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スタートアップにとっての公共調達の難しさについて

高木祐介
November 25, 2022

 スタートアップにとっての公共調達の難しさについて

2022年11月25日に実施されたAWS Startup Ramp Meetup Event vol.2にて
スタートアップにとっての公共調達の難しさについて発表させて頂きました。

高木祐介

November 25, 2022
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Transcript

  1. 自己紹介  肩書  株式会社自動処理 代表取締役  コードフォージャパン フェロー 

    オープンナレッジファウンデーションジャパン (OKFJ)  オープンビジネスソフトウェア協会副理事。  略歴  2002年中堅SIerにて勤務の後、大手ヘッド ハンティング会社にて情報システム部門の 立ち上げ、新規事業構築などに携わる。 2010年に株式会社自動処理設立。  日本政府向けに主にオープンガバメント政 策コンテンツの開発に携わり、約80の官庁 調達にプロジェクトマネージャとして関わる。  福島県浪江町のタブレット事業の中で調達 に係る仕様書や評価表の作成、評価のサ ポート、契約法務、開発プロジェクト支援を 行っている。 © Automation Co., Ltd. 1 25/11/2022
  2. © Automation Co., Ltd. 2 25/11/2022 デジタル改革アイデアボックス デジタル改革アイデアボックス デジタル庁立ち上げに伴う官民対話システムとし て、デジタル改革アイデアボックス実施されまし

    た。 ページビュー 2,500,000PV 登録ユーザー数 7325人 投稿アイデア数 7,911件 投稿コメント数 37,985件 有効投票数 68,874件 と意見募集としては、 国内最大規模の意見を対話的に 集める事が出来ました。 デジタル庁アイデアボックス https://digital-agency.ideabox.cloud/
  3.  提案前の困難さについて  営業方法が分からない  入札参加資格などの手続きが複雑  公募がかかった後、仕様変更できない  提案書の書き方が分からない

     見積書の作成ルールが分からない  事業執行について  担当者のスキルが千差万別  仕様書記載のない仕事はどうすれば  事業執行後  仕様書記載のない仕事を依頼される  会計課検収が厳しい  入金が遅い  次回の公募前  公募前の提案 スタートアップにとっての公共調達の難しさについて © Automation Co., Ltd. 5 25/11/2022
  4.  営業方法が分からない  営業は上級者向けと割り切って、公募から参加しましょう。 提案前の困難さについて © Automation Co., Ltd. 6

    25/11/2022 営業から入るのはなかなか難しい。調達情報は公開情報なので、誰でも閲覧可能 です。公開されている調達に参加し担当者と仲良くなりましょう。
  5.  仕様書記載のない仕事を依頼される  会計課検収が厳しい 事業担当者はより良い事業執行を望みますので、より良い仕組みにしたい と依頼されます。会計課さんは形式的に納品物のチェックを行います。 事業がどれだけうまくいっても、調達仕様書の納品物は何があっても必ず 納品する事になります。納品を一部辞めるという事は出来ませんので、事 業執行上、融通を効かせたからと言って、一部の納品物を相談の上除外出 来る事は絶対ありません。

    納品物を死守しつつ、より良い事業にする為にどうすべきか考えると良いと 思います。 また直接契約した場合、人件費と再委託費の中で人が稼働するように見積 もりを作成した場合、年度末までの日報が必要になります。事務費は必ず 積んでおきましょう。 事業執行について © Automation Co., Ltd. 12 25/11/2022
  6.  公募前の提案  調達に参加出来れば、翌年度契約出来る可能性が高くなります。 いい仕事をすれば、事業担当者に次の調達に呼んでもらえますので、 公募後には変えられなかった調達前の相談の可能性があります。そ こで自社の独自提案をしていきましょう。 特に調達仕様は役所の中に閉じた形で要件が整理されている事も 多いです。ユーザー目線の提案は非常に喜ばれます。ユーザー目 線の提案で、より良い行政サービスをスタートアップから作っていき

    ましょう。 そしてここで提案した仕事の調達は来年4月以降に反映されますの で、反映が遅いです。事業執行しないとわからない事も多いですの で、なるべくアジャイル型で機動的に仕様変更できるような仕組みが あると、一国民としては良いのではないかと思います。 次回の公募前 © Automation Co., Ltd. 14 25/11/2022