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blockchain_topics_202207

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July 16, 2022

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This slide is intended to give a broad overview of topics related to Blockchain, from Cryptocurrency, Defi, NFT, DAO, to web3.

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July 16, 2022
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  1. 1 ブロックチェーン関連トピックの概要 Defi、NFT、DAO、web3まで 後藤あつし

  2. 2 このスライドは、暗号資産、Defi、NFT、DAO、web3まで、ブロックチェーンに関連するトピックを幅広く概要説明し、ブ ロックチェーン関連の動向がどうなっているかをザックリ把握できることを目的に作成したものです。 【想定読者】 非技術者の方で、ブロックチェーンを利用したビジネスに興味のある方やブロックチェーン関連規制やルールに興味が ある方で、少し詳しくブロックチェーンやそれを利用したサービスの仕組みなどを知りたい方を想定しています。 【著者について】 後藤あつし @kotetsu_dec 金融の経験をベースに、ブロックチェーン・暗号資産のリサーチや業界のサポート等を行っています。

    金融リスク管理、バーゼル等金融規制対応、データマネジメント 暗号資産では株式会社ブロックチェーン戦略政策研究所(https://www.bspi.jp/ )のサポートなど 著書 「ブロックチェーンの衝撃」(日経 BP 2016)(金融サービスへの応用) 本スライドがお役に立ちましたら投げ銭頂けると大変助かります Ethereumアドレス ※内容について 著者は、非技術者の金融業界関係者であり、ブロックチェーン関連ビジネスや規制、ルールへの興味で個人的に調査をしているため、技術的な内容については 正確でない点があることをご了承ください。内容は、基本的には2022年7月初旬までの情報となります。 はじめに 0x8dcDFa03D780B13fe8C5902 df1c3A33077022C70
  3. 3 ページ タイトル 内容 4~ ブロックチェーンの簡単なおさらい PoW、PoSの仕組みなど 13 Defiの概要 16~

    ステーブルコイン USDT、USDC等の概要 24~ 分散型暗号資産交換所(DEX) Uniswap等のDEX、DEXでの価格の決まり方、インパーマネントロス等 34~ 暗号資産貸出 Compound、金利決定方法、Flash Loan 40~ ブロックチェーンのレイヤー1、レイヤー2について Ethereum「Roll Up」 44~ オラクルについて Chainlink 48~ ブロックチェーンの相互連携 WBTC、RenBTC、InterBTC Polkadot、COSMOS 61~ 様々なブロックチェーンやサービス例 Solana、Avalanche、Polygon 69~ Ethereumのロードマップ The Marge、DankSharding 74~ NFTの概要 88~ DAOの概要 95~ web3について 98~ 分散型アイデンティティについて IPFS、ION、web5 107~ ブロックチェーンのメタバースヘの活用 目次
  4. 4 ブロックチェーンの簡単なおさらい

  5. ブロックチェーンは改ざんできない、記録内容が第三者に容易に確認できるとして、幅広い用途が考えられている。 しかし、何でもできるわけではなく、仕組みや限界を理解して、利用用途を適切に考える必要がある。 ブロックチェーン理解のポイント ・ 記録した内容を改ざんが難しい形で保持し続け、記録した情報を順番に追跡できる点が特徴。 ・ 記録する情報は、ブロックチェーン上では トランザクション(本資料では“封筒”のイメージで説明)に入れられ、この封筒がまとめて ブロック(“箱”)に入れられ、改ざんができない形でチェーンに記録される。 そして第三者が箱の中の封筒の中身を確認することができる。

    ・例えば、 封筒の中にAさんからBさんに1BTC送ったという記録をすれば、誰しもがそれを確認でき、また改ざんもできないので、封筒に記録 された情報がお金の送金を意味するとみなせる。 ・スマートコントラクトは、封筒の中に実行条件を記録しておき、条件が満たされると、記録された取引が自動的に行われるもの。 順番が意味を持ち、誰から誰にいく ら送ったかが連鎖して記録されてい く。 Aアカウントから1BTCをBアカウント へ送ると記録(Aさんが秘密鍵で署名) ブロックチェーン記録例 例えばビットコインでは “記録”情報は、単に “誰から誰にいくら送った“が延々と記録されて いるだけ。 ブロックチェーンの種類によって、どのような 記録を記録可能か機能に違いがある。(スマー トコントラクトが記録できるなど) 5 ブロックチェーンの簡単なおさらい 1 Aさん Bさん 1BTCを送る マイナー(バリデータ)と呼ばれるブ ロックチェーンの維持管理者がブロッ クに入れて、順番通りに記録していく (手数料報酬が貰える) ブロックチェーン 改ざんできない形でチェーンに記録されたの で、Aアカウントから1BTCがBアカウントへ 送られたことが確定 各取引である封筒(トランザクショ ン)は複数をまとめて箱(ブロッ ク)に入れられる。 そして箱単位で不正がないかなど チェックされ、ブロックチェーンに 記録される。 第三者が記録された箱、封筒の中 身を確認することができる
  6. AからBへ3BTC 送った AからCへ5BTC 送った BからDへ0.5BTC 送った CからFへ2BTC 送った FからGへ1BTC 送った

