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日本の薬価制度の基本のキ

adeyu
April 22, 2021

 日本の薬価制度の基本のキ

知っておきたいあの話vol.5

adeyu

April 22, 2021
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  1. 薬価制度を含む医療経済性は新薬の承認後に待ち受けるハードル Pre-Clinical Phase1 Phase2 Phase3 申請 承認 6 Market Access

    新薬の承認ではこれらを評価 • 品質 • 有効性 • 安全性 承認後にはこれらが問題 • 医療経済性 • 財政 はじめに 歴史 現行制度 改革 おわり
  2. 9 日本の薬価制度の歴史 本日お話する内容 1 2 3 4 現行の薬価制度 課題と薬価制度改革 まとめ

    資料は配布予定で、基本的に出典のリンクをつけています。適時ご活用ください。 2021-Apr-22時点での内容ですので、時間が経つと当てはまらなくなります。
  3. 薬価制度の起こり 1927 健康保険法 都道府県単位の人頭請負方式(1人当たり定額で計算する方式で、受診率等により補正) 1943 点数定額方式の導入 薬治料 = 処方料 +

    調剤料 + 薬剤料 薬治料は使用薬剤の価格とは関係ない(例:内服薬について1剤1日1点) 1947 点数表改定 「使用内服薬の統制価格が1点単価の3分の1以上の場合の点数は別に定める」 はじめて薬剤の価格と点数が関連付けられた 1950 第一回薬価調査・薬価基準の策定 医薬品の保険償還価格は医療機関の購入価格とする 薬価基準は主要医薬品の医療機関向け価格の標準を示したもので、実際の価格は薬価基準をもとに各都道府県知事が地域の実情を考慮して定める 1955 薬価基準改定 薬価は全国一律で厚生大臣が定める 1957 療養担当規則改定 「保険医は厚生大臣の定める医薬品以外の医薬品を患者に施用し、または処方してはならない」 1958 新医療費体系導入 「使用薬剤の価格は別に厚生大臣が定める」 11 小黒一正; 菅原琢磨. 薬価の経済学 (日本経済新聞出版) (Kindle の位置No.521). 日本経済新聞出版社. Kindle 版. 統 制 価 格 はじめに 歴史 現行制度 改革 おわり
  4. 保険診療に用いられる医療用医薬品の一覧・価格表として「薬価基準」がある 薬価制度は公的医療保険制度の一部 12 保険診療 健康増進 医療とは、狭義には診療(診断と治療:diagnosis and treatment)すなわち、 医の行為(medical care)であり、広義には健康に関するお世話(health

    care) である。Health Careとは、保健・医療・福祉を含む広い意味であり、療養ともいう。 全日本病院協会. 病院のあり方に関する報告書2015-2016年版. https://www.ajha.or.jp/voice/arikata/2016/ 医療 保険診療とは、健康保険等の公的医療保険制度が適用される診療 保険診療として診療報酬が支払われるには次の条件を満たさなければならない ① 保険医が ② 保険医療機関において ③ 健康保険法、医師法、医療法、薬機法等の各種関係法令の規定を遵守し ④ 『療養担当規則』の規定を遵守し ⑤ 医学的に妥当適切な診療を行い ⑥ 診療報酬点数表に定められたとおりに請求を行っていること 厚生労働省. 保険診療の理解のために. https://www.mhlw.go.jp/content/000544888.pdf 薬価 はじめに 歴史 現行制度 改革 おわり
  5. これまで診療報酬本体の上方改定の財源として薬価引き下げが用いられてきた側面がある 13 -2.8 -1.7 -1.4 -1 -1.8 -1.2 -1.36 -1.38

    -0.63 -1.22 -1.65 1.5 1.9 -1.3 0 0.36 0.38 -1.55 1.38 0.73 0.49 0.55 -4 -3 -2 -1 0 1 2 3 1998 2000 2002 2004 2006 2008 2010 2012 2014 2016 2018 診療報酬改定率 (%) 診療報酬改定率(薬価・診療報酬本体) 薬価 診療報酬本体 中医協. 診療報酬改定について. はじめに 歴史 現行制度 改革 おわり
  6. 中央社会保険医療協議会(中医協) 16 https://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12404000-Hokenkyoku-Iryouka/0000146537.pdf 委員名簿(2021年4月14日時点)https://www.mhlw.go.jp/content/12404000/000768141.pdf 中央社会保険医療協議会 総会 専門部会 特に専門的事項を調査審議させるため必要があるとき 診療報酬改定結果 検証部会

