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組織課題をアジャイルに解決する働き⽅ 〜チームに閉じず組織横断で取り組む仕組み〜

Kazuya Suda
September 12, 2024

組織課題をアジャイルに解決する働き⽅ 〜チームに閉じず組織横断で取り組む仕組み〜

2024/9/11 Asana 東京コミュニティ第1回🎉「快適な仕事環境を増やそう!」のメインセッションの資料です。

Kazuya Suda

September 12, 2024
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Transcript

  1. 1 ©2024 KDDI Agile Development Center Corporation ⾃⼰紹介 KDDIアジャイル開発センター株式会社(KAG) プラットフォームエンジニアリング部⻑

    須⽥ ⼀也(すだ かずや) 主な経歴 2016〜 auでんきアプリ開発スクラムオブスクラムマスター(AWS×スクラム) 2019〜 MaaSアプリ開発スクラムマスター(AWS×GCP×スクラム) 2021〜 Scrum Inc. Japanスクラムコーチ兼務 202207〜 KDDIアジャイル開発センター株式会社兼務出向 202404〜 KAGプラットフォームエンジニアリング部⻑
  2. 4 ©2024 KDDI Agile Development Center Corporation 所在地 東京都港区⻁ノ⾨1丁⽬17番1号 ⻁ノ⾨ヒルズビジネスタワー

    28F 本社 代表取締役社⻑ 事業内容 設⽴年⽉⽇ 2022年5⽉12⽇ 社員数 184名 re-INNOVATE YOUR BUSINESS “Be Agile, Update Culture” DX専業のエンジニア集団 拠点 Whatʼs KAG? 72% 舞鶴/三島/那覇/秋⽥/⾼崎/札幌/福岡/⼤阪/仙台 職種⽐率 エンジニア…72% デザイナ… 10% その他…18% ⽊暮 圭⼀ アジャイル開発事業および保守事業
  3. 5 ©2024 KDDI Agile Development Center Corporation クラウドインテグレーション・マネージド アジャイル開発 国内におけるLLMのリーディングカンパニー

    企業⽤データ連携・データ活⽤プラットフォーム アジャイルコンサルティング・コーチ オンラインとリアルのコミュニケーションサービス KDDI Digital Divergence Group 法⼈顧客のDXを加速するため2022.7.1 設⽴ グループ事業戦略⽴案・推進
  4. 6 ©2024 KDDI Agile Development Center Corporation 法⼈向けクラウドサービス KDDI BusinessIDにて

    初のアジャイル開発導⼊ 5⼈ KDDIにおけるアジャイル開発の歩み 2015 2017 2019 2016 2018 2020 400⼈+ アジャイル開発センター発⾜ (様々な部⾨でAgile開始) 開発案件拡⼤ オフショア / ニアショア 共創ビジネス創出へDX 領域拡⼤(Personal) auでんき auHOME(IoT) 顧客視点強化 UI/UX取り組み強化・加速 KDDI DIGITAL GATE Scrum inc. Japan設⽴ 2013
  5. 7 ©2024 KDDI Agile Development Center Corporation auでんきサービスの300万の契約者向けアプリを 当初から複数チームによる⼤規模スクラムで開発 auでんき

    様 ⽉間130万⼈以上のお客さまにご利⽤いただく⼈気アプリとして成⻑した今もス クラムを活かし、新機能を⽇々リリースしています。また、auでんきアプリをホワイトレ ーベル化し、パートナー企業に提供。当該パートナー企業のお客さまのロイヤリティ 向上にも寄与しています。 アジャイルサービス開発事例 UI/UX 複数スクラム ネイティブアプリ シチズン様のデジタルヘルスケア新規事業とし てアプリ開発⽀援と内製化を⽀援 シチズン時計株式会社 様 シチズン様の医療・ヘルスケア分野における、デジタルヘルスケア領域の新規 事業およびグループ横断プロジェクトとして、シチズン様の各種健康機器と連 携する「Health Scan」アプリの開発と内製化⽀援を⾏いました。 UI/UX ネイティブアプリ 内製化⽀ 援 エンジニア育成 内製化⽀ 援 DevOps
  6. 8 ©2024 KDDI Agile Development Center Corporation ⾃社プロダクト KAGではKDH傘下の各社が業務内で安全に⽣成AIを活⽤できるよう、セキュアなチャッ トボット「かぐたん」を開発しました。かぐたんはSlackから呼び出せるチャットボット

