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DesignSprint "ゼロイチ スプリント"導入の手引き

DesignSprint "ゼロイチ スプリント"導入の手引き

"ゼロイチ スプリント"は、デザインスプリント(SPRINT)から派生した、ゼロから売れる可能性の高いプロダクト開発を行うためのプロセスです。

デザインスプリントのプロセスだけではく、「ジョブ理論」や「スタートアップ サイエンス」などのエッセンスを盛り込んで、3日で有力なビジネスモデルが創成できるように設計しました。

ゼロイチ スプリント→デザインスプリントの順にプロセスを踏むことで、より短期間で精度の高いビジネスモデルを練り上げることができます。

Designsprint

June 10, 2018
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Transcript

  1. 4 何を体系化するのか? 顧客課題a 顧客課題b 顧客課題c 顧客課題d 顧客課題e 顧客課題f 顧客課題g プロダクトa

    プロダクトb プロダクトc プロダクトd プロダクトe プロダクトf プロダクトg × △ ◯ × × ◯ △ プロダクトb’ プロダクトc1’ プロダクトf’ プロダクトg’ × △ △ × プロダクトC1” プロダクトf” × × プロダクトc2’ ◯ プロダクトC2” ◯ プロダクトC2 ◉ 特にこの期間の決断を速く 出す体系が重要
  2. 16 プロトタイプをどう創るか? 1. 顧客のモヤモヤ・悩みがあるかの検証   そもそもプロダクトの使い勝手・顧客価値以前に仮説とし てプロダクト提供者が抱いている、「顧客の特定の状況下 でのモヤモヤ・課題」を持っているかを明らかにするのが デザインスプリントの第一歩。 2.どんな価値が必要かを検証

    顧客にとってのモヤモヤや悩みを解決する価値があるか を検証するには、「何に」価値があるかを具体的に見せて あげることが必要なので、これに適したプロトタイプを限ら れた時間で制作する。 3.ソリューションが成立するかの検証   顧客にモヤモヤや課題があり、プロダクトに価値があるこ とが検証できている場合に限り、具体的なユーザーイン ターフイェイスのプロトタイプを用いて使い勝手を検証でき る。逆に顧客の課題、プロダクトに価値があるか検証でき ていない場合は、これをやっても全く意味がない。 4.プロダクトの値ごろ感の検証 最低でも1と2が検証できている場合に限り、はじめてプロ ダクトにいくら払うかを尋ねることができる。 値段は具体的な価格を提示して、いくらまでなら払う価値 があるか、どのような支払い方法が的を得ているかを訊 く。 作るプロトタイプの目的を見極めることが大事。
  3. 20 デザインスプリントとゼロイチスプリントの違い 新規事業開発・新商品開発 ゼロイチスプリント 事業改善・商品改善 デザインスプリント 目的とビジネス深度に応じて使い分ける。 顧客ターゲット が絞りこまれ ていない

    MVPが定義さ れていない 商品がすでに 販売されてい る リーンキャンバ ス(事業計画) がない 顧客インタ ビューをしたこ とがない 何らかの理由で 売れることが判 明している 顧客ターゲット が絞りこまれ ている MVPが定義さ れている リーンキャンバ ス(事業計画) がある 顧客インタ ビューをしたこ とがある
  4. よくいただく質問とご回答1 進行役(SPRINTマスター)を除き、最適な人数は 5〜6名です。多くても最大7名にとどめてくださ い。 会議体の参加人数は、これ以上多くなると意見がまとまらなくなることが学術的に実証されてい ます。実際、10人でデザインスプリントをしたことがありますが、なかなか意見はまとまらず時間 がかかりました、 もし参加者が8名以上になる場合は、2つ以上のグループ (例えば4名 X

    2グループなど)に分け て行うようにしてください(進行役も同数必要です)。 逆に最低実施人数は 3名です。極端に人数が少ないとアイデアの広がりが期待できません。こ のような場合は、部内・外、あるいは社外から参加希望者を募って5〜6人にして実施すると効 果が高まります。 参加者の人数は何人が適切ですか? 32 Q1 A1
  5. よくいただく質問とご回答2 まず意思決定者を含めて、プロダクトや事業に関わるの主要メンバーが参加すべきです。もし もどうしても意思決定者が参加できない場合は、 同等の権限を譲渡した他のメンバーに代わり に参加してもらいます 。このことにより「その場で決定しない」リスクを防ぎます。 意思決定者以外のメンバーは、 なるべく職種や役職の多様な人を揃えます 。お客様に入ってい ただくのも良いでしょう。これは多様なアイデアや知見を結集させるためです。

