Upgrade to Pro
— share decks privately, control downloads, hide ads and more …
Speaker Deck
Features
Speaker Deck
PRO
Sign in
Sign up for free
Search
Search
応用セッション_同じデータでもP値が変わる話/key_considerations_in_NH...
Search
florets1
January 17, 2024
Education
1
1.1k
応用セッション_同じデータでもP値が変わる話/key_considerations_in_NHST_2
florets1
January 17, 2024
Tweet
Share
More Decks by florets1
See All by florets1
直積は便利/direct_product_is_useful
florets1
3
270
butterfly_effect/butterfly_effect_in-house
florets1
1
95
データハンドリング/data_handling
florets1
2
140
カイ二乗検定との遭遇/The_path_to_encountering_the_chi-square_test
florets1
1
190
率の平均を求めてはいけない/Do_Not_Average_Rates
florets1
11
15k
請求と支払を照合する技術/using_full_join_in_r
florets1
2
210
お名前から性別を推測する/Guessing_gender_from_name
florets1
1
450
バタフライ効果/butterfly_effect
florets1
0
230
尤度/likelihood
florets1
3
880
Other Decks in Education
See All in Education
Evaluation Methods - Lecture 6 - Human-Computer Interaction (1023841ANR)
signer
PRO
0
690
小学生にスクラムを試してみた件~中学受検までの100週間の舞台裏~
ukky86
0
340
Epithelium Flashcards
ndevaul
0
990
老人会? いえ、技術継承です @ builderscon 2024 LT
s3i7h
0
110
学習指導要領から職場の学びを考えてみる / Thinking about workplace learning from learning guidelines
aki_moon
1
700
1113
cbtlibrary
0
260
Amazon Connectを利用したCloudWatch Alarm電話通知
junghyeonjae
0
260
Kaggle 班ができるまで
abap34
1
190
Ch2_-_Partie_3.pdf
bernhardsvt
0
100
Ch2_-_Partie_1.pdf
bernhardsvt
0
110
The Gender Gap in the Technology Field and Efforts to Address It
codeforeveryone
0
200
謙虚なアジャイルコーチ__アダプティブ_ムーブ_による伴走支援.pdf
antmiyabin
0
270
Featured
See All Featured
Into the Great Unknown - MozCon
thekraken
32
1.5k
How STYLIGHT went responsive
nonsquared
95
5.2k
Save Time (by Creating Custom Rails Generators)
garrettdimon
PRO
27
840
Templates, Plugins, & Blocks: Oh My! Creating the theme that thinks of everything
marktimemedia
26
2.1k
"I'm Feeling Lucky" - Building Great Search Experiences for Today's Users (#IAC19)
danielanewman
226
22k
Adopting Sorbet at Scale
ufuk
73
9.1k
Unsuck your backbone
ammeep
668
57k
Git: the NoSQL Database
bkeepers
PRO
427
64k
Speed Design
sergeychernyshev
24
610
Happy Clients
brianwarren
98
6.7k
Put a Button on it: Removing Barriers to Going Fast.
kastner
59
3.5k
Design and Strategy: How to Deal with People Who Don’t "Get" Design
morganepeng
126
18k
Transcript
1 応用セッション 2024.01.20 Tokyo.R #110 同じデータでもP値が変わる話
2 統計的仮説検定 同じデータからは同じ検定結果が得られるもの と考えられがちですが 実際には必ずしもその通りではありません。
3 例えば コイン投げをして24回中7回が表になったという単純 なデータを考えてみましょう。 このようなデータでも、実験の設定や投げる回数の制 約によって、統計的仮説検定の結果が変わることがあ るのです。
4 コインを1回投げる 𝑝 𝑦 𝜃 = 𝜃𝑦(1 − 𝜃)(1−𝑦) 𝜃
= 0.5 ベルヌーイ分布 θ: 表が出る確率 y: 1 は表, 0 は裏
5 コインをN回投げる 裏裏表表裏裏表裏裏裏裏裏裏裏裏裏表裏裏表表裏裏表 表が出る確率 θ 投げる回数 N 表の回数 z 二項分布
6 統計的仮説検定の流れ 帰無仮説をたてる ↓ 標本分布を計算する ↓ データを観測してP値を求める
7 帰無仮説をたてる ある統計量がある値と等しいということを帰無仮説と して設定します。 例) コインの裏表が出る確率が50%と等しい 平均値が等しい
8 標本分布を計算する 帰無仮説が成り立つ場合にその統計量が従うであろう 確率分布(=標本分布)を計算します。 例) コインの裏表が出る確率 → 二項分布など 平均値 →
t分布など
9 データを観測してP値を求める 実際に観測された値、もしくはそれ以上に極端な値が 標本分布に占める面積、つまりそのような値が観測さ れる確率(P値)を求めます。
10 P値があらかじめ設定したしきい値(たとえば5%)よ りも小さければ、そもそも帰無仮説が間違っていたの だと結論づけます。 逆に小さくなければ帰無仮説を棄却せず、判断を保留 します。 P値で判断
11 コインを24回投げて7回表が出た このコインは公平か。 データ観測者の意図 コインを24回投げると決めていた。結果として7回表 がでた。
12 標本分布 表が出る確率 θ 投げる回数 N 表の回数 z 二項分布
13 データを観測 θ = 0.5 N = 24 z =
7 P値 = 0.064 Sample Proportion z/N p(z/N)
14 Rのコード
15 Pythonのコード
16 コインを24回投げて7回表が出た このコインは公平か。 データ観測者の意図 7回表が出るまで投げ続けると決めていた。結果として 24回投げた。 ↓ 23回投げた時点で6回表が出ており、24回目では表が 出た。
17 標本分布 N-1回投げた時点でz-1回表が出て N回目は表
18 データを観測 θ = 0.5 z = 7 N =
24 P値 = 0.017 Sample Proportion z/N p(z/N)
19 Rのコード
20 Pythonのコード
21 投げる回数N 表が出る回数 z • Nを固定する意図ではP値=0.064(判断を保留) • zを固定する意図ではP値=0.017(帰無仮説を棄却) 同じデータを観測しても、観測者の意図によって 検定結果が変わる!
22 意外にも 観察者の意図やデータ収集の方法が、統計的な結果に 影響を与える可能性があるのです。 このような現象は、統計的な検定の限界や留意すべき 要点を浮き彫りにします。単に数値を見るだけではな く、実験の文脈や条件を正しく理解することの重要性 を示しています。
23 参考書 飯塚修平. ウェブ最適化ではじめる機械学習. オライ リー・ジャパン, 2020 John K. Kruschke.
Doing Bayesian Data Analysis: A Tutorial with R, JAGS, and Stan EDITION 2. Academic Press, 2014