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Loyalty

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利益の源泉であるロイヤルティとCRM

Takumi Kato

April 01, 2022
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Transcript

  1. 利益の源泉であるロイヤルティとCRM
    明治⼤学 商学部 加藤拓⺒
    Marketing #03

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  2. 位置付け
    顧客管理と効果測定
    戦略と実⾏
    価値づくりの考え⽅
    調査による客観的な状況把握
    #01 マーケティング
    #02 ブランドマネジメント
    #04 市場調査
    #07 科学的検証
    #08 感性⼯学
    #05 消費者⾏動
    #03 ロイヤルティとCRM
    #10 クチコミ
    #09 戦略と組織能⼒
    仮説⽴案 具現化 検証
    #06 知覚品質

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  3. 1. ロイヤルティは利益の源泉
    2. CRMの⽬的
    3. ロイヤルティの測定⽅法
    4. ロイヤルティの要因
    5. まとめ

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  4. 1. ロイヤルティは利益の源泉
    2. CRMの⽬的
    3. ロイヤルティの測定⽅法
    4. ロイヤルティの要因
    5. まとめ

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  5. ロイヤルティとは何か︖
    1: 恩蔵直⼈. (1995). 競争優位のブランド戦略―多次元化する成⻑⼒の源泉. ⽇本経済新聞社, 51-58.
    ある特定のブランドを経験することによる満⾜から⽣じる
    好ましい態度(コミットメント)かつ反復的な購⼊⾏動1
    • お店が近いから毎週⾏くけど,引っ越したら⾏かない
    • 安いから買っているけど,他の商品の⽅が安くなったら買わない
    • すごい興味があるけど,1回写真を撮れば⼗分
    • なんとなく継続して買っているけど,他⼈にオススメするほどではない
    ロイヤルティが低い状態は,

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  6. ロイヤルティは,利益を効率的に上げる源泉である1
    ロイヤルティは利益の源泉
    1︓Rigby, D. K., Reichheld, F. F., & Schefter, P. (2002). ⼋年間の調査が明かす四つの落とし⽳ CRM 「失敗の本質」(顧客戦略の本質). Diamond ハーバード・ビジネス・レビュー, 27(7), 76-87.
    2︓Pfeifer, P. E. (2005). The optimal ratio of acquisition and retention costs. Journal of Targeting, Measurement and Analysis for Marketing, 13(2), 179-188.
    3: Fisher, A. (2001). Winning the battle for customers. Journal of Financial Services Marketing, 6(1), 77-83.
    4: Aaker, D.A. and Joachimsthaler, E.: Brand Leader-ship, The Free Press, New York (2000) (阿久津聡(訳)︓「ブランドリーダーシップ」,ダイヤモンド社,pp. 294-335 (2000))
    5︓Reichheld, F. (2006). The ultimate question. Harvard Business School Press, Boston.
    6︓Oliver, R. L. (1999). Whence consumer loyalty?. Journal of marketing, 63, 33-44.
    • 新規顧客の開拓より,既存顧客の維持の⽅が利益率が⾼くなる2,3
    • ⾼ロイヤルティの顧客は,ブランドの営業要員として役割を果たす4,5
    • 市場環境や企業活動が変化したとしても,継続購⼊の意思を持つ6

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  7. 成果の⼤部分は,全体を構成する⼀部の要素が⽣み出している
    パレートの法則に学ぶ優良顧客の重要性
    20%
    80%
    上位20%の顧客が 80%の収益を⽣む

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  8. 20対80対30の法則
    ロイヤルティの低い顧客を「⼿放せ」ば,企業の収益を押し上げることができる
    上位20%の顧客が 80%の収益を⽣み
    20%
    40%
    40%
    30%
    下位30%の顧客への
    対応で半分を失う
    Kotler, P. (2015). Marketing Management. Pearson.

