ICH S5 生殖・発生毒性の検出 5

ICH S5は非臨床研究における生殖・発生毒性研究（DART: Developmental and Reproductive toxicity）についてのガイドラインです。5では研究の組み合わせ、結果の報告などについてまとめています。

Transcript

1. ICH S5 生殖・発生毒性の検出 5 2020/11/11 Ver. 1.0
2. げっ歯類での研究の組み合わせ FEED、EFD、PPNDを組み合わせ研究でカバーする • すべての発生時期を少ない動物で検証できる • FEEDとEFDを合わせ、PPNDを独立に行うのが一般的 ＊FEED: Fertility and Early Embryonic Development、生殖能力と初期胚発生 EFD: Embryo-Fetal Development: 胚から胎児発生まで PPND: Pre- and Postnatal Development: 出産前後
3. げっ歯類での研究の組み合わせ 多回投与と生殖能力毒性研究を合わせてもよい • 多回投与したオスを投与していないメスと交配させる • 交配させるペアはグループで16頭以上とする • メスはEFDの完了まで投与を続ける ＊EFD: Embryo-Fetal Development: 胚から胎児発生まで
4. 結果の報告 すべての結果を表として示す • 個々の動物の結果を追えるようにする • 器官形成異常などはすべて記録する • 適切な対照動物との比較として示す
5. 統計 処理・対照間の統計的な差を示す • 結果は正規分布しない • ノンパラメトリックな方法を用いる • 有意差ではなく、意味のある差＊で説明する ＊絶対値にきちんとした差（何倍など）があることが重要
6. リスクアセスメント 承認前にすべてのデータからリスクを勘案する • 不完全/不明な点も明らかにする • in vivoでの研究結果をより重視する • 危害だけでなく、変化からもリスクを示す • MRHDにおけるNOAELが重要な要素となる ＊NOAEL: NO Observed Adverse Effect Level MRHD: Maximum Recommended Human Dose
7. リスクアセスメント 承認前にすべてのデータからリスクを勘案する • MRHDの25倍以上で信頼性の高い結果が得られる • 危害からの回復がある場合にはリスクを再考する • 授乳を通じた幼児への危害も考慮する