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仮説設定における思考過程とその評価に関する基礎的研究

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 仮説設定における思考過程とその評価に関する基礎的研究

日本理科教育学会第66回全国大会信州大会 2016年8月6日

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Daiki Nakamura

August 06, 2016
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Transcript

  1. 研究の背景|PISA2015の枠組み 4 科学的リテラシー S c i e n t i

    f i c L i t e r a c y ② 科学的な調査のデザインと評価の力 ③ データと証拠を科学的に解釈する力 ① 現象を科学的に説明する力 →仮説設定能力の育成は重要な目標の1つ (OECD,2016)
  2. Ⅰ.理論的検討|歴史的経緯 Popper (1968) 仮説設定の過程は、 ただの推測や自由な発想、 詩的直感の結果に過ぎず、 論理的分析は必要無い Peirce(1955) ,Hanson(1961) 仮説設定のプロセスは心理

    的要因を含む、論理的・ 合理的なプロセスである 7 ⚫ 多くの科学教育、科学哲学の研究者は、 仮説設定のプロセスに関心を示してこなかった(Park,2006) →思考過程の合理性という観点から評価を行うべき 現代的科学観
  3. Ⅰ.理論的検討|評価の先行研究 8 評価の先行研究 文献 評価方法 石井ら(2011) 客観的な根拠を挙げられているか 川崎ら(2015) ①問題を説明するものになっているか /②根拠があるか/③検証可能か

    直感的な思考の産物という批判を解決できていない 結果としての 仮説を評価 →結果ではなく、思考過程の合理性を評価するべき 思考過程の合理性という観点からの評価を 行った研究は見られない
  4. Ⅰ.理論的検討|合理性の得点化基準 11 変数の同定 因果関係の認識 2点 根拠を持って変数を選択・ 消去している 示されたすべての変数につ いて検討している 変数間の因果関係を論理的に

    説明できている 1点 根拠なく変数を選択・消去 している 一部の変数しか検討してい ない 変数間の因果関係の説明に 飛躍や破綻がある 0点 変数を意識できていない 変数間の因果関係を説明して いない 合理性の得点化基準
  5. Ⅱ.思考過程の実態調査|調査問題6 14 (問題状況の要約) そのまま水に入れる 粉にして水に入れる 軽石 浮く 沈む 割り箸 浮く

    沈む 軽石も割り箸も1つのかたまりのときは浮くのに、削ると 沈むという同じような性質を示すのはなぜでしょうか? 仮説を立ててください。
  6. Q1の思考過程(例) 19 問題状況 の理解 目標・方向性 の確認 変数の同定 因果関係・ 規則性の認識 仮説の

    批判的検討 仮説の表現 3 5 5 23 6 3 5 3 5 15 (出現回数) →出現頻度の高い経路を整理
  7. Ⅲ.合理性の個人差|相関分析 24 Spearmanの順位相関(ノンパラメトリック) 認知欲求 合理性得点 相関係数 .520* 有意確率 (両側) .039

    N 16 →有意な正の相関が見られた 日頃から疑問を見出して考えることを楽しむ思考傾向は、 変数や因果関係を見出す能力と関係がある
  8. 研究概要 仮説設定の評価について検討した上で、学習者が 説明仮説を立てる際の思考過程を明らかにする 26 * 評価の方法 思考過程における<変数の同定>と<因果関係の認識>の合理性を評価 * 思考傾向との関連 自身の思考に間違いがないか振り返る過程が重要

    認知欲求(普段から問題を考えたり、楽しもうとする動機)と合理性の相関 * 思考過程 問題状況の把握 → 変数の同定 ⇄ 因果関係・規則性の認識 → 仮説の表現 +目標・方向性の確認 +批判的検討 研究全体の目的