    AからXへ5BTC 送った BからDへ0.5BTC 送った CからFへ2BTC 送った FからGへ1BTC 送った 時間の流れ ブロックチェーンの一部を書 き換えようとすると、以降の ブロック間の鎖の部分を全部 を書き換えないといけない仕 組みで、極めて難しい ※ブロック間の鎖の連鎖部分 には前のブロックの情報が重 なるように入っている 悪者 ブロック(箱)の中身を検証し、改ざんが難しいように 前の箱と繋いでブロックチェーンに保存していく作業者 呼び方は、マイナー(Proof of Work方式の検証を行う 場合)、バリデータ(Proof of Stake方式の検証を行う 場合) 手数料(送金者が支払う+暗号資産の新規発行の付与) が収益源 6 (参考)ビットコインの仕組みでブロックチェーンをより知りたい方向け (図解)ビットコインの仕組み http://www.digitalmoney.or.jp/2014/07/workings_of_bitcoin/ ブロックチェーンの簡単なおさらい 2 ブロックチェーンの改ざんがなぜ難しいか マイナー(バリ データ)と呼ば れるブロック チェーンの維持 管理者 改ざんには単に赤い箱だけでな く、鎖の赤い部分を全部書き換 える必要がありとても難しい ここを改ざん!
  7. アカウントA⇒スマートコン トラクトアカウントへ送る 【取引条件】 株価TOPIXが6月10日終値で 2000以上でないなら、アカウ ントAからアカウントBにX トークンを100送る 条件に従って取引が自動実行 される 株価TOPIX

    6月10日終値=1800 6月10日終値についてブロッ クチェーンのスマートコント ラクトで、条件がチェックさ れる(条件合致!) ブロックチェーン外の情報 を取り込む=オラクル機能 7 ブロックチェーン上に条件が満たされたら実行されるコードを記録しておき、条件が合致した場合、ブロックチェーン上での情報の移転を行う仕組み。 ※契約内容(条件)をブロックチェーンに記録するため、改ざんが難しく、条件が満たされると自動実行されるので強制力がある。 ※なお、ブロックチェーンに記録するため、後から条件変更などの修正ができない、あくまでブロックチェーン上の情報(トークンの移転等)が できるだけでブロックチェーン外に強制力があるわけではない。 ブロックチェーンの簡単なおさらい 3 スマートコントラクト スマートコントラクト例 取引 ブロックに入れ てブロック チェーンに記録 取引 アカウントAからアカウン トBにXトークンを100送る ブロックに入れ てブロック チェーンに記録 【オラクル問題】 例ではブロックチェーン外部の株価情報に従ってスマートコントラクトが実行されているが、この外部の情報が虚偽でないか、誤った情報ではないかを確認することはブ ロックチェーンの外側の話となる(ブロックチェーンは外部から情報が送られてきたらそれに従ってスマートコントラクトを実行するだけ)。このような外部の情報を取り 込むとき、その情報の正しさをどう確認するかと言う問題を“オラクル問題”という。 (オラクル問題の例) ①裏付け資産に基づいてステーブルコインを発行⇒ 裏付け資産が適切に存在しているか、流用されていないか、裏付資産価値が棄損していないか? ②生産物の流通過程のトレーサビリティで、生産物を示すトークンを受け取ったが、流通過程で生産物が別のモノに入れ替わっているかもしれない? ⇒ 信頼できるオラクルを各種ポイントで設置する対応などが考えられているが、オラクルに信頼性が依存することになり、ブロックチェーンの分散性の意義が薄れること にも。
  8. 8 ・取引を新規のブロックに入れブロックチェーンに追加する作業は、マイナー(バリデーター)と呼ばれる維持管理者により行われ、ブロックを 追加したマイナーには、手数料と、新規暗号資産(Bitcoinなど)の新規発行という形での報酬が支払われる。 ・Bitcoinのマイナーになる資格はなく、設備が用意できれば誰でも自由に参加/退場が可能。 ・各マイナーがそれぞれバラバラに新規ブロックを追加すると、当然ブロックチェーンに整合性はなくなるので、マイナーの内、誰か一人が新規 に追加するブロック内容を決定し、他のマイナーはそれに同期を行う形で、ブロックチェーンの一意性は維持されていく。 ・このブロックチェーンに新規に誰のブロックを追加するかを決める作業がマイニング作業の中核となる。多数いるマイナーの中から、どう一人を 選ぶかと言う点で、様々な方法があり、Proof of Work(PoW)、Proof