    もしもメンバーがエンジニアだけとか、デザイナーだけというように職種が偏る場合は、別の部 署から応援を頼むんでください。この場合、当該プロダクトに関与しない同職種の人であれば、 多少、多様性が出たとみなしてもよいでしょう。 また予算があれば派遣会社などを利用しても効果は高いでしょう。 どんな人が参加すべきですか?(参加メンバーの適切な属性) 33 Q2 A3
  6. デザインスプリントがあれば、論理的思考法はいりませんか? フォーキャスト(論理的思考) いいえ。必要です。デザインスプリントでは、バックキャストとフォーキャストのバランスを 3:7から2:8くらい の割合で考えます。 原因・理由が明確に特定できる場合 バックキャスト(創造的思考) 前提条件 利用用途 得意な

    命題例 既存プロダクトの課題解決 ・直径100cmでゴム製ボールを作れ ・売上1億円を達成せよ 原因・理由が不明確・不確実かつ常に変動す る場合 新規事業開発、スタートアップ、社会問題解決 ・世界を幸せにするボールを作れ ・イノベーションを起こせ(定義が曖昧なこと) 代表的な 思考法・ 考え方 右脳型、ゼロベース思考、未来思考、クリエティ ブシンキング、デザイン思考、創造的思考法など 明確な起点を持たない思考法 左脳型、ロジカルシンキング、分析的思 考MBA的思考法。その他過去を起点に した思考法。 35
  7. 他社で行われている開発事例1 37 分析 設計 実装 テスト 分析 設計 実装 テスト

    分析 設計 実装 テスト 分析 設計 実装 テスト アジャイル開発 理解する 定義する 検証する 発散する 試作する 決定する 企画又は 要件定義 理解する 定義する 検証する 発散する 試作する 決定する 企画又は 要件定義
  8. 1.「新規事業」の定義 いわゆる「起業」「新規事業開発」における4分類 企業内新規開発(企業内起業) 顧客は上司、依頼主 主に考えることは、お題の正確な理解と社内の根回し、外部の応援養成、プロジェクトチームメイク。 最大のボトルネック:上司や依頼主が「うん」と言わなければプロジェクトすらスタートすることができないこと(稟議を通す)。 スモールビジネス 顧客は一般消費者、または取引先企業の担当者 主に考えることは、事業の継続性。故にポジショニングの明確化と磨き込みが最優先事項。 最大のボトルネック:顧客に満足・新たな価値を提供できるものでなければ購入してもらえないこと・使ってもらえないこと。

    スタートアップ 顧客は一般消費者、または取引先企業の担当者 主に考えることは、新市場開拓・新市場創造。故に課題仮説(まだ一般に見つけられていない市場)の深堀と磨き込みが最優先事項。 最大のボトルネック:顧客に満足・新たな価値を提供できるものでなければ購入してもらえないこと・使ってもらえないこと。 独立・フリーランス 顧客は取引先の担当者、発注先の担当者 主に考えることは、ポジショニングの確立と複数取引先の平行維持、支払いサイトの調整。 最大のボトルネック:取引先、元受会社の責任者が「うん」と言わなければ納品が完了しないこと。 42
  9. 2.ピーター・ティールの7つの質問 どんなビジネスも答えを出すべき、 ピーター・ティールの7つの質問 1.エンジニアリング 段階的な改善ではなく、ブレイクスルーとなる技術を開発できるだろうか? 2.タイミング このビジネスを始めるのに、今が最適なタイミングか? 3.独占 大きなシェアが取れるような小さな市場から初めているか? 4.人材

    正しいチーム作りができているか? 5.販売 プロトタイプを作るだけでなく、それを届ける方法があるか? 6.永続性 この先10年、20年と生き残れるポジショニングができているか? 7.隠れた真実 他者が気づいていない、独自のチャンスを見つけているか? 43
  10. 3.課題ドリブン ★解決する課題ドリブンの質を高める(「スタートアップが避けるべき7つのアイディア」のふるいにかける) 1. 誰が見ても最初から良いアイディアに見えないか? 一見良さそうな安易なアイディアはすでに誰かが手がけていたり、代替えしている可能性がある。 近侍サービスや検索して似たサービスが出てくる場合は、そのアイディアを続けるのはさせるべき。 2. ニッチすぎないか? 闇雲にニッチにするのでなく、現状ニッチでも、将来的に成長が見込める市場であるべき。 3.

