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バンダイナムコスタジオにおけるクラウドネイティブなゲーム開発スタジオの挑戦

 バンダイナムコスタジオにおけるクラウドネイティブなゲーム開発スタジオの挑戦

YAEGASHI Takeshi

November 22, 2022
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  1. バンダイナムコスタジオにおける クラウドネイティブなゲーム開発スタジオの挑戦 株式会社バンダイナムコスタジオ 技術スタジオ 第4グループ オンラインテクノロジー部 八重樫 剛史 Takeshi Yaegashi

    2022-11-22 CloudNative Days Tokyo 2022
  2. 自己紹介 2 • 八重樫 剛史 Takeshi Yaegashi • 株式会社バンダイナムコスタジオ (BNS)

    技術スタジオ 第4グループ オンラインテクノロジー部 エンジニア • 1999 株式会社ナムコ(当時)入社 2012 株式会社バンダイナムコスタジオ転籍 2018 株式会社バンダイナムコアミューズメントラボ転籍 2020 株式会社バンダイナムコスタジオ転籍 • 社内研究・開発環境のクラウドサービス導入推進 CI/CDパイプライン構築支援などの業務に従事 • 出没場所 (最近は社外活動は低調…) Twitter https://twitter.com/hogegashi GitHub https://github.com/yaegashi
  3. 本日の話題 3 • バンダイナムコスタジオにおける クラウドネイティブなゲーム開発スタジオ構築の取り組みの説明 • クラウドネイティブなゲーム開発スタジオ POC Bandai Namco

    DX Cloud Studios (仮称) のアーキテクチャとDevOpsの解説 • 大規模な組織におけるクラウド開発インフラ導入推進の努力について
  4. バンダイナムコスタジオ これまでの情報発信 4 • Game Stack Live 2021: Building a

    Cloud Native CI/CD Pipeline for Unity Games • 録画: https://youtu.be/zT5r_B1ZtUc • CEDEC 2021: 2020年代のゲーム開発のためのクラウドネイティブCI/CDパイプラインの構築 • https://cedec.cesa.or.jp/2021/session/detail/s606508703ba94.html • CICD 2021: 大規模ゲーム開発を支えるAzure DevOpsによるクラウドネイティブなCI/CDの紹介 • https://event.cloudnativedays.jp/cicd2021/talks/1164 • CNDT 2021: ゲーム開発におけるクラウドネイティブな CI/CD の最新動向 • https://event.cloudnativedays.jp/cndt2021/talks/1268 • CEDEC 2022: DX(開発者体験)の向上を目指すゲーム開発インフラの進化とDX(デジタル変革) • https://cedec.cesa.or.jp/2022/session/detail/184 • 記事: https://gamemakers.jp/article/2022_11_07_22600/ • Bandai Namco Studios Creators’ Night: ゲーム会社のリモートワークDXのご紹介 • https://www.bandainamcostudios.com/news/2740 • 録画: https://www.youtube.com/watch?v=ibGI2xnXmGI
  5. バンダイナムコグループ 開発会社・関連会社の組織紹介 5 • バンダイナムコスタジオ(BNS)・バンダイナムコ研究所(BNKEN)・バンダイナムコアミューズメントラボ(BNAL) • 1955年創業の株式会社ナムコ (NAMCO LIMITED) を共通のルーツとして持つ開発会社

    • 事業拠点やITインフラを共有し3社で一体管理されている • バンダイナムコビジネスアーク (BNBA) • グループの各事業会社の管理業務を統括し共通業務(シェアードサービス)を提供する会社 • 1万名を超えるグループ従業員が利用するオンプレミスおよびクラウドのITインフラ管理を行っている Source: https://www.bandainamco.co.jp/group/ 株式会社バンダイナムコスタジオ (BNS) 株式会社バンダイナムコ研究所 (BNKEN) 株式会社バンダイナムコアミューズメントラボ (BNAL) 株式会社バンダイナムコビジネスアーク (BNBA)
  6. バンダイナムコスタジオ 事業拠点 6 • 東京・シンガポール・マレーシアに事業拠点 https://www.bandainamcostudios.com/office/ • 東京本社 • 東京都江東区