    で、「@かぐたん」にメンションすることで⽣成AIへ⼀般的な知識を質問したり、⽂書 作成やアイディア出しなどの業務効率化に役⽴てることができます。 アジャイルサービス開発事例 UI/UX ⽣成AI E217系デジタルトレインの再現による鉄道古物 販売に向けた実証実験のシステム開発に協⼒ 東⽇本旅客鉄道株式会社 様 デジタル技術による鉄道古物販売等の有⽤性やサービス内容について検証するため、 JR東⽇本と株式会社JR東⽇本商事、KDDI株式会社の3社で⾏われた実証実験にて、3D モデル化により⾞両内をデジタル空間上に再現しました。⾞両の内部を⾃由に移動し ながら関⼼のある部品を指定してコメントができ、この機能により、鉄道古物の需要 をより詳細に調査し、ユーザーが部品を購⼊できる機会の提供を⽬指します。 UI/UX デジタルツイン Amazon Bedrockを活⽤したSlack⽤の⽣成AIチャットボット 「かぐたん」をKDDI Digital Divergenceグループ内に展開
  7. 9 ©2024 KDDI Agile Development Center Corporation 課題感や状況に合わせて、 システム開発の導⼊〜定着までオーダーメイドで提案。 プロジェクトのどのフェーズからも伴⾛し、ご⽀援いたします。

    アジャイル開発⽀援 アジャイルな組織に 変⾰したい ⾃社でアジャイル 開発をしたい UXデザイン・PoC⽀援 アイデア創出と 仮説検証をしたい アジャイルを 初めて導⼊したい アジャイル教育 KAGが提供するアジャイル開発⽀援
  8. 12 ©2024 KDDI Agile Development Center Corporation KAGにおけるAsanaの活⽤ 経営、管理職、管理部⾨等のメンバーで利⽤ •

    利⽤開始︓2022年7⽉(会社設⽴と同時期) • プラン︓Enterprise • 主なメンバー︓社⻑をはじめとした経営メンバー、管理職、コーポレート部⾨など • 主な⽤途 ◦ 会社の組織課題の管理 ◦ 会社の戦略タスクの管理 ◦ 会社、部署のOKRの管理(ゴール機能の活⽤) ◦ 新規案件管理 ◦ コーポレート統括本部(コーポレート部、⼈事部、プラットフォームエンジニアリング部)のタスク管理 ◦ 社内外の勉強会、カンファレンスなどのイベント情報の共有(Slackで全社員に通知)
  9. 14 ©2024 KDDI Agile Development Center Corporation 会社設⽴にあたり課題が⼭積み 部署ごと⼦会社化し、開発チームはそのまま出向(当時約80名)。業務のやり⽅や⼿続きが未整備なものが頻出。 会社のロゴ利⽤は

    誰に許可を取れば いいんだろう︖ グループメール ってどうやって 作るのかな︖ イベントの スポンサーに応募 できるかな︖ 会社のコーポ レートカードって あるのかな︖ 新たなメンバー 採⽤するには どうすればいい︖
  10. 15 ©2024 KDDI Agile Development Center Corporation Asanaを導⼊ 組織課題を⼀元管理 タスク名

    担当者 課題カテゴリ 優先度 期⽇ ロゴ利⽤申請の整備 須⽥ マーケ関連 ⾼ 8⽉31⽇ グループメールの申請⽅法の確認 ⼭⽥ コーポ関連 ⾼ 8⽉31⽇ イベントスポンサー応募時のルール整備 須⽥ マーケ関連 ⾼ 8⽉31⽇ コーポレートカード準備 ⼭⽥ コーポ関連 ⾼ 9⽉15⽇ メンバー採⽤のためのパートナー企業と の契約締結 ⼭⽥ コーポ関連 ⾼ 9⽉30⽇ ◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯ ◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯ ◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯ ◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯ ◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯ プロジェクト︓KAG組織課題
  11. 16 ©2024 KDDI Agile Development Center Corporation 課題を解決する組織が不在 管理職が⾃主的に会社の課題解決も担当 課題解決が進まず、開発チームの⽀援もおろそかに

    定期的な棚卸しで、課題が多いカテゴリを組織化し、 管理職の配置転換(開発→⼈事など)や、採⽤を強化 ⼈事部 コーポレート部
  12. 19 ©2024 KDDI Agile Development Center Corporation アジャイル開発チーム構成 アジャイル開発の⼿法の⼀つであるスクラムのチーム プロダクトオーナー、スクラムマスター、開発者の三位⼀体体制

