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正しい技術選定がPMFを加速する 〜なぜ、エンジニアが顧客と話すべきか︖〜

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September 02, 2025

正しい技術選定がPMFを加速する 〜なぜ、エンジニアが顧客と話すべきか︖〜

2025/9/2のAWS Unicorn Day 2025 Tokyoで公開した資料です。

生成AI時代において、起業家が技術支援なしでプロダクト開発を試みるケースが増加していますが、エンジニアリング知識不足により仮説検証に集中できない課題が発生しています。本セッションでは、技術とビジネス両方を理解するスタートアップエンジニアの重要性を解説します。

PMF発見までの3つのサイクル(顧客課題の事実ベース特定・Working BackwardsとPR/FAQによる顧客体験言語化・PoCによる仮説検証)を、架空のスタートアップ「NeighborLink」の具体例とともに紹介。スピード重視の技術選定により学習サイクルを加速する手法を詳説します。

さらに、PMF達成後の課題である顧客期待値の変化(「動けばいい」→「止まってはいけない」)とビジネス持続可能性(経済的・運用・開発持続性)に対し、ビルディングブロック導入による解決策を提示。エンジニアがPMF達成の重要なパートナーとして果たすべき役割を明確化します。

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YutaOkoshi

September 02, 2025
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  1. AWS UNICORN DAY 2025 © 2025, Amazon Web Services, Inc.

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    or its affiliates. All rights reserved. © 2025, Amazon Web Services, Inc. or its affiliates. All rights reserved. 正しい技術選定がPMFを加速する 〜なぜ、エンジニアが顧客と話すべきか︖〜 Yuta Okoshi 1 1 : 3 0 A M ~ 1 1 : 5 5 A M Startup Solutions Architect
  3. AWS UNICORN DAY 2025 © 2025, Amazon Web Services, Inc.

    or its affiliates. All rights reserved. Who are you? ⼤越 雄太 Startup Solutions Architect / AWS スタートアップ事業本部 シード/アーリーステージのスタートアップのPMF実現 を⽀援し、CxO やエンジニアへの技術的・⾮技術的な アドバイザリーや情報発信を⾏いながら、⽇本のス タートアップエコシステムの発展に貢献している。 @cossy70461807
  4. AWS UNICORN DAY 2025 © 2025, Amazon Web Services, Inc.

    or its affiliates. All rights reserved. • 起業家を技術⾯で補完する重要性が増⼤ • 仮説検証と計画的技術負債のバランス感覚 • 技術とビジネス両⽅を理解した意思決定 • エンジニアリング知識がないまま⽣成AIを 使う時間が増加 • 最も重要な仮説検証の時間が不⾜ • ⻑期的な技術選定や拡張性を考慮した設計 ができない ⽣成AI時代に求められるエンジニアの役割 4 起業家が直⾯する課題 エンジニアが果たすべき役割 「エンジニアは仮説検証に最適な技術を選定する」
  5. AWS UNICORN DAY 2025 © 2025, Amazon Web Services, Inc.

    or its affiliates. All rights reserved. 今⽇お話しすること 1. PMFを⾒つけるまでのサイクル 2. PMFを持続させるための準備 3. まとめ
  6. AWS UNICORN DAY 2025 © 2025, Amazon Web Services, Inc.

    or its affiliates. All rights reserved. 6 架空のスタートアップ︓「NeighborLink」 CEO⽥中さんの原体験 「ある⽇、下の⼦が急に40度の熱を出したんです。 主⼈は出張中で、薬も切れていて…でも近所に頼れ る⼈がいなくて本当に困りました」 アイデア 「近隣住⺠同⼠マッチングプラットフォーム」 ※「NeighborLink」は架空のスタートアップです。
  7. AWS UNICORN DAY 2025 © 2025, Amazon Web Services, Inc.