    (門前仲町) の2つのオフィスに1,000名程度の従業員が勤務 • 2020年4月 COVID-19によりほとんどが在宅勤務に移行 → クラウド化の取り組みが加速 • 最近では在宅勤務シフトを前提としたオフィス改装などを実施 2022/11/08 バンダイナムコスタジオ コワーキングスペース 『クリエバ(Creative Bubbles)』をオープン https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000007.000052144.html • シンガポール支社・マレーシア支社 • CGや3Dモデルの制作などを受注 • 最近では新しいゲームの企画や試作なども行われている
  7. 2020年以降のバンダイナムコスタジオにおけるゲーム開発インフラ改善の取り組み 7 • 2020/04 コロナ禍のはじまり・緊急事態宣言 • ほとんどの従業員が在宅勤務に移行・VPNで接続するオンプレミス(社内)リソースで業務遂行 • オンプレミスVPNのボトルネックが課題 →

    業務のクラウド化の取り組みが加速 • 2020〜 CI/CDパイプラインを中心としたクラウド化の取り組み • UnityやUnreal Engineのプロジェクトの自動ビルドなどを頑張ってクラウド化 • 2021〜 既存クラウドインフラ・ID基盤の活用推進 ← 進行中 • バンダイナムコグループ Azure AD テナントの活用研究とプレミアム機能の導入 • ゼロトラストなクラウドサービス利用環境の基盤整備、次のステップへの布石 • 2022〜 Bandai Namco DX Cloud Studios (仮称) POC ← 進行中 • ゲーム開発業務にも対応できる高機能なクラウド仮想デスクトップ基盤 (VDI) の開発環境を導入 • クラウドネイティブなゲーム開発スタジオの実現を目指す
  8. バンダイナムコグループのクラウドインフラ活用推進 8 • バンダイナムコグループのITインフラ・開発環境は歴史的に Microsoft/Windows が基盤 • Microsoft 365 (MS365)

    → オフィスアプリSaaS (グループ全体で10,000名以上のライセンス) • Visual Studio → 標準の開発ツール (BNSだけで数100名のVisual Studioサブスクライバ) • Azure → IaaS および PaaS (Visual Studioサブスクリプションで様々な利用特典) • Azure Active Directory (Azure AD) → マスターであるオンプレミスActive Directoryの情報を同期 (Azure AD Connect) グループ従業員のほとんどをカバーするクラウドID基盤 • Azure ADの活用研究によりゼロトラストなクラウド利用環境の基盤を整備 • OpenID Connect, → ユーザー認証・認可・プロビジョニングの標準プロトコル OAuth2, SAML, SCIM 各種SaaSや他社クラウドでもID統合を実現 • Application Proxy → 社内Webサービスに社外からVPNなしで安全にアクセスできるプロキシ Google BeyondCorpのAzure版のようなもの
  9. バンダイナムコグループ Azure AD と既存資産の活用推進 9 • 2021/11: Azure AD 有償ライセンス導入

