Computer Science World in Asia 2019 Report(Full)

Computer Science World in Asia 2019 Report(Full)

2019年10月27日(日)、東京大学本郷キャンパスで開催された、産学連携、テクノロジー教育の次の流れをつくる国際会議「Computer Science World in Asia」の開催レポート(日本語・詳細版)です。一般社団法人新経済連盟、東京大学大学院情報学環・学際情報学府、特定非営利活動法人みんなのコード共催。

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みんなのコード

October 24, 2019
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  1. 1 © 2020 特定非営利活動法人みんなのコード info@code.or.jp Computer Science World in Asia

    2019 開催レポート みんなのコード 執筆協⼒︓PwCコンサルティング合同会社
  2. 2 © 2020 特定非営利活動法人みんなのコード info@code.or.jp ⽬次 1.はじめに P3 (1) Computer

    Science World in Asia 2019 開催の背景 P4〜6 (2) Computer Science World in Asia 2019 開催の⽬的 P7 2.開催概要 P8 (1) Computer Science World in Asia 2019 開催概要 P9〜11 3. 各国の取組事例 P12 (1) パネルディスカッション P13〜15 (2) ポスターセッション P16〜19 4. 開催総括 P20 (1) 参加者が描いた理想のComputer Science教育 P21〜22 (2) 理想のComputer Science教育実現に向けて P23〜25 5. 最後に P26 (1) 主催者コメント P27 (2) 有識者コメント P28〜29
  3. 3 © 2020 特定非営利活動法人みんなのコード info@code.or.jp 1. はじめに

  4. 4 © 2020 特定非営利活動法人みんなのコード info@code.or.jp CSW*開催の背景 –近年の社会環境変化 これまでも社会環境の変化に伴い、数次にわたり学習指導要領を改訂。技術⾰新など社会環 境が急速に変化しつつある中、 2017年に今の時代に適した学習指導要領への⾒直しを実施。

    1. はじめに(1)Computer Science World in Asia 2019 開催の背景 近年の社会環境変化 IoTやAIといった技術⾰新、グローバル化、少⼦⾼齢化 など、社会環境や雇⽤環境が急速に変化しつつある グローバル化 • ヒト・モノ・カネ・情報の国際流動化 • ⽣産拠点の海外移転による産業空洞化 • 新興国の台頭などによる国際競争の激化 少⼦⾼齢化 • ⽣産年齢⼈⼝の減少(2060年には2010年⽐約3割減) • 経済規模縮⼩、税収減 • 社会保障費の拡⼤ 技術⾰新(Society5.0) • IoTで全ての⼈とモノが繋がり、新たな価値が⽣まれる社会 • ロボットや⾃動⾛⾏⾞など、⼈の可能性が広がる社会 • AIにより必要な情報が必要な時に供給される社会 教育⽅針(学習指導要領)の変遷 これまでも時代の変化や⼦供たちの実態、社会要請など の社会環境変化を踏まえ、数次にわたり改訂されてきた • ⼯業化の進展を受け改訂 教科過程の基準としての性格を明確化 • 戦後教育の改⾰に向け、初版発⾏ 「教科過程、教科内容およびその扱い」の基準として刊⾏ • ⾼度経済成⻑の終焉を迎え改訂 社会の変化に⾃ら対応できる⼼豊かな⼈間を育成する⽅針 教育活動の中でコンピュータを積極的に活⽤することを明記 • 経済の急速なグローバル化を受け改訂 思考⼒/判断⼒/表現⼒などのバランスを育成する⽅針 情報モラルの習得、「プログラムによる計測・制御」の履修化 • 急速な技術⾰新などを受け改訂 1958 1947 1989 2008 2017 1977 • 知識習得重視から児童育成視点へ改訂 児童⽣徒の知・徳・体の調和のとれた発達へ狙いを変更 *︓「Computer Science World in Asia 2019」の略
  5. 5 © 2020 特定非営利活動法人みんなのコード info@code.or.jp CSW開催の背景 –⽇本のプログラミング教育動向 ⽇本では、2014年以降学校教育におけるプログラミング教育の必要性が検討され、2020年 度以降の⼩中⾼でのプログラミング教育必修化が決定。 プログラミング教育をめぐる近年の動向

