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RustでREST_APIを開発した話.pdf

 RustでREST_APIを開発した話.pdf

Kyosuke Awata

August 24, 2023
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  1. 使⽤技術 / 設計思想 使⽤技術 • Rust(1.64.0) • actix-web(4.1.0) • diesel(2.0.0)

    設計思想 • DDD • オニオンアーキテクチャ • モジュラモノリス
  2. ディレクトリ構造 • bin ◦ エントリーポイントとなるファイルを置く ◦ api.rs -> APIサーバー起動時のエントリーポイント ◦

    seed.rs -> シードデータ投⼊時のエントリーポイント • modules/ ◦ 後述 • scenarios/ ◦ エンドポイントと1:1で紐づくシナリオを定義 ◦ 各モジュールを使って処理を⾏う ◦ オーケストレータ的な役割 • routers.rs ◦ RESTAPIのルーティング定義 • schema.rs ◦ dieselが⾃動⽣成するschemaファイル
  3. ディレクトリ構造 • modules/common ◦ 共通処理の定義。エラー定義などが該当する。 • modules/diesel ◦ dieselの処理は複数モジュールで呼び出されるのでここに置く •

    modules/user ◦ 単体のRESTAPIとして動かせるようにレイヤー分け ◦ DDD+オニオンアーキテクチャに従っている • modules/task ◦ userと同じなので省略
  4. 1. モジュールの可視性を細かく設定できる • モジュールそのものをpublic/privateに宣⾔できる ◦ 内部で間違えてpublicにしてしまって外部に公開されるみたいなことを防げる • struct, fnごとにpublic/privateに宣⾔できる ◦

    同じモジュール内でも呼ばせたくないみたいなこともできる • pub(crate), pub(super) のような構⽂がある ◦ どこまで公開するかを細かく設定できる 参考 • https://doc.rust-jp.rs/rust-by-example-ja/mod.html
  5. 2. エラーハンドリングを簡略化できる • Result + ? + Fromトレイトを使えば、エラーハンドリングが楽になる ◦ エラーの詰め替え作業が激減

    ◦ match式でOkかErrかを判定して〜みたいなコードが消えて読みやすくなる 参考 • https://doc.rust-jp.rs/rust-by-example-ja/error/result.html
  6. 実際の例 - 簡略化されたエラーハンドリング • ?演算⼦を書くだけで良くなる • 例:リポジトリでDieselErrorが発⽣ ◦ DomainError ◦

    ↓ ◦ UsecaseError ◦ ↓ ◦ ApiError ◦ ↓ ◦ Response(status_code: 500) • 他の層も同様にエラーは全部?でOK ↑(例)scenario層のコード
  7. 1. 可変参照の扱いが(場合によっては)難しい • Rustの可変参照は安全性を担保するために多くの制約がある ◦ 複数箇所から同時に参照できない ◦ データを変更できない など... •

    今回の作りでは、scenario層でDBのトランザクションを管理する ◦ dieselでtransaction貼った時のコネクションオブジェクトは 可変参照 ◦ これを複数の場所に渡す必要が⽣まれてしまい、実装できなかった 参考 • https://doc.rust-jp.rs/book-ja/ch04-02-references-and-borrowing.html
  8. 実際の例 - トランザクションを張る実装 • こちらはコンパイルエラーになります • txは &mut なコネクションであるた め、execute関数の引数に2度渡されて

    しまうことでエラーになっています • これをうまく解決する⼿段を私は⾒つ けられませんでした...
  9. 2. エコシステムが(まだ)充実していない • テストを書く時の良いライブラリがない ◦ Jestが恋しくなりました ... ◦ 単体テストならそこまで問題にならないが、統合テストを書く時に困った ◦

    特に統合テストにおいては、セットアップ関数やクリーンアップ関数などを動かしたい • VSCodeで書いてるとマクロの内容までは理解してくれずに、型補完が効かな い時があった ◦ ビルドは通るけど、エディタ上では型が分からないみたいな ◦ 当時の話なので、今はさらに進化していると信じたい