Upgrade to Pro
— share decks privately, control downloads, hide ads and more …
Speaker Deck
Features
Speaker Deck
PRO
Sign in
Sign up for free
Search
Search
ICH E17 多地域での臨床開発 3
Search
xjorv
February 25, 2021
Education
0
130
ICH E17 多地域での臨床開発 3
ICH E17は多地域での臨床開発についてのガイドラインです。3ではサンプル数の設定、プール化、安全性の取り扱いについてまとめています。
xjorv
February 25, 2021
Tweet
Share
More Decks by xjorv
See All by xjorv
コンパートメントモデル
xjorv
3
5.6k
コンパートメントモデルをStanで解く
xjorv
0
440
生物学的同等性試験 検出力の計算法
xjorv
0
3.5k
生物学的同等性試験ガイドライン 同等性パラメータの計算方法
xjorv
0
6.2k
粉体特性2
xjorv
0
2.5k
粉体特性1
xjorv
0
2.8k
皮膜5
xjorv
0
2.3k
皮膜4
xjorv
0
2.2k
皮膜3
xjorv
0
2.2k
Other Decks in Education
See All in Education
Sponsor the Conference | VizChitra 2025
vizchitra
0
590
2025年度春学期 統計学 第14回 分布についての仮説を検証する ー 仮説検定(1) (2025. 7. 10)
akiraasano
PRO
0
130
予習動画
takenawa
0
13k
20250611_なんでもCopilot1年続いたぞ~
ponponmikankan
0
140
(キラキラ)人事教育担当のつらみ~教育担当として知っておくポイント~
masakiokuda
0
120
万博マニアックマップを支えるオープンデータとその裏側
barsaka2
0
530
2025年度春学期 統計学 第6回 データの関係を知る(1)ー相関関係 (2025. 5. 15)
akiraasano
PRO
0
170
2025年度春学期 統計学 第9回 確からしさを記述する ー 確率 (2025. 6. 5)
akiraasano
PRO
0
140
生成AI
takenawa
0
12k
日本の教育の未来 を考える テクノロジーは教育をどのように変えるのか
kzkmaeda
1
230
Padlet opetuksessa
matleenalaakso
4
14k
[FUN Open Campus 2025] 何でもセンシングしていいですか?
pman0214
0
200
Featured
See All Featured
A better future with KSS
kneath
239
17k
For a Future-Friendly Web
brad_frost
179
9.9k
How to Create Impact in a Changing Tech Landscape [PerfNow 2023]
tammyeverts
53
2.9k
Chrome DevTools: State of the Union 2024 - Debugging React & Beyond
addyosmani
7
800
Rebuilding a faster, lazier Slack
samanthasiow
83
9.1k
The Art of Programming - Codeland 2020
erikaheidi
54
13k
Building a Scalable Design System with Sketch
lauravandoore
462
33k
The Power of CSS Pseudo Elements
geoffreycrofte
77
5.9k
How GitHub (no longer) Works
holman
314
140k
Building Adaptive Systems
keathley
43
2.7k
Being A Developer After 40
akosma
90
590k
ピンチをチャンスに:未来をつくるプロダクトロードマップ #pmconf2020
aki_iinuma
126
53k
Transcript
ICH E17 多地域での臨床開発 3 2021/1/30 Ver. 1.0
