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20201024GISA_digitalcity

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多次元データと外部データ連携を融合させた地方都市におけるデジタルシティ基盤の構築

Toshikazu SETO

October 24, 2020
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Transcript

  1. 2020/10/24 地理情報システム学会第29回学術研究発表⼤会 3 都市データによるデジタルツイン化とまちづくり 3 Dembski, F.; Wössner, U.; Letzgus,

    M.; Ruddat, M.; Yamu, C. Urban Digital Twins for Smart Cities and Citizens: The Case Study of Herrenberg, Germany. Sustainability 2020, 12, 2307. Kilsedar, C.E.; Brovelli, M.A. Multidimensional Visualization and Processing of Big Open Urban Geospatial Data on the Web. ISPRS Int. J. Geo-Inf. 2020, 9, 434. 背景
  2. 2020/10/24 地理情報システム学会第29回学術研究発表⼤会 4 研究⽬的 • 第2節︓主にWebGLによる3次元都市モデルの視覚化に関する関連研究 • 第3節︓対象となる地域やデータの概観について説明 • 第4節︓これらのデータを統合的に視覚化するアーキテクチャを検討

    • 第5節︓実際に幾つかのデータについての変換過程と,どの程度ブラウザ表⽰⽤に データサイズを最適化できたかを検証 • 第6節︓変換したデータを統合して可視化した結果について説明 • 結論部今後の課題について展望 • 都市に関わる多様な原データから,Web上で⾼速 に3次元的に視覚化できるデジタルシティ・プ ラットフォームを構築すること • それぞれのデータの効率的な変換や統⼀された視 覚化のためのアーキテクチャを検討した上で構築 し、データ変換速度や初期表⽰のパフォーマンス 評価をすること • https://www.digitalsmartcity.jp/susono-city/
  3. 2020/10/24 地理情報システム学会第29回学術研究発表⼤会 5 対象地域: 静岡県裾野市 https://global.toyota/jp/newsroom/corporate/31170943.html ▲Mt. Fuji • ⾯積:

    138.12 km2 • ⼈⼝総数: 50,916名 – 65歳以上⼈⼝⽐率: 26.8% • トヨタが2020年1⽉のCESにおいて「Woven City」建設を発表 • 2018年に「データ利活⽤推進本部」を庁内に発⾜し、「裾野デジ タルクリエイティブシティ構想」を裾野市⻑が2020年3⽉に発表 – データ・デジタルの積極的活⽤と,市⺠との対話やデータ利活⽤⼈材の育成
  4. 2020/10/24 地理情報システム学会第29回学術研究発表⼤会 6 デジタルシティ基盤構築の背景 • 2019年より裾野市・Code for Japanとの連携協定に基づき「デジタ ル裾野研究会」を発⾜.⾏政関係者・⺠間企業・有識者50名以上が参 画し,10⽉時点で第6回まで開催

    • ⾏政職員による⾃発的な課題検討や研究会メンバーとの議論によって, データ収集・活⽤と合わせて取り組むべき5つの検討課題(WG)を設定 し,さらなるデータ収集・Web上での議論などを促す • ⼀般市⺠等にも閲覧してもらいながらまちづくりの現状・課題を共有 WG 策 線
  5. 2020/10/24 地理情報システム学会第29回学術研究発表⼤会 7 デジタルシティプラットフォーム構築の概要 (https://www.digitalsmartcity.jp ) WebGL JavaScript Browser Mapbox

    GL JS Deck.GL layer (Icon) layer (3DTiles) layer (GeoJSON) layer Basemap (tilesets) vue.js three.js luma.gl UI loaders.gl data layer (Trips)
  6. 2020/10/24 地理情報システム学会第29回学術研究発表⼤会 8 デジタルシティ・プラットフォーム データ保有組織登録 ⺠間企業・⾃治体等 データセット・メタデータ 外部の移動体DB MyCityConstruction (電⼦納品DB)

    オープンデータ流通サイト での活⽤ 他の地理空間DB (PCDBなど) API 登録 GeoJSON KML等 WebAPI API ・ユーザー認証 ・⼀部データ CKAN-API による 登録・連携 API API URL 直登録 G空間情報センター 登録データのAPI化 タイル形式 GeoJSON WMS/WFS etc…
  7. 2020/10/24 地理情報システム学会第29回学術研究発表⼤会 9 「デジタル裾野」において収集した各種データの概要 → 裾野市保有の多くのデータは「オープンデータ」でも公開 分類 データセット ファイル形式 ファイル数

    合計サイズ 背景データ 航空写真(裾野市) GeoTIFF 257 13.4 GB 建物形状 (ゼンリン/都市計画基礎) ESRI Shape 1 1.98 GB 点群データ 3次元点群データ (静岡県PCDB, Virtual Shizuoka) LAS 5 12.01 GB 地物データ (点・線・⾯) 公共施設(裾野市) CSV 7 50 KB 道路網(裾野市) ESRI Shape 2 1.1 MB 路線索引図(裾野市) ESRI Shape 2 100 KB 鉄道 (国⼟数値情報) GeoJSON 2 810 KB 都市計画(裾野市) ESRI Shape 8 635 KB ⾏政界(裾野市) ESRI Shape 1 470 KB 防災計画(裾野市・静岡県) ESRI Shape 21 2.1 MB 流動データ すそのーるバス(裾野市) GTFS 14 200 KB 企業取引(⺠間A社) CSV 3 560 KB ⼈の流れデータ(東⼤CSIS) CSV 2 149.8 MB
  8. 2020/10/24 地理情報システム学会第29回学術研究発表⼤会 10 「デジタル裾野」データの統⼀化・変換 Input 3D Point cloud data Input

