Upgrade to Pro — share decks privately, control downloads, hide ads and more …

ADKとMastraを活用したAIエージェント開発実践

 ADKとMastraを活用したAIエージェント開発実践

Avatar for Cloud Ace

Cloud Ace

July 25, 2025
Tweet

More Decks by Cloud Ace

Other Decks in Technology

Transcript

  1. | © Cloud Ace, Inc 自己紹介 • クラウドエース株式会社 CTO 室 ◦

    2023 年入社 ◦ 社内オファリング開発、業務効率化、AI ツール導入、、、 • 好きな AI ツール ◦ Cursor Akane
  2. | © Cloud Ace, Inc Agenda 01 | AI エージェントの基礎知識 02

    | ADK と Mastra 03 | 開発事例 04 | エージェント開発の課題
  3. | © Cloud Ace, Inc AI エージェントとは • 明確な定義は存在しない認識 • 一般的には「LLM

    が自律的に行動を判断し実行する 」ものを指すこと が多い • 今回は「エージェント = Agentic なアプリケーションの構成要素(コン ポーネント)としてのエージェント」 とします In the Agent Development Kit (ADK), an Agent is a self-contained execution unit designed to act autonomously to achieve specific goals. Agents can perform tasks, interact with users, utilize external tools, and coordinate with other agents. ADK 公式ドキュメントのエージェントの説明
  4. | © Cloud Ace, Inc エージェントの構成 • エージェントには「思考と回答 」を担うコンポーネントと「行動の実行 」を 担うコンポーネントが存在する

    ◦ 思考と回答 ▪ ADK における「LlmAgent(Agent)」 ▪ 「ツール」を保持し、必要なタイミングで使用する ◦ 行動の実行 ▪ ツール = 特定処理を行う関数 ▪ エージェント(LlmAgent)をツールとして使用することも可能 • Agent-as-a-Tool
  5. | © Cloud Ace, Inc エージェントシステム 複数のエージェントを組み合わせた構成を作成可能 • ワークフロー(Agentic ワークフロー) ◦

    事前定義したフローでエージェント(またはツール)を実行 ▪ 順次実行 ▪ 反復実行 ▪ 並列実行 ▪ 条件分岐 • マルチエージェント ◦ 状況に応じて会話主体となるエージェントが切り替わり動作する (応答の委任) • Agent-as-a-Tool も該当(会話主体は切り替わらない )
  6. | © Cloud Ace, Inc ADK(Agent Development Kit) Google が OSS

    で提供する AIエージェントフレームワーク • Google エコシステムとの統合 ◦ さまざまなツールが標準搭載されている ▪ Vertex AI Search、BigQuery、Google Workspace     (GoogleApiToolset)、、、 ◦ デプロイが容易 ▪ Agent Engine ▪ Cloud Run • FastAPI ベースの API サーバーとなる • マルチエージェントを念頭に置いた設計
  7. | © Cloud Ace, Inc Mastra Gatsby の開発チームが作成した OSS の TypeScript

    AI エージェントフレー ムワーク • Vercel AI SDK との統合 ◦ 内部的に使用 ◦ AI SDK のフックとの互換性 ▪ useChat フックを使用したチャットインターフェース構築が可能 • Next.js との統合 ◦ Next.js アプリケーションに直接バンドル可能 ▪ 単一サーバーデプロイ ◦ 個別サーバーとしてもデプロイも可能 ▪ Hono ベースの API サーバー となる
  8. | © Cloud Ace, Inc Agentic RAG(Mastra) 背景 • 膨大なデータ(書籍)をもとに回答を生成するニーズ •

    従来の RAG で使用されるベクトル検索では精度面に懸念があった • システム精度がモデル精度に依存 • Agentic RAG アプローチの有効性評価 • 開発体制 ◦ フロントエンド/バックエンドを両方実装 ◦ タイトなスケジュールでスピーディな開発が必要 → Mastra を採用
  9. | © Cloud Ace, Inc Agentic RAG(Mastra) • 目次をもとに書籍セグメントに分割 • セグメント内容の回答に特化したツールを

