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ICH M9 バイオウェーバー 1
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xjorv
March 08, 2021
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ICH M9 バイオウェーバー 1
ICH M9はバイオウェーバーについてのガイドラインです。バイオウェーバーは医薬品の溶出特性で同等性試験を代替する方法を指します。
xjorv
March 08, 2021
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Transcript
ICH M9 バイオウェーバー 2021/2/10 Ver. 1.0
ガイドラインの概要 医薬品クラス分類によるバイオウェーバーについて • 生物学的同等性の実施の一部をクラス分けで代替する • 有効成分の溶解性・膜透過性で同等性を説明する方法 • in vivoの研究を減らし、in vitroで説明できるようにする
• クラス分類の原則やin vitroデータの使用について説明
有効成分のクラス分類 4つのクラスに分類する • Class 1 • Class 2 • Class
3 • Class 4 高い溶解性/高い膜透過性 低い溶解性/高い膜透過性 高い溶解性/低い膜透過性 低い溶解性/低い膜透過性 (クラス1と3がバイオウェーバーの対象) 即放経口剤で、治療濃度域が広いものが対象となる
バイオウェーバー適用の条件 同等性を示す標準/試験製剤が同一とみなせることが条件 • クラス1か3(高異溶解性)に属す有効成分であること • 塩が異なっていても用いることができることもある • 有効成分のエステルや異性体では適用できない • プロドラッグ*はプロドラッグのまま吸収されるなら可能
*体内で代謝され、有効成分に変化する有効成分前駆体のこと
溶解性 同等性を示す標準/試験製剤が同一とみなせることが条件 • pH1.2-6.8、37±1ºCで250mLに完全に溶ける*と高溶解度 • 最低でも3つのpHについて評価する必要がある • 最も溶解性が低いpHでの溶解性で評価を行う • 吸収が起こると考えられる時間での溶解性を評価する
• 測定は最低3回行って評価する *液中で分解する場合はきちんと評価できないため、溶解液中での安定性が高い必要がある
膜透過性 ヒトでの薬物動態研究から評価する • バイオアベイラビリティが85%以上で高膜透過性とする • 酸化物・抱合体*を足して評価してよい • 文献からバイオアベイラビリティを推定してもよい • Caco-2細胞での膜透過性試験を利用して評価してもよい
*還元や加水分解は吸収前の細菌による代謝の影響である可能性があるため、足して評価してはいけない
消化管内での有効成分の安定性 膜透過性評価では重要となる • Caco-2細胞での評価時には安定性評価が必要 • 消化管内液の状況を模した溶液で安定性を調べる • 37℃で評価し、 10%以上分解するかどうか調べる •
分解を含めて85%を達成すれば高膜透過性としてよい
バイオウェーバーの適格性 最高用量の標準製剤で適用可能な場合 • 最高用量の同等性試験で他の用量をバイオウェーバーにできる • バッカル錠、舌下錠はバイオウェーバーの対象とならない • 水で服用する製剤にのみ適用する
適格性: 添加剤 添加剤による吸収への影響を評価する • 添加剤に差がある場合には、正当化を行う • 糖アルコールや界面活性剤は吸収に影響しうる • 皮膜や微量成分では無視できる場合が多い •
クラス1では標準/試験製剤に±10%までの差なら許容できる • クラス3では、吸収に影響しない物も±10%までの差とする
クラス3での添加剤の差の許容範囲 添加剤の種類 標準製剤からの許容される変化 吸収に影響する添加剤 個々の添加剤 10% 添加剤の合計 10% 錠剤(皮膜除く)に含まれる添加剤 賦形剤
10% 崩壊剤: デンプン 6% 崩壊剤: その他 2% 結合剤 1% 滑沢剤: ステアリン酸 0.50% 滑沢剤: その他 2% 流動化剤: タルク 2% 流動化剤: その他 0.20% 合計 10%