Upgrade to Pro
— share decks privately, control downloads, hide ads and more …
Speaker Deck
Features
Speaker Deck
PRO
Sign in
Sign up for free
Search
Search
テスト設計のとき何を考えてるの? QA2年生が語ってみるの
Search
freee
September 27, 2022
Technology
0
25k
テスト設計のとき何を考えてるの? QA2年生が語ってみるの
freee
September 27, 2022
Tweet
Share
More Decks by freee
See All by freee
[2025/09/12更新] freeeのAIに関する取り組み
freee
1
73
開発組織発 AI駆動経営
freee
0
40
「SaaS × AI Agentの未来」freee が AWS で築く AI Agent 基盤
freee
0
22
freee が目指す生成 AI 時代に向けた次世代データ プラットフォームとガバナンスとは / freee's Next-Generation Data Platform and Governance for the Coming Age of Generative AI
freee
1
360
freee請求書のSLO違反改善活動について / SLO violation remediation activities for freee invoices
freee
1
450
freee + Product Design FY25Q4
freee
4
16k
10分でわかるfreeeのQA
freee
1
15k
freee Movement Deck
freee
1
310k
freeeのモバイルエンジニアについて
freee
1
610
Other Decks in Technology
See All in Technology
機械学習を扱うプラットフォーム開発と運用事例
lycorptech_jp
PRO
0
250
OCI Oracle Database Services新機能アップデート(2025/06-2025/08)
oracle4engineer
PRO
0
150
Autonomous Database - Dedicated 技術詳細 / adb-d_technical_detail_jp
oracle4engineer
PRO
4
10k
生成AI時代のデータ基盤設計〜ペースレイヤリングで実現する高速開発と持続性〜 / Levtech Meetup_Session_2
sansan_randd
1
150
dbt開発 with Claude Codeのためのガードレール設計
10xinc
2
1.2k
下手な強制、ダメ!絶対! 「ガードレール」を「檻」にさせない"ガバナンス"の取り方とは?
tsukaman
2
450
なぜスクラムはこうなったのか?歴史が教えてくれたこと/Shall we explore the roots of Scrum
sanogemaru
5
1.6k
DevIO2025_継続的なサービス開発のための技術的意思決定のポイント / how-to-tech-decision-makaing-devio2025
nologyance
1
400
5分でカオスエンジニアリングを分かった気になろう
pandayumi
0
240
BPaaSにおける人と協働する前提のAIエージェント-AWS登壇資料
kentarofujii
0
140
COVESA VSSによる車両データモデルの標準化とAWS IoT FleetWiseの活用
osawa
1
290
実践!カスタムインストラクション&スラッシュコマンド
puku0x
0
410
Featured
See All Featured
Building Better People: How to give real-time feedback that sticks.
wjessup
368
19k
Designing for Performance
lara
610
69k
Designing Dashboards & Data Visualisations in Web Apps
destraynor
231
53k
A Tale of Four Properties
chriscoyier
160
23k
For a Future-Friendly Web
brad_frost
180
9.9k
Code Review Best Practice
trishagee
70
19k
Rebuilding a faster, lazier Slack
samanthasiow
83
9.2k
Refactoring Trust on Your Teams (GOTO; Chicago 2020)
rmw
34
3.1k
Statistics for Hackers
jakevdp
799
220k
Improving Core Web Vitals using Speculation Rules API
sergeychernyshev
18
1.1k
Cheating the UX When There Is Nothing More to Optimize - PixelPioneers
stephaniewalter
285
13k
The Art of Delivering Value - GDevCon NA Keynote
reverentgeek
15
1.6k
Transcript
テスト設計のとき何を考えてるの? QA2年生が語ってみるの JaSST nano vol.16 2022.09.20
2 • WEBエンジニアを経てQAエンジニアにジョ ブチェンジ(現在QA2年生) • 2022年1月からfreeeにジョイン • freeeでは人事労務を担当 •
趣味は美味しいご飯を食べることとお酒を飲 むこと • 最近はReactを勉強中 かいり QAエンジニア @QA_kairi プロフィール画像の トリミング方法
3 はじめに みんな、テスト設計のときどんなことを考えているの?