    作りやすいものではないか? 課題から生まれるものではなく、出来る技術で作れるものを作る、という発想は避けるべき。 4. 根拠のない想像上の課題ではないか? クラウドファンディングでたまたま成功したプロダクトだったり、「なんとなく」というよな、人に論理的に説明できない説得力のないアイ ディアは避けるべき。 5. 分析から生まれたアイディアではないか? スケールするストーリーや課題、起業家の想いがなく、市場を俯瞰し空いている部分を狙う、などのスタンスは市場環境が変化した時 に適切にピボットできないので、空中分解する可能性が高い。「2番煎じ」は大企業や資本力のある企業に任せて置けば良い。 6. 激しい競争に切り込むアイディアではないか? すでにパラダイムシフトが起こりつつある市場では、既存プレーヤーと新参者が熾烈な競争を初めている場合が多いので、   起業 家として参入するのは避けるべき。 7. 一言では言えないアイディアではないか? 複雑なビジネスアイディア、抽象的なアイディアでは人を動かし、納得させることは到底できない。そのような場合、アイディアそのもの が見当違いか、方向性や考え方が間違っているか、あるいはアイディアの磨き込みが足りないかどちかのどれかである。 44
  11. 4.ビジネスアイディアの蓋然(がいぜん)性検証 A. なぜ、今なのか? B. 市場の変化 C. 進化が止まっている領域? 法の規制、業界内のしがらみ、既存プレーヤーの市場独占、ユーザーが凡庸なサービス利用を余儀なくされている硬直化した領域を 再定義するプロダクトを創造し、投入する。 その市場を再定義できるか?

    始めようとしている事業の潜在能力を検証する。 市場環境の流れを読む プロダクトを投入する市場の歴史的進歩や背景はどうなっているか? 今後、その市場ではどのような方向に向かって行くか(客観的事実や数値)? 他の業界で、似た課題に対するソリューションが可能になった最近の技術的トレンドは何? 追い風に乗る(乗ろうと思って乗れるものでもないが、追い風が吹きそうな業界や分野、技術を選ぶことはできる) 45
  12. 5.メタ原則I 間違い5:最初に想定したビジネスモデルの執着する オーナーの思い込みや独りよがり、自己中心的な満足からか慣れないと、いつまで経っても顧客が必要とするプロダクトに近づけない。 スタートアップは、顧客の反応によってビジネスモデルが常に覆されることを前提に作っていく必要がある。 最初のアイディアは、否定されて「なんぼ」と心得るべし。 間違い6:競合を意識しすぎる ビジネス環境を左右しかねない大手のプレイヤー、有名企業のサービスなどの動向を注視することは大事である。しかし注視し過ぎて競合 の追随型になることは、最初から既存のサービスや大手のプレイヤー、有名企業に負けを認めているようなものだ。いくら競合を追いかけ ても競合に対して優位に立つことはできない。 間違い7:差別化を意識し過ぎる

    スタートアップにとっての差別化は結論であって、目的ではない。強豪と差別化できるプロダクトを作ろうという発想は、顧客の声を大切にし ない、売り手の勝手で一人よがりなプロダクトになってしまうことが多い。 間違い8:Nice-to haveな機能を追加する PMFが達成いるかどうかは、「あったら嬉しい機能」の多さではなく、顧客の痛みが大きい課題に解決できている「Must-to-have」、つまり 「無くてはならない」機能が実装されているかどうかで決まる。 間違い9:ビジネスモデルができていないのに、グラフィックデザインやユーザビリティの細部にこだわる スタートアップ期では、デザインや操作性を詰めることは二の次で良い。それよりも顧客の反応を反映させることに注力すべき。多少デザイ ンが悪い、あるいは操作性が悪くても、喜んで顧客に使ってもらえるプロダクトを作ることを念頭に置くべき。スタートアップ期のプロダクトの 完成度は70%から80%で十分である。 47
  13. 5.メタ原則I 間違い10:高度なシステム、自動化を行う スタートアップ初期段階で、いきなりAI を組み込んだり、いきなり自動化プログラムを開発したりしない。 他のもので代用して成果が出ることを確認してから開発を初めても遅くはない。むしろその方が正しい開発の進め方だ。 間違い11:ビジネスモデルが出来上がる前に人を増やす 10に関連するが開発に必要だからと言って、積極的に人を増やすのは、自殺行為である。 リスクは最大限に低くすべきなのは、言わずもがな、である。 間違い12:仕事の役割を厳密に設ける 得意・不得意のみを基準にして、縦割りの役割分担を敢行すべきではない。

