アウトプットって何?どうやって始めたらいいの?と思われているITエンジニアに向けたセッション資料です。私が考える「アウトプットを始めることの意味」と、LTという形でアウトプットを行うための準備方法をあわせてご紹介しています。
JAWS-UG 初心者支部#20 JAWSなアウトプットのススメ! https://jawsug-bgnr.connpass.com/event/149416/
Oct 23, 2019 #jawsug_bgnrJAWS-UG 初心者支部#20 JAWSなアウトプットのススメ!アウトプットを始めよう!@ariaki4dev森川 晃(ariaki)CC-BY 4.0with a spirit ofDynamoDBRead Capacity Units
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あなたは「なぜ」技術的なアウトプットをしますか?
3自身のため? 他者のため?両方あるはず
4自身のため● 有名になりたい● 転職のきっかけにしたい● 勉強の目標にしたい● 喋る練習・書く練習● 知識の整理をしたい:● 自身のもつ知識を提供したい● コミュニティに貢献したい● 誰かにもらった恩を返したい● OSSを知ってもらいたい● 困っている人を助けたい:他者のためアウトプットによって『何を実現したいのか?』が重要まずは自分自身のモチベーションを探ろう
誰に向けて話すの?これまでLT登壇したことがないけど興味がある AWS 大好きエンジニア 何を話すの?アウトプットを なぜ すべきかを考え、LT登壇 までの道のりを深掘りする※本セッションでは「アウトプット=エンジニアが行う技術的アウトプット」と定義しています どうなって欲しい?1. アウトプットについて考え、今日から始めてほしい!2. 次回のJAWS-UGで LT登壇に立候補して ほしい!本日伝える内容5
セッションに関する注意事項本セッションは、登壇者による経験をもとにまとめた個人的見解を表しています本セッションの内容にもとづいた準備を、すべての方に強く推奨するものではありませんひとつの事例として、皆さんのヒントになれば幸いです注意事項6
エンジニアのアウトプットを増やす活動やってます森川 晃 @ariaki4dev自己紹介7● エンジニアの登壇を応援する会(#engineers_lt)● 技術書同人誌博覧会(#技書博)● カンファレンスのお手伝いをいくつか● Web 系エンジニア● AWS-SAA に先週末合格しました● 好きな AWS サービスは Amazon Personalize
アウトプットって何?本日のアジェンダ8LTの始め方まとめ123
9アウトプットって何?What is output ?1
アウトプットって「何」?アウトプットって何?10アウトプットは、自身がもつ情報を他者に「伝える(伝わる)」ことアウトプットインプット
アウトプットって「何」?アウトプットって何?11アウトプットインプットアウトプットは、「伝えたい」と「知りたい」が マッチする こと伝えたいこと知りたいこと
アウトプットって「何」?あなたがアウトプットするものは、あなたが 過去にインプットした情報アウトプットって何?12アウトプットインプットアウトプットは、インプットに対する 理解の表現
アウトプット = インプットの循環装置一連の循環を繰り返すことによって学習(記憶)を強化できますアウトプットって何?13アウトプットインプットフィードバック
アウトプットって何?14インプットの「質」を考えよう良いアウトプットをするためには、インプットの質が重要です1. 過去にインプットした情報のなかから2. 相手が望む内容を考えて3. 不足している知識を補足して伝える
アウトプットって何?15アウトプットを「学ぶため」に使おう知っている学ぶ知っている学習で補いながら伝える 知っていることを伝えるアウトプットは 良質なインプットのチャンス だと考えよう● 再調査しよう、深掘りしよう、知識を補完しよう● 考察しよう、整理しよう、法則などを見つけよう
インプットアウトプットによって得られる学びアウトプットするためのインプットには、たくさんの学びがありますアウトプットって何?16インプットの準備● スキルや思考の整理と再認識● 学ぶべき方向性を定義● 学びの動機付けと意識向上● 学ぶ機会の増加● 学びの質が向上● 学びの量が向上● 学びの進捗が明確化● ゴールが明確化
フィードバックアウトプットって何?17アウトプット● 説明力の向上● 会話力の向上(登壇)● 文章力の向上(執筆)● 記憶の再整理● 周囲からの認知と評価● モチベーションの向上● 感想や指摘など● 次のインプットを目指すアウトプットによって得られる学びアウトプット自体に学びがあり、次のインプットに繋がります
インプットの加速アウトプットによって、重要な要素をより明確に意識することができる● 情報が不足していないか?● その情報は理解できているか?● その情報は正確か?● その情報は自身に定着しているか?● その情報は説明できるか?アウトプットって何?18判断できる = 知識が身についている記憶に残っている● 意味記憶● エピソード記憶● 運動性記憶
人は常にインプット&アウトプットし続けているアウトプットって何?19聴衆のまなざし行動フィードバック体感温度息を吸う身振り手振り視線表情息を吐く自身が何を入出力しているか気づくことも重要(選択的注意による内省)
アウトプットって何?20誰もがエンジニアの頂点ではないしかし 特定の技術 だとどうだろう?● あなたがもっとも得意とする技術は?● 過去のあなたと同じ課題を抱えた人はいない?● 今のあなたがもっとも情熱をかけている技術は?● あなたは最近同僚に何を教えた/教えられた?何をアウトプットすればいい?
