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ICH E18 遺伝子データの管理と遺伝的サンプリング 2
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xjorv
February 27, 2021
Education
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ICH E18 遺伝子データの管理と遺伝的サンプリング 2
ICH E18は遺伝子データの管理と遺伝的サンプリングについてのガイドラインです。2では、検体の品質、保管、データの取り扱いについてまとめています。
xjorv
February 27, 2021
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Transcript
ICH E18 遺伝子データの管理と 遺伝的サンプリング 2 2021/2/1 Ver. 1.0
検体の品質・量に影響を与える因子 核酸の品質と収量が結果に影響を与えうる • 抽出方法に依存するため、手順の最適化・定義が必要 • 検体の種類により、最適な抽出方法は異なる • RNAはRNase*フリーの状況で抽出する • 凍結・溶解を繰り返すと、品質は下がる
*RNA分解酵素: ほとんどの生物に含まれ、RNAを分解する酵素。比較的安定なので、注意深く不活化・取り除く必要がある
検体の品質に影響を与える因子 内性・外性の要因の影響を受ける • ヘモグロビンやメラニンなどの内因性要素がPCR*に影響する • 抽出に用いる物質による品質への影響もある *Polymerase chain reaction、耐熱性DNA合成酵素を用いてDNAを増幅する方法
検体の輸送と保管 安定性を損なう環境での輸送・保管を行わない • 安定に輸送・保管できる条件をあらかじめ定める • 輸送の環境や送付・受取日時を記録する • 長期保管した後にも再使用可能な形で保管する • 分離保管し、サンプルの使用記録を残す
• サンプルの在庫に関する記録を保管する
遺伝的データ 体・生殖細胞、ミトコンドリアからもたらされる • ヒト以外の細菌等の遺伝子情報を含むこともある • 同一被験者から複数回取得すると信頼性が高くなる
遺伝的データの取得 技術的に急速に進化する方法のうち信頼性の高いものとする • 目的に適した方法でのデータ取得を行う • データ取得方法はバリデートしておく • 抽出・分析方法は手順として定める • 結果の品質管理、合格基準を定めておく
遺伝的データの取得 技術的に急速に進化する方法のうち信頼性の高いものとする • もっとも標準的な方法をなるべく用いる • 公的なアノテーションツール*を用いることが推奨される • 使用するツールや統計方法は文書として保管する • データ使用上のコンプライアンスを定め、遵守する
*DNAに含まれる遺伝子やゲノム上の位置、発現量や変異等の情報を取得するためのツール
遺伝的データの取り扱い・保管 データの種類・解析法・保存法を理解することが重要 • 通常は生データと加工後のデータが生じる • 生データも保管しておく • 生データからの加工のワークフローを文書化する • データは安全かつ長期保管できるようにする
• データの完全廃棄は通常行わない *生データ: DNAやRNAの塩基配列に対応する波形や値を指すと思われる
遺伝的データのプライバシーと秘匿性 被験者のプライバシーを重視し、データの秘匿性を保つ • ICH E15記載のSingle/double codingに従う • インフォームドコンセントに従った閲覧条件を設ける • インフォームドコンセントに取得・取り扱い法を記載する
発見事項の相談 発見したメカニズムの恩恵を被験者に与えることが望ましい • 遺伝的に見つかった事項を患者の治療に活かす • 患者に情報を伝える方法などを定めておく • 患者の希望を優先し、情報の伝達や治療適用を決定する