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観光事業者向け・科学的マーケティングへの取り組み方

 観光事業者向け・科学的マーケティングへの取り組み方

マーケティングに関心があるが具体的な取組がまだこれから、もしくは始めているが成果が出ていない方向けに作成しました。観光をテーマに扱っていますが、他業種の方でも応用が可能です。

DataStrategy株式会社
http://datastrategy.jp

DataStrategy

June 18, 2017
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Transcript

  1. 科学的とは「誰が⾒ても確からしい」こと Data Strategy Inc. | 4 主張 根拠 〜をすれば、売れるだろう 〜というニーズがある

    〜という定量・定性データがある 客観的な定量・定性データを集めることで、 より確からしい判断が可能になる
  2. その科学的なアプローチの⼀つが「分析」 Data Strategy Inc. | 5 課題設定 仮説づくり データ収集 集計

    結果の理解 打ち⼿の検討 実⾏ 効果検証 データ 分析 マーケティング施策を実⾏するにあたり、「データ分析」を 使いながら、以下の6つのステップをモレなく⾏ったり来たりして、 最も効果が出る施策を検証するのが⼀般的です
  3. マーケティングやフレームワークに正解はありません Data Strategy Inc. | 9 ü マーケティングの考え⽅は様々なものがあり、どれかひとつ の絶対的な「正解」があるわけではありません ü

    マーケターの数だけ考え⽅がありますし、他の専⾨家は全く 違うことを⾔うかもしれません ü ここに書かれている内容は、弊社メンバーのこれまでの経験 から「こうすれば実際に売り上げに繋がった」という⽅法を 元に書かれたものです ü ⾃分で納得できるフレームワークを取り⼊れながら、どの⽅ 法がもっとも納得できて、扱いやすく、結果につながるかを 是⾮探して⾒てください(扱いやすさも⼤事です)
  4. 商品のうれしさとは何でしょうか Data Strategy Inc. | 11 有名な例ですが、ミルクシェーキの例をもとに考えて⾒ましょう あるファストフード企業がミルクシェイクの売上を改善したいと思った。 ミルクシェイクの購⼊者属性を整理し、同⼀の属性を持つ⼈を対象に、重めがいいか 軽めがいいか、フルーツ味かチョコレート味か、など、どんなミルクシェイクが理想

    的か尋ねた。調査はうまく進み、特定したターゲットの好みをもとに製品を改善した が、売上は全く改善しなかった。 そこで別のチームが再び調査を⾏った。調査チームは店舗で来客を⼀⽇中観察した。 すると早朝にミルクシェイクを買う客が多いことに気がついた。 早朝の購⼊者になぜミルクシェイクを買ったかを尋ねると、 ⻑い⾞通勤の間に⽚⼿で⼿間なく飲める ⼀気に飲めないので暇つぶしになる 腹持ちが良い といった理由だとわかった。 この調査結果をもとに製品開発を再度⾏ったところ売上を改善することができた。 出典:クレイトン・クリステンセン「イノベーションへの解 利益ある成長へ向けて」
  5. ミルクシェーキのうれしさ Data Strategy Inc. | 12 この例から考えると、ミルクシェーキのうれしさは以下のものでした 出典:クレイトン・クリステンセン「イノベーションへの解 利益ある成長へ向けて」 ü

    ⻑い⾞通勤の間に⽚⼿で⼿間なく飲める ü ⼀気に飲めないので暇つぶしになる ü 腹持ちが良い 実際には、当然味や価格なども決定要素にはなりますが、 顧客がミルクシェーキを買う⼀番の理由は 「おいしいから」「好みの味だから」ではなく 「⾞通勤の間のひまつぶし」だった、という例です。 つまり、この企業が販売するミルクシェーキは 「ひまつぶし」になるのが嬉しさであり、 それをさらに追求することにより、売り上げ増加が⾒込めます
  6. 商品のうれしさとは何でしょうか(再掲します) Data Strategy Inc. | 14 有名な例ですが、ミルクシェーキの例をもとに考えて⾒ましょう あるファストフード企業がミルクシェイクの売上を改善したいと思った。 ミルクシェイクの購⼊者属性を整理し、同⼀の属性を持つ⼈を対象に、重めがいいか 軽めがいいか、フルーツ味かチョコレート味か、など、どんなミルクシェイクが理想