    • 有識者会議などで「情報活⽤能⼒」に関する論点整理 プログラミング教育必修化に向けた課題や対策を議論 • ⼩学校でのプログラミング教育必修化 • 中央教育審議会に21世紀型⼈材について諮問 技術⾰新や社会構造の急変を受け、IT⼈材育成・確保に絡めて、新時代の 学習指導要領などの在り⽅に関し⽂科省が中央教育審議会に諮問 • 実現⽅策を加味し学習指導要領・解説を改訂 情報⼿段の操作の習得やプログラミング教育を新たに位置づけ • 「⼩学校プログラミング教育の⼿引き」公表 ⼩学校のプログラミング教育の基本的な考え⽅、指導例、事例を ⽂科省が取り纏め • CSW開催 プログラミング教育必修化の概要 • ⼩学校向け指導要領の総則にて、新たに「情報活⽤ 能⼒」*を「学習の基礎となる能⼒」のひとつに位置付け *「情報活⽤能⼒」には、プログラミングだけでなく、コンピュータの基本的操 作や情報モラルなどを定義 • 情報⼿段を活⽤するために必要な環境を整え、情報活 ⽤能⼒の獲得に向けた教育課程の編成・計画を⾏うこ とを学校に要望 • 「算数」、「理科」、「総合的な学習の時間」に、コンピュ ータや情報の扱いと絡めたプログラミング学習を例⽰ • 教員に向け、プログラミング教育のねらいや授業イメージ を指南 • プログラミング的思考の学習⽅法を具体化︓コンピュー タで正多⾓形を書く事例 など • ⾝近な⽣活のプログラミング活⽤事例を提⽰︓⾃動販 売機のプログラム作成を体験的に学習 など ⼩学校(2020〜) • 単独教科でなく各教科の中でプログラミングの体験やコンピュータを活⽤ • 各教科などの特質に応じた学習活動を計画的に実施することを⽅針化 • 例えば、「算数」、「理科」、「総合的な学習」にて、プログラミングを体験 しながら論理的思考⼒を⾝に付ける学習場⾯を想定 中学校(2021〜) • 「技術家庭」に「コンテンツに関するプログラミング」追加(現⾏の「制御と 計測」に加え、プログラミングに関する内容は倍増) ⾼校(2022〜) • 「情報の科学」と「社会と情報」を統合し科⽬「情報Ⅰ」として必履修化 2016 2014 2018 2019 2020 2017 1. はじめに(1)Computer Science World in Asia 2019 開催の背景
  6. 6 © 2020 特定非営利活動法人みんなのコード info@code.or.jp CSW開催の背景 –海外のコンピュータ教育*動向 世界中でコンピュータ教育*推進の機運は⾼まっているものの、コンピュータ教育先進国の イングランドを含め、世界的にコンピュータ教育は試⾏錯誤・発展途上の状況。 1.

    はじめに(1)Computer Science World in Asia 2019 開催の背景 ⿊字: 状況・動向 ⾚字: 課題 ※1:⼤⽇本印刷(⽂部科学省委託)「諸外国におけるプログラミング教育に関する調査研究 報告書」(2015) ※2:コエテコ by GMO「海外のプログラミング教育はどうなっている︖徹底紹介」(2019) ※3:Ting-Chia Hsu「Study of Implementing Computational Thinking」(2019) ※4:The News Lens 關鍵評論「Is Taiwan Ready for an Automated Future? 」(2018) 近隣諸国 コンピュータ教育先進国 国際機関 韓国※1,2 • 2007年より中学・⾼校で、2017年より⼩学校でソフトウェア教育を導⼊ ※1,2 • プログラミングは教科「情報」に含まれ、中⾼ともに選択式科⽬※1 • 不⾜している国内のソフトウェア関連⼈材養成と、早い段階から情報技 術に触れることで⽣徒の可能性を広げることが狙い※1 • NaverやSamsungなど⺠間企業が⼦供向けのソフトウェア教育プログラ ムを実施※2 • ⼤学受験科⽬に情報教育科⽬が無いため「情報」の受講率が低い (2012年 中学8.1%/⾼校5.2%)※1 • ⽣徒の発達段階に合わせた体系的なソフトウェア教育の不⾜※1 台湾※1,2,3,4 • 2011年より中学でComputational Thinking Educationを導⼊※1 • 2019年より⼩・中学校でのプログラミング教育が必修化※2 • プログラミングは教科「情報」に含む※1 • IT分野の創造性獲得に不可⽋なプログラミングを早い段階から学ばせる ことが狙い※3 • 2004年より⼩・中学校教員の資格獲得教育課程に選択科⽬「情報科 学技術教育」と「コンピュータ」を設置※1 • Computational Thinking Educationに関する教員の教育不⾜ (ほか、⼈材、教材、リーダーシップの不⾜も指摘) ※4 イングランド※1,4,5,6 • 1995年よりICTの使い⽅、情報モラルなどを全学年で学習※1 • 2014年より教科”Computing”で全学年(5〜14歳)のプログラミン グ教育を必修化(プログラミング教育必修化は世界最速)※4 • プログラムやシステム、様々なコンテンツの創造に情報技術を活⽤できるよ うにすることが狙い※1 • 14歳以降学ぶ⽣徒が少ない、GCSE*でのComputing選択受験者の 8割が男⼦、教員の⼈数と時間が不⾜、既存教員へのサポート不⾜ (教員の44%⾃信なし)、プログラミング教育に関する研究不⾜といっ た課題が報告※5,6 *GCSEはGeneral Certificate of Secondary Educationの略で、16歳で受ける全国統⼀試験のこと OECD(経済協⼒開発機構)※7,8 • 2015年”OECD Education 2030”プロジェクト⽴上げ※7 • 2018年”OECD Learning Framework 2030”作成 教育制度の将来に向けたビジョンとそれを⽀える原則を提⽰ 学習枠組の基礎概念となる「共同エージェンシー」や、⼦どもたちに必要な コンピテンシー、必要な学習プロセスを定義※7 • 2019年”PISA 2021 Mathematics Framework”作成 2021年以降の数学テストに論理思考や問題解決能⼒などの 「Computational Thinking」を測る問題が追加※8 ※5:THE ROYAL SOCIETY「After the reboot computing education in UK schools」(2017) ※6:Impress Watch(教育ITライタ 神⾕加代)「コンピューティング必修化から3年が経った英国」(2018) ※7:⽂部科学省「OECDにおけるAgencyに関する議論について」(2019) ※8:OECD「Computer Science and PISA 2021」(2019) *ここでは、ICTリテラシー、情報モラル、プログラミングなどコンピュータの扱い・考え⽅の教育を総称し「コンピュータ教育」と定義
  7. 7 © 2020 特定非営利活動法人みんなのコード info@code.or.jp CSW開催の⽬的 近年の社会環境変化や国内外の動向を背景に、教育関係者間での「2020年度以降も⾒据え たあるべき姿の検討」を⽬的にCSWを開催。 近年の社会環境変化 •