    診療報酬が医療現場等に 与えた影響等について審議 薬価専門部会 薬価の価格算定ルールを審議 費用対効果評価 専門部会 医療保険制度における 費用対効果評価導入のあり方 について審議 保険医療材料 専門部会 保険医療材料の 価格算定ルールを審議 小委員会 特定の事項について あらかじめ意見調整を 行う必要があるとき 診療報酬基本問題 小委員会 基本的な問題について あらかじめ意見調整を行う 調査実施小委員会 医療経済実態調査について あらかじめ意見調整を行う 専門組織 薬価算定、材料の適用及び技術的課題等について 調査審議する必要があるとき 薬価算定組織 新薬の薬価算定等 についての調査審議 保険医療材料等 専門組織 特定保険医療材料及び 体外診断用医薬品の保険適用 についての調査審議 費用対効果評価 専門組織 医薬品及び医療機器の 費用対効果評価について 調査審議 診療報酬調査 専門組織 診療報酬体系の見直しに係る 技術的課題の調査・検討 支払側委員 7人 健康保険・船員保険・国民健康保険 の保険者・被保険 者、事業主、船舶所有者を 代表する委員 社会保険医療協議会法第1条 第1項1号に基づくため 一号委員と呼ばれる 診療側委員 7人 医師、歯科医師、 薬剤師を代表する委員 二号委員と呼ばれる 公益委員 6人 公益を代表する委員 三号委員と呼ばれる 専門委員 10人以内 専門の事項を審議するために、都度置かれる はじめに 歴史 現行制度 改革 おわり
  7. 新医薬品の申請から承認までの流れ 18 https://www.pmda.go.jp/review-services/drug-reviews/about-reviews/p-drugs/0014.html 申請者 PMDA 厚労省 製 造 販 売

    承 認 申 請 初 回 面 談 重 要 事 項 照 会 専 門 協 議 審 査 報 告 書 作 成 終 了 製 造 販 売 承 認 部 会 審 議 2.3-2.8 0.5-0.7 5.1-6.8 1.2-2.0 0.7-1.6 信頼性調査 GMP調査 Month(s) [IQR] はじめに 歴史 現行制度 改革 おわり 薬事・食品衛生審議会
  8. 申請者 厚労省 新医薬品の承認から薬価収載までの流れ 20 薬 価 収 載 希 望

    書 の 提 出 製 造 販 売 承 認 薬 価 算 定 組 織 薬 価 算 定 組 織 算 定 案 通 知 不 服 意 見 書 提 出 検 討 結 果 通 知 中 医 協 総 会 報 告 ・ 了 承 薬 価 収 載 Month(s) [IQR] 原則60日以内(遅くとも90日以内) 厚 労 省 原 案 作 成 薬 価 算 定 組 織 案 決 定 薬 価 算 定 組 織 で 検 討 はじめに 歴史 現行制度 改革 おわり 部 会 で の 了 承 後 、 大 臣 の 承 認 前 に 提 出 す る こ と が 一 般 的
  9. 新医薬品の薬価算定方式 21 新医薬品 類似薬効比較方式 原価算定方式 類似薬効比較方式(Ⅰ) 類似薬効比較方式(Ⅱ) 薬価 規格間調整 規格間調整

    類似薬がある? YES NO 新規性がある? YES NO 補正加算 外国平均価格調整 補正加算 以下の条件をすべて満たすものは新規性が乏しいと判断 • 補正加算の対象外 • 薬理作用類似薬が3つ以上存在 • 最も古い薬理作用類似薬の薬価収載から3年以上経過 はじめに 歴史 現行制度 改革 おわり
  10. 算定方式に基づき、加算・調整が加えられる 補正加算 23 https://answers.ten-navi.com/newsplus/14330/; https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-12400000-Hokenkyoku/0000038891.pdf 規格間調整 最もよく使われる汎用規格以外の規格(非汎用規格)につ いて、薬価が類似薬の汎用規格と非汎用規格の比率と同じ になるように調整 外国平均価格調整

    欧米主要国との価格差が大きくならないようにする アメリカ、イギリス、ドイツ、フランスの4カ国の平均価 格と比べて、高すぎる場合は引き下げ、安すぎる場合には 引き上げの調整を実施 加算名 加算率 (%) 画期性加算 70-120 有用性加算(Ⅰ) 35-60 有用性加算(Ⅱ) 5-30 市場性加算(Ⅰ) 10-20 市場性加算(Ⅱ) 5 小児加算 5-20 さきがけ審査指定制度加算 10-20 はじめに 歴史 現行制度 改革 おわり
  11. 既収載品の薬価算定方式 薬価調査 • 薬価改定のための市場実態把握等を目的に厚生労働省が実施する調査で、販 売側(主に医薬品卸)と購入側(医療機関・薬局)それぞれへの調査からな り、薬価基準収載されている医薬品の品目ごとの販売(購入)価格及び数量 を調査する • 2018年度改定時には、販売側として医薬品卸の営業所などの全数である 6291カ所、購入側として病院864、診療所1036、薬局1926に対するサンプリ

    ング調査が実施された その他、後発品への置き換えが進まない品目に対する特例引き下げ、配合剤の 薬価改定、市場拡大再算定・特例拡大再算定などがある 詳しくは厚生労働省保険局「現行の薬価基準制度について」や「薬価算定の基準について」をご参照ください。 24 https://answers.ten-navi.com/newsplus/14344/ https://www.mhlw.go.jp/content/000497468.pdf 新薬価 はじめに 歴史 現行制度 改革 おわり “ただし、改定前薬価(税込み)を上限とする。”
  12. オプジーボは段階的に薬価引き下げが行われた 27 2014-09 2017-02 2018-04 2018-11 オプジーボ 1バイアル(100 mg/10 ml)の薬価

