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やりたいことが多いフェーズで ”次に何を開発するか”の悩み方

Genya Ishida
October 25, 2023

やりたいことが多いフェーズで ”次に何を開発するか”の悩み方

2023/10/25に開催された「事例で学ぶプロダクトマネージャーのお仕事 vol.1」の登壇資料です。
https://sukedachi.connpass.com/event/292968/

解説noteも書いています。
https://note.com/genya/n/nc8642f809fc4

Genya Ishida

October 25, 2023
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Transcript

  1. Luup, Inc. - Confidential and Proprietary 2 自己紹介(経歴) 2014 -

    2017:株式会社リッチメディア - PM・PO - 美容系SNS・Webメディア、サロン予約ポータルサイト運営 2017 - 2022:株式会社ミクシィ - PM・戦略企画 - 通信事業、コミュニケーションアプリ、モバイルゲーム等 新規PJ立ち上げ 2022 - 現在:株式会社Luup - PM - ユーザー向けサービス プロダクトマネジメント 一貫して”toCサービス”のPM
  2. Luup, Inc. - Confidential and Proprietary 3 本日 スライド 1.

    Luup/LUUPの簡単なご紹介 - 「Luup」 社名、「LUUP」 事業・プロダクトを指します 2. 本題 - やりたいことが多いフェーズで”次に何を開発するか”の悩み方
  3. Luup, Inc. - Confidential and Proprietary 4 LUUPと https://luup.sc/ Luup

    ミッション
 街じゅうを「駅前化」する インフラをつくる
  4. Luup, Inc. - Confidential and Proprietary 5 誰もがどこにいても・どこへでも 安心・安全かつ気軽に移動できる 通勤‧⾷事‧買い物‧引越し‧観光などの

    ⽣活のあらゆる選択の場⾯において、 移動や立地の制約をなくす 起こしたい変化(人) 鉄道の駅前などアクセスが極端に良いエリアに だけ集中していた経済活動を外に広げて 街全体の不動産価値を上げる 起こしたい変化(街) 電動マイクロモビリティを 街じゅうに高密度に配置 街じゅうを「駅前化」するインフラをつくる
  5. Luup, Inc. - Confidential and Proprietary 6 Luupにおけるプロダクトマネージャー 役回り COO室

    組織体 取り扱うプロダクト群 ※こ 他にもいくつか 部署が存在 ソフトウェア開発 iOS Android Server IoT マーケティング サービス運営(CS等) ポート開拓 ハードウェア開発 PM/Design ・・・ 社内 オペレーションツール (Web・アプリ) 車両 (ハードウェア・IoT) ポート ユーザーアプリ(iOS/Android) ・・・ ・・・
  6. Luup, Inc. - Confidential and Proprietary 7 Luupにおけるプロダクトマネージャー 役回り COO室

    組織体 取り扱うプロダクト群 ※こ 他にもいくつか 部署が存在 ソフトウェア開発 iOS Android Server IoT マーケティング サービス運営(CS等) ポート開拓 ハードウェア開発 PM/Design ・・・ 社内 オペレーションツール (Web・アプリ) 車両 (ハードウェア・IoT) ポート ユーザーアプリ(iOS/Android) ・・・ ・・・ ソフトウェアを主体としたプロダクトマネジメントを通じて 【最高のユーザー体験と継続的な事業成長】を両輪で実現し、Luupのミッション達成に貢献すること
  7. Luup, Inc. - Confidential and Proprietary 9 ”次に何を開発するか”を決める ≒ プロダクトバックログ

    評価・開発ロードマップづくり 今日お話しする”プロダクトマネージャー お仕事”
  8. Luup, Inc. - Confidential and Proprietary 10 “改正道路交通法”の対応もおおよそ落ち着き、 事業としてようやくスタートラインに立った。 •

    法律・ルールが整備された • とりまく環境 不確実性もいくらか減った • 顧客やステークホルダーにとって最適な移動インフラを追求することに向き合っていける → 山積している課題を解消し、より一層 拡大していきたい 今 Luup フェーズ
  9. Luup, Inc. - Confidential and Proprietary 11 何から手をつけるか 悩ましい... •