    Flowing data Input POI data Input Feature data Input Building data Aerial photo Convert Tileset data Zoom 11-18 Convert JSON data Zoom 11-18 Convert GeoJSON data Zoom 12-18 Zoom 14-18 Zoom level of Map layers output output output Icon GeoJSON Trips Tileset Tippecanoe gdal2tiles pdal + py3dtiles 表⽰⽤ズームレベルの最適化
  9. 2020/10/24 地理情報システム学会第29回学術研究発表⼤会 11 3次元点群データ (静岡県提供: CC BY 4.0) 変換地点 X,

    Y, Z 地点数 元データ (MB) タイル化 後 (MB) Place A (28-D0201-01) 22,854,836 594.2 344.1 Place B (29-K2452-01) 2,141,686 55.7 34.7 Place C (28-K2450-01) 2,301,317 59.8 32.3 Place D (掛川城) 192,366,079 6,540.0 64.3 Place E (韮⼭反射炉) 182,440,910 4,740.0 82.9 ▼Shizuoka Point Cloud DB (PCDB)
  10. 2020/10/24 地理情報システム学会第29回学術研究発表⼤会 13 データ変換結果(1)︓地物データ・動的データ GeoJSON と JSON 形式 0 0.5

    1 1.5 2 2.5 3 3.5 4 公 共 施 設 道 路 ネ ッ ト ワ ! ク 道 路 画 像 " 索 引 # 鉄 道 都 市 計 画 行 政 区 域 防 災 計 画 す そ の ! る バ ス 停 ・ ル ! ト 時 刻 表 ・ 運 行 状 況 企 業 取 引 容量 (MB) 変換前 変換後
  11. 2020/10/24 地理情報システム学会第29回学術研究発表⼤会 14 データ変換結果(2)︓建物形状・航空写真・点群データ vector/raster tiles と 3dtiles 形式 CPU

    Core: i7-9700k @3.60 GHz, Memory: 32 GB OS: Windows 10 Subsystem for Linux (Ubuntu 18.04) 0 10 20 30 40 50 60 0 2000 4000 6000 8000 10000 12000 14000 航空写真 建物形状 3次元点群 変換時間(分) 容量 (MB) 変換前 変換後 変換時間
  12. 2020/10/24 地理情報システム学会第29回学術研究発表⼤会 15 WebGL JavaScript Browser Mapbox GL JS deck.gl

    layer (Icon) layer (3DTiles) layer (GeoJSON) layer Basemap (tilesets) vue.js three.js luma.gl UI loaders.gl data layer (Trips)
  13. 2020/10/24 地理情報システム学会第29回学術研究発表⼤会 16 WebGL JavaScript Browser Mapbox GL JS deck.gl

    layer (Icon) layer (3DTiles) layer (GeoJSON) layer Basemap (tilesets) vue.js three.js luma.gl UI loaders.gl data layer (Trips) ON/OFF ex.
  14. 2020/10/24 地理情報システム学会第29回学術研究発表⼤会 17 Increasing the zoom level also displays data

    with a large number of points Multi-layered display of hazard maps (disaster prevention data) Road management: Bridge and People Flow Data Community bus GTFS dara
  15. 2020/10/24 地理情報システム学会第29回学術研究発表⼤会 19 Webブラウザ上での表⽰最適化実験 • Firefox v.67.04 • フロントページ(Zoom16): •

    メモリ使⽤量: 180Mb • CPU使⽤率:10% • 動的データの追加 – ⼈流データ: +20-30Mb – 点群データ: +100Mb – メモリ使⽤量:60-120Mb – CPU使⽤率:20-30% – GPU使⽤率: 30%
  16. 2020/10/24 地理情報システム学会第29回学術研究発表⼤会 20 Conclusions 1. ⼤きく3つのパターン(GeoJSON,JSON,Tileset)に集約す ることによって,データ統合しやすくなった. 2. オープンソースのMapbox GL

    JSとDeck.glを組み合わせ,複数の パターンによるダイナミックな視覚化が可能に 3. Webブラウザ上のパフォーマンスを計測し,特にポイントクラウ ドデータや⼈の流れのアニメーションは,メモリ使⽤量やキャッ シュは⼤きくならなかったが,CPU・GPUの負荷が⼀定かかる 都市モデルに関わる多様な原データから,Web上でシーム レスかつ⾼速に3次元的に視覚化できるようなプラット フォームを構築 1. 2. 3. CPU
  17. 2020/10/24 地理情報システム学会第29回学術研究発表⼤会 21 Future works 【プラットフォームの操作性】 • 動的データ(GTFS)の最適化と操作性の改善 • 点群データの操作性の改善(建物の中や⾓度の⾃由

    設定など) 【プラットフォームの利活⽤】 • 「デジタル裾野研究会」等での検討結果の掲載と市 ⺠を交えた本格的なWebでの「議論の場」へ ➝ WebセミナーやDecidimとの併⽤も視野に • 各種シミュレーション結果の統合やデータのフィル タリング︓デジタルシティプラットフォームを使っ た「将来予測」の共有