    72万9849円 36万4925円 27万8029円 17万3768円 -50.0% -76.2% 薬価収載 緊急薬価改定 (特例市場拡大再算定) 薬価改定 薬価改定 (新薬収載と同時の再算定) -37.5% 2014-Jul NSCLC RCC HL -23.8% Head & neck cancer Gastric cancer Mesothelioma Melanoma 2015-Dec 2016 2017 2018-Aug 年間推定患者数470人 15000人 30倍 売上予測41倍 はじめに 歴史 現行制度 改革 おわり 2021年4月1日現在 175,211円
  13. 世界の医療用医薬品市場は堅調に推移する一方、日本は成長低迷 28 888.2 963.4 964.2 993.8 1055.9 1066.6 1109.4 1139.5

    1198.2 0 500 1000 1500 2010 2011 2012 2013 2014 2015 2016 2017 2018 USD billion Global Drug Market 8.9 9.5 9.5 9.8 10 10.6 10.6 10.5 10.3 10.6 8 9 10 11 2010 2011 2012 2013 2014 2015 2016 2017 2018 2019 JPY trillion Drug Market in Japan Market in 2019 CAGR 2014-2019 Market Outlook in 2024 CAGR 2020-2024 USD billion Ratio % % USD billion Ratio % % Global 1250.4 NA 4.7 1570 - 1600 NA 3 - 6 US 510.3 40.8 4.3 605 - 635 37.8 - 40.4 3 - 6 UK 28.7 2.3 4.5 37 - 41 2.3 - 2.6 4 - 7 Germany 52.1 4.2 4.9 65 - 75 4.1 - 4.8 4 - 7 Japan 87.0 7.0 -0.2 88 - 98 5.5 - 6.2 -3 - 0 China 141.6 11.3 6.7 165 - 195 10.3 - 12.4 5 - 8 世界の医療用医薬品市場は高齢化や経済の発展を背景に堅調に推移 一方で、日本の医療用医薬品市場は薬価の抑制圧力や後発品の使用拡大の影響で、市場規模はほぼ横ばい IQVIA. The Global Use of Medicine in 2019 and Outlook to 2023; IQVIA. Global Medicine Spending and Usage Trends Outlook to 2024; 日本製薬工業協会. DATABOOK2020 はじめに 歴史 現行制度 改革 おわり
  14. 薬剤費は増加しているが、国民医療費に占める割合はおおむね横ばい 31 https://www.mhlw.go.jp/content/12404000/000564143.pdf 24.4 25.8 27.0 28.5 28.9 29.6 30.7

    30.1 31.1 31.0 31.5 32.1 33.1 33.1 34.1 34.8 36.0 37.4 38.6 39.2 40.1 40.8 42.4 42.1 43.1 6.9 6.7 7.3 7.0 6.7 6.0 6.0 6.1 6.4 6.4 6.9 6.9 7.3 7.1 7.4 7.4 8.0 7.9 8.4 8.5 8.9 9.0 9.6 9.2 9.5 28.5 26.1 27 24.5 23.3 20.1 19.6 20.2 20.6 20.7 21.9 21.5 22.1 21.4 21.7 21.2 22.3 21.1 21.9 21.7 22.1 21.9 22.6 21.9 22 0 10 20 30 40 50 60 70 0 5 10 15 20 25 30 35 40 45 50 1993 1994 1995 1996 1997 1998 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013 2014 2015 2016 2017 比率(%) 金額(兆円) 国民医療費(兆円) 薬剤費(兆円) 薬剤費比率 (%) はじめに 歴史 現行制度 改革 おわり
  15. 国民医療費及び薬剤費の推移 32 • 国民医療費(厚生労働省政策統括官付参事官付保健統計室調べ)は、当該年度内の医療機関 等における傷病の治療 に要する費用を推計したものであり、医療保険の医療費総額に、労災、 原因者負担(公害健康被害等)、全額自己負担、鍼灸等を加えたものである。 • 薬剤費は、労災等においても医療保険と同じ割合で薬剤が使用されたものと仮定し、国民医 療費に医療保険における薬剤費比率をかけて推計している。DPCを始めとする薬剤費が入院料

    に包括して算定される場合の薬剤費は含まれていない。 • 平成12年度の介護保険の創設により国民医療費の一部が介護保険へ移行。 DPC(Diagnosis Procedure Combination): 急性期入院医療の診断群分類に基づく1日当たりの包括評価制度 厚生労働省. https://www.mhlw.go.jp/content/12404000/000564143.pdf; 日本総研. 薬剤費の推計−2001~2017年度.; JR Iレビュー 2013 Vol.4, No.5. https://www.jri.co.jp/MediaLibrary/file/report/jrireview/pdf/6700.pdf はじめに 歴史 現行制度 改革 おわり
  16. 現行制度下での問題点とジレンマ 国民皆保険制度の維持のためには、医療費を圧縮する必要がある • 国民医療費は高齢化などの影響もあり増大している • 税収に比して支出が増大し、公債で補填する構図は長くはもたない 36 はじめに 歴史 現行制度