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  9. ロイヤルティを重視しているか︖
    ⾼い利益率の企業
    顧客のロイヤルティ向上が命題
    顧客におのずと選ばれる
    優良顧客を⼤切にする
    優良顧客に販売してもらう
    指標はロイヤルティ
    低い利益率の企業
    ⽬先の販売が命題
    顧客に売る
    顧客はみんな平等
    営業スタッフが販売する
    指標が乱⽴ (好意, イメージ等)
    効率的かつ持続的な成⻑ 常に全速⼒だが低い成⻑

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  10. “平等”とは何か︖
    どれだけ⾼いロイヤルティを有し,
    どれだけ企業に利益をもたらしても,
    全ての消費者を同等に扱う
    資本主義的な”平等”
    社会主義的な”平等”
    ブランドに払った労⼒(⾦額・時間)を
    適切に評価し,各消費者の対価に⾒合う
    ように異なる内容で扱う
    ロイヤルティを⾼めるには,労⼒を割いてくれた消費者に報いる平等が求められる

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  11. 顧客も努⼒する
    1: Woolf, B. P. (1996). Customer specific marketing: the new power in retailing. Teal Books.
    ブランドと特別な繋がりを持てるなら,顧客も努⼒を惜しまない1
    (例) 航空会社のロイヤルティプログラム
    • 優先搭乗している顧客を⾒て「⼆度と利⽤しない」と考える顧客は稀
    • ステータス獲得に向けて”修⾏”する顧客が⽣まれる効果の⽅が⼤きい

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  12. ロイヤルティの⾼い顧客ほど,不⼿際の経験に腹を⽴てる1
    ブーメラン効果
    1︓Harvard Business Review. (2021). Why Customer Loyalty Programs Can Backfire. https://hbr.org/2021/05/why-customer-loyalty-programs-can-backfire
    • ロイヤルティの獲得には膨⼤な時間が必要だが,失うのは⼀瞬である
    • ロイヤルティの⾼い顧客を⼀般顧客と同様に考えてはリスクが⼤きい
    • 不満を与えないことを前提に,特別感という⼼理的価値を提供すべき

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  13. スイッチングコスト
    現在利⽤している商品・サービスから,別に乗り換える際に,
    消費者(買い⼿)が負担する⾦銭的・⼼理的な負担の⼤きさ
    • これまでのブランドへの投資(⾦額・時間)が⼤きい場合
    Ø 航空業界のように,貯めたマイルを捨てたくない
    Ø IT設備のように,従業員の教育投資をやりなおしたくない
    • 変更のリスクが⼤きい場合
    Ø 美容室のように,⾃分の好みを知ってる⼈から変えたくない
    Ø インフラ業界のように,変更による障害発⽣を嫌う
    しかし,不快な囲み⽅はロイヤルティを失う逆効果になる

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  14. 優良顧客より新規顧客を重視してしまう企業
    企業が⼤事にすべきはロイヤルティの⾼い優良顧客にもかかわらず,
    多くの企業が新規顧客の獲得の⽅を重視してしまう
    例︓
    • 携帯電話業界は,乗り換えによる割引キャンペーンを積極的に訴求
    するが,⻑い期間利⽤している顧客に対する訴求は乏しい
    • ⾃動⾞業界は,販売台数に着⽬しがちで,利⽤者数の公表は稀であ
    り,かつロイヤルティの⾼い顧客へのサービスが乏しい

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  15. 過度な販売拡⼤路線は,価値づくりを負のスパイラルに陥れる
    無理な拡⼤路線が招く⾚字転落
    ⽬標に対する
    商品⼒不⾜
    機能とコスト
    重視の開発
    消費者離れ
    研究開発費⽤
    の削減
    販売拡⼤の打ち出し

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  16. ⽬指す姿は「3つの喜び」
    本⽥技研⼯業. ホンダ7年史 3つの喜び. https://www.honda.co.jp/sou50/Yume/7year/s2610_02.html
    • 消費者が喜ぶ価値をつくり,
    • 販売スタッフが⾃信を持って販売でき,
    • 顧客は「買ってよかった」と喜ぶ
    顧客
    販売店
    メーカー
    創る喜び 売る喜び
    買う喜び
    消費者
    メーカー 販売店