    or its affiliates. All rights reserved. 7 架空のスタートアップ︓「NeighborLink」 CEO⽥中さんの原体験 「ある⽇、下の⼦が急に40度の熱を出したんです。 主⼈は出張中で、薬も切れていて…でも近所に頼れ る⼈がいなくて本当に困りました」 アイデア 「近隣住⺠同⼠マッチングプラットフォーム」 皆さんもNeighborLinkのエンジニアになったつもりで ⼀緒に考えていきましょう ※「NeighborLink」は架空のスタートアップです。
  8. AWS UNICORN DAY 2025 © 2025, Amazon Web Services, Inc.

    or its affiliates. All rights reserved. © 2025, Amazon Web Services, Inc. or its affiliates. All rights reserved. 8 PMFを⾒つけるまでのサイクル
  9. AWS UNICORN DAY 2025 © 2025, Amazon Web Services, Inc.

    or its affiliates. All rights reserved. PMFを⾒つけるまでのサイクル 9 顧客課題を事実ベースで特定 仮説ではなく事実に基づく顧客理解 顧客インタビュー・⾏動観察 顧客体験の⾔語化と合意 チーム全体の共通認識形成 PR/FAQ・Working Backwards PoCを利⽤した仮説検証 質の⾼いフィードバックの重要性 ドッグフーディング・ユーザー検証 1 2 3
  10. AWS UNICORN DAY 2025 © 2025, Amazon Web Services, Inc.

    or its affiliates. All rights reserved. © 2025, Amazon Web Services, Inc. or its affiliates. All rights reserved. 10 ポイント1︓顧客の解決したい課題を 事実ベースで特定できているか︖
  11. AWS UNICORN DAY 2025 © 2025, Amazon Web Services, Inc.

    or its affiliates. All rights reserved. (再掲)PMFを⾒つけるまでのサイクル 11 顧客課題を事実ベースで特定 仮説ではなく事実に基づく顧客理解 顧客インタビュー・⾏動観察 顧客体験の⾔語化と合意 チーム全体の共通認識形成 PR/FAQ・Working Backwards PoCを利⽤した仮説検証 質の⾼いフィードバックの重要性 ドッグフーディング・ユーザー検証 1 2 3
  12. AWS UNICORN DAY 2025 © 2025, Amazon Web Services, Inc.

    or its affiliates. All rights reserved. 12 スタートアップが失敗する理由︓第1位 「市場が求めていないものを作ってしまった」 顧客の解決したい課題を事実ベースで特定できているか︖
  13. AWS UNICORN DAY 2025 © 2025, Amazon Web Services, Inc.

    or its affiliates. All rights reserved. 13 顧客の解決したい課題を事実ベースで特定できているか︖ • 机上の空論 • 確証バイアス • ずれた認識 § 「きっとこういう課題があるはず」 という推測に基づく製品開発 • 現場観察 • ユーザーインタビュー • ⾏動データ分析 § 「実際に⽬の前で起きている」ことに 基づく製品開発 仮説ベース 事実ベース VS
  14. AWS UNICORN DAY 2025 © 2025, Amazon Web Services, Inc.

    or its affiliates. All rights reserved. 14 事実ベースで聞く質問テクニック § 「最後にその作業をしたのはいつですか︖画⾯を⾒せてもらえますか︖」 § 「その時、⼀番イライラしたのはどの部分ですか︖」 § 「もしその作業が⾃動化されたら、どのぐらい時間が節約できますか︖」 顧客の解決したい課題を事実ベースで特定できているか︖
  15. AWS UNICORN DAY 2025 © 2025, Amazon Web Services, Inc.

    or its affiliates. All rights reserved. 15 架空事例「NeighborLink」①︓顧客課題のギャップ 当初の仮説 世代間マッチング ・共働き→⾼齢者の⼀⽅的な依頼 ・⾦銭による対価 ・公式な依頼プロセス 実際のニーズ コミュニティ型相互⽀援 ・同世代含む多⽅向の助け合い ・⼼理的ハードルの低減が鍵 ・気軽なきっかけづくり ヒアリング ⾼度なマッチングアルゴリズムではなく、 「顔を合わせるきっかけ作り」と「気軽に頼める仕組み」を軸に
  16. AWS UNICORN DAY 2025 © 2025, Amazon Web Services, Inc.