    改革 おわり → ← イノベーションを推進しないと、誰も新しいものを作らなくなってしまう • 医薬品市場の成長は低迷 • 後発品の普及促進で創薬には向かい風 薬価 薬価制度改革 薬剤費は(国民医療費に占める割合はおおむね横ばいであるものの)増大している 現行の薬価制度は高額薬剤に柔軟に対応できていない 地域医療構想 地域医療構想で病床数を削減し、医療費の適正化を図る
  17. 薬価制度の抜本改革に向けた基本方針 2016年12月21日 薬価制度の抜本改革 1. 保険収載後の状況の変化に対応できるよう、効能追加等に伴う一定規模以上の市場拡大に速やかに 対応するため、新薬収載の機会を最大限活用して、年4回薬価を見直す。 2. 市場実勢価格を適時に薬価に反映して国民負担を抑制するため、全品を対象に、毎年薬価調査を行 い、その結果に基づき薬価改定を行う。 そのため、現在2年に1回行われている薬価調査に加え、

    その間の年においても、大手事業者等を対象に調査を行い、価格乖離の大きな品目について薬価改 定を行う。 3. 革新的新薬創出を促進するため、新薬創出・適応外薬解消等促進加算制度をゼロベースで抜本的に 見直すこととし、これとあわせて、費用対効果の高い薬には薬価を引き上げることを含め費用対効 果評価を本格的に導入すること等により、真に有効な医薬品を適切に見極めてイノベーションを評 価し、研究開発投資の促進を図る。 38 https://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12404000-Hokenkyoku-Iryouka/0000146567.pdf 費用対効果評価制度の導入 毎年薬価改定 新薬収載と同時の再算定 はじめに 歴史 現行制度 改革 おわり
  18. 薬価制度の抜本改革に向けた基本方針 2016年12月21日 改革とあわせた今後の取組み 1. 薬価算定方式の正確性・透明性を徹底する。具体的には、製薬企業にとって機密性の高い情報に配慮しつつ、薬価算定の根拠の明確化や薬価 算定プロセスの透明性向上について検討し、結論を得る。また、特に高額医薬品等について、制度の差異を踏まえつつ外国価格をより正確に 把握するなど、外国価格調整の方法の改善を検討し、結論を得る。 2. 薬価制度の改革により影響を受ける関係者の経営実態につい ても機動的に把握し、その結果を踏まえ、必要に応じて対応を検討し、結論を得

    る。 3. 我が国の製薬産業について、長期収載品に依存するモデルから、より高い創薬力を持つ産業構造に転換するため、革新的バイオ医薬品及びバ イオシミラーの研究開発支援方策等の拡充を検討するとともに、ベンチャー企業への支援、後発医薬品企業の市場での競争促進を検討し、結 論を得る。 4. 安定的な医薬品流通が確保されるよう、経営実態に配慮しつ つ、流通の効率化を進めるとともに、流通改善の推進、市場環境に伴う収益構造 への適切な対処を進める。特に、適切な価格形成を促進するため、単品単価契約の推進と早期妥結の促進について効果的な施策を検討し、結 論を得る。 5. 評価の確立した新たな医療技術について、費用対効果を踏まえつつ国民に迅速に提供するための方策の在り方について検討し、結論を得る。 39 https://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12404000-Hokenkyoku-Iryouka/0000146567.pdf はじめに 歴史 現行制度 改革 おわり
  19. 令和3年度薬価改定の対象品目 価格乖離の大きな品目について薬価改定を行う 厚生労働省. 薬価制度の抜本改革に向けた基本方針(2016年12月21日). https://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12404000-Hokenkyoku-Iryouka/0000146567.pdf 毎年薬価改定の初年度である令和3年度薬価改定について、令和2年薬 価調査に 基づき、以下のとおり実施する。 改定の対象範囲については、国民負担軽減の観点からできる限り広くす ることが

    適当である状況のもと、平均乖離率8%の0.5倍~0.75倍の中間 である0.625倍 (乖離率5%)を超える、価格乖離の大きな品目を対象 とする。 また、「経済財政運営と改革の基本方針2020」(令和2年7月17日)に 基づき、 新型コロナウイルス感染症による影響を勘案し、令和2年薬価 調査の平均乖離率が、 同じく改定半年後に実施した平成30年薬価調査の 平均乖離率を0.8%上回ったこと を考慮し、これを「新型コロナウイルス 感染症による影響」と見なした上で、「新 型コロナウイルス感染症特 例」として薬価の削減幅を0.8%分緩和する。 毎年薬価改定の実現について(令和2年12月17日 内閣官房長官、財務大臣、厚生労働大臣合意) 41 https://www.mhlw.go.jp/content/12404000/000703122.pdf; https://www.mhlw.go.jp/content/12404000/000706836.pdf; https://www.mhlw.go.jp/content/12404000/000564143.pdf 7.1 6.3 8 6.9 8.4 8.4 8.2 8.8 9.1 0 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 2001 2003 2005 2007 2009 2011 2013 2015 2017 % 推定乖離率 はじめに 歴史 現行制度 改革 おわり
  20. 新薬創出加算における企業指標の見直し 指標の内容 A-1 国内試験(日本を含む国際共同試験を含む) (実施数)(PhaseⅡ以降) 上位25% 4pt 中位50% 2pt A-2