    IoTやAI、ロボットといった技術⾰新の急速な進展 • グローバル化、少⼦⾼齢化など社会環境・雇⽤環境の変 化 ⽇本のプログラミング教育動向 • 2014年より学校教育におけるプログラミング教育の必要性 を検討 • 2020年以降、⼩中⾼のプログラミング教育必修化が決定 海外のコンピュータ教育動向 • 世界中でコンピュータ教育を推進 • イングランド含め、世界的にコンピュータ教育は試⾏錯誤・ 発展途上 CSW開催の背景 2020年度以降も⾒据えたあるべき姿の検討 社会環境が急速に変化する中、下記3つの視点を交え、プログラ ミング教育必修化の先を⾒据えた教育⼿法・アクションを模索 ①海外の視点 ⽇本国内に限定せず、世界の先進事例も参考に幅広い視野で 議論 ②他業界の視点 産業界・学術界の知⾒を踏まえ、社会で活躍するために必要な 能⼒を読み解き、教育現場へのニーズを検討 ③コミュニティ形成の視点 世界的にコンピュータ教育は試⾏錯誤・発展途上の状況の中、 アジア規模で情報共有・多⾯的な意⾒交換ができる教員・教育 関係者のネットワークづくり CSW開催の⽬的 1. はじめに(2)Computer Science World in Asia 2019 開催の⽬的
  8. 8 © 2020 特定非営利活動法人みんなのコード info@code.or.jp 2. 開催概要

  9. 9 © 2020 特定非営利活動法人みんなのコード info@code.or.jp CSW開催概要 2. 開催概要(1)Computer Science World

    in Asia 2019 開催概要 【会場】 東京⼤学本郷キャンパスダイワユキピタス学術研究館 【⽇時】 2019年10⽉27⽇(⽇) 10:00-17:30 【参加⼈数】 118名 (教員 85名、教育関係者 14名、企業 13名、その他 6名) ※他サポートメンバー60名 【参加国】 ⽇本、インドネシア、シンガポール、台湾、トルコ、タイ、マレーシア 【主催団体】 • ⼀般社団法⼈新経済連盟 • 東京⼤学⼤学院情報学環・学際情報学府 • 特定⾮営利活動法⼈みんなのコード 【プログラム概要】 1. パネルディスカッション 各国のCS教育の実情を紹介 2. 基調講演 登壇者よりコンピュータ、テクノロジー、英国でのCS教育に関して 講演 • 東京⼤学⼤学院情報学環・学際情報学府教授 越塚登⽒ • PwCコンサルティング合同会社 桂憲司⽒ • Micro:bit教育財団 Gareth Stockdale⽒ 3. ポスターセッション 教員の⽅々からCS教育の取り組みを紹介 4. グループディスカッション テーマ「太平洋の新しい島に新しい学校をつくるとすれば、どのよう に学校をつくるか」 2019年10⽉27⽇、アジア規模でプログラミング教育のビジョンを考えるカンファレンス 「Computer Science World in Asia 2019」を開催。アジア各国から118名が参加し、産 業界や学術研究機関のオピニオンリーダーによる発表と、それらを踏まえたディスカッショ ンを実施。
  10. 10 © 2020 特定非営利活動法人みんなのコード info@code.or.jp 開催の様⼦ 2. 開催概要(1)Computer Science World