    or its affiliates. All rights reserved. © 2025, Amazon Web Services, Inc. or its affiliates. All rights reserved. 16 ポイント2︓理想の顧客体験を⾔語化し チームで合意ができているか︖
  17. AWS UNICORN DAY 2025 © 2025, Amazon Web Services, Inc.

    or its affiliates. All rights reserved. (再掲)PMFを⾒つけるまでのサイクル 17 顧客課題を事実ベースで特定 仮説ではなく事実に基づく顧客理解 顧客インタビュー・⾏動観察 顧客体験の⾔語化と合意 チーム全体の共通認識形成 PR/FAQ・Working Backwards PoCを利⽤した仮説検証 質の⾼いフィードバックの重要性 ドッグフーディング・ユーザー検証 1 2 3
  18. AWS UNICORN DAY 2025 © 2025, Amazon Web Services, Inc.

    or its affiliates. All rights reserved. 18 なぜ⾔語化とチームで合意が重要なのか︖ → それは実際のスタートアップで起こる典型的な失敗パターンを防ぐため § 例えば – 顧客体験の⾔語化がないと⼀貫性のない顧客体験に – 創業初期のリソース不⾜時に認識のズレがあると取り返しがつかない – 無意識の前提による開発⽅向のバラつきを防⽌できる 理想の顧客体験を⾔語化しチームで合意ができているか︖
  19. AWS UNICORN DAY 2025 © 2025, Amazon Web Services, Inc.

    or its affiliates. All rights reserved. 19 なぜ⾔語化とチームで合意が重要なのか︖ それは実際のスタートアップで起こる典型的な失敗パターンを防ぐため § 例えば – 顧客体験の⾔語化がないと⼀貫性のない顧客体験に – 創業初期のリソース不⾜時に認識のズレがあると取り返しがつかない – 無意識の前提による開発⽅向のバラつきを防⽌できる 理想の顧客体験を⾔語化しチームで合意ができているか︖ この認識のズレを 創業初期の資⾦も⼈員も⾜りないときに犯すと 取り返しのつかないことに
  20. AWS UNICORN DAY 2025 © 2025, Amazon Web Services, Inc.

    or its affiliates. All rights reserved. Working Backwards︓未来から逆算するプロダクト開発 20 Working Backwardsとは︖ – 「未来から逆算して考える」アプローチで、理想の顧客体験を⽰す – コードを書く前にPR/FAQを実際に書くことを推奨 PR/FAQの構成 § プレスリリース • 顧客の⼼に思いを馳せ、新製品・サービスの体験をイメージする § FAQ • 顧客に焦点を当てた質問 (価格、故障時など) • 社内ステークホルダーに焦点を当てた質問 (⽬標、ビジネス成果、差別化理由など) § ビジュアル • ⾔葉では伝えにくい顧客体験のイメージを伝える PR FAQ 顧客向け 新製品・サービスの 体験 架空の顧客からの コメント 社内向け Visual
  21. AWS UNICORN DAY 2025 © 2025, Amazon Web Services, Inc.

    or its affiliates. All rights reserved. AWS LambdaのPR/FAQ実例 21 引⽤元︓AWS Lambda turns 10: A rare look at the doc that started it https://www.allthingsdistributed.com/2024/11/aws-lambda-turns-10-a-rare-look-at- the-doc-that-started-it.html
  22. AWS UNICORN DAY 2025 © 2025, Amazon Web Services, Inc.

    or its affiliates. All rights reserved. AWS LambdaのPR/FAQ実例 22 AWSサービスチームが発⾒した顧客課題 § ⼩さなコードを動かすためにも、EC2インスタンスを⽴ち上げて管理する必要がある § トラフィックがない時でも24時間サーバー代を払い続けなければならない § 突発的なアクセス増加に対応するため、常に余分なインスタンスを準備しておく必要がある § Auto Scalingの設定が複雑で、エンジニアがインフラ管理に多くの時間を取られる 引⽤元︓AWS Lambda turns 10: A rare look at the doc that started it https://www.allthingsdistributed.com/2024/11/aws-lambda-turns-10-a-rare-look-at- the-doc-that-started-it.html
  23. AWS UNICORN DAY 2025 © 2025, Amazon Web Services, Inc.