    新薬収載実績(収載成分数) (過去5年) 上位25% 4pt 中位50% 2pt A-3 革新的新薬(※2)の収載実績(過去5年) 実績あり 2pt A-4 薬剤耐性菌の治療薬(※3)の収載実績(過 去5年) 1品目について2pt B-1 開発公募品(開発着手数) (過去5年)(B-2分を除く) 1品目について2pt B-2 開発公募品(承認取得数) (過去5年) 1品目について2pt C 世界に先駆けた新薬の開発(品目数) (過去5年) 1品目について2pt 44 区分 Ⅰ Ⅱ Ⅲ 範囲 上位25% Ⅰ、Ⅲ以 外 最低点数 加算係数 1.0 0.9 0.8 企業指標 分類方法 https://www.mhlw.go.jp/content/12400000/000607236.pdf ※1 新薬創出等加算対象品目又は新規作用機序医薬 品を1成分相当、それ以外の新薬を2/3成分相当とし て計算する。 ※2 新薬創出等加算対象品目又は新規作用機序医薬 品 ※3 薬剤耐性菌の治療に用いるもので、薬事審査に おいて薬剤耐性菌に対する治療効果が明確になった ものに限る。 令和2年度薬価制度改革で追加 はじめに 歴史 現行制度 改革 おわり
  21. 費用対効果評価によりキムリアおよびテリルジーの薬価が引下げ 47 https://www.mixonline.jp/tabid55.html?artid=70962; https://answers.ten-navi.com/pharmanews/20890/; https://c2h.niph.go.jp/tools/system/notification_drug_pricing.pdf; https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000212500_00093.html はじめに 歴史 現行制度 改革

    おわり 2021年4月14日、初の費用対効果評価の適応となる2品目の新薬価について中医協総会で了承 キムリア点滴静注(Novartis) テリルジー100エリプタ30吸入用(GSK) 3411万3655円 現行薬価 8853.80円 3264万7761円 新薬価 8805.10円 △146万5894円(4.3%) 変化 △48.7円(0.55%)
  22. HEOR (Health Economics and Outcome Research) やHTAの用語の定義はあいまい? 医療技術評価(HTA: Health Technology

    Assessment) 医療技術の臨床的有効性、費用対効果や、より幅広く患者や医療保険制度に与える 影響を、エビデンスを用いて評価するプロセス 国際医薬経済・アウトカム研究学会(ISPOR) 当該医療技術特有の医学的背景及び利用可能な代替選択肢を考慮に入れ、医学的、 経済的、組織的、社会的、法的そして倫理的な観点から当該技術の影響を評価する 学際的領域である。HTAの範囲と手法は、それぞれの医療制度のニーズに合わせて 応用することができるが、HTAのプロセスと手法については、透明性、体系性、科 学的妥当性を担保すべきである。 国際医療技術評価学会(HTAi) 48 国際医薬経済・アウトカム研究学会 (2014). ISPOR用語集 (Health care cost, quality, and outcomes: ISPOR book of terms) 費用効果分析 医療技術評価 はじめに 歴史 現行制度 改革 おわり
  23. 医療経済評価の手法 49 分析手法 費用 効果 分析結果 費用最小化分析 Cost minimization analysis

    (CMA) Money - (同一の効果の場合に使う) Money 費用効果分析 Cost-effectiveness analysis (CEA) Money Effectiveness Eg. Life-Year Gained, BP reduction Cost-Effectiveness Ratio Eg. Cost/LYG 費用効用分析 Cost-utility analysis (CUA) Money Utility QALYs Cost-Utility Ratio Cost/QALY 費用便益分析 Cost-benefit analysis (CBA) Money Money (効果を金銭に換算) Money 100円 50円 費用最小化分析 費用便益分析 100円 → はじめに 歴史 現行制度 改革 おわり
  24. 費用対効果 50 B A Ax Ay Bx By Cost Effect

    Cost/Effect = Ay/Ax Cost/Effect = By/Bx 費用効果比 CER (Cost-Effectiveness Ratio) = Cost Effect 増分費用効果比 ICER (Incremental Cost-Effectiveness Ratio) = ∆Cost ∆Effect 費用効果平面 Cost Effectiveness Plane CostとEffectを軸に持つ平面 はじめに 歴史 現行制度 改革 おわり
  25. Utilityには原則QALYが用いられ ΔCost/ΔQALYが基準値を超えた場合には値に応じて加算部分の価格を段階的に引き下げる調整が行われる 増分費用効果比 ICER (Incremental Cost-Effectiveness Ratio) 51 Cost difference