    新規ユーザー獲得 ため マーケ施策 • 交通ルールを誰もが簡単に理解できるコンテンツ開発 • ロイヤルティ 高いユーザー 要望に応える • 見知った街じゃなくてもLUUPを想起してもらう • 都市・地域 特性にあわせたオンボーディング • ハードウェア・ソフトウェア連携を高めた体験づくり • etc…
  10. Luup, Inc. - Confidential and Proprietary 12 やりたいことはたくさんある • 顧客を幸せにしたい

    • 事業を伸 したい • 誇らしいプロダクトを作りたい やりたいことの性質はバラバラ • アイディアに 抽象度に幅がある • 機能 サイズも大小もさまざま やりたいことはなくならない • 今こ 瞬間にも増えつづける • リソース 常に足りない 何故 悩む か? 結果として... 次に何を開発すべきかの ”判断”が追いつかなくなる
  11. Luup, Inc. - Confidential and Proprietary 14 • コストが小さく・インパクトが大きいも からやろう!

    • やらないことをちゃんと決めよう! 判断 定説 定説 • 優先順位を1から10までキレイにつけようとする • 開発メンバー・関係部署に対して、誰もが分かりやすく理解できるように数値化 を試みる 陥りがちな思考
  12. Luup, Inc. - Confidential and Proprietary 15 判断 実態と頭 中

    複雑 インパクトの貢献の仕方が異なり、同じテーブルにうまく乗らない • 既存 機能 改善と、新規機能開発を同等に評価できるか? • 直接数字に現れなさそうだが、蔑ろにできない取り組みを正しく評価できている気がしない コストの種類も様々 • リリースまで コスト。面倒を見続ける運営コスト。 • できていない今 状態が払っているリスクやコスト どう考える? “やらないこと”を決めるとはいえ「やれるといいよな」と思う自分もいる • これ いつかやれる日が来るも な か…?じゃあ今やると決めたほうがいい か? • 体制 まだまだでもストレッチしてでもやるべきで ?(時に それが正しいこともある)
  13. Luup, Inc. - Confidential and Proprietary 17 • 選択 仕方

    そもそも多様 • 「これを次に開発する」ことによって得られるメリット 裏に 、 「これ 開発しない」こと デメリットや、新たに生まれるリスクも存在 前提 向き合い方を少し変える • メリデメリスク 複雑に絡み合うことを前提とした上で、 ”いま我々はこのスタンスを取りに行く”ということを、 納得感と意思を持って判断できる状態をつくることに重きを置く 向き合い方 提案
  14. Luup, Inc. - Confidential and Proprietary 20 1) 事業が直面する課題・成長の伸びしろに強く貢献できるか 2)

    事業の戦局を変えうるポテンシャルを抱えているか 光り輝く案件を見出す5つ フィルタ 3) 一朝一夕で結果が出ず、なるだけ早く出すべきであるか 4) 今この時期にやると、後続施策の効果最大化につながるか 5) プロダクト開発チームだからこそやれるものか アクセスする ”領域”に 関するフィルタ アクセスする ”時間”に 関するフィルタ アクセスする ”主体”に 関するフィルタ
  15. Luup, Inc. - Confidential and Proprietary 21 自身へ 問いかけ •

    いま 事業戦略に強くアラインしていると言えるか • 成功事例をさらに伸 すこと、成功事例を別 場所で再現する余地 あるか • 顧客 小さな悩みを解決しているだけで ないか • 既存 枠組みにとらわれていないか • いま運営しているサービス内容やビジネスモデルに新しい選択肢を与えられるも ないか アクセスする”領域”に関するフィルタ 1) 事業が直面する課題・成長の伸びしろに強く貢献できるか 2) 事業の戦局を変えうるポテンシャルを抱えているか
  16. Luup, Inc. - Confidential and Proprietary 22 LUUP 例 課題例