    • Enterprise Mobility + Security (EMS) E3 ライセンスを全従業員に付与、Azure ADのプレミアム機能が活用可能になる • もともとBNBAのMS365セキュリティ強化の計画に伴って導入が決まっていた • 2021/12: Azure AD Joinユーザー認証の検証 • Azure Window VMのRDP接続でAzure ADユーザー認証が可能であることを確認 • Azure Virtual Desktop (DaaS) の利用準備が整う • 2021/12〜2022/04: GitHub Enterprise Managed Users の導入 • 眠っていた数100名分の Visual Studio Subscription with GitHub Enterprise ライセンスを掘り起こす • Azure AD SAML SSO認証とSCIMプロビジョニングを実現 • 2022/07〜2022/08: Azure AD Application Proxy の導入 • オンプレミスネットワークでApp Proxyコネクタが稼働開始 • オンプレミスのWebサービスにVPN不要でゼロトラストにアクセスできる手段を獲得
  10. クラウドネイティブなゲーム開発スタジオ 10 • 2021年からの既存インフラ検証・活用の実績を基盤にして 2022年度よりバンダイナムコスタジオの新しいクラウド開発インフラ構築の取り組みを開始 • 「2つのDX」を標榜するクラウドネイティブなゲーム開発スタジオ Bandai Namco DX

    Cloud Studios (仮称) • 2つのDX (日本CTO協会 DX Criteria) 1. 企業のデジタル変革 「Digital Transformation」 2. 開発者体験 「Developer eXperience」 • 強力な開発者の組織を作り維持するためには 2つ目のDX(開発者体験)の改善は重要 • Bandai Namco DX Cloud Studios の目的: ゲーム開発者のDX(開発者体験)の向上を目指す クラウド開発インフラによるDX(デジタル変革)の推進 Source: https://dxcriteria.cto-a.org/
  11. DX Cloud Studios のねらい 11 • Work From Anywhere •

    ゲーム開発にかかわるすべての従業員が利用できるリモートワークのインフラを提供 • エンジニア・アーティスト・テスターなど各職種の業務に対応するクラウド仮想デスクトップを導入 • レガシーアセットのサポート • レガシーアセット = ゼロトラストセキュリティに対応できないサービス、ソフトウェア、デバイスなどの従来資産 • サービスの例:Confluence/JIRAなどのセルフホストの社内Webサービス • ソフトウェアの例:分散ビルドシステム、高速リモートデスクトッププロトコルなど • デバイスの例:家庭用コンソールや業務用製品の開発検証機など • Azure AD App ProxyやクラウドVPNを活用してクラウド環境でも利用可能にする • 既存インフラの理解・活用・共存 • ID 基盤、クラウドサービスサブスクリプション、 ソフトウェアライセンスなどの既存インフラを理解し最大限に活用 • 従来のセキュリティポリシーを尊重、大規模なインフラの変更を回避、コストを削減 • つまりBNBAの管理するバンダイナムコグループのインフラを活用しさらに連携を深めていくということ
  12. DX Cloud Studios の構成要素 • DevTest DMZ: 開発・テスト隔離ネットワーク • 仮想マシンやレガシーアセット接続に使うのネットワークアドレス空間を各プロジェクトチームに割り当て

    • VDIやVPNによる手軽かつ安全なアクセス手段を提供 • VDI: クラウド仮想デスクトップ • 1人1台の割り当てを基本とするオンプレミス環境と同等のWindowsデスクトップを提供 • PCだけでなくスマホ・タブレット・シンクライアントによるアクセスに対応 • 高速リモートデスクトップ技術:アーティスト向けDCCツールやゲームのテストプレイに対応 • VPN: クラウド仮想ネットワーク接続 • オンプレミス(会社)環境ではなく在宅勤務環境をクラウドに接続する • オンプレミス環境とクラウド環境への同時VPN接続が可能 • 既存のセキュリティポリシーを維持しつつ、通信帯域・遅延のボトルネックを解消 12
  13. DX Cloud Studios が実現するリモートワーク環境 13 • On-Prem Studio =オンプレミス(社内)の開発環境 ❶