    (ΔC) Effect difference (ΔE) B 新薬 A 既存薬 はじめに 歴史 現行制度 改革 おわり New treatment more effective but more costly New treatment dominates Existing treatment dominated New treatment less effective but less costly ドミナント dominant 傾き = ICER = ∆Cost ∆Effect QOL Time (year) ΔE A 1 0 B QALY = QOL×Year = ΔQALY
  26. 増分費用効果比 ICER (Incremental Cost-Effectiveness Ratio) 500万 52 Cost difference (ΔC)

    Effect difference (ΔE) B 新薬 はじめに 歴史 現行制度 改革 おわり 比較対照技術に対して費用が削減される品目(ICERが算出不 能な品目)等については、価格の引き上げ調整 1. 比較対照品目(技術)に対し効果が増加し(または同 等であり)、費用が削減される場合(ドミナント等) 2. ICERが200万円/QALY未満の場合に該当し、一定の条 件を満たす品目 750万 1000万 200万 中医協. 費用対効果評価制度の当面の運用について. https://www.mhlw.go.jp/content/12404000/000736552.pdf = ΔQALY 傾き = ICER = ∆Cost ∆Effect QOL Time (year) ΔE A 1 0 B QALY = QOL×Year A 既存薬
  27. ICERによる価格調整 53 厚生労働省. 中央社会保険医療協議会総会(第467回). 「今後の医薬品等の費用対効果評価の活用について」 https://www.mhlw.go.jp/content/12404000/000688563.pdf; 厚生労働省. 薬価算定の基準について(保発 0329 第1号).

    https://c2h.niph.go.jp/tools/system/notification_drug_pricing.pdf; 医療経済研究機構 Monthly IHEP 2019年4月号. 費用対効果評価の制度化にあたって 【その2:価格調整等の概要】. https://c2h.niph.go.jp/tools/system/Monthly_IHEP_4.pdf はじめに 歴史 現行制度 改革 おわり 価格調整範囲 類似薬効(機能区分)比較方式 + 有用性系加算 加算部分 原価計算方式+開示率低(50%未満) + 有用性系加算 加算部分 と営業利益部分 原価計算方式+開示率高(50%以上) + 有用性系加算 加算部分 計算式 類似薬効比較方式等により算定された医薬品 価格調整後の薬価 =価格調整前の価格 − 価格調整対象 × (1-β) β: 価格調整係数 原価計算方式により算定された医薬品(開示率が低いものに限る。) 価格調整後の薬価 = 価格調整前の薬価 − 有用性系加算部分 × (1-γ) − 営業利益部分 × (1-θ) γ: 有用性系加算部分の価格調整係数 θ: 営業利益部分の価格調整係数 価格調整係数の具体的な値については、「薬価算定の基準について(保発 0329 第1号)」において通知 現状、価格調整係数が1超(薬価引き上げ)の場合も存在 出所:Monthly IHEP 2019年4月号
  28. 332,800 JPY の増加を許容するだけの効果の増大(嬉しさ?)があるだろうか 増分費用効果比 ICER (Incremental Cost-Effectiveness Ratio) 54 1.00

    Carat 1.00 E Color E VVS1 10倍の拡大で発見困難な欠点 Clarity IF 10倍の拡大で微小な表面の欠点 3Ex Cut 3Ex 929,600 Price JPY 1,262,400 + 332,800 JPY 4C はじめに 歴史 現行制度 改革 おわり https://www.bluenile.com/jp/diamond-search
  29. 医薬品の承認・薬価・償還 Approval/Price/Reimbursement 57 日本 薬 事 申 請 薬 事

    承 認 薬 事 申 請 薬 事 承 認 薬 価 償 還 薬 価 償 還 薬価基準収載 NICE PMDA EMA 薬価基準は保険診療に用いる医薬品の一覧で あるとともに価格表であり、薬価と償還は同義 公的保険であるNHSで用いる医薬品については、 NICEによるHTAに基づき使用を推奨するという 勧告 (Technology appraisal)がなされることで償 還される NICEにより使用を推奨しないという勧告が出さ れると、各地域や病院において予算が確保され ないため、使用が困難になる。 The Pharmaceutical Price Regulation Scheme(PPRS) 企業が決められる イギリス はじめに 歴史 現行制度 改革 おわり
  30. National Institute for Health and Clinical Excellence (NICE) NICEの役割は、NHSやその他の公的医療・福祉サービスを利用する人々のアウトカ ムを改善すること