    自動作成(LLM 処理関数) • Agent が最適なツールを選択、実行 ◦ 各ツールは、サマリ、セクション情報等を description として持つ 改善案 • 書籍セグメントの分割単位調整 • ツール構成刷新 ◦ セグメント抽出ツール ◦ 回答生成ツール • ベクトル検索とのハイブリッド
  10. | © Cloud Ace, Inc 検収エージェント( ADK) 背景 • 「営業活動時間の創出(付加価値の高い活動に集中できる時間の確 保)」がテーマとして与えられた

    • 定型的なタスクが多く発生する「検収業務」にフォーカス • ADK を採用 ◦ スプレッドシート、BigQuery の操作が必要 ◦ マルチエージェント構成の可能性
  11. | © Cloud Ace, Inc 社内業務エージェント • 深いドメイン知識が精度を左右する ◦ 「どのタイミングで」「どのような情報が必要か」といった業務の流れの正確な定 義が必要

    ◦ マニュアル化されていないノウハウや判断基準をエージェントで利用できる形 に落とし込む ◦ ヒアリングだけでなく開発者自身が実際に業務を体験してみることも有効なア プローチである • エージェント導入に向けた業務プロセスの整備 ◦ エージェント開発の前にまず対象業務のフロー自体を見直すことが重要 ◦ 不必要な作業の排除、発生する成果物のテンプレート化等 エージェントが動作しやすいように業務プロセスを標準化・単純化しておくこと が求められる ◦ データ保管場所の再設計・統合も検討する
  12. | © Cloud Ace, Inc エージェント全般 • 最適なアーキテクチャの選択 ◦ タスクの複雑性、目的、開発体制等を考慮した最適なエージェント構成の設計 が必要

    ◦ 社内エージェントを外部サービスとして提供する可能性 • 複数エージェントの管理と統制 ◦ 今後は、企業が複数のエージェントを保有・運用する時代になる ◦ 一元的に管理・統制する仕組みが不可欠となる
  13. | © Cloud Ace, Inc CloudAce Agent Enterprise 
 統制された AIで、ビジネスを加速する。

    CloudAce Agent Enterprise A2A Agent AIエージェント /MCP Serverの開発にお いて、権限制御・ HITL・ガードレール・可 観測性の担保といった「重要だが設計と 実装が大変な非機能要件」を基盤にお任 せ MCP Server 全社的な業務効率化と AI Agentとの新しい働き方を実現 A2A Agent MCP Server MCP Server 既存システム 既存システム 既存システム エンタープライズ要件を満たす 堅牢なAIエージェントの実行基盤 エンタープライズ級の統制 高度なマルチエージェント連携 徹底的な可視化と改善 複数エージェントが協調し、計画立案・実行結果からの計画見直しなどを 通じて、複雑な業務を自律的に実行 権限制御・HITL・ガードレール等の機能を備えた後付け可能なリバースプ ロキシで、既存エージェントも安全に AIエージェントの継続的改善のための改善プラットフォームとエージェント の活用とROI評価のためのダッシュボード AIエージェントをビジネス価値へ お客様は AIエージェントの ビジネス価値開発に集中 AI Agent活用の利用者ポータル Agent改善とROI評価のためのダッシュボード CAE Proxy CAE Proxy CAE Proxy CAE Proxy CAE Proxy 1 2 3 ※画面は開発中のものです
  14. 最新のクラウド技術、革新的なソリューションや hands-on ラボでの実践的な学びを得られる Google 最大規模の祭典です! クラウドと AI の未来を Next で体感しよう

    ぜひご参加ください! ・DX推進やビジネス成長を推進されているエ グゼクティブの方 ・Google Cloud の技術や最新の AIにご興 味のある方 2025 年 8 月 5 日(火) - 6日(水) 開催 現地会場:東京ビッグサイト南展示棟 お申し込みはこちら 招待コード:NT25_pt025 このような方におすすめ
  15. | © Cloud Ace, Inc まとめ • フレームワークごとの強み ◦ ADK:Google エコシステムとの統合、マルチエージェント

    ◦ Mastra:豊富な TypeScript エコシステムとの連携 • どのフレームワークを選択するかよりも、どのような構成にするかが重 要である • 社内導入には、深いドメイン知識と整備された業務プロセスが 不可欠である