    of Stake(PoS)はその代表的なものとなる。 ・選ばれたマイナーが新規に追加する1ブロックを決め、他のマイナーに送る(ブロードキャストする)と、他のマイナーは、中身の取引に不正 などがないか確認の上、自分が管理するブロックチェーンにそれを追加することになる。 Proof of Work(PoW) ・Bitcoinで採用されている方法 ・どのマイナーのブロックを、新規にブロックチェーンに追加するブロックとするかは、マイナー間での”くじ引き”競争で選ぶ。 ・ ”くじ引き”は、ランダム性が極めて高い特定の暗号学的な解を、コンピュータで探す作業となり、コンピュータの電力消費が大きい。 前のブロックの 圧縮値 (ハッシュ値) 今回追加する新 規ブロック AからBへ 1BTC送る DからEへ 20BTC送る JからKへ 3BTC送る マイナーへの 報酬支払情報 ハッシュ関数 コンピュータで 探す値、ナンス (nonce)とい う =関数の結果が特定の条件を満たす値であること (今回の条件:頭に0が19個連続すること) 957000078510000000069e0ff720dbf82073421b66ed967e5d8884da4ae15226 54127800005473000000e21cf40b83f8e5c1275eb6919dee03361babeebec81f 854110000996100000055b52fcd6abfcc12a8c40e820c6c44e096735bbeb0a2f 00000000000000000003a15bcbfb3fedd892fb20b687e9fab09d963232b72208 58,715,025 3,306,334,872 4,630,279 2,372,502,639 ナンスに色々な値を 入れていき、関数の 結果が、条件を満た すとそれが解になる ・条件は直近の参加マイナーの数で変わる ・Difficulty、難易度といい、ビットコイン では約10分で解が見つかるよう自動で調整 される 解を見つけたマイナー が、くじ引きの勝者と なり、このマイナーの ブロックがブロック チェーンに追加される 解を見つけるまでナンスに様々な数字を入 れ計算を行うため、大量のコンピュータで 電力を大きく消費しながら計算することに なる。ここに投入された電力消費がビット コインの価値の源泉という人もいる。 ブロックチェーンへの書き込みを行う人を決める方法:Proof of Work(PoW)、Proof of Stake(PoS) ブロックに 入っている 取引
  9. 9 時間の流れ マイナーA ブロックチェーン マイナーB マイナーC マイナーD マイナーAが“解”を見つけ、 ブロックを追加できること になったら、他のマイナー

    にお知らせ(ブロードキャ スト)する マイナーAから新規ブロックを受 け取ると、内容を確認して自分 のブロックチェーンデータに追 加する ブロックチェーンはどこかに1つ置いてあるわ けではなく、各マイナーがそれぞれ自分のデー タとして持っている。そして各ブロックチェー ンは同期をとって更新されていく。 新規ブロックの検証を行うには、過去のブロッ クチェーンを全て持つ必要があり、この全ブ ロックチェーンデータを持つマイナーを「フル ノード」と呼ぶ。 ブロックチェーンのデータ容量は大きくなり続 ける点は課題。 ブロックチェーン ブロックチェーン ブロックチェーン 新規ブロックがブロックチェーンに追加されるイメージ ブロックがブロードキャストされるイメージ 9
  10. 10 ・EthereumはPoWからPoSへ移行予定(2022年半ば~) ・PoWでのブロックチェーンの維持管理者はマイナーと呼ばれるが、PoSではバリデーターと呼ばれる。 ・コインをより多く持っている人は、そのコインの価値が棄損する行動は行わないであろうという前提に立ちコインをより多く持つバリデーターに、 ブロックチェーンへのブロックの新規追加を行わせる仕組み。 ・PoWでは、ランダムなくじ引きで、どのマイナーがブロックを新規追加するかを決めるため、時間がかかる、くじ引き作業で膨大なコンピュータの 電力を消費するなどの課題があるが、PoSではくじ引きのような作業は不要となるため、高速で環境配慮型の仕組みと言われる。 バリデーター コインをStake (預け入れ)

    預け入れたコイ ンは一定期間 ロックされる 一般ユーザ 一部バリデータは預け 入れするコインを増や すため一般ユーザから 借り入れをすることも (一般ユーザは報酬を 貰う) バリデータから次のブロックを 追加するためのチーム(コミッ ティとも言う)が選ばれる チームに参加するバリデータはランダム に選ばれるが、以下の点で選ばれる確率 が上がる ・コインを多く持ってる ・コインを長く持っている ※一度選ばれると、連続して選ばれない ように調整が行われる ブロック作成役 ブロック検証役 ブロック検証役 ブロック作成 ブロック検証 ブロック検証 選ばれたバリ データで、ブ ロック作成と検 証が行われる。 バリデータには 報酬が支払われ る。 問題が無ければ追加ブロック をブロードキャストし、各 ノードのブロックチェーンに 追加される ※追加ブロックが不正であると して他のバリデータ達から採用 されないと、ペナルティとして チームに参加したバリデータは、 報酬や預け入れしたコインが没 収されるものもある。 PoSの例(PoSにはいろいろな形があり、以下は単純な例) Proof of Stake(PoS) 10 ブロックに入れ る取引
  11. ▪実物資産や事業への出資持ち分などを小口トークン化する例が考えられている。 小口トークン化することで、投資家に少額での様々な投資機会が提供でき、利益分配も暗号資産で行えば現金での分配に比較し大幅なコスト削減が 可能、簡易な移転の仕組みによる2次流通市場の活性化、などの効果が期待できる。 ▪仕組み例 実物資産 ④収益 投資家 ①出資 (通貨や暗号資産) ②持分をBC上で