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  17. 1. ロイヤルティは利益の源泉
    2. CRMの⽬的
    3. ロイヤルティの測定⽅法
    4. ロイヤルティの要因
    5. まとめ

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  18. CRM (Customer Relationship Management)の⽬的
    ⻑期的に顧客ロイヤリティを⾼め,効率的に利益を上げる経営⼿段
    CRMの⽬的
    ⻑期的に顧客ロイヤリティを築き上げ,利益の改善を図ること1.
    ⾼いロイヤルティの顧客の数が企業の業績を⽀える基盤である.
    CRMシステムの導⼊が⽬的に置き換わる
    ポイント付与や値引きが横⾏している
    eメールやダイレクトメールの開封率・応答率の向上に執着する
    散⾒されるCRMのプロジェクト

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  19. 思想なきCRMシステム導⼊の末路
    失敗する企業の傾向
    • ⽬的︓明確になし
    • 課題︓バラバラなデータの統合・可視化,⼀元管理など
    • 体制︓営業部⾨が要件定義,IT部⾨が開発・運⽤
    成功する企業の傾向
    • ⽬的︓⻑期的に顧客ロイヤリティを築き上げ,利益の改善を図る
    • 課題︓顧客のロイヤルティを下げる要因の改善
    • 体制︓研究開発・マーケティング・販売部⾨を横断し,
    商品・サービスを常に改善するプロセス(指標・体制・報酬)を整備

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  20. CRMの成功企業にある共通点
    1: Thompson, R. G. (2015). The best practice of customer relationship management, 32-40.
    経営課題として位置付けられ,顧客の声を経営層に定期報告
    位置付け
    研究開発/マーケティング/販売部⾨を横断して,商品・サービスを
    継続的に改善するプロセスとその報酬制度を整備
    体制
    顧客の価値を重要視し,価格には重きを置かない
    優先順位

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  21. ロイヤルティを⽣む理由を管理しているか︖
    「ロイヤルティが⾼く,その理由がコンセプトである」という状態があるべき姿
    認知
    購⼊意向
    ⽀払意思額
    ロイヤルティ
    コンセプト
    想起率

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  22. 値下げするべからず
    1: Nunes, J. C., & Drèze, X. (2006). Your loyalty program is betraying you. Harvard Business Review, 84(4), 124-131.
    ロイヤルティは,安易なポイントや値引きで獲得できるものではない1
    散⾒される安易な施策
    • 乱発される特別オファーという名の値引き
    • 貯める動機の乏しいポイント
    • 名ばかりで価値を伴わない”プレミアム”
    • 個⼈情報を濫⽤した過剰なパーソナライズ

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  23. 値引きに頼らないロイヤリティプログラムの例
    1: レクサス⾼岳. https://lexus.jp/lexus-dealer/dc/info/24756
    2: ANA.ステイタス別プレミアムメンバーサービス⼀覧. https://www.ana.co.jp/ja/jp/amc/reference/premium/service-comparison/
    3: Hyatt. https://world.hyatt.com/content/gp/ja/member-benefits/globalist.html?icamp=woh_hometier_globalist_en
    4: Uber. Introducing Uber Rewards. https://www.uber.com/ca/en/u/rewards/
    5: 川津のり. (2016). 注⽬⾼まるロイヤリティマーケティング. Financial Information Focus, 8, 10-11.
    特別感
    招待された顧客のみが資格を持てるセンチュリオン会員.
    発⾏数は限定されている.
    販売店での待ち時間にくつろぐことができる,オーナー専⽤
    ラウンジCLUB LEXUS.1
    時間の節約
    優先チェックインカウンター, ⼿荷物受け取りの優先,
    専⽤保安検査場, 優先搭乗などのステータスサービス.2
    グローバリスト会員になると,専⽤カウンターでの⼿続き,
    アーリーチェックイン・レイトチェックアウト等が可能に.3
    実⽤的な
    特典サービス
    柔軟なキャンセル,空港での優先ピックアップなど,
    ステータスに応じた特典を利⽤可能.4
    ロイヤルカスタマー認定を受けると,数回の事故であれば
    特別に保険料が据え置かれるサービスが受けられる.5