    or its affiliates. All rights reserved. AWS LambdaのPR/FAQ実例 23 PRの⼀部抜粋(意訳) – 「AWS Lambda により、開発者はサーバーの管理を⼀切せずに、コードの実⾏だけに集 中できるようになりました。従来は数時間かかっていたインフラ準備が、今では数秒で 完了します。また、実際にコードが実⾏された時間分だけの課⾦となるため、コストを ⼤幅に削減できるケースも多数確認されています。」 引⽤元︓AWS Lambda turns 10: A rare look at the doc that started it https://www.allthingsdistributed.com/2024/11/aws-lambda-turns-10-a-rare-look-at- the-doc-that-started-it.html
  24. AWS UNICORN DAY 2025 © 2025, Amazon Web Services, Inc.

    or its affiliates. All rights reserved. AWS LambdaのPR/FAQ実例 24 FAQの⼀部抜粋(意訳) § 顧客向けFAQ – Q: 「従来のEC2インスタンスと何が違うのか︖」 – Q: 「技術的制約はあるのか︖」 – Q: 「従来のアーキテクチャからの移⾏は⼤変か︖」 § 社内向けFAQ︓ – Q: 「どんな顧客が最も喜ぶのか︖」 – Q: 「どのような場合に顧客に Lambda を使⽤しないよう指⽰すればよいですか?」 – Q: 「 Lambda の信条は何ですか?」 引⽤元︓AWS Lambda turns 10: A rare look at the doc that started it https://www.allthingsdistributed.com/2024/11/aws-lambda-turns-10-a-rare-look-at- the-doc-that-started-it.html
  25. AWS UNICORN DAY 2025 © 2025, Amazon Web Services, Inc.

    or its affiliates. All rights reserved. AWS LambdaのPR/FAQ実例 25 引⽤元︓AWS Lambda turns 10: A rare look at the doc that started it https://www.allthingsdistributed.com/2024/11/aws-lambda-turns-10-a-rare-look-at- the-doc-that-started-it.html
  26. AWS UNICORN DAY 2025 © 2025, Amazon Web Services, Inc.

    or its affiliates. All rights reserved. 26 § 「今すぐこれを欲しがるのは誰だ︖」 § 「誰も聞いたことのない⼆⼈だけのスタートアップが作った クソみたいなバージョン1でさえ使うほどにこれを欲しているのは誰だ︖」 理想の顧客体験を⾔語化しチームで合意ができているか︖ 引⽤元︓Masa Kakinokiさん訳 「スタートアップのアイデアを得る⽅法(原著者︓Paul Graham)」 https://medium.com/kakinoki-masato-no-blog/how-to-get-startup-ideas-by-paul-graham-4f8cdf1217b8 翻訳元︓Paul Gragan「How to Get Startup Ideas」 https://paulgraham.com/startupideas.html もしこれらが曖昧なら、 コードを書く前に顧客課題と顧客体験の解像度を⾼めましょう
  27. AWS UNICORN DAY 2025 © 2025, Amazon Web Services, Inc.

    or its affiliates. All rights reserved. 27 プレスリリース概要 • 「NeighborLinkは、同じ地域に住む⼈同⼠が気軽にお⼿伝いを依頼・提供できるプラット フォームです。『荷物の受け取り』『ペットの散歩』『DIYの⼿伝い』など、⽇常の⼩さなお ⼿伝いから始まり、段階的に信頼関係を築いていきます。」 顧客向けFAQ • Q:「知らない⼈に家の中に⼊られるのは不安です」 • A:「まずは『⽞関先での荷物受け取り』など、プライベート空間に⼊らないお⼿伝いから始め られます」 社内向けFAQ: • Q:「なぜ広域のマッチングアプリではダメなのか︖」 • A:「地理的近接性(徒歩5分圏内)と継続的関係が信頼を⽣む。⼀回限りのサービスではなく 『いつものあの⼈』になることで安⼼感を実現」 架空事例「NeighborLink」②︓PR/FAQ
  28. AWS UNICORN DAY 2025 © 2025, Amazon Web Services, Inc.