    スクラムチーム プロダクトオーナー(PO) プロダクトの価値の最⼤化 (WHAT/WHY)に対し全責任 を負い、バックログの優先順位 付けを⾏う。 ステークホルダー (利害関係者) スプリントゴールに向け、プロ ダクトを開発(HOW)し、品 質、計画の適応に責任を持つ。 スクラムプロセスの実践を促進 し、 チームパフォーマンスを向 上させ、 ゴールを達成させる。 スクラムマスター(SM) 開発者 顧客、パートナー 事業責任者、営業部⾨ 社内関係者 社外関係者 ステークホルダーの 要求ヒアリング ユーザーから のフィード バック
  13. 20 ©2024 KDDI Agile Development Center Corporation チームや部で解決できない課題をAsanaにDailyで起票 週2回の経営メンバー、管理職参加の会議(計画会議、リファイメント)で対応部署、担当者をアサイン ⽉

    ⽕ ⽔ ⽊ ⾦ 10:00­10:15 デイリースクラム (開発チームの朝会) 10:15­10:30 スケールドデイリースクラム (SDS︓部の朝会) エグゼクティブアクションチーム (EAT) 部では解決できない課題を 会社レベルで協⼒して解決 チームでは解決できない課題を 部レベルで協⼒して解決 (各チームのスクラムマスター+α) ⽇々の進捗の確認と個⼈では 解決できない課題を チームで協⼒して解決 スプリントプランニング (計画会議+進捗確認) バックログリファイメント (優先度決め+進捗確認)
  14. 21 ©2024 KDDI Agile Development Center Corporation 導⼊による効果 組織ごとに解決策を探したり、開発チームごとに同じものを作ろうとせず、共通課題として解決 (個別ルール、シャドーIT、⾞輪の再発明の削減)

    UIデザインで利⽤したい SaaS使えないか相談し たら、既に導⼊している 部署があって⼿続きス ムーズだったわ 会社のルールや⼿続きで 決まってないことがあっ ても、すぐに対応部署が 決まって、周知してくれ るようになったよ ⽣成AI Chatbotを 専任チームで開発して、 全社員活⽤できるし、 GitHub Copilotも開発で 使えるようになった
  15. 23 ©2024 KDDI Agile Development Center Corporation コーポレート部 コーポレート部もスクラムプロセスを導⼊。社員からの業務⼿続きの問い合わせや困りごとをAsanaで管理 デイリースクラムで確認、

    担当をアサイン 問い合わせ/ 困りごと を⼊⼒ 定型の依頼事項、 問い合わせは、Slack ワークフローも準備中 即時回答可能なものは回答
  16. 24 ©2024 KDDI Agile Development Center Corporation プラットフォームエンジニアリング部 開発チームのクラウドインフラやセキュリティのノウハウを提供し、組織横断で開発チームの価値提供を⽀援 社員、開発チーム共通のSaaSの管理、業務の効率化を⽀援

    Microsoft Azure 各製品ごとのAsanaプロジェクトを作成し、 スプリント毎に実施するタスクを選定 計画会議で確認、 担当をアサイン 問い合わせ/ 相談内容 を⼊⼒ 即時回答可能なものは回答
  17. 26 ©2024 KDDI Agile Development Center Corporation KAGレビュー/OST(Open Space Technology)

    組織横断で週1で各部の取り組み共有、⾃由テーマのディスカッション開催 毎回100件以上 のコメント ディスカッションで 挙がった課題 組織課題や制度、 要望など
  18. 30 ©2024 KDDI Agile Development Center Corporation フラットなチーム中⼼型であること 組織はチームのために重点をおく 必要な権限はチームに移譲されている

    ⾃⼰管理型で誰が何を、いつ、どのように⾏うかはチームが決める リーダーはチームをよく観察し、すばやく価値を出すために必要な⽀援を⾏う (サーバントリーダー) タスクはチームで共有され、協⼒して取り組む
  19. 31 ©2024 KDDI Agile Development Center Corporation ⼼理的安全性のあるチーム、組織であること ⽬標・価値に対する共感が前提としてあり、チーム、組織のメンバーに信頼と尊敬を持って発⾔できる チームメンバーが⾃らのイメージ、地位、キャリアにマイナスな影響がおよぶ恐れなく⾏動できる

    という共通の概念として定義される。 (中略) チームに⾼い⼼理的安全性があると、彼らは家族のように感じ、「⼀緒に魔法を起こしている」 ように感じられるという。 ⼼理的に安全なチームにおける主なポジティブかつ望ましい⾏動規範は、「発⾔」するというものだ。 チームメンバーが常にオープンで恐ることなく⾃らの意⾒を⾔い、批判し、貢献できる状態を指す。 『⼼理的安全性とアジャイル』ドゥエナ・ブロムストロム著 ⽤語集「⼼理的安全性」から抜粋