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  24. 値引きに頼らないロイヤリティプログラムの例
    1: レクサス⾼岳. https://lexus.jp/lexus-dealer/dc/info/24756
    2: ANA.ステイタス別プレミアムメンバーサービス⼀覧. https://www.ana.co.jp/ja/jp/amc/reference/premium/service-comparison/
    3: Hyatt. https://world.hyatt.com/content/gp/ja/member-benefits/globalist.html?icamp=woh_hometier_globalist_en
    4: Uber. Introducing Uber Rewards. https://www.uber.com/ca/en/u/rewards/
    5: 川津のり. (2016). 注⽬⾼まるロイヤリティマーケティング. Financial Information Focus, 8, 10-11.
    特別感
    招待された顧客のみが資格を持てるセンチュリオン会員.
    発⾏数は限定されている.
    販売店での待ち時間にくつろぐことができる,オーナー専⽤
    ラウンジCLUB LEXUS.1
    時間の節約
    優先チェックインカウンター, ⼿荷物受け取りの優先,
    専⽤保安検査場, 優先搭乗などのステータスサービス.2
    グローバリスト会員になると,専⽤カウンターでの⼿続き,
    アーリーチェックイン・レイトチェックアウト等が可能に.3
    実⽤的な
    特典サービス
    柔軟なキャンセル,空港での優先ピックアップなど,
    ステータスに応じた特典を利⽤可能.4
    ロイヤルカスタマー認定を受けると,数回の事故であれば
    特別に保険料が据え置かれるサービスが受けられる.5
    American
    Express
    Lexus
    ANA
    Hyatt
    Uber
    Progressive

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  25. ロイヤリティプログラムの注意点
    • サービスの基本的な質,特に安全性⾯での差はつけてはならない1
    • ⼀部の顧客を歓迎しない,排他的プログラムと受け取られない配慮が必要1
    • 名ばかりのプレミアム会員はロイヤリティを引き下げるため廃⽌すべき2
    • プライバシーを尊重し,望まないパーソナライズメールを送らない2
    • 安易な値引きやキャンペーンは控える2
    1: Nunes, P. F., Johnson, B. A. (2001). Are some customers more equal than others?. Harvard Business Review, 79(10), 37-40.
    2︓Mick, D., Fournier, G. S., Dobscha, S. (1998). Preventing the premature death of relationship marketing. Harvard Business Review, 76(1), 42-43.

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  26. 過度なパーソナライズは価値か︖

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  27. マーケティングの基本となるSTP
    Segmentation Positioning
    Targeting
    • デモグラフィック・サイコグラ
    フィックの消費者データに
    よって,市場を細分化
    (ニーズの理解)
    • 消費者の知覚における
    競合商品・サービスとの
    相対的位置の獲得
    • 各セグメントの市場規模
    や競合の動向を調査し,
    狙うセグメントを決定
    STP1
    市場の構造(セグメントのニーズ)を理解し,ターゲットを定め,
    消費者の知覚において優位なポジションを獲得する
    1: Kotler, P. (2015). Marketing Management. Pearson.