私はこんなことを考えてテス ト設計しているの! (メソッドにまとめてみたの〜)
5 01 ビジネス上の目的を明確に 02 システムの理想の姿を定める 03 パターンを使って課題を予測する 04 理想と現実の間に課題はある 05 理想と現実で互いに歩み寄る As-Is To-Be テストメソッド (仮)
6 01 ビジネス上の目的を明確に 02 システムの理想の姿を定める 03 パターンを使って課題を予測する 04 理想と現実の間に課題はある 05 理想と現実で互いに歩み寄る As-Is To-Be テストメソッド (仮)
7 1. ビジネス上の目的を明確に • 業務上のシステム作成は当然ながらビジネス ◦ 何のためのシステムなのか(=誰にとっての価値なのか)が明確になっていないと後々困ることになる • 仕様が曖昧なのは仕方がないが、ここが曖昧なのはNG
8 01 ビジネス上の目的を明確に 02 システムの理想の姿を定める 03 パターンを使って課題を予測する 04 理想と現実の間に課題はある 05 理想と現実で互いに歩み寄る As-Is To-Be テストメソッド (仮)
9 2. システムの理想の姿を定める • ビジネス上の課題/目的と、考えうるユーザーストーリーから理想のシステムを定義する • その際には他社の類似システムも参照する • 仕様書がすでにあったとしても、それが目的に沿っていないことは珍しくない •
このとき、ユーザーは純粋なユーザーだけでなく、全てのステークホルダーを意識する
10 01 ビジネス上の目的を明確に 02 システムの理想の姿を定める 03 パターンを使って課題を予測する 04 理想と現実の間に課題はある 05 理想と現実で互いに歩み寄る As-Is To-Be テストメソッド (仮)
11 3. パターンを使って課題を予測する • 理想の姿を求める時に異常系の確認が漏れる場合が多いので課題に焦点を当てて予想する • よくある課題はすでにある程度パターンがある(ex. エラーハンドリング、セキュリティ) • 自社事例(バグチケット)や社会的に問題になったバグ事例なども活用する
12 01 ビジネス上の目的を明確に 02 システムの理想の姿を定める 03 パターンを使って課題を予測する 04 理想と現実の間に課題はある 05 理想と現実で互いに歩み寄る As-Is To-Be テストメソッド (仮)
13 4. 理想と現実の間に課題はある • テスト工程(テスト対象は仕様書を含む) • 理想を頭に入れた状態でユーザーストーリーに沿ってチェックし問題がないか確認する • 理想と現実を比較すると、対応すべき課題が見えてくる
14 01 ビジネス上の目的を明確に 02 システムの理想の姿を定める 03 パターンを使って課題を予測する 04 理想と現実の間に課題はある 05 理想と現実で互いに歩み寄る As-Is To-Be テストメソッド (仮)
15 5. 理想と現実で互いに歩み寄る • 課題をトリアージする(=重篤度の決定) • 課題には「絶対に対応しなければならないもの」と「そうでないもの」の二種類がある • 絶対に対応しなければならないものは社会的信用に関わる場合もあるので現実を理想に寄せる •
全ての課題に対応していたら本来の目的を達成できない場合、理想を現実に寄せることも検討する(一部機能を切り落とす など)
実践事例
17 1. ビジネス上の目的を明確に • https://www.nenkin.go.jp/service/kounen/todokesho/hihokensha/20141224.files/01.pdf • 被扶養者(異動)届の扶養異動日の加入日・喪失日情報が不足しているので追加する。 • 最終的には電子申請を行えるようになるのが理想。電子申請はfreeeとして価値のあること。 •
書類が任意のタイミングで出力→提出できるようになるのも目的。本来ならそうあるべきなのでそれも価値のあること。
18 2. システムの理想の姿を定める • 扶養異動日の加入日・喪失日情報が不足しているので追加する。 • 最終的な理想=ユーザーストーリーは以下の通りになるはず ◦ 管理者が従業員の情報を収集して従業員画面から情報を保存し、最終的には書類を出力or電子申請を行う。今回は書 類の出力がゴール。
• 理想の姿=正しい形の書類が出力できること、なので書類の記入ルールを隅から隅まで読む。一言一句見逃さない勢いで。 • https://www.nenkin.go.jp/service/kounen/todokesho/hihokensha/20141224.files/01.pdf • (ん?下の方に気になることが書いてあるな・・・気に留めておこう)
19 3. パターンを使って課題を予測する • リスク洗い出し会を実施。影響範囲を確定。ヘルプページの修正が漏れる可能性が挙がる。 • 他に想像できるのは、書類のルール違反。書類データを後から変更した場合の処理でエラーなど。
20 4. 理想と現実の間に課題はある • 当時のデザインを見ると、「該当」と「非該当」をごちゃ混ぜで出せる形になっていた。書類の注意文が頭に入っている状態だ と違和感があるので、質問。 • 結果としてその時点での仕様に考慮漏れがあったことが発覚。
21 5. 理想と現実で互いに歩み寄る • この場合は「該当・非該当がごちゃ混ぜで書類が提出できない」という致命的な問題が発生しかねないので「絶対に対応しな ければならないもの」の分類。 • とはいえ、口を出すまでもなく修正(=現実を理想に寄せる)の方向に話が行ったので質問後特にアクションはなし。この時点 で該当画面は未実装のため、実装の手戻りはなし。
みんながテストのときに考えているこ とも聞きたいの〜
ご静聴ありがとうございました!