    小口に分割して トークン化 ③持分をトーク ンの形で保有 ⑤収益を暗号 資産変換 ⑥トークン保 有者の暗号資 産アドレス宛 に収益分配を 実施 投資家(2次流通) ⑦トークン譲渡 で持分の2次流 通が可能(対価 は通貨や暗号資 産) ※有価証券の性質を有するトークンをセキュリティトークンと言い、日本では「電子記録移転有価証券表示権利等」として、有価証券規制の 枠組みで制度化済み。これに該当するものは将来的な事業収益等の分配を受ける権利、集団投資スキーム持分などが考えられ、取り扱いには第一種 金融商品取扱業が必要になるなど。トークンの移転でどのような権利移転が法的に生じるのか、それに伴う規制該当性などは専門弁護士に要相談。 ⑧満期の償還時 は、通貨や暗号 資産で支払い (トークンは以下のようにいろいろな形が考えられる) 封筒=1単位持分額とし、出資額分の複数の トークンを受け取る 封筒の中に、このトークンが示す持分額や満期、 譲渡制限の有無など記載=紙の証券のイメージ 事業 権利 11 (参考)ブロックチェーン活用例 よく事例である裏付け資産を小口トークン化する例 ①
  12. 実物資産 ④収益 投資家 ①出資 (通貨や暗号資産) ②持分をBC上で 小口に分割して トークン化 ③持分をトーク ンの形で保有

    ⑤収益を暗号 資産変換 ⑥トークン保 有者の暗号資 産アドレス宛 に収益分配を 実施 投資家(2次流通) ⑦トークン譲渡 で持分の2次流 通が可能(対価 は通貨や暗号資 産) ⑧満期の償還時 は、通貨や暗号 資産で支払い 事業 権利 12 (参考)ブロックチェーン活用例 よく事例である裏付け資産を小口トークン化する例 ② 考えられるリスク 実物資産がそもそも存在しない、棄損する、別のモノに変わっている、 事業実態がない、裏付け資産以上のトークンを水増しして発行、など →ICOブームの時は多数発生 →ブロックチェーンとブロックチェーン外の価値の紐づけをどう確保す るか(オラクル問題) ブロックチェー ン外で発生する 収益の適切な監 査の課題、 ポンジ・スキー ムのリスク 仕組みとして有価証券規制に該当す る可能性を検討していないことも 暗号資産税制の課題 ※雑所得扱い、価格変動リスク トークン取引市場での適切な価 格形成、流動性をどう確保する かの課題 別の投資家Bに権利をブロック チェーン外で譲渡する契約をした 場合(2重譲渡)、トークンを持 つAとどちらが権利を持つのか? 法的な対抗要件の整理が必要 ICO;2018年あたりにICO(Initial Coin Offering)として、独自の仮想通貨を発行 する事業アイデアが多数乱造され、仮想通貨の値上がり目的で活発な投資が行わ れた。しかし実態としては実現性のない案件ばかりで、資金だけ集めて事業開始 にも至らないことや、資金の持ち逃げなど多発した。現状のトークンを発行し資 金調達するプロジェクトが多数出てきている状況について、当時との類似点を指 摘する専門家も多い。
  13. 13 Defiの概要

  14. Defi(Decentralized Finance、分散型金融)について 1 14 スマートコントラクトの活用などにより、暗号資産の交換や貸付をして利息収入を得たりなど、Web上での自動化された暗号資産関連の金融業的サー ビスを総称して分散型金融と呼んでいる。 【代表的なサービス】 ◆ステーブルコイン ・価格が米ドルなどと連動して安定することを意図した暗号資産を発行するもの。 ・安定させる仕組みは裏付け資産があるもの、数学的なロジックで自動調整されるものなど。

    ・現金や国債などの裏付け資産があるタイプは、ブロックチェーンの外で本当に裏付け資産が適切に存在しているか不明瞭だったり、裏付け資産 以上に水増し発行している可能性が疑われるなど課題も。 ・ステーブルコインは暗号資産の利便性と価値の安定の特徴があるため、世界中の人との決済、価値の貯蔵手段として利用しやすい反面、 マネーロンダリング目的での利用も強く懸念されるため各国で規制やルール整備の検討が進められている。 ◆分散型暗号資産交換(DEX、Decentralized Exchange) ・Web上で自動化された仕組みで、様々な暗号資産の交換機能を提供するもの。 ・現実の交換業に多い板取引方式ではなく、特定のロジックにより交換比率を自動調整する方式が主流。 ・交換のための暗号資産の流動性は、顧客に提供してもらい、対価として顧客は手数料収入が得られる。 ・リアルな交換所ではユーザは暗号資産を交換事業者に預け入れする必要があり、交換所がハッキングされるリスクがあるが、 DEXではユーザがその場その場で交換を直接自分のウォレットから行える。 ◆暗号資産の貸出(借入) ・Web上で自動化された仕組みで、暗号資産の貸出、借入機能を提供するもの。 ・利息は暗号資産で支払う。 ・担保として暗号資産の差し入れが求められるものが多い。 ◆保険サービス ・ハッキングされた場合などに保険料が支払われるサービス。 ・保険支払いが発動する条件の判定が明確にできない場合(ハッキングされ暗号資産が流出したなど)、意図していた保険金が 得られない可能性も。 ・サービスとしてはNexusMutualなどがある。 その他様々なサービスが多数登場してきている。
  15. Defi(Decentralized Finance、分散型金融)について 2 15 【Defiの特徴など】 ・無人でプログラムだけで動いているが、修正開発等を行う開発者(運営)は存在しており、手数料収入を得ていることが多い。 ※中にはDAOのように、ガバナンストークンを発行し、利用者にも投票の形で運営に参加させ、運営の立場を薄めたものもある。 ・金融サービスを提供する場合、運営側に一定量の資金が流動性として必要になることがあるが、Defiの大きな特徴として、運営が流動性を用意 するのではなく、顧客に保有する暗号資産を預けてもらい、それを流動性として利用することでサービスを提供することがよく見られる。 (顧客は預ける対価として、利息や独自トークンが得られる)