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  28. One-to-Oneマーケティングへ
    マスマーケティング One to Oneマーケティング
    すべての消費者に同じアプローチ 異質性を踏まえて個別のアプローチ
    近年は,個のデータを取得できるようになったことから,
    セグメント別ではなく個別のマーケティングへ

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  29. One-to-Oneマーケティングの問題点
    商品のラインナップを増やすほど,企業のコストが増加する
    コスト増加
    過剰な選択肢は,消費者に混乱を与え,各商品のブランド低下に
    ブランド低下
    企業だけが得をする広告に個⼈情報を乱⽤することは嫌悪感を与える
    消費者の嫌悪感
    キャンペーンの反応率向上に⽬的がすり替わり,価値づくりを怠ける
    従業員の思考停⽌

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  30. 「プライバシーを守る」という差別化
    圧倒的な価値につながらない限り,個⼈情報を収集されることには抵抗がある
    1: Apple.プライバシー. https://www.apple.com/jp/privacy/
    2: 瀧⼝範⼦. (2016) Apple対FBIの「ロック解除論争」. ⽇経ビジネス. 2/29, https://business.nikkei.com/atcl/report/15/061700004/022600085/
    プライバシーは基本的⼈権であり,Appleの中⼼にある⼤切な理念の⼀つ.
    ⾃分の情報を⾃分でコントロールできるようにApple製品を設計している.
    それが私たちの信じるイノベーションである.1
    個⼈情報に対するAppleの考え⽅
    • Safariのトラッキング防⽌によって,インターネット広告から追いかけられない
    • マップアプリは,⾏き先の履歴を保存せず,ID紐づけもしない
    • Siriは,Apple IDと結びつけず,個⼈情報を収集しない
    • FBIから犯罪捜査のための依頼でも,パスコードを開封することはしない2

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  31. GoogleのCookie廃⽌の決断
    • ChromeのサードパーティCookie*のサポートを段階的な廃⽌を発表1
    *第三者の広告主や広告サーバー等から送られるもので,Web上の⾏動を追跡し,
    リターゲティング広告に利⽤される
    • Chromeのプライバシーに対する配慮を強化する戦略へ1
    • AppleのSafariはサードパーティCookieを受け付けない2
    1: Lardinois, F. (2020). Google wants to phase out support for third-party cookies in Chrome within two years. TechCrunch, January 15,
    https://techcrunch.com/2020/01/14/google-wants-to-phase-out-support-for-third-party-cookies-in-chrome-within-two-years/
    2: ⽇経Xtrend. (2020). 「広告主」もがっかりグーグルのクッキー離脱 代替技術加速か. 1/23, https://xtrend.nikkei.com/atcl/contents/18/00109/00068/
    執拗かつ勝⼿に消費者を追いかけ回す個⼈情報の使い⽅に制約

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  32. 顧客情報を提供するモチベーション
    顧客データの収集・活⽤が顧客価値につながっているか︖
    情報提供のモチベーション高い
    情報提供のモチベーション低い
    顧客価値志向 ⽬先の売上志向
    顧客データを⽤いた商品・
    サービス価値向上が主⽬的
    (例)Google mapのGPS
    Youtubeの閲覧履歴
    顧客データ分析に基づく
    販売向上が主⽬的
    (例)望まないレコメンド
    販促キャンペーン

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  33. 在庫処分という難題

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  34. Burberryの在庫焼却処分問題
    1: BBC. (2018). Burberry burns bags, clothes and perfume worth millions. July 19, https://www.bbc.com/news/business-44885983
    2: Hanbury, M. (2018).もう燃やさない…… バーバリー、消費者の批判を受け、売れ残り商品の焼却処分を取り⽌め. Business Insider, September 12, https://www.businessinsider.jp/post-
    174734
    • Burberryは,値下げによってブランドを毀損しないために,⾐料品や
    ⾹⽔等約40億円相当の売れ残り商品を破壊・処分していたことが判明
    • ソーシャルメディア上で⾮倫理的かつ環境に悪いと激しく批判された
    • その後同社は,今後⼀切,売れ残り商品を燃やさないと発表した1,2
    値下げせずに,売れ残りを処分する⽅法の検討も,重要な課題

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  35. アパレル業界の在庫処分問題を解決するRename
    1: Fine. https://c-fine.jp/rename/
    “ブランド価値を守りながら,アパレル廃棄を減らす”1
    国内の年間供給数量約29億点に対し,消費数量は約14億点と⼤量の廃棄が発⽣.
    しかし,⼤幅な値下げ販売はブランド価値を低下させてしまう問題がある.
    そこで,ブランドタグの付け替え加⼯を⾏い,ブランド名を変更して再販する.
    Image from Fine