何をアウトプットすればいい?あなたのアウトプットは、必ず誰かの役に立つ と考えよう● 自分の不便や悩みを誰かの便利にする● 自分の後に続く人にバトンを渡す● 学びの経緯や道のりを伝える● 学びによる変換を伝えるアウトプットって何?21やりたくない → やりたいできない → できるうまくいかない → うまくいく
アウトプットって何?22● 会議/ディスカッション● 登壇/講演● 動画配信● Podcastなど● TwitterなどのSNS● ブログ/Qiita● 技術書● 論文などアウトプット方法音声 文字代表的なアウトプットは「音声」と「文字」に大別される
アウトプットって何?23● リアルタイム(即時的)伝達● 受け手に感情を伝えやすい● 要点をわかりやすい伝える● 聴衆の顔がみえる● あなたの顔を認知される● 一期一会● 量が限られる(5~60分)● 構成力・デザイン力・会話力● ライトタイム(適時的)伝達● 受け手に理論を伝えやすい● 詳細をまとめて伝える● 聴衆の顔がみえない● あなたの文を認知される● 何度でも反復できる● 量に制限がない● 構成力・文章力アウトプット方法の違い登壇(音声) 執筆(文字)
アウトプットって何?24さぁ、LTしよう技術的なアウトプットの入口として LTは最適● 準備期間が比較的短い● LTの5分間は勢いで乗り切れる● フィードバックが得やすく、モチベーションにつながる● あなたが認知され、友達が増える
25LTの始め方How to begin the lightning talk2
LT(Lightning Talk)とは?● あなたの主張を5分間で伝える発表○ たまに発表時間が異なる場合があるので要注意○ 質疑応答時間が別途設けられる場合も● 1人1つのテーマについて話す○ テーマの指定はイベントの趣旨に従う○ 特定の技術に縛っているものから完全フリーまで多種多様● JAWS-UG 初心者支部でも募集してるよ!○ LT枠 を見つけたら迷わず申し込もうLTの始め方26
LTの準備って何をするの?LTの始め方27ストーリーテーマ 推敲スライド 練習0.5時間 1時間 4時間 0.5時間 1時間※作者の過去経験から導いたおおよその数字であり、実際とは大きく異なる可能性がありますLT準備の手順と必要時間例
LTの始め方28「誰に」「何を」「なぜ」伝えるのかを決める● 誰に … どんな聴講者?何を知っていて、何を知らないのか?● 何を … 聴講者にもっとも伝えたい主張やゴールは?● なぜ … そのセッションをするモチベーションは?ストーリー 推敲スライド 練習テーマhttps://speakerdeck.com/ariaki/design-your-talk参考URL:
LTの始め方29何歳?どんなスキルをもった人?スキルレベルは?なぜこの勉強会にくる?何に興味がある?【誰に】ペルソナを決めることで「伝えかた(コンテキスト)」が決まる何を知っているのか何を知らないのか何を望んでいるのかストーリー 推敲スライド 練習テーマ
LTの始め方30【何を】ペルソナが「望むもの(聴きたいこと)」を考えようストーリー 推敲スライド 練習テーマ話す人 聴く人話したいこと 聴きたいこと「聴講者にとって聴きたいこと」を最も優先してテーマを考える「登壇者から知識の押しつけ」にならないため必要不可欠● 何に興味がある?● 聴く人のレベルは?