    in Asia 2019 開催概要 開会宣⾔ 各国の参加者によるパネルディスカッション 閉会後の様⼦ ポスターセッション会場 越塚教授による講演 ディスカッション⾵景
  11. 11 © 2020 特定非営利活動法人みんなのコード info@code.or.jp (参考)協⼒企業・共催団体 2. 開催概要(1)Computer Science World

    in Asia 2019 開催概要 協⼒企業 共催団体 ˔࿨จ໊ࣾϩΰ ʢॎ૊Έʣ
  12. 12 © 2020 特定非営利活動法人みんなのコード info@code.or.jp 3. 各国の取組事例

  13. 13 © 2020 特定非営利活動法人みんなのコード info@code.or.jp • グローバル化、⼈⼝動態変化が進む社会で 必要な能⼒として、プログラミングを含む情報 スキルを⾝につけるべき技能のひとつと定義 •

    ⽣徒が技術に熟達した市⺠となり、増⼤する テクノロジー主導の世界で働き、貢献できるよ うになるための準備を促す 各国の取組状況︓シンガポール 早くから情報通信産業を国の基幹産業と位置付け、政府主導でコンピュータ教育を推進し てきたシンガポールでは、官⺠⼀体となったコンピュータ教育を実現。 3. 各国の取組事例(1)パネルディスカッション ⼈⼝ 導⼊時期 導⼊背景・⽬的 関連予算規模* 学校教育におけ る位置づけ 教員養成 • 約564万⼈ • 2014年︓公⽴中学で授業開始 • 2020年︓⼩学校で必修化 • 中等教育︓普通校技術系コースで 「Computer Applications」が必修教科 • 初等・中等教育とも教科担任制 • 国⽴教育研究所(National Institute of Education︓NIE)が、教員志望者の ための教員養成課程や現役教員のための 研修プログラムを実施し、認可 取組の特徴 国・コンピュータ教育の特徴 • 早期から⾏われる政府の積極的な推進 • 豊富な⺠間企業のコンピュータ教育への参画 • 早くから情報通信産業を国の基幹産業 と位置付け、90年代から教育分野に ITインフラを導⼊ • 2000年代初頭にはICTのカリキュラム への統合や学校現場での利⽤を進め、 効果的に広くICTを教育で使⽤ • ⺠間企業による教材提供や、オンラインのプ ログラミング学習コースが充実 Ø Infocomm Clubとして技術系教育機 関)、IDAおよびCodecademy(オンライ ンによるプログラミング学習を提供する教育 企業)が協⼒して提供するオンラインのプロ グラミング学習コースを整備 Ø ⺠間のIT教育提供企業のKore Infotech が「⺠間のIT教育提供企業が急増しており、 3Dプリンティングからアプリ制作まで様々なワ ークショップを提供 *政府⽀出に占める公的教育費割合 国際⽐較(UNESCO)https://www.globalnote.jp/post-1486.html • 政府⽀出に占める公的教育費割合:19.96%
  14. 14 © 2020 特定非営利活動法人みんなのコード info@code.or.jp 各国の取組状況︓台湾 台湾では⼤学と⾃治体が連携し、教員の養成を主⽬的としたSTEAM Schoolやテクノロジー 専⾨家の派遣などを実施し、積極的な教員のサポートを⾏っている。 3.