    • ConfluenceやJIRAなど業務上重要なサービスが存在 • On-Prem Studio VPNがリモート開発のボトルネック • Cloud Studio = クラウド上の開発環境 ❷ • On-Prem Studio とは重ならない プライベートアドレス空間を割り当て • Cloud Studio VPN ❸ • 在宅勤務PCをCloud Studioに直結する高速なVPN • On-Prem Studio VPNと同時に接続可能 • Cloud Studio VDI ❹ • Cloud desktops = クラウド上のWindows PC • GPU搭載PCがタブレットなどでも利用可能 • DevTest DMZ ❺ • プロジェクトごとに専用アドレス空間が 割り当てられる開発・テスト用の隔離 ネットワーク ❶ ❷ ❸ ❹ ❺ ❺
  14. DX Cloud Studios 内部のネットワーク構成 14 • 仮想ネットワーク(VNet)ピアリング ❶ • Azureの推奨アーキテクチャに準拠

    • Core VNetを中心としたハブ・スポーク構成 • VNet・インターネット間の通信は Azure Firewallを経由 • VNet: Cloud Desktops ❷ • Cloud DesktopsのVMを収容 • Azure Virtual DesktopなどのVDIアクセスを提供 • VNet: DevTest DMZ ❸ • 各プロジェクトが所有するAzureサブスクリプ ションのVNetをCore VNetとピアリング • 専用WireGuard VPNエンドポイントを設置可能 • 専用NSGによるアクセス制御が可能 • On-Prem Studio Legacy Services ❹ • Azure AD App Proxy経由でオンプレミス Confluence・JIRAにアクセス可能 ❶ ❷ ❸ ❸ ❹
  15. Cloud Studio VPN: WireGuard + Subspace 15 • WireGuard https://www.wireguard.com

    • 最新の暗号アルゴリズムによるVPNソフトウェア • Windows/macOS/Linux/Android/iOS 多様なOSに対応 • サーバはLinux VM上で稼働しOpenVPNよりも軽量・高速 • Subspace https://github.com/subspacecommunity/subspace • WireGuardと同じサーバ上で動く管理用Webアプリ • Azure AD SAML SSO ユーザー認証・承認 • ユーザーはセルフサービスで開発機材PCを登録して接続する • WireGuard + Subspace • AzureのVPNサービスに比べると格段に安くパフォーマンスが高い → 安価な1コアのAzure Linux VMでも1Gbps以上スループット → プロトコルの制約もなく別格のパフォーマンス • Subspaceはコンテナ化されておりデプロイや更新が簡単 • スケーラビリティ・冗長性という点ではちょっと弱い 1インスタンスにつき253デバイスまで
  16. DX Cloud Studios プライベートIPアドレス空間管理 16 • DX Cloud StudiosではBNBAとも連携してオンプレミスインフラと重ならないプライベートIPアドレス空間を使用する •

    DevTest DMZやVPNのために専用のIPアドレス空間を割り当てる
  17. Cloud Studio VDI: クラウド仮想デスクトップ 17 • ゲーム開発用の物理PCをクラウドVMによる仮想デスクトップ基盤(VDI)で置き換える試み • ゲーム開発におけるVDI導入のハードル •

    映像・音声の品質、通信遅延、特殊デバイス・専用ハードウェアの対応、GPU搭載VMのコスト、需給逼迫 • 正直いってVDIでは品質が劣る点や解決不可能な問題は多い • それでもVDI導入にこだわる理由 • 機材TCOの改善 → 物理機材の調達・故障対応・バックアップなどが不要に • セキュリティの向上 → デスクトップの映像・音声のみを通信するのでファイル流出が発生しにくい • モビリティの向上 → ユーザーはラップトップやタブレットなどの軽量端末のみがあればよい → 在宅勤務でも出社勤務でも同じVMで業務を続けることができる • 容量増大への対応 →プロジェクトの扱うデータ容量が増え、転送時間とコストが問題 → データの移動をクラウドだけで完結させる
  18. Azure Virtual Desktop Windows 365 Enterprise Microsoft Dev Box GA