    or its affiliates. All rights reserved. © 2025, Amazon Web Services, Inc. or its affiliates. All rights reserved. 28 ポイント3︓PoCを利⽤した仮説検証が できているか︖
  29. AWS UNICORN DAY 2025 © 2025, Amazon Web Services, Inc.

    or its affiliates. All rights reserved. (再掲)PMFを⾒つけるまでのサイクル 29 顧客課題を事実ベースで特定 仮説ではなく事実に基づく顧客理解 顧客インタビュー・⾏動観察 顧客体験の⾔語化と合意 チーム全体の共通認識形成 PR/FAQ・Working Backwards PoCを利⽤した仮説検証 質の⾼いフィードバックの重要性 ドッグフーディング・ユーザー検証 1 2 3
  30. AWS UNICORN DAY 2025 © 2025, Amazon Web Services, Inc.

    or its affiliates. All rights reserved. 30 PR/FAQ(仮説) 論理的に構築された 顧客体験の仮説 • 完璧な論理構成 • 内部チーム合意 • 理想的な顧客像 なぜ仮説検証をする必要があるのか︖ PR/FAQをどんなに論理的に組み⽴てても、それはあくまでも仮説 実際のユーザーフィードバック 現実の顧客体験から得られる 貴重なインサイト 「このボタン何︖」 「他のアプリの⽅が使いやすい」 「使い⽅がわからん」 仮説検証が必要
  31. AWS UNICORN DAY 2025 © 2025, Amazon Web Services, Inc.

    or its affiliates. All rights reserved. 31 完璧なPoCは必要ない PoCといっても完璧なものを作る必要はありません。 紙のモックアップでも、動くデモでもいい。 とにかく「⾃分たちの仮説を検証し学ぶことができるもの」を 雑に作って、ユーザーの反応を⾒ることが⼤切です。 PoCの考え⽅
  32. AWS UNICORN DAY 2025 © 2025, Amazon Web Services, Inc.

    or its affiliates. All rights reserved. 架空事例「NeighborLink」③︓仮説検証 32 検証仮説 • 「近隣住⺠は『荷物受け取り』のよう な⼩さなお⼿伝いから始めれば、段階 的に信頼関係を築いて継続利⽤してく れる」 検証結果 • 「⼩さなお⼿伝いから始める」という前提 ⾃体が、ユーザーにとって「⼩さく」な かった。 • ⼼理的ハードルの⾼さを過⼩評価していた 学んだ重要な洞察 創業者たちが考えた「荷物受け取りは簡単なお⼿伝い」と、 ユーザーが感じる「知らない⼈との初回接触は⼤きなハードル」に⼤きなギャップがあった。 依頼の気軽さではなく、⼼理的安全性の確保が最優先課題だった。
  33. AWS UNICORN DAY 2025 © 2025, Amazon Web Services, Inc.

    or its affiliates. All rights reserved. © 2025, Amazon Web Services, Inc. or its affiliates. All rights reserved. 33 サイクルと技術選定は どう関係あるの︖
  34. AWS UNICORN DAY 2025 © 2025, Amazon Web Services, Inc.

    or its affiliates. All rights reserved. なぜ技術選定が関係あるの︖ 34 • エンジニアリングの知識を活⽤し、短期間で多くの仮説を検証 • 最適な技術選定で柔軟かつ迅速にフィードバックを反映 • 顧客価値の早期発⾒と、PMF達成への近道を実現 スタートアップに所属するエンジニアは技術的知⾒を活かし、 学習サイクルを⼤幅に加速することができる重要なパートナー 起業家の課題 • エンジニアリング知識を持った⼈が少ない • 技術的な壁により、仮説検証サイクルの速度が制限される エンジニアの貢献
  35. AWS UNICORN DAY 2025 © 2025, Amazon Web Services, Inc.