    ・スマートコントラクトの活用で、取引をWeb上で自動化し、取引コストの低減と、透明性の高さを実現している。 ※スマートコントラクトの利用ができるイーサリアム、BNB Chainのブロックチェーン上で動くサービスが多いが、様々なブロックチェーンに 同じサービスが進出する傾向も。 ※透明性が高い点は、取引内容自体はブロックチェーンで分かるが、仕組みが非常に複雑なものも登場しており、価格変動時に予期しない リスクを被る可能性や、プログラム自体にバグがあることも。 ・世界中の人が自由にサービスを提供可能、利用者として参加可能 ※トラブル時の対応が難しい、誰を相手に問い合わせすればいいかわからない、規制が及び難い、マネーロンダリング対応が難しい、 税金の取り扱いが不透明などの課題も。 ・金融包摂の文脈で、金融サービスを受けられない途上国の人々に利便性を提供するという意図もあったが、現状は、暗号資産保有者の投資・資産 運用目的でのサービス利用がほとんどになっている。 ※世界中の人が“儲け”のためにサービス開発を行っており、様々なリスクもあるが、急激なスピードで技術開発が行われている。ある程度技術 発展が進めば本来的な意図での利用も出てくる可能性。
  16. 16 Defiの概要:ステーブルコイン

  17. Defi(分散型金融):ステーブコイン 1 17 ステーブルコインの分類 ◆裏付け資産あり型(裏付け資産は現金や国債など非暗号資産) ・連動させようとしている資産(米ドルや米国債、社債等)を裏付け資産として持つため、価値の安定が達成しやすい。 ・発行、償還は、発行体にドルを送金してステーブルコインを対価として受け取る、逆にドルに戻すことも発行体経由で可能。 一般利用者は、2次流通市場での売買で入手/売却するので発行体と取引することは少ない。 ・裏付け資産が適切に存在しているのか、裏付け資産以上に水増し発行されていないか、不明瞭になりがち。(USDT(Tether)の問題) ・ステーブルコインの発行額の大部分を占めるUSDT、USDCはこのタイプ。

    ◆裏付け資産あり型(裏付け資産は暗号資産) ・暗号資産を裏付けにして、ステーブルコインの価値を米ドルなどと連動させようという仕組み。 ・裏付けとなる暗号資産の価値のボラティリティが大きいため、ステーブルコインの価値を安定させるには様々なロジックが用意されている。 ※この点から裏付け資産ありのアルゴリズム型と言われることも。 暗号資産市場の暴落時などは、裏付け資産が十分でないとみなされ、連動性が外れることも。 ・DAIが例。 ◆裏付け資産なし(アルゴリズム型) ・裏付け資産を持たないで、自動的に通貨需給を調整するなどして、価値を安定させようとするもの。 ・理論上の話と、実際の市場での動きは異なる点も多くアルゴリズム型が適切に動くのかは複数の市場急変などの経験を踏まえ改良していく 必要がある。 ・TerraUSD(UST)は2022年5月に価格安定の仕組みの不完全性を狙われ、1ドルのペグを外れ大暴落した。 ◆(参考)裏付け資産なし(価格安定化の仕組みは特になし) ・特にアルゴリズムなどの価格安定化の仕組みの無い暗号資産が、信用力等を背景に利用者に受け入れられ、円やドルのような通貨と同程度の ボラティリティになれば、ステーブルコインの代わりとなりうる。現状そのような暗号資産はないが、長期的には出てくる可能性はある。 ・平時の価格安定性と、金融危機時の価格安定性は大きく異なる可能性も。 ・Bitcoinが候補と考えられるが、金(GOLD)程度のボラティリティにはなる可能性も。
  18. ③ BUSD(BinanceUSD) ・世界最大の仮想通貨取引所バイナンスと米Paxos社が発行しているステーブルコイン(1ドル=1BUSD)。 ・ 2022年6月初頭で時価総額181億ドル、3番目の規模のステーブルコイン。 ・ Ethereumとバイナンス・スマート・チェーン上で発行。 ・ニューヨーク州金融サービス局の規制を受けているPaxos社が、米ドルと米国債を裏付け資産としてEthereum上でBUSDを発行し、 バイナンス社がEthereum上の自らのアカウントでそのBUSDを保有、それを裏付けにバイナンス・スマート・チェーン(BNB Chain)上で