    的か尋ねた。調査はうまく進み、特定したターゲットの好みをもとに製品を改善した が、売上は全く改善しなかった。 そこで別のチームが再び調査を⾏った。調査チームは店舗で来客を⼀⽇中観察した。 すると早朝にミルクシェイクを買う客が多いことに気がついた。 早朝の購⼊者になぜミルクシェイクを買ったかを尋ねると、 ⻑い⾞通勤の間に⽚⼿で⼿間なく飲める ⼀気に飲めないので暇つぶしになる 腹持ちが良い といった理由だとわかった。 この調査結果をもとに製品開発を再度⾏ったところ売上を改善することができた。 出典:クレイトン・クリステンセン「イノベーションへの解 利益ある成長へ向けて」
  7. 商品のうれしさとは何でしょうか(再掲します) Data Strategy Inc. | 15 有名な例ですが、ミルクシェーキの例をもとに考えて⾒ましょう あるファストフード企業がミルクシェイクの売上を改善したいと思った。 ミルクシェイクの購⼊者属性を整理し、同⼀の属性を持つ⼈を対象に、重めがいいか 軽めがいいか、フルーツ味かチョコレート味か、など、どんなミルクシェイクが理想

    的か尋ねた。調査はうまく進み、特定したターゲットの好みをもとに製品を改善した が、売上は全く改善しなかった。 そこで別のチームが再び調査を⾏った。調査チームは店舗で来客を⼀⽇中観察した。 すると早朝にミルクシェイクを買う客が多いことに気がついた。 早朝の購⼊者になぜミルクシェイクを買ったかを尋ねると、 ⻑い⾞通勤の間に⽚⼿で⼿間なく飲める ⼀気に飲めないので暇つぶしになる 腹持ちが良い といった理由だとわかった。 この調査結果をもとに製品開発を再度⾏ったところ売上を改善することができた。 出典:クレイトン・クリステンセン「イノベーションへの解 利益ある成長へ向けて」 これまで色々なマーケティングリサーチのお手伝いをしてきましたが この部分は非常によく起こることです。 調べようとしていることを 調査担当者のアタマのなかで考えているので、 実際に顧客が考えていることとズレが生じます。 その結果、「いくら調査をやっても打ち手や結果につながらない」 ということが起こり得ます。
  8. 調査には⼤きく定量調査と定性調査があります Data Strategy Inc. | 18 定量調査 定性調査 設計したフォーマットに 埋めてもらう形式で、

    WEBなどでも⼤規模に 実施可能。 数⼗〜数万⼈規模 1⼈に対して30-90分程度 時間をとってもらい、 インタビューワーが話を じっくり聞く⽅式。 5-15⼈程度の規模
  9. 定量調査と定性調査で分かることは全く異なります Data Strategy Inc. | 19 Q. 城崎温泉にどのような魅⼒を感じますか? (⽇本⼈観光客向け) 1位:

    温泉街の ⾵情・雰囲気(57%) *N=1,435 有⾺温泉にも⾏こうと思ったけど、 企業の団体旅⾏とかで宴会ドンチャン 騒ぎのイメージがあったのでやめた。 城崎温泉は静かで個⼈客が多いから 良いね。⾬でも、⾷べ歩きが楽しめるし。 景⾊を⾒る観光地は、天気に左右される よね。 *N=5 定性調査で分かること 定量調査で分かること *豊岡市役所・一般社団法人豊岡観光イノベーション(豊岡版DMO) 各種調査結果より作成
  10. 定量・定性調査の良いところ、注意すべきところ Data Strategy Inc. | 20 良いところ 注意すべき ところ ボリュームを把握できる

    聞くことを事前に決めておかないといけないの で、調査設計者のアタマにあること以上の答え を導きにくい 良いところ 注意すべき ところ 調査担当者が事前に考えていなかったような 意⾒やフィードバックが得られる インタビューワーに⼀定のスキルと経験が必要 (インタビュー対象者を誘導してはいけない等) ボリュームが把握できない *豊岡市役所・一般社団法人豊岡観光イノベーション(豊岡版DMO) 各種調査結果より作成
  11. マーケティングフレームワーク ‒ WHO/WHAT/HOW 誰に・何を・どうやってを決めましょう。 簡単そうに⾒えますが、難しいです。定性調査でしっかりと顧客 の声を把握していないと、うまくはまりません。 Data Strategy Inc. |

    23 WHO 誰に お客さまはどんなひと? (性・年代・家族構成・居住地・年収・⾞保有・⼦供年齢 etc…) WHAT 何を お客さまは、何がうれしくて ⾃社商品を選ぶ? HOW どのように どのようなメッセージで伝える?
  12. WHAT ‒ WHO, HOWとの整合性に注意しましょう 定性調査インタビューの結果から傾向を導き出し、WHATと WHO,HOWの⼀貫性を取っていきます。綺麗に分かれるものでは ありませんが、⼤まかな傾向を抽出します。 Data Strategy Inc.

