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ICH E4 用量応答性研究
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xjorv
December 26, 2020
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ICH E4 用量応答性研究
ICH E4は用量応答性の検証に関するガイドラインです。用量応答性研究において考慮すべきこと、研究の方法について記載されています。
xjorv
December 26, 2020
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Transcript
ICH E4 用量応答性研究 2020/12/24 Ver. 1.0
ガイドラインの概要 用量応答性研究の実施と方法について • 最小効果用量と安全な最大用量を特定する • 用量応答性曲線から最適な用量を決定する
用量決定のための用量応答性研究 効能と安全性のバランスが取れた用量を決定する • 安全性の高い低用量から試みるのが推奨される • 薬力学・動態・個体差などにより、最適な用量は異なる • 初回投与時の用量選択は、リスク・便益評価から決定する • 評価結果は規制当局や開発元により異なる
用量決定のための用量応答性研究 効能と安全性のバランスが取れた用量を決定する • 個々の患者で用量応答性結果を取るのが最も望ましい • 個体差を生じる動態学的要因を特定することが重要
血中濃度応答性データの使用 血中濃度と効能に関連性が高い場合に使用する • 動態における個体差を捉えるのに有用 • 剤形変更による影響を推定するのにも使える • 前向きランダム化濃度応答研究が有用 • 用量と血中濃度の関係から用量応答性を決定する
徐々に用量を増加させる方法(Titration) 効能・安全性検証によく用いられる • 用量と投与期間の効果を分離できない • 用量を多めに設定してしまう可能性がある • 初期研究や被験者数を制限したいときには有用 *Titrationは滴定。少しずつ用量を増やして応答を見る方法だと思われる
時間と用量応答性の相互作用 投与間隔と用量応答性の関係には注意が必要 • 半減期より十分に長い投与間隔では問題とならない • 効果が遅延して発生する場合もある • 朝夕の投与で影響が異なることもある • 累積暴露量が効果に影響を及ぼすものもある
開発全体の一部としての用量応答性研究 開発パッケージの一部として実施する • 時間と労力を抑えることができる • プラセボを利用した並行解析は致命的症状には向かない • 病状や安全性を考慮して研究デザインを定める
用量応答性研究が不完全な場合の規制 デザインが優れていても、結果が出るとは限らない • 用量が少・多過ぎて、応答がはっきり見えないことがある • リスク-便益的に問題ない用量が明らかであればよい • 適正な用量を決定する承認後研究を必要とすることもある
全データベースからの検証 用量応答の研究以外からの研究からも得られる情報がある • 用量増加検証では適正用量がわからないことがある • 他の目的での研究から用量応答性の情報を得ることもある
用量応答性の研究デザイン 病状や開発ステージにより異なる • 致命的な病状では高用量から検証することもある • 複数用量を直接比較する検証が最も望まれる • 用量応答性研究を開発初期に行うことが望ましい • 動態研究の結果を用量範囲設定に用いてもよい
用量応答性の研究デザイン 病状や開発ステージにより異なる • 血中濃度応答が速やかなものほど調べやすい • Titrationは主に開発初期に実施する • 応答が遅い場合にはTitrationは使用しない • 盲検・ランダム化を十分に行い、バイアスを減らす
研究デザイン: 並行群間用量応答研究 固定用量でランダム割付した患者で検証する • プラセボを含んだ検証が好ましい • 用量応答曲線の傾きから応答性の検証はできる • 絶対的な効果はプラセボとの比較でしかわからない •
陽性対照を準備することにもメリットがある
研究デザイン: クロスオーバーデザイン 血中濃度の低下が速い医薬品には適している • 不可逆的な応答や持ち込みがあると適さない • 個々の被験者の暴露期間が長くなる • 個々の被験者の応答を検証しやすい •
被験者数は少なくなる傾向がある
研究デザイン: Forced Titration 被験者全員が徐々に用量を多くするような研究のこと • プラセボ有りで全被験者が完了すれば情報量は多い • 用量と治療期間の影響は分離できない • 時間依存的な安全性情報の取得が難しい
• 患者数が少なく、期間調整で用量範囲も広く取れる
研究デザイン: Optional Titration 応答が見られる用量まで用量増加する研究 • 応答性の悪い患者のみ高用量を投与されることとなる • 統計的手法により、欠点を補正することも可能 • プラセボ比較で効能を示すのが容易
• 初期研究として、平行研究の前に行うことが望ましい