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日本薬局方-一般試験法 1.13 油脂試験法

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June 26, 2020

日本薬局方-一般試験法 1.13 油脂試験法

油脂試験法は、医薬品やその原料に含まれる油脂について、融点、凝固点、比重、酸価、けん化価などを測定するものです。

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June 26, 2020
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Transcript

  1. 融点・凝固点・比重の測定 融点測定法、凝固点測定法、比重測定法*に従う *それぞれ2.60、2.42、2.56に記載 凝固点測定法の脂肪酸調製がやや複雑 • 水酸化カリウム25gをグリセリン100gに溶かした液75gを1Lのビーカーに入れ,150℃に加熱する • 試料50gを加え,かき混ぜながら約15分間加熱し,完全にけん化する.温度が150℃以上にならないようにする • 100℃に冷却し,熱湯500

    mLを加えて溶かし,薄めた硫酸50 mLを徐々に加える • 脂肪酸が澄明な層となって分離するまで,かき混ぜながら加熱する. • 脂肪酸を分取し,洗液がメチルオレンジ試液に対し酸性を呈しなくなるまで熱湯で洗った後,小ビーカーに移す. • 水分が分離して脂肪酸が澄明になるまで水浴上で加熱し,温時ろ過し,130℃になるまで加熱し,水分を除く. 固体試料の比重は比重瓶で、水を間隙に満たして測定する
  2. 水酸基価 水酸基(ヒドロキシ基)をKOHのmg数で評価する方法 アセチル化した試料を中和するのに必要なKOHを求める • 試料1gを200mLの丸底フラスコに入れる • 無水酢酸・ピリジン試液5mLを加える • 95-100℃の油浴に底部を1cmつけて加熱する •

    1時間後に取り出し、水1mLを加える • 中和エタノール5mLで洗い込む • フェノールフタレイン試液1mLを加える • 0.5mol/L水酸化カリウム・エタノール液で滴定する
  3. 不けん化物 けん化されない混入脂肪酸の量を測定する方法 • オレイン酸として換算する • ジエチルエーテルに溶け、水に溶けない • 試料5mgを250mLフラスコに入れる • 水酸化カリウム・エタノール試液50mLを加える

    • 1時間煮沸し、分液漏斗に移す • フラスコを温水100mLで洗い、洗液を分液漏斗に移す • 水50mLを加え、室温まで放冷する • ジエチルエーテル100mLでフラスコを洗い、洗液を分液漏斗に移す • 1分間振り混ぜ、2層に分かれるまで待つ • 水層をジエチルエーテル50mLで2度洗う • 分液漏斗に水30mLとフェノールフタレイン2滴を加える • 淡赤色を呈しなくなるまで水で液を洗う • 無水硫酸ナトリウム少量を加え、放置する • 乾燥ろ紙でろ過する • アセトン3mLを加え蒸発乾固し、減圧乾燥し質量を量る • ジエチルエーテル2mLと中和エタノールを加えて溶解する • フェノールフタレイン数滴を加える • 0.1mol/L水酸化カリウム・エタノール液で滴定する • けん化後エーテルに溶ける成分を 取る • 水酸化カリウムで滴定する 手順となっている
  4. ヨウ素価 試料と結合するハロゲンの量をヨウ素として換算する • 試料を容器に正確に取る • 500mLの共栓フラスコに容器ごと入れる • シクロヘキサン20mLで溶かす • ウィイス試液*25mLを加え、混和する

    • 密栓、遮光し、20-30ºCで30分放置する • ヨウ化カリウム溶液20mLと水100mLを加えて混ぜる • 遊離したヨウ素を0.1mol/Lチオ硫酸ナトリウムで滴定する *0.1mol/L 一塩化ヨウ素・酢酸溶液のこと