    各国の取組事例(1)パネルディスカッション ⼈⼝ 導⼊時期 導⼊背景・⽬的 学校教育におけ る位置づけ 教員養成 • 約2,378万⼈ • 2011年〜 ⼩中学校でコンピュータ教育開始 • 2019年8⽉〜 ⼩中学校でプログラミング教育 必修化 • これまで⼩学校ではICTリテラシーを重要視 • ITに対するクリエイティブな発想を⾝に着けるため プログラミング学習を早い段階から⾏う • これまでは⽇本の理科に相当する「⾃然と⽣活 科学技術」領域内で実施 • 「情報科技」と「⽣活科技」を含む「科技」領域 として新たに定義された • 2004年〜 ⼩・中学校教員の資格獲得教育 課程の選択科⽬として「情報科学技術教育」 および「コンピュータ」が設定された • STEAM教育の推進をフェーズを分け段階 的に実施 • 教員養成プログラム認定制度化し、国外 にも展開 • 国境を越えたSTEAM教育の促進 • 質の⾼い⼿頃なSTEAM教育を提供する 学校のアライアンス • 教員が週20%の時間をSTEAM 学習に充てるカリキュラムの推進 • テクノロジー専⾨家と連携した教育の実施 取組の特徴 国・コンピュータ教育の特徴 • 政府主導での教員養成 • 段階的な養成ステップと国外展開 • 政府⽀出に占める公的教育費割合:21.65% *National Statistics, Republic of China (Taiwan) Education, Science and Technology, Culture and Mass Communication https://eng.stat.gov.tw/public/data/dgbas03/bs2/yearbook_eng/y012.pdf 関連予算規模*
  15. 15 © 2020 特定非営利活動法人みんなのコード info@code.or.jp 各国の取組状況︓マレーシア マレーシアでは政府・企業・⼤学などの多くの関係者の協⼒のもと、 ”My Digital Maker

    Movement”を実施し、コーディングの専⾨家を巻き込んだ教員の養成を実現している。 3. 各国の取組事例(1)パネルディスカッション ⼈⼝ 導⼊時期 導⼊背景・⽬的 学校教育におけ る位置づけ 教員の養育体制 • 約3,200万⼈ • 2017年 • STEM領域の仕事や急速に変化する技術へ の対応の必要性 • サイバーセキュリティを担う⼈材の不⾜ • 現在はICT科⽬の中でコーディングが教えら れているが、2020年から4〜6年⽣(10〜 12歳)でデザイン&テクノロジー科⽬を通し てコーディングが教えられる • 週2時間程度の授業を実施 • IPG(Institute Pendidikan Guru / Teacherʻs Training Institute)が主導 で教員を研修する • 教員養成は⼤学主導の研修コースなどを通 して実施。資格は不要 • 2017年より”My Digital Maker Movement”と呼ばれる政府・企業・⼤学 などの多くの関係者が協⼒してCS教育を推 進する活動を実施 • 設備の不⾜している地域からも遠隔で教員 向けのトレーニングを受けられるようにするな ど、徐々に環境が整えられている • 取組の結果として、⼩中学⽣が、様々な製 品を開発しており、若者の活躍が⾒られる Ø エアコンのエネルギーを節約するダスト検 出器 Ø 視覚障害者向けの杖や点字マニュアル Ø スマートフォン⽤アプリ Ø 学校のごみ箱 取組の特徴 国・コンピュータ教育の特徴 • 政府・企業・⼤学の関係者が協⼒して活動を実施 • 様々な分野での若者の活躍 • 政府⽀出に占める公的教育費割合:21.68% 関連予算規模* *政府⽀出に占める公的教育費割合 国際⽐較(UNESCO)https://www.globalnote.jp/post-1486.html
  16. 16 © 2020 特定非営利活動法人みんなのコード info@code.or.jp 「Girls Are Coding」 Gözde Erbaz⽒

    (Turkey) コーディング体験のない⼥⼦学⽣を対象に、プログラミングスキルを獲得しキャリアの可 能性を広げることを⽬的とした活動。課題解決のための実⽤的なアプリ開発を体験・修得。 ⼥性のエンパワーメントに繋がる活動が注⽬を集めた。 3. 各国の取組事例(2)ポスターセッション 【国】 トルコ 【対象】 14歳から17歳の⼥⼦学⽣ 【特徴】 • アプリ開発、Web開発、ロボット⼯学な ど実践的なプログラムを提供 • メルセデス・ベンツ、IBM、グーグルなど 様々なパートナー企業が参加 • 6カ⽉のトレーニング期間、定期テスト、 ファイナルテストが受講終了条件 【成果】 • “スマートシティ”など⾃ら設定したテーマ に応じて、⾃分の⼒でアプリなどを開発 • 学⽣の満⾜度は極めて⾼く、98%の学 ⽣がプログラムに満⾜だったと回答
  17. 17 © 2020 特定非営利活動法人みんなのコード info@code.or.jp 「⼥⼦⾼校⽣のためのコンピュータサイエンス教育」 ⾼⽊暁⼦⽒ (⾼⽊学園 英理⼥⼦学院⾼等学校 理事⻑)

