Montague, P. R. (2004). Neural correlates of behavioral preference for culturally familiar drinks. Neuron, 44(2), 379-387. ブランドが味覚を超える • ブランド情報がない場合,Coca-ColaとPepsiの好みは均等に分かれる • Coca-Colaのラベルがあると,劇的に評価が向上する Coca-Cola Pepsi VS 商品の客観的特性を超えて,評価に⼤きな影響を与える
  39. 1.ブランドとは何か︖ 2. ブランドマネジメントとは何か︖ 3. 企業ブランドと商品ブランド 4. ブランドイメージ・ブランドネーム・ブランドカラー 5. まとめ

  40. ブランドの位置付け 商品 ブランド 商品 ブランド 商品 ブランド 商品 ブランド 技術ブランド

    企業ブランド ・・・ ⼤別して,企業ブランド・商品ブランド・技術ブランドの3つで構成される
  41. ブランドマネジメントにおける⽇本企業と欧⽶企業の違い 1: D.Aaker: Aaker on branding: 20 principles that drive

    success, Morgan James Publishing (2014 ⽇本企業 欧⽶企業 企業ブランドを重視する マスターブランド戦略 商品ブランドを重視する 個別ブランド戦略 • 商品ブランドを重視し,企業ブランドと繋がりを持たせない (各商品の公式Webサイトにおけるドメインも異なる) • すべての商品は,すぐに認知される独⾃性が必要 • 互いに繋がりがない80ブランドを展開1 P&G Pantene Pampers Gillette SK-II
  42. Kotler, P. (2015). Marketing Management. Pearson. 商品ブランド (個別ブランドネーム戦略) 各商品ブランドを独⽴させ,個別に販売する⽅法 (例)

    P&G Pantene, Pampers, Gillette, SK-II 企業ブランド (統⼀ファミリーネーム戦略) 多岐に渡る商品カテゴリに,企業ブランドを利⽤して販売する⽅法 (例) カゴメ・ソース, カゴメ・トマトジュース, カゴメ・トマトケチャップ 複数企業ブランド (複数ファミリーネーム戦略) 商品ラインを複数のグループに分類して,販売する⽅法 (例)Toyota Lexus 企業×商品ブランド (組み合わせ戦略) 企業ブランドと個別の商品ブランドを組み合わせて販売する⽅法 (例) キリン・午後の紅茶, アサヒ・スーパードライ 4つのブランド戦略
  43. 統合・連携 分離・独⽴ ブランドポートフォリオの型 Aaker, D. A. (2006). Brand portfolio strategy.

    Strategic direction. • Branded House ︓既存のマスターブランドで展開 • Subbrands ︓既存のマスターブランドの下で展開した商品ブランド • Endorsed Brands ︓既存ブランドが連想を与え,保証付きのブランド • House of Brands ︓独⽴した新しいブランド
  44. ブランド体系策定の考え⽅ 消費者にとって,わかりやすく,魅⼒的か︖ • ターゲットの消費者は誰か︖その消費者に魅⼒的か︖ • 企業⽬線や業界慣習での区分に固執していないか︖ • 各ブランドは異なる意味を持ち,わかりやすいか︖ • ブランドの具現化は⼗分か︖(名ばかりになっていないか︖)

  45. ブランドのテコ1 1: ⻘⽊幸弘. (1996). ブランド体系の設計次元と編成原理. マーケティング・ジャーナル, (60), 1-16. 企業ブランド 商品ブランド

    保証機能 ◎ ◯ 購買駆動機能 ◯ ◎ Pros/Cons Pros︓規模の経済 Cons︓事業領域に制限 Pros︓広⼤な事業領域 Cons︓膨⼤な投資額 対⽴軸での議論からの脱却 企業ブランドと商品ブランドは,特定のイメージで重なり合うとき に, 両者は互いをテコとして強化し合う “ブランドのテコ”の効果がある
  46. ブランドのテコのイメージ 企業ブランドコンセプトに基づきながら, それぞれのコンセプトを持つ商品ブランドが連想される状態 企業ブランド コンセプト 商品ブランド コンセプト 商品ブランド コンセプト 商品ブランド

    コンセプト 商品ブランド コンセプト 商品ブランド コンセプト
  47. ブランド拡張 Pros • 投資コストを削減しながら,市場の シェア拡⼤を容易にする • 圧倒的な競合ブランドがある場合も, 既存ブランドの⼒で活路を⾒出せる • ブランド拡張の成功によって,当該