    日々増え続けるポートが まだまだ十分に使われていない ・ 見知った駅や施設まで 移動に使われがち • いろいろな場所にポートが拡がっていることを知っても らうために、クーポン施策で小さく試す 開発案件例 • 1分単位 時間課金を、30分単位 料金体系に変 え、LUUP 利用を想起する枠組みを広げる • あわせてサブスクプランを提供開始し、どこから移動 するにしても”まず LUUPを使いたい”と 第一想起してもらえる状態をつくる イベント参加者様 み公開 イベント参加者様 み公開 イベント参加者様 み公開
  17. Luup, Inc. - Confidential and Proprietary 23 自身へ 問いかけ •

    負債 解消など、今やらないことでリスクが発生する類 も • 他部署 施策を間接的にアシストできるも • 有料会員サービスなどコツコツ積み上げていくべきも • ワークすると強い効果を期待できるが、PDCAを回すことや長い目で ナーチャリングが必要である ことが想定されるも • 反対に、本当に今やってしまっていいも な か? アクセスする”時間”に関するフィルタ 3) 一朝一夕で結果が出ず、なるだけ早く出すべきであるか 4) 今この時期にやると、後続施策の効果最大化につながるか
  18. Luup, Inc. - Confidential and Proprietary 24 LUUP 例 課題例

    ヘビーユーザー エンゲージメントを更に高めて 事業をより安定化させたい • いつも ポートをワンタップで予約できるショートカット 機能をつくる 開発案件例 • ポート単位で ダイナミックプライシングで、 「車両がない・返却枠がない」というサービス供給 根幹を、ユーザー自身が車両 流動性を高めること で実現する理想状態が作れるかを検証 イベント参加者様 み公開 イベント参加者様 み公開 イベント参加者様 み公開
  19. Luup, Inc. - Confidential and Proprietary 25 自身へ 問いかけ •

    作らなくても検証できるも • マーケティングやオペレーションで解決した方が向いているも ないか • ソフトウェアだからこそ レバレッジが効くか • プロダクト開発 アプローチで 付け焼き刃か?十分な応急処理となるか アクセスする”主体”に関するフィルタ 5) プロダクト開発チームだからこそやれるものか
  20. Luup, Inc. - Confidential and Proprietary 26 LUUP 例 課題例

    バッテリー残量が 少し減っているとき どれぐらい走行できるか不安 • バッテリー残量に対して 走行可能な目安距離をアプ リ上で表示する • “バッテリー残量が少ない”という状況がなるだけ生ま れないよう、インナーツール 改善をし、オペレーショ ン効率を上げる 開発案件例 ※一定 閾値を下回ると 自動的に利用不可にしています ? ? ピンと来ないときはやらないという判断もある イベント参加者様 み公開 イベント参加者様 み公開 イベント参加者様 み公開
  21. Luup, Inc. - Confidential and Proprietary 27 考えを突き詰めていくと、100個あったやりたいことリスト 10も残らなくなります。 真にやりたいと思えるも

    が少ないことや、 個々 案件を過大に評価してしまっていないか、あるい 過小評価していないかなど、 正解 わからない問いに直面すること 苦しさがあります。 PM ユーザーと 距離も近く、社内各部署 ハブ的役割を担っているケースも多いと思います。 事業戦略を体現する”戦術” 柱となるような機能をリリースできているか、 そ ためにPMだからこそできることを考え、次に何を開発するかを悩んで決めて行きましょう。 フィルタを通すと気づくこと(結論)
  22. Luup, Inc. - Confidential and Proprietary 29 • 事業として まだまだ広がりがあり、組織的にもかなり勢いづいています

    ◦ 9月デザイナ1名・11月iOSエンジニア1名・12月Androidエンジニア1名増員予定 • フォーカスしすぎないといけなかった時期から、プロダクトロードマップをポートフォリオ的に 組みながら、多方面にアクションを仕掛けられるフェーズに ◦ ミッション 達成を考えると進捗率2%ぐらいだと勝手に思っています ◦ 既知 伸びしろもあるし、未知 探索もまだまだ残っています • PM もちろん こと、一緒に働く仲間をほぼ全ポジションで募集中です • 採用情報ページからカジュアル面談も受けつけています で、すこしでもご興味を持たれた 方 是非よろしくお願いします! 最後に宣伝:これから Luup プロダクト開発組織