    • 保健、公衆衛生、社会的ケアの実務者のために、エビデンスに基づいたガイダンスや アドバイスを作成 • 保健・公衆衛生・社会福祉サービスを提供し、委託する者のために、品質基準とパ フォーマンス指標を開発 • 健康とソーシャルケアのコミッショナー、実務者、管理者に向けて、さまざまな情報 サービスを提供 Centre for Health Technology Evaluation (CHTE) • NHSにおける医薬品等の使用に関する推奨であるTechnology appraisalを管轄する部門 • NICEでの費用対効果の基準は、約20,000~30,000GBP/QALY(300万円~450万円)、抗 癌剤などの場合は50,000GBP/QALY程度(750万円) • NICEにより使用を推奨しないという勧告が出されると、各地域や病院において予算が 確保されないため使用が難しくなる 58 https://www.nice.org.uk/guidance Centre for Guidelines (CfG) Centre for Health Technology Evaluation (CHTE) Health and Social Care Directorate Science, Evidence and Analytics Directorate Digital, Information and Technology Directorate Communications Directorate Finance, Strategy and Transformation Directorate はじめに 歴史 現行制度 改革 おわり
  31. 費用対効果評価の分析・評価の流れ 60 厚生労働省. 中央社会保険医療協議会費用対効果評価専門部会・薬価専門部会・保険医療材料専門部会合同部会. 2019年3月27日. https://www.mhlw.go.jp/content/12404000/000494007.pdf 中医協. 費用対効果評価制度の当面の運用について. https://www.mhlw.go.jp/content/12404000/000736552.pdf 国立保健医療科学院(保健医療経済評価研究センター)

    はじめに 歴史 現行制度 改革 おわり 告 示 適 用 運用 以下のステップで分析は進められる 1. 分析の枠組みに関する協議 2. 企業自身による分析 3. 公的分析 新薬価の適用 • 告示から3月後の1日付けに適用 • 新薬については 告示の翌日適用
  32. 厚生労働省 MHLW (Ministry of Health, Labour and Welfare) (任務) 第三条

    厚生労働省は、国民生活の保障及び向上を図り、並びに経済の発展に寄与するため、社会福祉、 社会保障及び公衆衛生の向上及び増進並びに労働条件その他の労働者の働く環境の整備及び職業の確保を 図ることを任務とする。 2 前項に定めるもののほか、厚生労働省は、引揚援護、戦傷病者、戦没者遺族、未帰還者留守家族等の 援護及び旧陸海軍の残務の整理を行うことを任務とする。 3 前二項に定めるもののほか、厚生労働省は、前二項の任務に関連する特定の内閣の重要政策に関する 内閣の事務を助けることを任務とする。 4 厚生労働省は、前項の任務を遂行するに当たり、内閣官房を助けるものとする。 64 厚生労働省設置法(平成十一年法律第九十七号) はじめに 歴史 現行制度 改革 おわり
  33. 医薬品医療機器総合機構 PMDA (Pharmaceuticals and Medical Devices Agency) (機構の目的) 第三条 独立行政法人医薬品医療機器総合機構(以下「機構」という。)は、許可医薬品等の副作用又は

    許可生物由来製品等を介した感染等による健康被害の迅速な救済を図り、並びに医薬品等の品質、有効性 及び安全性の向上に資する審査等の業務を行い、もって国民保健の向上に資することを目的とする。 65 独立行政法人医薬品医療機器総合機構法(平成十四年法律第百九十二号) はじめに 歴史 現行制度 改革 おわり
  34. 2015年6月の閣議決定において決定された2018-20年度末までの数量シェア80%以上の目標を達成見込 後発医薬品のシェア拡大 66 厚生労働省 https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-10800000-Iseikyoku/0000114903.pdf 32.5 34.9 35.8 39.9 46.9

    56.2 65.8 76.7 80 0 10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 2005-Sep 2007-Sep 2009-Sep 2011-Sep 2013-Sep 2015-Sep 2017-Sep 2019-Sep 2020-Sep Ratio (%) はじめに 歴史 現行制度 改革 おわり
  35. 割引 Discounting 割引現在価値 • 将来に受け取れる価値が、もし現在受け取れるとしたらどの程度の価値をもつかを表す • たとえば利率が5%のとき、1年後の105万円の割引現在価値は100万円である 費用効果分析においては、将来に発生する費用とアウトカムを現在価値に換算するため、一定の率で割引くことが一般的である。年単位 で割引を行ったあとの現在価値に換算された費用Cpは、i年後の費用Ci と割引率dを用いて以下の式によって計算することができる。効果

    についても同様である。 Cp = 𝐶𝑖 1 + 𝑑 𝑖−1 12 割引 12.1 将来に発生する費用と効果は割引を行って、現在価値に換算しなければならない。 12.2 ただし、分析期間が1年以下、あるいは短期間でその影響が無視で きる程度であるときは、割引を行わなくてもよい。 12.3 費用 ・効果ともに年率2%で割引を行うこととする。 12.4 割引率は、感度分析の対象とし、費用 ・効果を同率で年率0%から4%の範囲 で変化させる。 71 C2H. 中央社会保険医療協議会における費用対効果評価の分析ガイドライン第2版. https://c2h.niph.go.jp/tools/guideline/guideline_ja.pdf はじめに 歴史 現行制度 改革 おわり
  36. 感度分析 Sensitivity analysis • 不確実性が存在する場合等に、パラメータの値を変化させるこ とにより、結果への影響を見ること 1. パラメータの不確実性の潜在的な影響を調べる 2. 結果のロバスト性を評価する