    BUSDを発行している。(つまり、BNB Chain上のBUSDは、ニューヨーク州金融サービス局の規制を直接受けているわけではない。) ・ Paxos社は裏付け資産の監査結果を定期的に公表している。 Defi(分散型金融):ステーブコイン 2 以下では代表的なステーブルコインの概要を紹介 ◆裏付け資産あり型(裏付け資産は現金や国債など非暗号資産) ① USDT ・Tether社が発行する、価格が1ドルと連動するステーブルコイン。 ・ 2022年6月初頭で時価総額724億ドルもある最大規模のステーブルコイン。 ・裏付け資産はドル現金、米国債、社債、CPなど。 ・Ethereum上で発行、その後様々なブロックチェーン上でも発行。 ・最大規模のステーブルコインであるが、裏付け資産が適切に確保されていない、水増し発行されている疑いが業界内で継続して話題に上がり、 これに対し運営側は明確な回答を行わないなど不透明感が残っている。 18 ② USDC ・Circle社と仮想通貨取引所Coinbase社が発行母体、価格が1ドルと連動するステーブルコイン。 ・2022年6月初頭で時価総額540億ドル、2番目の規模のステーブルコイン。 ・裏付け資産はドル現金、米国債、社債、CPなどであったが、より低リスク資産とするためドル現金と米国短期国債のみとなった。 ・裏付け資産の保有状況の監査結果を毎月公表している。 これは、USDTの不透明な運営に対し、USDCは透明性の高い適切な運営を目指しているため。 ・Ethereum上で発行
  19. Defi(分散型金融):ステーブコイン 3 19 ◆裏付け資産あり型(裏付け資産は暗号資産) DAI ・特定の運営者ではなく、MakerDAOというDAO(自律分散型組織)が発行するステーブルコイン(DAO自体はガバナンストークンMKRを発行) ・米ドルとの緩やかな連動をアルゴリズムで目指すステーブルコインで、2022年6月初頭で時価総額68億ドルほど。 ・裏付資産の暗号資産種類は、DAOで認められた複数種類となる。Ethereum上で発行。 ・発行と償還の仕組み スマートコントラクトに裏付けとなる暗号資産を預け入れ(担保差入)すると、DAIが発行される。また、DAIをスマートコントラクトに

    戻すと、預け入れた暗号資産が戻ってくる仕組み。 ・価格変動の激しい暗号資産を裏付けに、アルゴリズムでドルとの価格連動を実現できる理由 (1)裏付け暗号資産をステーブルコインの発行量以上保有する(150%~200%などの超過担保) (2)担保価値が下落すると、担保がDAIを対価に売却される(市中への担保暗号資産供給増、DAI供給量減少) 裏付け暗号資産の価格が大きく下落し、必要担保額を下回ると、預入担保が没収され、市場でDAIを対価に売却される。 これにより市場のDAI供給量が減少し、DAI価格が維持される仕組み。これでもDAI価格の維持ができない場合、市場のDAIを回収する ために別トークン(MKRトークンというDAOのガバナンス権利のあるトークン)がDAIを対価に発行されDAI供給量がさらに削減される。 (3)DAI発行/償還時の手数料、裏付け資産(担保)預け入れでの金利を自動調整 DAI発行/償還手数料と、担保預け入れで利用者が貰える金利をDAI建てとし、この水準をDAI価格が安定するよう自動調整する。これは 中央銀行が金利調整で市中のマネー供給量を調整する仕組みに似ており、市場に出回るDAI供給量を適正水準に維持する仕組みとなる。 (4)DAOによる対応策の実施 DAI価格に異常が生じた場合などは、ガバナンストークンを保有する参加者の投票で対応策が協議される。 DAOの投票でDAIの仕組みそのものを止めてしまうことも想定されている(担保は強制処分の上権利者に分配)。 ・実際の暗号資産市場暴落時のトラブル(市場が急変すると米ドルとのペグを実現することは難しいという事例) ・裏付け担保暗号資産が暴落し、DAI供給量を絞るため、担保処分オークションを実施したが、暗号資産が下がり続ける状況下で、DAI建てで 担保を落札する人が現れず、逆に一部参加者が0円など異常に低い落札価格で落札してしまい、担保処分が機能せず、市中から十分なDAIを 回収できなかった。 ・担保処分が迫ると、預け入れ金利収入目当てで担保暗号資産を預入しDAIを発行していた人が、DAI償還に殺到、DAI建て解約手数料が 上がり、解約手数料を払うためDAIを求める人でDAI価格が高騰してしまうことが発生。
  20. Defi(分散型金融):ステーブコイン 4 20 ◆裏付け資産なし(アルゴリズム型) TerraUSD(UST) ・裏付け資産なしでアルゴリズムのみで1ドルとの連動を実現しようとしたが、2022年5月に暴落し仕組みが崩壊。 ・それまでは時価総額が187億ドルほどある大手のステーブルコインであった。 ・Terraブロックチェーン上で発行(Cosmos経由で他のブロックチェーンと連動可能)、運営主体はテラフォームラボ。 アルゴリズムによる1ドルの価格安定の仕組み LUNAという対になる暗号資産を発行し、これを利用してTerraUSDの価格安定を実現するもの。(LUNAも崩壊前は時価総額が233億ドルあった)