    or its affiliates. All rights reserved. 学習サイクルの加速させる技術選定とは︖ 35 「コードを書く必要があるのか︖」を常に問い、 マネージドサービスで代替できないか積極的に検討しましょう。 • 最も重要な3つの指標︓ § デプロイまでの時間(アイデア→本番︓数時間〜1⽇) § 機能追加・修正の速度(翌⽇改善リリース可能か) § 失敗の許容性(不要機能を簡単に削除・変更可能か)
  36. AWS UNICORN DAY 2025 © 2025, Amazon Web Services, Inc.

    or its affiliates. All rights reserved. 学習サイクルを加速させる技術選定の⼀例 36 • CloudFront x S3 x Amazon IVS – ユースケース︓ ライブコマース、ゲーム配信サイト Amazon S3 Amazon CloudFront Amazon Interactive Video Service ⼀般ユーザー
  37. AWS UNICORN DAY 2025 © 2025, Amazon Web Services, Inc.

    or its affiliates. All rights reserved. 学習サイクルを加速させる技術選定の⼀例 37 • Vercel x Retool x AWS IoT – ユースケース︓ IoTデバイス監視、スマートファクトリー、農業IoT管理システム AWS IoT Core ⼀般ユーザー 管理ユーザー
  38. AWS UNICORN DAY 2025 © 2025, Amazon Web Services, Inc.

    or its affiliates. All rights reserved. 学習サイクルを加速させる技術選定の⼀例 38 • Vercel x Supabase x Amazon Bedrock – ユースケース︓社内FAQ、パーソナルアシスタント Amazon Bedrock ⼀般ユーザー
  39. AWS UNICORN DAY 2025 © 2025, Amazon Web Services, Inc.

    or its affiliates. All rights reserved. 架空事例「NeighborLink」④︓スピード重視の技術選定 39 新しい仮説︓ • 「信頼情報(顔写真と過去評価)の可視化機能」を 最短で検証する Next.js on Vercel (⾼速プロトタイピング、簡単デプロイ) Supabase (ユーザープロフィール管理 + 認証 + 画 像ストレージ) CTO「今週は『プロフィールを⾒て安⼼できるか』だけ に集中。1週間後に再度ユーザーヒアリングして、⼼理 的ハードルが下がったかを確認します」
  40. AWS UNICORN DAY 2025 © 2025, Amazon Web Services, Inc.

    or its affiliates. All rights reserved. © 2025, Amazon Web Services, Inc. or its affiliates. All rights reserved. 40 PMFを持続させるための準備
  41. AWS UNICORN DAY 2025 © 2025, Amazon Web Services, Inc.

    or its affiliates. All rights reserved. PMFしている状態とは︖ 41 ⾃発的な活動 ユーザーが⾃主的にイベントを企画 ⾼い継続率 週3回以上のアクティブユーザーが急増 ⼝コミ拡散 「うちでも使いたい」という問い合わせ エンジニア視点だと? • リクエスト数が1,000倍に跳ね上がる • 「◦◦の機能はないの?」という機能要望が殺到 • 障害が発⽣すると数分で問い合わせが殺到
  42. AWS UNICORN DAY 2025 © 2025, Amazon Web Services, Inc.

    or its affiliates. All rights reserved. PMFしている状態とは︖ 42 動けばいい ⽌まってはいけない PMF発⾒前 PMF発⾒後 ユーザーからの期待値が 変化 PMF発⾒後は安定性を重視した技術選定へ
  43. AWS UNICORN DAY 2025 © 2025, Amazon Web Services, Inc.

    or its affiliates. All rights reserved. 43 PMF後に 必要な 持続可能性 競争持 続性 運⽤持 続性 経済的 持続性 ビジネスの持続可能性も必要 PMFを達成しつづけるには 顧客価値の提供を持続できる 事業基盤の構築が求められる
  44. AWS UNICORN DAY 2025 © 2025, Amazon Web Services, Inc.

