みなさんは、若いメンバーをどのように呼んでいますか?
山田くん?里田ちゃん?
そう呼んだ時、あなたは相手に対してどんな関係をイメージしていますか?
そう呼ばれた時、相手はあなたとの関係をどうイメージすると思いますか?
私はこれまで、企業向けの技術研修を長く担当してきました。特に、新入社員研修は毎年のように担当しています。
その際、新入社員の主体性に大きな違いが見られました。
同じ会社でも、年によって差異がある
会社組織によって差異がある
人間はそれぞれ個性があるのでたまたまかもしれませんし、私たちとの相性なのかもしれません。しかし、そこが主要因ではないと考えます。
私が着目したのは、新入社員に対する呼び方です。
「〜くん」「〜ちゃん」と呼んでいた場合と、「〜さん」と呼んでいた場合。この違いがありました。前者と後者では、その企業のご担当者の新入社員に対する接し方も違ったように感じています。
前者の呼び方をしていた場合には、新入社員が学生や子供のように振る舞い、後者の場合には新入社員自身も大人として振る舞う傾向が見られました。
新入社員も我々が大人として扱えば大人として振る舞いますし、子供として扱えば子供として振る舞います。そして我々自身も新入社員を子供として捉えている場合、その呼び方にもその意識が出てきてしまいます。これが本質だと私は考えます。
私自身がスクラムを取り入れた新入社員研修を担当することが増えてきて、その場では主体性が高い傾向にあるのが見えてきました。しかし、スクラムだから積極的になるのではありません。スクラムによる進め方の部分ではなく、その根底にある考え方によるものです。スクラムを形だけ真似していても失敗するのと同じです。
実際、新入社員研修で「技術を教える」というスタンスで接していた場合よりも、「学びをサポートする」というスタンスで接していた場合の方が主体性が高い傾向がありました。つまり、スクラムを取り入れているかどうかではありません。新入社員への期待が伝わっているかどうかによるところが大きいのです。子供として言われた通りに研修を受けて欲しいのか、大人として自分の頭で考えてもらいたいのか。
これは新入社員に限った話ではなくて、それ以外の組織内での関係にも全く同じことが言えます。距離を近づけ、仲良くしようという思いで良かれと思って「〜くん」「〜ちゃん」という呼び方をしていることが多いのではないでしょうか。これは、実は成長を阻害しているのかもしれません。
呼び方のみならず、対話の際に選択する言葉には相手への向き合い方が漏れ出します。そしてそれは、あなたが自分のチームを「検査」するのに使える、ひとつのポイントです。
「教えてあげる」「面倒を見る」「このタスクをやらせる」「あいつを使う」「あいつら」、こういった言葉を使っていませんか。絶対的な基準とはなりませんが、関係性を「検査」するための材料にはなります。
まずは明日、組織内でメンバーに対してどのような言葉を選んでいるのか見つめてみてください。そこから「検査」と「適応」を始めましょう。