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3年がかりのQA組織立ち上げ / 3 years of work to set up a QA organization

3年がかりのQA組織立ち上げ / 3 years of work to set up a QA organization

Yuichi Tsunematsu

May 21, 2022
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Transcript

  1. 当時の状況と課題感
 confidential • スクラムの導入が進み、開発プロセスは改善傾向↑
 • 一方でQAは課題が多い
 ◦ 企画担当が検証項目を考え、手動でチェックする
 ◦ 社内で仕様が把握できていない


    ◦ QAを改善していく専任・専門家がいない
 • 自社にあったアジャイルなQA体制・組織を実現したい
 ↑今思うとふわふわした課題感・・・
 confidential Photo by Kind and Curious on Unsplash
  2. confidential confidential Photo by Leonie Vuilleumier on Unsplash 良い点を再認識し、課題に適した手を打つ
 •

    【課題と思っていたもの 】企画担当が検証項目を考えている
 ◦ ✖ 検証項目はQA担当が考えてチェックするべき
 ◦ ◦ 企画担当が考えることで仕様の矛盾に目が向く。
 
 • 【課題と思っていたもの 】専門のQA組織・チームが無い
 ◦ ✖ QA組織・チームを立ち上げよう
 ◦ ◦ 組織全体でQAをやっていく気概・機運がある。

  3. 課題に適した打ち手のまとめ
 confidential 2. レガシーが積み重なる
 →レガシーコードの削除を進める
 
 3. 施策開発が遅くなる
 →サービス理解を蓄積・深める機会を増やす
 ◦

    社内Confluenceに検証観点を集めたページを設けた。
 ◦ 開発着手前に検証項目の準備・レビューを義務化
 ◦ 複雑な箇所について、有識者を集め、時間をかけて整理。
 confidential
  4. confidential confidential Photo by Benjamin Davies on Unsplash 打ち手の結果はどうなった?
 •

    QA組織は発足せず、QAに携わるメンバーも変わりなかった が、大きな障害は減り、発生数そのものも減少傾向に転じた。
 • 2020年春からはコロナ禍となり、変化が激しい状況となった が、障害対応工数を抑え価値開発に注力できる余力が作れる ようになった。

  5. 重めの技術負債の返却
 confidential • AWS RDSからAuroraへの移行 & オートスケーリング
 • ページキャッシュ機構を独自のものからFastlyに置き換え
 •

    Signal Sciences社のWeb Application Firewall導入
 • DB負荷の高い処理をマイクロサービスに切り出し
 ・・・など
 confidential 仕様の理解や課題感が企画・開発間で揃うようになり、 改善時の効果に目が向くようになって、 負債返却のための工数が捻出しやすくなった ・・・という側面もある
  6. 新たな課題感
 confidential • 「発生率」から「発生件数」へ
 ◦ toCメディアはエラー率を見ていることが多かった。
 ◦ ネット予約やテイクアウト注文などtoBの取り組みが増え、発生率は低 くとも、件数そのものが問題となるものが増えた。
 •

    「平均修復時間」から「早期発見・予防」へ
 ◦ すぐ直せることも大事だが、早期発見をしたい。
 ◦ そもそも障害が発生することを想定したプランBが必要なのかも しれない。
 confidential Photo by Kind and Curious on Unsplash
  7. まとめ
 Photo by Hannah Busing on Unsplash • (自社・自分に無いスキル・知見は頼る)
 •

    組織・役割ありきでは無く、課題に根ざした手を打つ。
 • サービス・環境の変化で判断は変わりうる。
 
 Rettyでは「組織として価値開発に向き合う時間が捻出できるよう」 QA組織の立ち上げ準備を進めています。