    プログラミングへの関⼼の男⼥格差を問題意識として、独⾃に開発した教育プログラム。 特に、コンピュータに興味のなかった⼥⼦⽣徒も楽しんで学べたこと、ITに苦⼿意識のあっ た教員が⾃発的にプログラミングを学ぶ姿勢に変わった点が注⽬を集めた。 3. 各国の取組事例(2)ポスターセッション 【国】 ⽇本 【対象】 ⾼校⽣ 【特徴】 • 週2時間の授業に加えて、夏季休暇を 利⽤したCSに特化したプログラム (STEAMセッション)を実施 • ⽣徒の興味を惹きやすいビジュアルを重 視した教材を開発 • 既存の教科書ではなく、教員が全ての 教材を開発・準備 【成果】 • 規定の教科書では興味を持てなかった ⽣徒もプログラミングの授業を楽しめた • ITに苦⼿意識のあった教員が⾃発的に プログラミングスクールで学習
  18. 18 © 2020 特定非営利活動法人みんなのコード info@code.or.jp 「Code Your Way to Space」

    Anuthra Sirisena⽒ (Malaysia) コンピュータを⽤いた、グループワークでの課題解決型学習プログラム。 スキルのみを教えるのではなく、社会課題解決とテクノロジーを結びつけることで⾃主的な 学習を促し、⼦どもたちの潜在能⼒を引き出した点が注⽬を集めた。 3. 各国の取組事例(2)ポスターセッション 【国】 マレーシア 【対象】 中学⽣ 【特徴】 • コーディングを「教わる」のではなく「⾃ら学 ぶ」機会を提供 • グループワークをベースとした課題解決型 の学習アプローチ • テクノロジーの使い⽅からグループでの課 題解決・発表まで計6時間の⼀貫したプ ログラム 【成果】 • コンピュータに触れたことがない学⽣もロ ボティクスやコーディングに興味を持つよう になったと回答
  19. 19 © 2020 特定非営利活動法人みんなのコード info@code.or.jp 「公倍数アートを作ろう」 中村亮太⽒ (三宅村⽴三宅⼩学校 教諭) ⼦どもと親和性の⾼い数字・⾳楽・アートとコンピュータを組合わせた教育プログラム。

    周りにある決まり・法則に興味を抱き、試⾏錯誤と探求する楽しさを体感。コンピュータ の特性を活かした良例として注⽬を集めた。 3. 各国の取組事例(2)ポスターセッション 【国】 ⽇本 【対象】 ⼩学⽣ 【特徴】 • ⽣徒の創作活動を中⼼とした体感的・ 主体的な学習プログラム • 数字、⾳楽、アート、コンピュータを組み 合わせた教科横断的な取り組み • 教員は問いかけ・意⾒出しによるサポー トに限定 【成果】 • 楽しみながら⼦ども達の主体的な学習を 促し、コンピュータを通じて知的好奇⼼を 刺激できた • 試⾏錯誤を繰り返すことで考える⼒を醸 成した
  20. 20 © 2020 特定非営利活動法人みんなのコード info@code.or.jp 4. 開催総括

  21. 21 © 2020 特定非営利活動法人みんなのコード info@code.or.jp 参加者が描いた「理想のCS*1教育」とは︖ CSWでは、⽬指したいCS教育の姿として、実社会の課題解決に資する教育を⽬指すことに 関⼼が集まった。 4. 開催総括(1)参加者が描いた理想のComputer

    Science教育 • 「PBL型学習でコンピュータを課題解決の道 具として活⽤している事例」 • 「知識のようなCSではなく,オーセンティックで 社会課題の理解や解決などにつなげることが できるPBL的なもの」 PBL*3 コンピューターが⾝の周りにある課題の解決に資することを、 ⽣徒が実体験に基づいて⾃ら理解し、実践できるような教育 実社会 社会課題 • 「実社会の課題を解決するためのCS教育。 コーディングをいくら⾝につけても、それを課題 解決に活かせそうだというマインドが無いと世の 中が変わらない」 • 「コーディングを覚え、実際の⽣活に活かす」 • 「環境に働きかけ、リアルなフィードバックを受 けるような有り⽅」 • 「社会的課題に解決を挑んでいる実践。それ がコンピュータサイエンスのゴール」 実践・ クリエイティブ • 「⽣徒が使いこなし、その上で新しい価値観を ⽣徒⾃⾝が⽣み出していくような実践」 • 「⾃分たちが課題を⾒つけて解決するための プログラミング」 CSWで描かれた「理想のCS教育」に関するキーワード *2 *1︓「Computer Science」の略 *2︓アンケート「CSWを通じて、⽬指したいと感じたコンピュータサイエンス教育の事例とその理由」の回答から抜粋 *3︓「Problem/Project Based Learning」の略 理想のCS教育
  22. 22 © 2020 特定非営利活動法人みんなのコード info@code.or.jp 4. 開催総括(1)参加者が描いた理想のComputer Science教育 理想のCS教育実現に対し、現場が感じている障壁は︖ 現場からは「教員」に関する課題が多く上げられ、指導者側の準備が不⾜していると認識