    ある程度の分野分けや主な担当決めは要るが、創業期のメンバーは、事業に関する全てを把握し、常に学び続けて価値観をバージョン アップさせていかなければ、事業の成長はありえないからだ。 間違い13:受託開発やコンサルなどを必要以上に受けない 運転資金を確保するための受託開発やコンサル業務をすることは、悪いことではない。しかし「ノン・リカーリング・レベニュー(本業以外の 売り上げ)」としっかり認識し、中毒にならないように心掛けたい。 長期化する前に、本業で売り上げを立てる厳しめの計画と腹積もりが必要である。 間違い14:業界の専門家からのアドバイスに頼る 資金到達やマーケティング戦略など、自分に不慣れな領域について、業界の専門家からの助言を得ることは悪いことではない。 ただし、思考の全てを丸投げして、全てを委ねてしまうほど頼り切ってしまうのは行き過ぎであると肝に命じること。 自分である程度勉強し、仮説を立てておき、最終判断と責任は自らが下すことを忘れてはいけない。 48
  14. 参考:PEST分析 業態や業界の「兆し」を見つける 細かい、小さな事象に着目する前に、社会や経済、業界や業態の全体像を掴む。 10年後の社会で実現できていることは、現在にその「兆し」がきっとある。それを見つけられるか、その可能性を張れるかが大事。 1. Politics 市場の枠組み、規則性に影響するもの:法律、政治、条例など。 2. Economy バリューチェーンに影響するもの:経済動向、所得や消費の動きなど。

    3. Society 需要構造に影響するもの:人口の動態変化、文化・流行の推移・傾向など。 4. Technology 競争ステージに影響するもの:技術革新に進み方は?テックジャイアントの動向は? ぞれぞれの領域で情報を集め、近い将来、どう変化するか仮説を立てて最終的にその変化が自分のビジネスにどのような影響 を及ぼすかを推論する。 「Zoom out,them zoom in」 3日くらいリサーチすると、どこにチャンスがあり、どこに地雷があるのか見えてくる。 50
  15. 参考文献 53 ・デザインスプリント(リチャード・バンフィールド他) ・SPRINT 最速仕事術(ジェイク・ナップ他) ジョブ理論(クレイトン M クリステンセン他) ・「ジョブ理論」完全理解読本(津田真吾 +INDEE

    Japan) ・起業の科学 スタートアップ・サイエンス(田所雅之) ・アントレプレナーの教科書(スティーブン・G・ブランク) ・スタトアップウェイ(エリック・リース) UPSTARTS(ブラッド・ストーン) ・ジェフ・ベゾス 果てしなき野望(ブラッド・ストーン) ・GAFA 四騎士が塗り替えた世界(スコット・ギャロウェイ) ・ハーバード・ビジネス・レビュー「デザイン思考」を超えるデザイン思考(濱口秀司) ・ハーバード・ビジネス・レビュー「Job to be Done: 顧客ニーズを見極めよ」(クレイトン M クリステンセン他) ・ハーバード・ビジネス・レビュー「顧客が欲しいと思う30の『価値要素』」(エリック・アルムキスト他) ・ハーバード・ビジネス・レビュー「ジョブ・マッピングでイノベーションを見出す」(アンソニー W アルウィック他) ・ハーバード・ビジネス・レビュー「真の顧客ニーズを製品開発に結びつける方法』」(アンソニー W アルウィック他 ・ハーバード・ビジネス・レビュー「テクノロジーは戦略をどう変えるか」(マイケル・ポーター他) ・イシューからはじめよ(安宅和人) ・10 歳でもわかる問題解決の授業(苅野進) ・0から1の発想術(大前研一) ・0から1をつくる まだないビジネスモデルの描き方 2(佐々木 哲也、黒木 昭博) ・ゼロイチ - トヨタとソフトバンクで鍛えた0から1を生み出す思考法 -(林要) ・リーンスタートアップ成長戦略(アッシュ・マウリャ) ・実践リーンスタートアップ(アッシュ・マウリャ) ・リーン顧客開発 -「売れないリスク」を極少化する技術 -(シンディ・アルバレス) ・リーン UX-「アジャイルなチームによるプロダクト開発 -(ジェフ・ゴーセルフ他) ・リーン・スタートアップ ムダのない起業プロセスでイノベーションを生みだす(エリック・リース) ・ゼロ・トゥ・ワン 君はゼロから何を生み出せるか(ピーター・ティール、ブレイク・マスターズ) ・ビジネスモデル・ジェネレーション ビジネスモデル設計書(アレックス・オスターワルダー) 当メソッドの実践回数 2016年6月より今日まで、のべ40回以上の企業研修や実践ワークショップにより、改善を繰り返してバージョンアップを重ねてきた、実践メソッドです(2019年3月 現在)