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  36. 1. ロイヤルティは利益の源泉
    2. CRMの⽬的
    3. ロイヤルティの測定⽅法
    4. ロイヤルティの要因
    5. まとめ

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  37. 単純な反復購⼊ ≠ ロイヤルティの⾼さから⽣まれる反復購⼊
    • ブランドにこだわりはなく,価格が安いから継続している
    • 会社から⾃宅の帰り途中にあるから継続している
    • 特に理由はないが,なんとなく継続している
    ⾒せかけのロイヤルティ
    Dick, A. S., & Basu, K. (1994). Customer loyalty: toward an integrated conceptual framework. Journal of the academy of marketing science, 22(2), 99-113.
    ⾒せかけの
    ロイヤルティ
    真の
    ロイヤルティ

    ­ 潜在的ロイヤルティ





    低 ⾼
    好意的態度
    反復購⼊ができない
    制約の理解が重要

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  38. ⾏動・態度の指標
    ⾏動指標
    • 再購⼊率
    次回の購⼊率
    • 購⼊⽐率
    商品カテゴリ内の購⼊シェア
    • 連続購⼊
    商品カテゴリ内の連続回数の平均値
    • 財布内シェア (Share of Wallet)
    商品カテゴリ内の⽀払⾦額のシェア
    態度指標
    • 好意度
    ブランドに対する好意
    • 満⾜度
    ブランドに対する満⾜
    • 推奨意向
    家族や友⼈へのブランドの推奨意向
    • 再購⼊意向
    次回の購⼊意向

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  39. 消費財と耐久消費財の特徴
    特徴
    利⽤⾏動データ
    購⼊⾏動
    業界
    購⼊検討期間
    購⼊⾏動データ
    (⾮耐久)消費財
    短期間使⽤・低価格
    (想定耐⽤年数が1年未満)
    データ量が少ない
    (アンケート調査)
    回数多い・買い替えサイクル短い
    飲料・⾷品・洗剤・化粧品
    短い
    (衝動買い・試し買いもあり)
    データ量が多い
    (POSデータ・オンライン販売)
    耐久消費財
    ⻑期間使⽤・⾼価格
    (想定耐⽤年数が1年以上)
    データ量が多い
    (操作履歴・移動履歴)
    回数少ない・買い替えサイクル⻑い
    ⾃動⾞・家電・家具・家
    ⻑い
    (事前にWebサイト・⼝コミを検索)
    データ量が少ない
    (⾃社店舗の有無でも差があり)

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  40. 「わからない」の回答率
    購⼊後の経過年
    ⾃動⾞業界における再購⼊意向を聴取した時の「わからない」の割合
    耐久消費財における「再購⼊⾏動・意向」の難しさ
    Kato, T. (2019). Loyalty management in durable consumer goods: trends in the influence of recommendation intention on repurchase intention by time after purchase.
    Journal of Marketing Analytics, 7(2), 76-83.
    全体 購⼊経過年別
    わからない
    26.5%

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  41. ロイヤルティを測定する”究極の質問”︓推奨意向
    1: Aaker, D. A. (1991). Managing brand equity. Free Press. (陶⼭計介ら訳. (1994). ブランド・エクイティ戦略. ダイヤモンド社)
    2: Reichheld, F.F. (2006). The Ultimate Question. Harvard Business School Press.
    「このブランドを友⼈や同僚に紹介したいと思いますか︖」2
    • 「ロイヤルティ」等の抽象的単語を使わず,実感を持って回答できる
    • 被験者の負荷を上げてしまう⼤量の質問をせずに,回答品質を保てる
    • ⾼度な技術が不要で,時期を問わず,タイムリーに聴取できる
    他⼈に推奨するほどの確信はブランドへの強いコミットメントの表れ1

