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Suage Story Book.pdf

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Ryota Motohashi

June 24, 2021

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Transcript

  1. 02 03 僕たちは物作りの終着点に囲まれている。 店頭に並んでいるものやレストランで提供されるもの は、 それが最終形態であることがほとんどだ。 今回、北海道のスープカレーの材料が作られている産 地まで赴き、広大な土地に作物が並んでいる景色や フォードのどデカイ耕運機、使い込まれた農具を目に してきた。

    農場では黙々と作業する背中が地平の先に小さく見え た。納屋には採れたての黒光りしたナスやごろりとし たジャガイモがあった。 収穫物の素材の味を生かしながらレシピ開発するシェ フや、連日国内外問わず訪れるお客さんにスープカレー を届けるホールのスタッフがいた。 何よりその全ての過程において、 美味しいスープカレー が届くように見守るオーナーがいた。 それは物作りのバトンが、人の手を渡っていくリレー のようだった。 ふと、 気が付くと目の前には、 てんこ盛りのライスが運ば れてきた。僕は大盛りをオーダーしたことを少し後悔し ながら、 艶々のナスや黄金色に光るジャガイモ、 特大の舞 茸にかぶりついた。この濃密な2日間で目にした、一杯 のスープカレーの裏側に存在するリレーが走馬灯のよ うに目に浮かぶ。 そう、 この2日間は、 一杯のオーダーしたスープカレー を食べるための条件だったのだ。 これこそ、 贅沢。