    GA GA Preview VM課金 Azure 従量 MS365 月額固定 Azure 従量 VMスペック選択 自由 限定 限定 VMマルチセッション 可 不可 不可 VMイメージカスタマイズ 可 可 可 VM管理権限移譲 不可 不可 可 VM OS Windows 10/11 (ライセンスにより Windows Server 2019/2022 も可) VM接続 Web Client / RDP (RD Gateway + Reverse Connect) / RDP Shortpath (NAT Traversal) VM認証 Azure AD SSO (Azure AD Join) 必要ライセンス Windows 10/11 Enterprise 相当のライセンス (Microsoft 365 E3 などに含まれる) Microsoft/Azure が提供する Desktop as a Service (DaaS) の概要 18 • DX Cloud Studios では Azure Virtual Desktop を personal host pool (1人1台VM専有) 構成で利用している • 2022/11 時点で Windows 365 Enterprise および Microsoft Dev Box では GPU 搭載 VM が利用できない
  19. Parsec: サードパーティの高速リモートデスクトップソリューション 19 • Parsec社は2016年創業、2021年9月Unity Technologiesが買収 • 業界随一のパフォーマンスと高度なネットワーク接続性 • GPUエンコード・デコードによる低遅延・高品質な映像・音声伝達

    • NATトラバーサル(STUN)で直接接続するUDPトランスポート • High Performance Realy Server (Enterprise) • Azure AD SAML SSO・SCIMプロビジョニング (Enterprise) • Azure Virtual Desktopと組み合わせて利用可能 • ただしNVIDIA GPU搭載のVMが必須 (AMD GPU VM非対応) • DX Cloud Studios の検証でもポジティブなフィードバックが多数、ただし課題もあり • 「Parsec はこれまで試したどのリモートデスクトップのソフトよりも遅延が少なく驚いた」 • 「Unity Editorが大きな問題なく使用でき、内容次第であるがアクションゲームのテストプレイも可能」 • 「映像のストリーミングで圧縮のブロックノイズが出ることがある」 • 「マイク・カメラ入力ができずZoomやTeamsの会議ができないのが残念」 Source: https://developer.microsoft.com/ja-jp/games/blog/parsec-remote-desktop-is-now-available-on-azure/
  20. Protocol RDP RDP Shortpath Parsec Parsec with Relay Vendor/Product Microsoft

    Microsoft Parsec Free/Teams Parsec Enterprise Transport TCP UDP UDP UDP Connectivity Reverse connect with MS RD gateway NAT traversal with MS STUN server NAT traversal with Parsec STUN server NAT traversal with Parsec STUN and self- hosted relay server Symmetric NAT support Yes No No Yes GPU required? No No Yes Yes Delay Fair Good Excellent Excellent File transfer Yes No USB devices Yes HID only Authentication Network Level Authentication (NLA) with host user account Emulates pysical sign-in ("shared" mode) with Parsec user account Azure Virtual Desktop で利用可能なリモートデスクトッププロトコルの比較 20 • 接続先がプライベートネットワークのVMであってもグローバルIPアドレスやVPNを使わず接続できる • Parsec Enterprise Plan (relay server 使用) の構成が最もパフォーマンスが高く接続性が高い
  21. VM Size vCPU Mem GPU Storage 月額料金 用途 Standard_NV6ads_A10_v5 6