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  42. 推奨意向・満⾜度・好意度
    満⾜や好意と⽐較して⼼理的ハードルが⾼いゆえ,その向上に対する価値が⼤きい
    加藤拓⺒. (2020).⾃動⾞業界の企業・商品・販売会社を横断した再購⼊意向の要因. ⽇本経営⼯学会論⽂誌.
    ⾃動⾞業界を対象に7段階で聴取した平均値
    4.811
    4.754 4.736
    5.268
    5.441
    5.039
    5.313
    5.538
    5.058

























































    ⼼理的ハードルが最も⾼い

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  43. 推奨意向の指標化
    中⽴者を加算しないことで指標の無意味な増加を避け,厳しい評価を⾏う
    推奨者の正味⽐率 = 推奨者の割合 - 批判者の割合1
    (Net Promoter Score, NPS)
    0 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10
    まったく
    紹介したくない
    ぜひ
    紹介したい
    どちら
    でもない
    批判者
    Detractors
    中⽴者
    Passives
    推奨者
    Promoters
    Axa, BBC, General Motors, Microsoft, Facebook, Lego, P&G等が
    報道機関や財務⽂書でNPSをロイヤルティ指標として採⽤していることを公表2
    1: Reichheld, F.F. (2006). The Ultimate Question. Harvard Business School Press.
    2: BAIN & COMPANY.Companies That Use Net Promoter, http://www.netpromotersystem.com/about/companies-using-nps.aspx (last accessed March 15, 2020)

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  44. 推奨者の正味⽐率と利益成⻑率の関係
    Reichheld, F. F. (2003). The one number you need to grow. Harvard business review, 81(12), 46-55.

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  45. 「満⾜」で満⾜してしまう企業が多いが,それではロイヤルティを獲得できていない懸念
    Jones, T. O., Sasser, W. E. (1995). Why satisfied customers defect. Harvard business review, 73(6), 88-99.
    “満⾜”ではなく“完全な満⾜”
    どちらともいえない 不満⾜ 完全に不満⾜
    完全に満⾜ 満⾜
    両者には決定的な差がある
    ゼロックスの⾒解
    完全に満⾜している顧客は,満⾜している顧客よりも,
    1年半の間に再購⼊する確率が6倍も⾼くなる

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  46. ロイヤルティを獲得するには,ある程度の満⾜ではなく,”完全な満⾜”が必要
    Jones, T. O., Sasser, W. E. (1995). Why satisfied customers defect. Harvard business review, 73(6), 88-99.
    ⾼いロイヤルティがあるのは“完全な満⾜”の顧客
    再購⼊意向
    競争が
    激しい分野
    競争が少ない分野
    (規制・代替品が少)

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  47. ⾮財務指標の導⼊にあたっての注意
    Mauboussin, M. J. (2012). The true measures of success. Harvard Business Review, 90(10), 46-56.
    • ロイヤルティや従業員満⾜等の⾮財務指標を経営指標にしている企業は多い.
    しかし,その改善がいくらの利益に貢献するかも把握していないことが多い.
    • ⾮財務指標に意味がないわけではなく,問題は財務指標に対する効果が不透
    明な中,漠然と計測・改善に取り組んでいることである.
    • 実際,⼿間をかけて,⾮財務指標の効果を明らかにした企業は,そのような
    取り組みをしなかった企業に⽐べて,経営業績が⾼いことが明らかになった.

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  48. 1. ロイヤルティは利益の源泉
    2. CRMの⽬的
    3. ロイヤルティの測定⽅法
    4. ロイヤルティの要因
    5. まとめ

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  49. ロイヤルティの要因は多様に存在するため,
    ⾃社の資産を俯瞰した”ビジネスの地図”を持つべき