    or its affiliates. All rights reserved. PMF発⾒後の課題に対応できる、ビルディングブロックとは 44 持続可能な成⻑ スケールに対応 最⼩構成 PMF発⾒に集中 段階的拡張 成⻑に合わせて 追加 必要最⼩限から始めて段階的に拡張する設計で、成⻑に柔軟に対応 コスト効率性 • 初期投資を最⼩化 • 段階的に投資を増やす 開発速度 • 既存ブロックの再利⽤により、 素早い実装が可能 メンテナンス性 • 部分的な修正・変更が容易 • システム全体の安定性が向上 ビルディングブロックアプローチの3つのメリット
  45. AWS UNICORN DAY 2025 © 2025, Amazon Web Services, Inc.

    or its affiliates. All rights reserved. 架空事例「NeighborLink」⑤︓PMF達成後の課題とOpportunity 45 開発課題 • 既存構成維持しながら機能追加 § IoT連携(荷物到着通知、在宅センサー) § パーソナライズ機能と地域イベント管理 ⾃治体連携 • ⾃治体からの公式アプリ化検討依頼 § 専⽤AWS環境とセキュリティ強化 § ⾏政システム連携⽤インターフェース
  46. AWS UNICORN DAY 2025 © 2025, Amazon Web Services, Inc.

    or its affiliates. All rights reserved. 架空事例「NeighborLink」⑤︓PMF達成後の課題とOpportunity 46 PMF前︓学習速度重視 「動けばいい」段階 PMF後︓持続可能性重視 「⽌まってはいけない」段階 シンプルなコアシステム Next.js Vercel Supabase • 迅速な開発・デプロイ • 低コストでスピーディーな実験 • ユーザー基本機能のみ実装 • 個⼈ユーザー向けサービス シンプルなコアシステム Next.js Vercel Supabase 拡張モジュール(追加) AWS IoT Core スマートデバイス連携 Amazon Personalize レコメンド機能 Lambda + DynamoDB 拡張データ処理 ⾃治体向け環境(別テナント) AWS Organizations SecurityHub セキュリティ強化・完全分離環境 世⽥⾕区役所向け公式アプリ
  47. AWS UNICORN DAY 2025 © 2025, Amazon Web Services, Inc.

    or its affiliates. All rights reserved. ビルディングブロックを考慮する上で⼤切なこと 47 1. ビルディングブロックアプローチ § 既製品の「仕様上できません」という制約を、ビルディングブロック型なら 必要なコンポーネント組み合わせで解決。 § 技術的制約なしで競合差別化とスタートアップ成⻑を実現 2. ただし、技術投資タイミングの⾒極めも必要 § 早すぎると無駄なコスト、遅すぎると事業成⻑の⾜枷に。このバランス感覚 がスタートアップエンジニアの腕の⾒せ所
  48. AWS UNICORN DAY 2025 © 2025, Amazon Web Services, Inc.

    or its affiliates. All rights reserved. © 2025, Amazon Web Services, Inc. or its affiliates. All rights reserved. 48 まとめ
  49. AWS UNICORN DAY 2025 © 2025, Amazon Web Services, Inc.

    or its affiliates. All rights reserved. まとめ︓PMFを⾒つけるまで 49 顧客課題を事実ベースで特定 仮説ではなく事実に基づく顧客理解 顧客インタビュー・⾏動観察 顧客体験の⾔語化と合意 チーム全体の共通認識形成 PR/FAQ・Working Backwards PoCを利⽤した仮説検証 質の⾼いフィードバックの重要性 ドッグフーディング・ユーザー検証 1 2 3 スピード重視の技術選定 上記サイクルを加速させる PMF達成への近道︓顧客理解の深化と検証サイクルの⾼速化
  50. AWS UNICORN DAY 2025 © 2025, Amazon Web Services, Inc.

    or its affiliates. All rights reserved. 50 「PMF前に⾒つけた成⻑の種」を、 「持続的に成⻑する強固なビジネスの幹」へ 技術選定の視点転換 • 「動けばいい」→「⽌まってはいけない」 • 可⽤性と信頼性を重視した設計への移⾏ ビルディングブロック導⼊ • 拡張性と再利⽤性の⾼い設計への転換 • コンポーネントの分離と再利⽤性向上 まとめ︓PMFを持続させるために ビジネスの持続可能性 • 経済的持続性 • 運⽤持続性 • 開発持続性
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