LTの始め方31【なぜ】「特定のイメージ」を継続的に与え、自身の認知を深めるストーリー 推敲スライド 練習テーマ○○に詳しい△△フレームワークが好きよく登壇してる日本酒が好き パーソナルブランディング他者から見える自身を設計
LTの始め方32アウトプットの目的は「連鎖」を起こすことストーリー 推敲スライド 練習テーマ聴衆のゴールを設定することで、アウトプットの連鎖が発生するインプット アウトプットインプット アウトプット
LTの始め方33JAWS-UG初心者支部だと、どんなテーマにすればいい?ストーリー 推敲スライド 練習テーマJAWS-UG初心者支部の特徴AWSをこれから活用したい人や一緒に勉強する仲間が欲しい人を主なターゲットとしています。(Connpassから抜粋)● 自身が直近でAWSについてどう学び、何につまづき、成長したか● AWSをこれから学び始める人に向けたアドバイス● AWSで興味深かった直近のニュースや新機能
LTの始め方34いきなり資料を作り始めず、結論の説明に必要な要素を設計する1. 話したい大きなトピック(章)を2~3個挙げる2. トピックの中で説明項目を並べる3. トピック同士や説明項目同士の並びを入れ替える4. 説明項目に優先度を決め、不要な説明項目を削除する5. 説明項目ごとの概要を作成するストーリー 推敲スライド 練習テーマ
LTの始め方35要素を設計しようストーリー 推敲スライド 練習テーマアウトプットを始めようなぜアウトプットするか LTの始め方テーマ ストーリー …最初に章を決める次に説明項目を決める
LTの始め方36「知らなかった」の割合を設計しようストーリー 推敲スライド 練習テーマ知っていた(70%)知らなかった(30%)「知らなかった」割合が多いとストレスを感じ、理解しづらい● 知らないことが30%前後だと聞きやすく刺激的に感じる● 知っていることのなかにもいろいろなレベルがある○ 完全に理解していたこと○ 概要をかろうじて覚えていること(→復習)○ 単語だけは知っていたこと(→再学習)
LTの始め方37ストーリーの一貫性を設計しようストーリー 推敲スライド 練習テーマ命題 理解していた 覚えていた 知っていた 知らなかった 新しい視点ストーリーとは、命題をもとに、新しい知識や視点に向かって順序立てて説明すること● 難易度を少しずつあげていき、「新しい知識が3割」を目指す● 解説の順序を考える(簡単→難しい、概要→詳細、過去→未来、など)
LTの始め方38ストーリーをもとに、デザインなどの原則にもとづいて資料を作成する● レイアウトの四原則に沿っているか● 調和のとれる配色をしているか● メッセージ量は適切か● ストーリーの連続性や一貫性は問題ないかストーリー 推敲スライド 練習テーマhttps://speakerdeck.com/ariaki/better-slides-makes-you-strong参考URL:
LTの始め方39「レイアウトの四原則」を知ろう(※詳細は参考URL)ストーリー 推敲スライド 練習テーマ整列 反復近接強弱効率的な文字の強弱によって印象づける要素に一体性をもたせて揃える 全体デザインを統一することでリズムをつくる関係するものを近づけ、関係しないものを遠ざけるレイアウトの原則に基づいた資料は、それだけで読みやすい構成になる
LTの始め方40「色の印象」を知ろう(※詳細は参考URL)ストーリー 推敲スライド 練習テーマIllustrations Dick BrunaCopyright © Mercis bv, 1953-2018www.miffy.comブルーナカラーミッフィーの著者Dick Brunaは、黒を含めたわずか7色で感情を表現
LTの始め方41「配色の基本」を知ろう(※詳細は参考URL)ストーリー 推敲スライド 練習テーマ配色はスライドを効果的に見せる魔法● 色がもつ印象や意味と使い方を覚えよう● 色数は極力減らそう(3~4色が適切)ベースカラー(70%) メインカラー(25%) 5%アクセントカラー