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  50. ⾃動⾞業界におけるロイヤルティの要因
    先進的な
    創造的な
    挑戦的な
    企業ブランドイメージ
    0.878***
    0.873***
    0.811***
    快適性能
    安全性能
    ステータス
    商品の魅⼒
    0.825***
    0.747***
    イスの座りやすさ
    清潔さ
    商談時の飲み物
    販社店舗の魅⼒
    0.837***
    0.812***
    信頼性の⾼さ
    対応の迅速さ
    相談のしやすさ
    販社スタッフの魅⼒
    0.902***
    0.886***
    0.857***
    ロードサービス
    事故対応
    盗難対応
    アフターサービスの魅⼒
    0.855***
    0.829***
    0.794***
    企業 商品 販社
    推奨意向
    0.917*** 0.818*** 0.867***
    再購⼊意向
    サービス利⽤状況
    商品への満⾜度
    商品への好意度
    商品満⾜度
    0.927***
    0.944***
    0.356***
    0.253***
    0.078*
    0.172***
    0.132*
    0.134***
    0.392***
    0.159 ***
    0.258***
    0.057*
    0.588***
    0.138***
    CFI︓0.970, GFI︓0.951, AGFI︓0.930, RMSEA︓0.052, SRMR: 0.030
    *** p<0.001, ** p<0.01, * p<0.05
    0.830***
    0.780***
    加藤拓⺒. (2020). ⾃動⾞業界の企業・商品・販売会社を横断した再購⼊意向の要因. ⽇本経営⼯学会論⽂誌, 71(1), 12-23.
    俯瞰する”ビジネスの地図”を持つことで,優先順位が明確になる

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  51. オペレーションの透明性
    Buell, R. W. (2019). Operational Transparency: Make Your Processes Visible to Customers and Your Customers Visible to Employees. 97(4), 102–113.
    オペレーションを隠すと,顧客は⽣み出されている価値を理解しにくい
    • 顧客がATMを多⽤し,窓⼝と接しなくなると,銀⾏に対する満⾜度が低下する
    • 航空券の検索中に「これまでX件該当」と表⽰した⽅が評価が⾼くなる
    • 財布における原料費等のコストを開⽰した⽅が売上が増加する
    ※⾼級ブランドの魔法を解いてしまう,オペレーションが他社より劣っていることが露呈する等の該当しないケースもある

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  52. 1: ⽇本経済新聞. (2014). 電⼒⼩売りを完全⾃由化 改正電気事業法が成⽴. 6/11, https://www.nikkei.com/article/DGXNASFS1003X_R10C14A6MM0000/
    2: 中央社会保険医療協議会. (2010). 新薬の研究開発環境と製薬業界の課題について. 6/23, https://www.mhlw.go.jp/shingi/2010/06/dl/s0623-2f.pdf
    3: 篠原匡ら. (2019). 潜在利⽤者24億⼈、フェイスブックのリブラが国家に突きつけた挑戦状, 9/27, https://business.nikkei.com/atcl/NBD/19/special/00221/
    競争が少ない分野のリスク要因
    電⼒業界 製薬業界 ⾦融業界
    規制の撤廃 特許保護の喪失 新技術の出現
    電⼒の⼩売⾃由化
    による他業界の参⼊1
    多くの⼤型商品が特許
    切れとなる2010年問題2
    ブロックチェーンによる
    中央銀⾏の地位低下懸念3

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  53. アジェンダ
    1. ロイヤルティは利益の源泉
    2. CRMの⽬的
    3. ロイヤルティの測定⽅法
    4. ロイヤルティの要因
    5. まとめ

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  54. まとめ
    • 新規顧客を開拓するより,既存顧客をリピーターとして確保する⽅が
    効率が良く,ロイヤルティは,利益を効率的に上げる源泉である
    • 「単純な反復購⼊ ≠ ロイヤルティの⾼さから⽣まれる反復購⼊」で
    あり,⾒せかけのロイヤルティと真のロイヤルティは区別すべき
    • ロイヤルティは,安易なポイントや値引きで獲得できるものではない
    • CRMの⽬的は,⻑期的に顧客ロイヤリティを築き上げ,利益の改善を
    図ることであり,システムを導⼊・運⽤することではない

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