    55GB NVIDIA A10 1/6 4GB SSD 128GB $154.27 NVIDIA A10 GPU ⼀般開発者向け Unity Editor・テスト作業 Standard_NV12ads_A10_v5 12 110GB NVIDIA A10 1/3 8GB SSD 1TB $418.84 NVIDIA A10 GPU アーティスト向け Unreal Editor・DCCツール作業 Standard_NC8as_T4_v3 8 56GB NVIDIA T4 16GB SSD 128GB $225.67 NVIDIA T4 GPU ⼀般開発者向け Unity Editor・テスト作業 Standard_NC16as_T4_v3 16 110GB NVIDIA T4 16GB SSD 1TB $480.44 NVIDIA T4 GPU アーティスト向け Unreal Editor・DCCツール作業 Standard_NV12s_v3 12 112GB NVIDIA M60 8GB SSD 1TB $471.44 最新世代GPU VMが⼊⼿困難な場合の代替 Azure Virtual Desktop のコスト試算 (Japan East 2022/11) 21 • 月額料金 = VM時間単価 × 月稼働時間 200h + ストレージ月額料金 • 次ページ価格表を参照 • データ通信料金・Microsoft 365 ライセンス料金などの費用を除く • NVIDIA A10 GPU VM → 最新世代、vCPU数が少なめでGPUを分割使用するため価格が安い • NVIDIA T4 GPU VM → vCPUが多くGPUを専有使用するためパフォーマンスがA10より高いことが予想できる • NVIDIA M60 GPU VM → 旧世代、新しい世代のVMが需給逼迫している場合に使用
  22. Azure Virtual Desktop 関連価格表 (Japan East 2022/11) 22 仮想マシン (GPU

    搭載) 価格 ストレージ Premium SSD 価格 VM Size vCPU Mem GB GPU OnD 1h Spot 1h Description Standard_NV6ads_A10_v5 6 55 NVIDIA A10 1/6 4GB $0.6580 $0.2632 Unity/Unreal Editor・テスト作業⽤ Standard_NV12ads_A10_v5 12 110 NVIDIA A10 1/3 8GB $1.3170 $0.5268 Unity/Unreal Editor・テスト作業⽤ Standard_NC8as_T4_v3 8 56 NVIDIA T4 16GB $1.0150 $0.2683 Unity/Unreal Editor・テスト作業⽤ Standard_NC16as_T4_v3 16 110 NVIDIA T4 16GB $1.6250 $0.4295 Unity/Unreal Editor・テスト作業⽤ Standard_NV12s_v3 12 112 NVIDIA M60 8GB $1.5800 $0.1875 Unity/Unreal Editor・テスト作業⽤ Source: https://azure.microsoft.com/ja-jp/pricing/details/virtual-machines/windows/ https://azure.microsoft.com/ja-jp/pricing/details/managed-disks/ Storage Size GB IOPS Throughput MB/s Price 1m Price 1y Description SSD P10 128 500 100 $22.67 - OS 起動ディスク (C:) 向け SSD P15 256 1100 125 $43.73 - SSD P20 512 2300 150 $84.20 - SSD P30 1024 5000 200 $155.44 $147.67 データディスク向け
  23. 事例: DevTest DMZ における Incredibuild 運用 23 • DevTest DMZにIncredibuild環境を構築、Unreal

    Engine の分散ビルドなどを実施 • 高速な Cloud Studio VPN により在宅勤務PCからの分散ビルドが On-Prem Studio クラスタ利用と比較して大幅に高速化 • Helper AgentのAzure VMの数を負荷に応じて増減することでコストを削減
  24. 事例: Perforce Proxy On-Prem Studio VPN ボトルネックのバイパス 24 • On-Prem

    Studio VPN 経由では時間がかかりすぎる大容量のトラフィックを Azure クラウドでキャッシュ・バイパス • DevTest DMZ に On-Prem Studio の Perforce リポジトリにつながる Proxy (P4P) を設けて VPN 経由でアクセス
  25. 事例: オンラインゲームの開発環境 25 • DevTest DMZのAzure VMでゲームサーバの開発や自動ビルド・テストなどを実施 • Cloud Studio

    VPNにより在宅勤務環境のワークステーションからAzure VMに高速・安全なアクセスを提供
  26. DX Cloud Studios の DevOps ① 26 • Infrastructure as