    されている。理想のCS教育実現に向けては、教員が主体的にCS教育を推進できる状態を作 っていくことが重要だと考える。 アンケート「CS教育実践に向けた障壁」に対する回答* 教員にまつわる参加者の声 ワードクラウド分析 知識・理解の不⾜ 意識・マインドセット 教員養成・育成 教員の多忙さ 教員へのサポート体制 • 授業に必要な知識、経験の不⾜ • 教育現場全体の理解不⾜ • CS教育の必要性に対する認識不⾜ • 教員のマインド形成不⾜ • 教員の負担を抑えた、養成の仕組みの必要性 • 教員のトレーニング機会の不⾜ • 新たに追加される取組による教員の負担増加 • 教員の多忙さによる時間不⾜ • CS教育実践のための設備が不⾜ • ステークホルダー(保護者など)の理解不⾜ * アンケート「コンピュータサイエンス教育を実践するうえで障壁となりうるものを挙げてください。(複数回答可)」を元に分析 教員が主体的にCS教育を推進できる環境作りが重要
  23. 23 © 2020 特定非営利活動法人みんなのコード info@code.or.jp 教員が主体的にCS教育を推進するための4ステップ 教員が「認知・理解・実践・共有」の4ステップを経てCS教育への関わりを深めていくこと が、主体的なCS教育の推進につながると考える。 4. 開催総括(2)理想のComputer

    Science教育実現に向けて ステップ 各ステップにおけるゴール 主体的なCS教育の推進 CS教育に関する情報を得て 理解している 理解 実践の⼿がかりを掴んでいる CS教育の効果を実感し 周囲と共有する 共有 CS教育に携わることが 教員のステータスになっている 教員が実施したいCS教育を 実践できる 実践 「やりたい」を⾏動に起こす 環境がある CS教育の存在を知る 認知 教員の⽬がプログラミング教育の 継続・拡充・発展に向いている
  24. 24 © 2020 特定非営利活動法人みんなのコード info@code.or.jp 理想のCS教育の実現に向けて各セクターが果たす役割 現状の教員の多忙さを踏まえると、理想のCS教育を実現するためには、教員だけではなく、 ⾏政・学術機関・校⻑/教頭先⽣・企業・NPOなどの多様なセクターによるエコシステムの 形成が必要だと考える。 4.

    開催総括(2)理想のComputer Science教育実現に向けて CS教育実現に向け各セクターが果たす役割 ⾏政 企業・ NPO 学術機関 学校 (校⻑など) 制度化に向けた 理論の体系化・制度化 リソース・ノウハウの提供 各セクターのサポート 教員の理想の CS教育の実現 CS教育の実践 現場の声の発信 CS教育の制度化 継続的なコミット 制度の整備 • ⼿引き・指針の設計、公表 • 環境整備のための予算策定 • 先進事例の調査、事例のモデル化 • CS教育の効果検証 • 実証実験の実施 • シンポジウムなどの開催 • 資⾦提供 • ⼈材育成機会の提供(勉強会・研修) • コミュニティプラットフォームの提供 (オンライン・オフライン) 教育⼿法の 調査・分析 サポート体制 の構築 • 保護者の啓発活動 • 社会全体への意⾒発信 関係者の 理解促進
  25. 25 © 2020 特定非営利活動法人みんなのコード info@code.or.jp (参考)みんなのコードにおける教員養成ステップ みんなのコードはこれまで、「認知・理解・実践・共有」の4つのステップで教員を養成し てきた。 4. 開催総括(2)理想のComputer

    Science教育実現に向けて • 様々なプログラミング教材を体験し、先⾏事例に触れ、みんなのコー ドの主任講師陣の考案した模擬授業を体験する • ⾃分ならどんな教材でどのような授業ができるのか、実践に向けてイメ ージを具体化させる 理解 • 実践を踏まえ、準備の段階で⼼がけたこと、⼦どもたちの反応、学び の深まりなどを講座の中で振り返る • 受講者各⾃の地域や教材、学年が違う中で、柔軟に次の実践を⾒ 据え、⼦どもたちが楽しいと思えるプログラミングの授業を継続する 共有 • 講座の中で他社とディスカッションし、磨きをかけた指導案をもって、 実際に⾃⾝のクラスでプログラミング教育の授業を実践する • とにかくアクションすることで、教員⾃⾝も試⾏錯誤し、講座の中に気 づきを展開する 実践 • プログラミング教育が⽇本・世界で必修化されている理由、社会の流 れを⾒つめなおす • ⽂部科学省の掲げる必修化のねらいを知り、次世代を⽣きる⼦供 たちに必要な教育のあり⽅について考える 認知 * 参考︓みんなのコードウェブサイト プログラミング指導教員養成塾の指導者育成イメージ *
  26. 26 © 2020 特定非営利活動法人みんなのコード info@code.or.jp 5. 最後に