サンプル数 対象群・地域全体で効能が評価できるよう計画する • 通常地域ごとに層別化してランダム化・解析する • 地域を通じた効能評価を行い、差があればさらに検証する • 地域の差を検出できるようサンプル数を設定する
サンプル数: サンプルの全数 全体の群・地域の平均で主要評価項目を比較できるようにする • 基本的にはICH E9のサンプル数の項目に従う • 全地域で治療効果を評価できるようにする • 地域間のばらつきを考慮したサンプル数とする
• 初期探索研究により地域間のばらつきを推定する
サンプル数: サンプルの地域への分配 全地域で治療効果が一貫性を持つことを示す必要がある • 地域間の差の原因を検証できる可能性を提供する • 一貫性を検証できるよう、地域にサンプル数を分配する • 有病率、発病率、外的・内的要因等を考慮する
サンプル数: サンプルの地域への分配 どの状況においても適用可能な一般的方法は存在しない • 地域の人口と罹患率に応じて分配する • すべての地域に同人数分配する • 特定の地域にある一定の割合で分配する •
個々の地域で有意性を検出可能なように分配する • 最小分配数を決めておき、それ以上を分配する のいずれかを選択する場合が多い
Pooled Regions/Subpopulations 特定の地域・集団を同じものとして扱う方法 • 内的・外的要因の類似性で、プール化を正当化する • 地域は内的・外的要因差の代理となるときがある • 地域だけでなく、集団として層別化を必要とすることもある •
地域をまたがる民族分布などがリスク要因となりうる
その他の要素 各地域でのサンプル数は各地の規制当局と合意しておく • 非劣勢試験のマージンは最も厳しいものとして計算する • 希少疾患や感染症では分配の要因が異なる
安全性・効能情報の収集・取り扱い 全地域で同一の目的を達成する形とする • データの収集と取り扱いはすべての地域で標準化する • 治験関係者の訓練についても標準化する • 安全性情報はE2と地域の規制に従い報告する • 長期MRCTでは中央データモニタリング委員会の使用を推奨
安全性・効能情報の収集・取り扱い 全地域で同一の目的を達成する形とする • 画像などは1か所の研究所の使用などで判定評価を統一する • 各施設における治験開始を調整することが重要となる • 電子データ伝達、報告の翻訳等を考慮する
統計解析計画 E9にしたがい、リスク/便益評価を可能なものとする • 分析戦略について初期に規制当局との合意を得ておく • 主要分析戦略に地域間差があるときは計画書に記載する • 単一の戦略を取れないときは、地域の統計計画を作成する • 研究開始前に分析戦略を固定する
Primary analysis 対象患者群・評価項目・要因・全体を考慮して戦略を立てる • 主要分析を層別化するときは、地域ごとに最適化する • プール化するときにはプール化を分析に反映させる
地域・集団の一貫性の評価 治療効果の一貫性を評価するための分析を含める • 記述・グラフ・モデル検証などを用いる • 地域による差が予想されるときは、統計計画に組み込む • 一貫性が疑われれば、地域ごとの検証を必要とする
サブグループ解析 性別や年齢などの層別解析もあらかじめ計画に組み込む • 治療の一貫性を規制当局が評価できる形とする
地域の治療効果の評価 個々の地域での治療効果を統計的に評価し、報告する • サンプル数が評価に十分となるよう設計する • サンプル数が少なければ、プール化を検討する • 場合によっては重み付き平均での評価を検討する • 外的・内的要因の影響を評価できるようにする
臨床研究の品質が分析に与える影響 地域ごとで治験の品質が異なれば、検出力は下がる • すべての地域において、治験の品質を維持する • モニタリングや盲検下でのデータレビューが有用 • 正当化した上でデータレビュー等を行う
比較対照の選択 現行治療、倫理、デザインを考慮し決定する • すべての地域において、同じ対照を用いる • 比較対照の選択理由は計画書に記載する • 同効能有効成分の使用はすべての地域で同一に行う • 同剤形、同製品を対照として用いるのが望ましい
比較対照の選択 現行治療、倫理、デザインを考慮し決定する • 同じ製品情報をすべての地域で使用する • 同効能有効成分はすでに承認されていることが望ましい
併用治療の取り扱い 結果に大きな影響がなければ、多少の差は許容される • 併用可能・不可能な治療を計画書に定める • 併用治療のレジメンはすべての地域で同等とする • 正当化できれば非承認の治療を併用することもできる • 非承認の治療の可否は規制当局と議論しておく