    Code • ARM template (Bicep) & Template spec • 任意のAzureサブスクリプション・任意のリージョンに DX Cloud Studiosを簡単にデプロイ可能 • 仮想ネットワーク、WireGuard/Subspace VM、AVDワークス ペース、ホストプール、セッションホスト、etc. • Azure Virtual Desktop VMイメージ管理 • Azure Image Builder (AIB) & Azure Image Gallery (AIG) • AIB = HashiCorp Packerのマネージドサービス • 英語版Windows 10 21H2 + MS365アプリの公式イメージを 日本語化してsysprepイメージをAIG登録するまでを自動化 • 1回のVMイメージ構築に1時間程度の所要時間 • Azure Virtual Desktop VMデプロイ自動化 • Azure Pipelinesに渡した社員番号パラメータからMS Graphで従 業員情報を収集しtemplate specを適切にデプロイ
  27. DX Cloud Studios の DevOps ② 27 • Azure Monitor

    によるログ・メトリクス監視 • Azure Virtual Desktop ホストプールのイベントログ記録と可視化 • Azure Virtual Desktop ホストのエージェントログ収集 • Azure Firewall を通過する通信ログ記録
  28. DX Cloud Studios の DevOps ③ 28 • 開発に関する所感 •

    ARM Template (Bicep) と Template Spec による IaC は非常に便利だが Azure のみなのが残念 • AIBによるWindows VMイメージの作成・調整に時間が多くとられノウハウが必要 • 運用に関する所感 • 現時点のユーザー数: 70程度 • Azure Virtual Desktop の日々の運用であまりトラブルはなくほぼワンオペ体制で対応できている • むしろ Parsec アプリの不具合対応などに時間をとられることが多い • ユーザーが3桁・4桁になるとワンオペでは対応できなくなるので、POCの完了後はシステム開発を推進する計画
  29. バンダイナムコグループ 開発会社・関連会社の組織 (再掲) 29 • バンダイナムコグループ → 従業員10,000名の典型的な日本のエンタープライズ (大企業) •

    バンダイナムコスタジオ → 従業員1,000名の大規模プロジェクトが多数走っているゲーム開発会社 • いわゆるJTCではないかもしれないが、大きな組織での新しいクラウド開発インフラ導入・デジタル変革は困難を伴う Source: https://www.bandainamco.co.jp/group/ 株式会社バンダイナムコスタジオ (BNS) 株式会社バンダイナムコ研究所 (BNKEN) 株式会社バンダイナムコアミューズメントラボ (BNAL) 株式会社バンダイナムコビジネスアーク (BNBA)
  30. エンタープライズ (大企業) IT インフラ更新の困難を乗り越える努力 30 • エンタープライズにありがちなITインフラのアジリティ不足 • 前例のないAzure ADの機能利用や設定変更の要望を通すことが難しい

    • バンダイナムコグループのAzure ADはユーザーが1万人を超える巨大なテナ ントであり保守的になることはやむを得ない • 対話と根回し • ステークホルダーを味方につけ時間をかけて説明し調整する努力が必要 • 自社の上位役職者に説明し、事業会社(BNS)としての正式な要望をITインフ ラ管理会社(BNBA)に申し入れしてもらう • ベンダ (Microsoft) からも支援を得る • 自分事とする姿勢を見せる • 要望した事柄を他人事とせず、自分でも十分に研究・検証して管理者に やってもらうべきオペレーションやリスクの対処を一緒に考える • Microsoft 365 開発者プログラム: 実験用の Microsoft 365 / Azure AD サンドボックスが利用可能 • 信頼関係が得られれば、アジリティはだんだん向上していく Source: https://developer.microsoft.com/ja-jp/microsoft-365/dev-program
  31. GEMini: バンダイナムコスタジオ新人制作研修 31 • GEMini 実施概要 • エンジニア、プランナー、アーティストなどの全職種を含む 10人程度のチームを数個編成して半年程度でゲームを制作 •