  27. 27 © 2020 特定非営利活動法人みんなのコード info@code.or.jp 今回のComputer Science World in Asia

    は 意欲的な現場の教員 を中⼼に、企業、学術関係者、NPOや⾏政をふくむ教育関係者が 海外と⽇本を合わせて118名集まり、社会環境の変化を踏まえた 2020年度以降のコンピューター教育のあるべき姿を検討してきま した。 検討を通じて⾒えてきたのは、「① コンピューターが⾝の周りの 課題解決に資することを体験しながら理解できるCS教育が求めら れていること」、「②その実現には教員がキーとなること」、 「③しかし昨今の教員の多忙さを考えると周辺の各セクターの協 ⼒が必要である」ことです。 みんなのコードとしては、今回の検討を踏まえ、先進事例の開 発・効果検証・モデル化やコミュニティプラットフォームの⽀援 等で、未来の⼦どもたちに必要なテクノロジー教育を実現して参 ります。 関係各セクターの皆様においては、今回を第⼀歩としプログラミ ング教育のその先を共に作っていけたらと考えております。 今後に向けて 5. 最後に(1)主催者コメント 特定⾮営利活動法⼈みんなのコード 代表理事 利根川 裕太
  28. 28 © 2020 特定非営利活動法人みんなのコード info@code.or.jp 今後に向けて 東北⼤学⼤学院情報科学研究科 堀⽥ ⿓也教授 今回のイベントでは、プログラミング教育にいち早く取り組んで

    いる国内外の学校現場の先⽣⽅が多数参加されました。また、そ ういう先⽣⽅を⽀援している企業等の⽅々も参加され、先⽣⽅と ⼀緒に熱い議論を交わしてくださいました。これまで取り組んで きた実践があるからこその有意義な議論になりました。 プログラミング教育は、あくまで⼊り⼝に過ぎません。⼦供たち がプログラミングを体験し、その楽しさや難しさ、考え⽅を知っ たその先に、情報技術の仕組みに対する興味や、情報社会に対す る関⼼があります。そしてこれらに興味を持ち続けることが、CS 教育の価値なのです。 みんなのコードは、学校現場の先⽣⽅とのコミュニケーションを ⼤切にした活動をしてきました。今後もさらに、意欲的な先⽣⽅ の意⾒を吸い上げ、セクターを超えた動きを作り出し、新時代の 教育への連帯を作ってくれることを期待しています。 5. 最後に(2)有識者コメント
  29. 29 © 2020 特定非営利活動法人みんなのコード info@code.or.jp 今後に向けて 宮城教育⼤学技術教育講座 安藤 明伸教授 実は世界的にも「CSって、ICT活⽤なんですよね︖」という誤解

    がまだあります。そのような中、アジアにおけるCSのあり⽅に ついて情報交換と議論が深められたこのイベントには、⼤きな意 義があると思います。 いよいよ⽇本では、プログラミング教育が情報活⽤能⼒の育成と いう枠組みで実施されます。この学習過程で情報を科学的に理解 することが⽋かせません。 プログラミング教育の柱をより確実なものにするためにも、全国 の関係者だけでなく、諸外国の関係者も含めた広い視野で国際的 な⽔準を意識して推進していきたいものです。 そのためにも、みんなのコードさんのように応援してくださる団 体があることを⼼強く思います。 5. 最後に(3)有識者コメント
  30. 30 © 2020 特定非営利活動法人みんなのコード info@code.or.jp みんなのコードについて l ”⼦どもたちがデジタルの価値創造者となることで次の世界を創っていく” ことをミッションに活動するNPO法⼈。 l

    公教育を⽀援することで、全国の⼩・中・⾼校⽣に次の世界を⽣き抜く⼒を 届けています。 Ø 全国40都道府県で教育委員会等とのべ3000⼈以上の先⽣⽅に研修を⾏ってまいり ました。 Ø プログラミングに触れたことがなかった先⽣でも、指導要領に沿った授業が実践 しやすいようにと提供しているオンライン教材は60万ユーザーを超えました。 l ベテランの 元教員メンバーをはじめ、教育にパッションのあるメンバーが 全国の 公教育の現状に寄り添いつつ、政策提⾔や啓発活動にも⼒を注いでい ます。 主催団体紹介