    | 25 Q. 城崎温泉にどのような魅⼒を感じますか? (⽇本⼈観光客向けインタビュー) 50-60代でよく聞かれた キーワード ü 古い名勝地、⽂学のまち、志賀直哉の温泉に ⼀度⾏って⾒たかった ü 個⼈客が多くて静かでリラックスできそう 20-30代でよく聞かれた キーワード ü 浴⾐を着て⾷べ歩きができて、⾊々なものが⾷ べられてうれしい ü 遠すぎず近すぎず、旅⾏気分が味わえる キレイに分類できるわけではありませんが 概ねの傾向(WHOとWHATのペア)をつかむことが重要です
  13. マーケティング活動は資源配分の選択をするもの お⾦と時間が無尽蔵にあれば、複数の選択肢をとることも出来る かもしれません。当然実務上はお⾦と時間も限られているので、 資源配分の選択が必要です。 Data Strategy Inc. | 29 手段1

    手段2 ・・・ vs. 売上の増加 0 50 100 150 200 250 300 350 400 450 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 1 *資源配分については、「マーケティング戦略とは」というテーマで別途まとめる予定です
  14. 定性調査から実施し得られたデータに基づいて WHO/WHAT/HOWを決めましょう Data Strategy Inc. | 33 WHO 誰に お客さまはどんなひと?

    (性・年代・家族構成・居住地・年収・⾞保有・⼦供年齢etc…) WHAT 何を お客さまは、何がうれしくて⾃社商品を選ぶ? HOW どのように どのようなメッセージで伝える? ( )       データに基づく裏付け *データに基づく裏付けは重要ではあるが、 データだけで全て決まることはほとんどなく、最終的な意思決定も重要
  15. 調査の進め⽅や発注⽅法、 広告や商品コンセプトの 開発⽅法、マーケティング 施策づくりについて サポートします。 UI/UX専⾨家による 画⾯設計や改善⽅針の アドバイスが可能です。 AIやデータを活⽤した 業務サポートの可能性診断、

    IoTなど技術トレンドを 踏まえた実証実験を ⼀緒に⾏います。 弊社では、以下のようなお悩みを解決する サービスを実施しています ü マーケティングリサーチを実施したが、 実際の打ち⼿や売上につながっていない ü お客さまが何を考えているのか把握して、 売上につながる商品コンセプトや広告を 考えたい マーケティング リサーチ アドバイザリー ü ⾃社WEBサイトの成約率をあげたい ü 画⾯を改善したいが、どう改善すれば 良いのかわからない WEBサイト UI/UX改善 アドバイザリー ü 最新の技術を活⽤して業務を効率化したい、 ⽣産性をあげたい AI(⼈⼯知能)による 業務代替診断・ IoTデバイス実証実験 Data Strategy Inc. | 35
  16. 次のようなお客様の声を頂いております (お客さまの声を抜粋しそのまま掲載しております) Data Strategy Inc. | 36 ・調⼦のいい話をして、資料の⾒せ⽅などでなんとなく誤魔化すのではなく、出来るところはもちろんですが、 出来ないことは出来ないと⾔って頂いたこと、また、出来ない事に関しましても何故出来ないのかの理由の説明、 何があれば出来るのかの洗い出し、代替案のご提⽰まで頂き⼤変助かりました。

    ・泥臭いところから、諦めずに進め、ここまでの事はできるという姿を⽰して頂き、分析とはこうあるべきだと いう姿勢を学ばせて頂きました。 ・クライアントのデータ、ビジネス、サービスに対するキャッチアップが⼤変早く、また把握されている内容も 正確なため、分析結果に対する解釈も、違和感なく、新たな発⾒があるものでした。 (IT企業・ マネージャーさま) ・分析能⼒だけではなく、コミュニケーション、課題解決、およびわかりやすい説明、報告⽤の資料含めて⼤変助 かりました。 ・データを把握するスキルも⾼いのと、⼀⼈ではなくチームでの業務の遂⾏も進んで実施いただき感謝しています。 (⼤⼿企業・ 管理職さま) ・データ分析やマーケティングに関して、説明してくださる内容が素⼈でも分かりやすく良かった。それ以外の部 分の知識も幅広くアドバイスをもらえて良かった。また、例えばWEBマーケティングの取組みなど、単にアドバ イスをもらえるだけではなく、実際に⼿を動かして、事業を動かしてくれて良かった。 (公的機関・部⻑さま) ・客観的な⽬線でWEBサイトを改善していただき、⽬次の作り⽅、情報の検索性、具体的になにをどうすればよ いのかといった提案画⾯まで頂きました。その通りに作成したら離脱率が8割から5割にさがり、成約件数も平均 で2倍、最⼤で3倍まで上がりました。情報が論理的に整理されたので、これまで獲れていなかった論理的な考え を好む男性が新たにお客様として来るようになりました。 (⾃営業・コーチさま)