    • 決定論的感度分析(DSA: Deterministic sensitivity analysis)及 び複数のパラメータの不確実性を同時に取り扱う確率的感度分 析(PSA: Probabilistic sensitivity analysis)などがある • 一般に各パラメータについて一般的に採用されている標準統計 量(95%CIなど)を用いる 72 FUL: Fulvestrant, EXE: Everolimus Lertjanyakun V, Chaiyakunapruk N, Kunisawa S, Imanaka Y. Cost-Effectiveness of Second-Line Endocrine Therapies in Postmenopausal Women with Hormone Receptor-positive and Human Epidermal Growth Factor Receptor 2-negative Metastatic Breast Cancer in Japan. Pharmacoeconomics. 2018 Sep;36(9):1113-1124. doi: 10.1007/s40273-018-0660-3. PMID: 29707743. Tornado diagram はじめに 歴史 現行制度 改革 おわり
  37. 費用対効果受容曲線 Cost-effectiveness acceptability curve • 確率的感度分析によりICERが限界値に収まる確率を求め、横 軸にICERの限界値を、縦軸にその限界値に収まる確率をとっ たグラフ 74 http://www.jpma.or.jp/medicine/shinyaku/tiken/allotment/pdf/2014ds_tf3.pdf

    Fig. 3 – Cost-effectiveness acceptability curve. This graph illustrates the probability that a treatment strategy is cost-effective over a range of willingness-to-pay thresholds for an additional quality-adjusted life-year. We conclude that omalizumab is not cost-effective in Japan given a WTP of $45,000 per QALY. Morishima T, Ikai H, Imanaka Y. Cost-effectiveness analysis of omalizumab for the treatment of severe asthma in Japan and the value of responder prediction methods based on a multinational trial. Value Heal Reg Issues. 2013;2(1):29-36. doi:10.1016/j.vhri.2013.01.007 はじめに 歴史 現行制度 改革 おわり
  38. キムリアは投与一回で3349万円 • 中央社会保険医療協議会は2019年5月15日総会で、スイス製薬大手・ノバルティスが開発したがん治療薬「キ ムリア」の保険適用を了承 • キムリアは、免疫反応の司令塔となるT細胞を患者の血液から取り出し、がん細胞を攻撃しやすくなるよう遺 伝子を改変した上で体内に戻す「CAR-T細胞療法」と呼ばれる。投与は1回で済む。 薬価 3349万円 ピーク時対象患者数

    216人/年 市場規模 72億円(予測) 薬価は、2つの適応症でそれぞれ 約 5200万円 約 4100万円 • 中医協終了後に記者会見した健康保険組合連合会の幸野庄司理事は、キムリアの保険適用を前向きに評価した 一方、医薬品の重要度に応じて「保険給付範囲からの除外や償還率変更を実行すべき」と提言した。 80 Reuters. がん治療薬「キムリア」、保険適用へ 薬価3349万円. 2019-May-15. https://jp.reuters.com/article/novartis-kymriah-approval-idJPKCN1SL03K はじめに 歴史 現行制度 改革 おわり
  39. ゾルゲンスマの薬価は億を超える • Zolgensmaは24日に米食品医薬品局(FDA)によって承認されました。 • 人工呼吸器なしでは2歳以上生きられないと言われている乳児型SMAを1回で治療することができる薬で す。フェーズIIIのSTR1VE試験では21人の患者に投与され、2019年3月の時点で19人がイベントフリーで 生存(1人死亡で1人は試験中止)。フェーズIコホートのSTART試験では高用量群12人中2人が立ったり 歩いたりできているという素晴らしい臨床効果を発揮しています。 • 同時に価格も発表されました。212万5000ドルだそうです。1ドル110円で計算すると2億3375万円。

    • 高額さが批判を浴びていたLuxturnaの85万ドルを大きく上回り、米国で薬価の史上最高額が更新されま した(2019年5月29日:日経バイオテクOnline Vol.3168) • 中医協総会(会長:小塩隆士・一橋大学経済研究所教授)は5月13日、ノバルティスファーマ社の脊髄 性筋萎縮症(SMA)に対する遺伝子治療薬「ゾルゲンスマ点滴静注」(一般名オナセムノゲンアベパルボ ベク)の薬価を1患者当たり1億6707万7222円とすることを承認した。薬価収載日は5月20日。 • 市場規模予測は2年度がピークで25人、予想販売金額42億円。ピーク時の予測販売金額は約40億円(資 料は、厚生労働省のホームページ) 81 https://bio.nikkeibp.co.jp/atcl/mag/btomail/19/05/27/00544/; https://www.nikkei.com/article/DGXMZO59024440T10C20A5EAF000 はじめに 歴史 現行制度 改革 おわり