    具体的には以下の仕組みで、 1TerraUSD=1ドルを実現する。 ①:TerraUSDの価格が1ドルより低い場合(0.9とする)⇒TerraUSDの供給量を市中から回収し、価格引き上げを行う。 ・TerraUSDの市中からの回収は、運営のテラステーションという自動交換所で行われ、ユーザが持ち込んだ0.9ドルのTerraUSDが、 1ドル分のLUNAと自動で交換され、回収されたTerraUSDは償却され(バーン)、 やがてTerraUSD価格は上がることになる。 ・これによりLUNAの市中での供給量が増え、 LUNAの価格は下がるが、 LUNAを運営に預け入れすると様々なトークン配布が受けられる 仕組みを別途用意し、 LUNAの需要が維持されるようにしていた。 ②:TerraUSDの価格が1ドルより高い場合(1.2とする)⇒TerraUSDの供給量を市中に増やし、価格引き下げを行う。 ・TerraUSDの市中への供給は、運営のテラステーションという自動交換所で行われ、ユーザが持ち込んだ1ドル分のLUNAが1.2ドルの TerraUSDと自動で交換され、やがて市中の供給量が増えたTerraUSD価格は下がることになる。 ・回収されたLUNAは償却される(バーン)。これによりLUNAの市中での供給量が減り、 LUNAの価格は上がる(価格上昇はユーザにメリット) ここで、①TerraUSD価格が下がった場合、LUNAで買い支える仕組みであるが、 LUNAに買い支える力が無くなると、仕組みが破綻するため、 運営は別途緊急時の買い支え用に大量のビットコインを用意していた。(30億ドルとも言われていた) 2022年5月、攻撃者は、TerraUSD価格を上手く下落トレンドに落とし込み、そのうえでLUNAにTerraUSDを買い支える力が無さそうだと 市場に不安感を与え(LUNA価格の下落)、かつ買い支え用のビットコイン価格が大きく下落すれば、 TerraUSDの価格維持メカニズムは 崩壊すると考え、これを実行した。結果は次ページ。 ※攻撃者の直接的なリターンは、ビットコインのショートポジションを事前に準備し、運営の持つ緊急時の買い支え用の大量のビットコインが 売却されることにより、ビットコイン価格が大幅下落、これでショートポジションから利益を得ることだったとも言われている。
  21. 21 LUNA価格は80ドル→0へ TerraUSD価格は1ドル→0へ BTC価格も下落 ①攻撃者は、TerraUSDを一時的に大量に保有し、 DEX(暗号資産交換所)に預け入れし、それを一気に 引き出すことで、交換所上のTerraUSDの流動性を引 き下げ、価格を揺さぶる(価格下落開始) ②攻撃者は、LUNAに売りを浴びせ、TerraUSDの価 格下落と合わせ、市場にTerraUSDおよびLUNAの信

    用不安を煽り、両者の価格は下落へ ③運営は緊急用のビットコインを大量売却し TerraUSD、LUNAの買い支えを行うが、市場環境が 米国金融引き締めで悪かった素地もあり、大量売りで ビットコイン価格自体が大きく低下してしまい、 TerraUSD、LUNAの価格下落が続く中、緊急用資金 を使い果たしても買い支えができなかった。 ④ステーブルコインTerraUSD、LUNAが崩壊した要因 に攻撃者の行動があるが、攻撃者はハッキングなどの違 法行為を行ったわけではなく、ステーブルコインの仕組 みが大規模な売り圧力に耐えられないという構造的欠陥 を、大規模ではあるが“合法な”市場取引を行うことで実 現させた点がポイント。 普通に考えると、自らの発行する暗号資産で、自らの発 行する別の暗号資産を買い支える仕組み自体に無理があ るとも考えられるが、崩壊前まではこの仕組みがDefiで 資産運用を行うユーザには受け入れられていた。 TerraUSDの崩壊 Defi(分散型金融):ステーブコイン 5 21
  22. BNB ・バイナンスコイン(“Build And Build”という呼び方も) ・世界最大の暗号資産関連事業を行っているバイナンスが発行する暗号資産で、バイナンス上の様々なサービスを利用するためには一時的にBNBで支払いを行う必要があったりする ため、広く使われている。裏付け資産はなく、価格は変動しており、2022年6月初頭で時価総額490億ドル。 ・発行数は2億枚で全て発行済み、通貨価値を保つため定期的に発行体による償還(償却、バーン)が行われている。 ・スマートコントラクトが実行可能なイーサリウムと互換性があるブロックチェーンBSC(バイナンス・スマート・チェーン、BNB Chainとも呼ぶ)の基軸通貨として利用されている。 BSCはイーサリウムと比較しガス代が安いため、BSC上で多くのDefiアプリが登場しており、Defiを利用するためBNBをまず入手する必要性も。

    特にBSC上のDEX(分散交換所)のPancakeSwapは利用者が多くそこで必要となるBNBの需要は高い。 Defi(分散型金融):ステーブコイン 6 22 ◆(参考)裏付け資産なし(価格安定化の仕組みは特になし) ステーブルコインではない暗号資産のボラティリティは継続して大きい状態が続いており、決済用途での利用は難しい状況。 https://coinmarketcap.com/ja/currencies/bnb/ https://coinmarketcap.com/ja/currencies/ethereum/ https://coinmarketcap.com/ja/currencies/bitcoin/ Ethereum Bitcoin
  23. Defi(分散型金融):ステーブコイン 7 23 中央銀行デジタル通貨CBDC ステーブルコインの台頭、FacebookのLibra(最終的に発行断念)の脅威に対し、国家の信用を裏付けにした中央銀行デジタル通貨(Central Bank Digital Currency、CBDC)の検討が各国で行われている。 ◆日本のソラミツ(https://soramitsu.co.jp/ )の技術提供で、カンボジア王国のCBDCはリリース済み