LTの始め方42メッセージの前後をチェックして、要素の一貫性を保とうストーリー 推敲スライド 練習テーマメッセージ メッセージ メッセージ前スライドとの連続性全体の一貫性後スライドとの連続性
人間の短期記憶はとても小さい● 15秒で90%は忘れてしまう● 数字7個・文字6個・単語5語が限界● スライド1枚で伝わるメッセージは1つLTの始め方43メッセージ量の限界を知ろうストーリー 推敲スライド 練習テーマKISSの法則Keep It Simple, Short● 短い言葉で表現● 語尾は不要● 必要な情報のみ
LTの始め方44ここまで準備したことが、計画に沿っているかを確認する● 「テーマ」の項に基づいている?● 「ストーリー」の項に基づいている?● 「スライド」の項に基づいている?ストーリー 推敲スライド 練習テーマ
LTの始め方45ストーリー 推敲スライド 練習テーマまずは全体を何回も「読み返す」ことでチェックしよう● 全体を通すことで、一貫性を再確認しよう● 印刷することで、画面とは違う内容を再発見しよう● 電車の中など、すきま時間に読み返そう全体を読み返そう
LTの始め方46練習量===情熱量● 話し方のチェック○ 話す速度や抑揚○ 語彙力(語尾・たとえ話など)や間の取り方○ 立ち振る舞い● 話す内容のチェック○ 自分にとって、相手に説明しやすいか○ 準備した内容で、相手に伝わるかストーリー 推敲スライド 練習テーマ
人がもっとも聴きやすい速度は「1分あたり300文字」● ほとんどの人が早口○ まず、ニュースやブログ記事から300文字を抜き出し、発声してみよう○ 意識的に呼吸の間をとり、ゆっくり話そう○ 語尾をしっかり発声しよう● 立って話すことで、体の動かし方を練習しようLTの始め方47話す速度と抑揚を練習しようストーリー 推敲スライド 練習テーマ
資料を見ながら練習して初めて「違和感」に気づける● 理解が足りず詰まるところはないか確認しよう● 説明しづらいところはないか確認しよう● 最後まで話して本当に伝えたいことだったかを確認しよう● 人前で緊張しない唯一の武器は「話す内容をどれだけ自身が理解しているか」● 練習の最低回数を決めて、クリアできるようにしようLTの始め方48話す内容をチェックしようストーリー 推敲スライド 練習テーマ
リハーサルを他者に聴いてもらうことは「品質向上」につながる● 自分では気づけない点を教えてもらえる● 人に向けて話す練習になる● 本番と同じ時間の流れを過ごせる● レビューの観点(技術的?話し方?理解しやすさ?)を必ず事前に伝えようLTの始め方49聴いてもらおうストーリー 推敲スライド 練習テーマ私たちのコミュニティでリハーサル会をした際、平均20~30個ほど指摘される
その他のTIPS● 自己紹介はひかえめに● 会社紹介や採用トークは最後に回す● 締切駆動でやらない● 絶対に手を抜かない、品質を落とさない● スライドは事前共有しよう● LTは即申込する● LTは終わってからが本番● ひたすら削る、削る、削る、削り出すLTの始め方50
51さいごにConclude3
LTは、あなたが作り出す”花火”いろんな色やかたちがあっていいやりかたに正解なんてないし、内容の優劣なんて考えなくていい二度と訪れない一瞬を、みんなで楽しもう
壇上は、”山頂”の景色と同じ山に登るには、入念な準備と覚悟が必要だ苦しい道のりを超えてこそ、より鮮やかで美しい景色が見えるさぁ、山頂を見にいこう
関連スライド54https://speakerdeck.com/ariaki/beautiful-writingshttps://speakerdeck.com/ariaki/better-slides-makes-you-stronghttps://speakerdeck.com/ariaki/design-your-talkhttps://speakerdeck.com/ariaki/what-is-output-replay
55https://portal.engineers-lt.info/