    ここ数年はWindowsがターゲットのミニゲームをUnityで作る • 新しいインフラの導入推進に活用する • 2021年度GEMini研修の成果 • Goonect – Steamで2022年5月27日リリース! https://store.steampowered.com/app/1850360/Goonect/ • インタビュー記事:『Goonect』ができるまで https://www.bandainamcostudios.com/works/episode/2314 https://www.bandainamcostudios.com/works/episode/2340 • 2022年度GEMini研修が完了 • 4つの制作チームがクラウド開発インフラとして DX Cloud Studios を使用しゲームを完成させた
  32. 新人研修・教育プロジェクトの活用 32 • 新人研修プロジェクトの特徴 • 小規模プロジェクト → インフラ投資額を抑えられる • 新規プロジェクト

    → 既存の大規模プロジェクトに存在する様々なしがらみが少ない • 研修プロジェクト → 収益化のプレッシャーがなく、様々な実験と検証に適している • 新人(特にエンジニア)はクラウド開発インフラの活用能力が高い • 先輩よりもクラウド開発インフラを使いこなせる優秀な新人が多い • Gitによる協調開発やCI/CD構築などは一般教養のひとつであり入社前から経験がある • 新人研修でクラウド開発インフラの経験があれば、配属先プロジェクトでもクラウド推進の役割が期待できる • 2022年度GEMiniプロジェクトにおける目標 • 社長の肝入いり案件として "フル" クラウド開発インフラを実現し、全社向けのDX推進の礎を築く • クラウドベンダである日本マイクロソフト様からも様々な形で支援をいただいています
  33. GEMiniプロジェクトの目指す "フル" クラウド開発インフラ 33 • 自動ビルドやテストなど一部分にとどまっていたゲーム開発インフラのクラウド化をさらに押し進める • GEMiniプロジェクトでDX Cloud Studioのクラウド仮想デスクトップ環境によるゲーム開発遂行可能性を検証する

  34. 2022年度 GEMini "フル" クラウドゲーム開発インフラの総括 34 • 研修参加者のフィードバック • エンジニア職・企画職からのParsec利用感のフィードバックは概ねポジティブであった Unityゲーム制作プロジェクトにおいては実用になるレベルと思われる

    • アーティスト職からはParsecの色の再現性やブロックノイズについての問題を指摘するコメントがあった • Parsecのフレンド機能、画面共有機能を活用して相談やサポートのしやすさを評価するコメントが多かった • ゲーミングノートPCなどの重い機材を自宅と会社で運搬する必要がない点を歓迎するコメントが多かった • Parsecアプリの不具合、キーバインドの混乱、ネットワーク障害の影響を不安視するコメントが多かった • GEMiniインフラ担当者コメント • DX Cloud Studiosを構築しながらのインフラ提供であったため、 "フル" クラウドゲーム開発インフラとして完全なもの を研修の最初から提供できなかったことは残念だったが、一応の手応えを得ることができた • VDIに注力するあまりUnityプロジェクトのCI/CDのサポートがなおざりになってしまったのは大きな反省点 • 2023年度研修では最初からフルスペックの "フル" クラウドゲーム開発インフラが使えるよう鋭意努力したい
  35. 本日の講演のまとめ 35 • バンダイナムコスタジオにおける クラウドネイティブなゲーム開発スタジオ実現の取り組みについて紹介しました • 2021年以降の既存クラウドインフラ・ID基盤の活用推進 • バンダイナムコグループ Azure

    AD テナントの活用研究とプレミアム機能の導入 • 2022年以降の Bandai Namco DX Cloud Studios (仮称) POC • ゲーム開発業務にも対応できる高機能なクラウド仮想デスクトップ基盤 (VDI) の開発環境を導入 • 大規模組織におけるクラウド開発インフラ導入推進 • エンタープライズ (大企業) IT インフラ更新の努力GEMini新人研修・プロジェクトの活用
  36. 今後の展望 36 • Bandai Namco DX Cloud Studios (仮称) は

    POC を完了して次のフェイズに進む予定です • 今後も情報発信の機会をとらえて進捗を随時報告していきます
  37. Thank You!! 37