    ブランドの基盤がさらに固まる Cons • 拡張するにつれてブランドが曖昧に なり,コンセプトを喪失する • 対象ブランドの信頼が失墜した場合, 配下のブランドも道連れとなる • ブランド拡張の失敗判断が難しく, 停滞したまま負担を抱えてしまう 確⽴したブランドを他の商品やカテゴリーに適⽤することで, 同⼀カテゴリーなら「ライン拡張」,別カテゴリーなら「カテゴリー拡張」
  48. 1.ブランドとは何か︖ 2. ブランドマネジメントとは何か︖ 3. 企業ブランドと商品ブランド 4. ブランドイメージ・ブランドネーム・ブランドカラー 5. まとめ

  49. ブランドイメージとは 消費者の記憶内にあるブランド連想の知覚 Keller, K. L. (2002). Strategic brand management, Prentice

    Hall. Apple かっこいい 独創的 ・・・ ⾰新的 ユーザー フレンドリー
  50. 洗練, 魅⼒的 洗練 Sophistication Mercedes-Benz, Tiffany, Ritz-Carlton 信頼, 責任, 効率

    能⼒ Competence IBM, McKinsey, Wall Street Journal ブランドパーソナリティ 1: Aaker, J. (1997). Dimensions of brand personality. Journal of Marketing Research, 34(3), 347-356. 2: Aaker, J. L., Benet-Martinez, V., & Garolera, J.(2001). Consumption symbols as carriers of culture: A study of Japanese and Spanish brand personality constucts. Journal of personality and social psychology, 81(3), 492-508. 堅実, 正直, 明朗 ⼤胆, 想像的, 最新 強い, タフ, 無⾻ 平和, 礼儀, 温和 ワード例 誠実 Sincerity 刺激 Excitement 素朴 Ruggedness 安定 Peacefulness アメリカ ⽇本 パーソナリティ1,2 ブランド例 Chevrolet, Hallmark, 東京メトロ Apple, Porsche, Red Bull Marlboro, Harley-Davidson, Levi's 無印良品, カルピス パーソナリティ(連想される⼈間的な特徴)がないブランドは価値が乏しい
  51. ブランドイメージの⼀貫性 • ブランドイメージの⼀貫性は,ブランドエクイティの構築に寄与する1 • ⼀貫⽣の⽋如は顧客の混乱を招き,ブランドエクイティに負の影響を与える2 • ⼀貫したブランドイメージは,顧客に安⼼感を与え(保証機能),かつ購⼊⾏動 を促進する有効なドライバーの役割を果たす(購買駆動機能)3 • 商品ブランドは差別性を持ったとしても,

    競合他社の模倣に脆弱であるが, 企業ブランドの有するイメージは容易に模倣されない競争優位の源泉4 1: Keller, K. L. (1993). Conceptualizing, measuring, and managing customer-based brand equity. the Journal of Marketing, 1-22. 2: Hsieh, M. H. (2002). Identifying brand image dimensionality and measuring the degree of brand globalization: A cross-national study. Journal of International Marketing, 10(2), 46-67. 3:⻘⽊幸弘, ⻲井昭宏, ⼩川孔輔, ⽥中洋. (1997). 最新ブ ランド・マネジメント体系―理論から広告戦略まで. ⽇経広告研究所, 152-173. 4: Aaker, D. (1996). Building strong brands. New York, NY: The Free Press.
  52. Steve Jobsのブランドネームへの配慮 ⼤⾕和利. (2011). スティーブ・ジョブズとアップルのDNA.マイナビ出版 Steve Jobs 復帰後 Steve Jobs

    復帰前 •Macintosh PowerBook 5300, 5300c, 5300ce, 5300cs •Macintosh PowerBook 1400c, 1400cs •Macintosh PowerBook 2400c •Macintosh PowerBook 3400c, 3400cs •Macintosh PowerBook Duo 2300c/100 iPod iPhone iPad MacBook “ 購買意欲に働きかけるブランドネームには、最新の注意を払う “ (Steve Jobs)
  53. ブランドネームの3要素 覚えやすく,ブランドコンセプトがイメージしやすく,購⼊意欲を刺激するか︖ 覚えやすい イメージしやすい 購⼊したい 購⼊⾏動への寄与 • ブランド認知 • コンセプト想起

    • 購⼊意向
  54. 1.ブランドとは何か︖ 2. ブランドマネジメントとは何か︖ 3. 企業ブランドと商品ブランド 4. ブランドイメージ・ブランドネーム・ブランドカラー 5. まとめ

  55. まとめ • 「企業は価値を常に約束し,消費者は絶⼤に信頼する」状態がブランド • ブランドマネジメントとは,コンセプト策定 + ⼀貫した具現化であり, ⻑期的な視座を持って取り組むことが不可⽋である • マーケティングにおける現実である消費者の知覚(認知・購⼊意向・⽀

    払意思額・ロイヤルティ・コンセプト想起率)を評価・管理する • 企業ブランドと商品ブランドは,特定のイメージで重なり合うときに, 両者は互いをテコとして強化し合う “ブランドのテコ”の効果がある
  56. END