    ・ソラミツとカンボジア国立銀行(カンボジア王国の中央銀行及び金融監督当局)の合作デジタル通貨「バコン」 ・各銀行はカンボジア国立銀行から「バコン」を受け取り、各銀行が利用者に「バコン」を発行する間接発行方式、その後利用者間で 転々流通する。https://soramitsu.co.jp/centralbanking ・利用者の口座管理や本人確認業務は各銀行が行う。 ・カンボジア国立銀行は、リエルやUSドルを対価に「バコン」を発行するため、市場の通貨流通量は変化しない ・ソラミツのHyperledger Irohaの技術が使われている。 ◆日銀でも実証実験を進めるなど研究が進んでいる 特定の方式に限定せず、様々なCBDCのパターンのメリット/デメリットを研究している。 https://www.boj.or.jp/paym/digital/index.htm/
  24. 24 Defiの概要: 分散型暗号資産交換所(DEX、Decentralized Exchange)

  25. Defi(分散型金融):分散型暗号資産交換所(DEX)1 25 Web上で自動化された仕組みで、様々な暗号資産の交換機能を提供するものを、分散型暗号資産交換(DEX、Decentralized Exchange)という。 (bitbankやbitFlyerの交換事業者の機能をWEB上で自動で提供しているようなもの) ◆一般ユーザの暗号資産の交換(SWAP) 一般ユーザ EthereumをDAIに交換した い場合、Ethereumの入っ ているウォレットをDEXに

    接続するだけで一瞬で交換 できる ※本人確認などのユーザ登 録は無しで利用可能 DEX DEXでは、2通貨の交換レートが提示されるので、この レートで良ければ交換実施となる(手数料が必要)。 ※交換レートは、AMM( Automated Market Maker ) により、DEXにある2通貨の量(流動性)に基づいて自 動計算されて決まるため、DEX間で価格にズレが生じう る。 ※24時間、365日プログラムは自動で動いている。 ※1つのDEXが提供する交換可能な通貨ペアは数百種類 にも及ぶ ※特に上場審査など無く、自由に通貨ペアは追加可能 ※同じブロックチェーン上の通貨が交換可能で、 別チェーンであるEthereumとBTCの交換はできない。 DEXでは、bitbankやbitFlyer などの現実の交換所にみられ る買いと売りの板取引は少な い。 ◆DEXの運営者 ・“分散型”で取引は自動で行われているが、運営者がいないわけではなく、プログラム開発、バージョンアップを行う開発者チームが存在。 ・最大のDEXであるUniswapはUniswap Labsが運営母体。しかしガバナンストークンを発行し、運営方針にトークンホルダーが参加できるように しており、運営の分散化を志向している。 ・プログラムがオープンソースのためコピーしたDEXが多数存在することも多い。DEXによってはWEB上でプログラムだけが動いて いるように見え、運営母体が不明瞭なものも。 ・1日の取引規模は、2022年6月頭でUniswap (V3) で15億ドル、PancakeSwap (V2)で5億ドルと非常に大きい。 (DEX取引規模 https://coinmarketcap.com/ja/rankings/exchanges/dex/ ) (交換ペア例)
  26. Defi(分散型金融):分散型暗号資産交換所(DEX)2 26 ◆ユーザによる流動性の供給 一般利用者が保有する暗号資産AをBに交換するとき、交換所側が相手方となり取引に応じる場合、十分な量のBの在庫がないと、交換所がAを受け取っても 渡すBが不足し交換が成立しなくなる。このため交換所には交換用の暗号資産の在庫を十分に持つ必要があり、この在庫のことを「流動性」と呼ぶ。 ※ユーザ間で直接売り/買いを行う“板取引”の場合は、交換の都度、売り手と買い手の間で暗号資産が交換されるので、交換所が在庫を持つことは不要。 ※リアルのbitFlyerなどの交換所でも、交換所が取引相手となる「販売所」形式では、交換所に在庫(流動性)が必要。 板取引では、ユーザ間で暗号資産の 交換が直接行われる。 板取引はユーザ間の直接マッチング

    なので、交換所が流動性を持つ必要 はないが、売りと買いの参加ユーザ 数が相当数いないと取引が成立し難 くなる。 (取引所が流動性を出すため参加者 者として売り、買いを行うことも) DEXでも板取引を提供するものもあ るが、ユーザの集まりやすい主要通 貨の交換のみの提供が多い。 販売所では、交換所側に在 庫(流動性)が必要 DEX 一般ユーザ 流動性提供 ユーザ DEXでは、交換所の在庫(流動性)は、流動性提供ユーザが預け入 れたものを利用する。 ※この預け入れ/引き出しは、ユーザが自由に24時間365日行える。 ※流動性提供ユーザは対価として手数料やDEXのガバナンストーク ンが貰える。この流動性提供の対価で収益を上げる仕組みを、イー ルドファーミングやステーキングと呼ぶ。 ※十分な量の流動性提供がないプールだと、大口の交換が行われる と、交換価格が歪み市場実勢から乖離することになる。(ユーザに は裁定取引の機会でもある) DEXの在庫(流動性) =“プール”という 販売所は、交換所がユーザの相手方とな り、売りと買いを行うため、在庫(流動 性)が必要になる。 価格決定権は販売所が持つため、手数料 が高額になる傾向がある。 板取引形式 販売所形式 DEX(AMM、Automated Market Maker)形式
  27. Defi(分散型金融):分散型暗号資産交換所(DEX)3 27 ◆DEXでのユーザによる流動性の供給とDEXでの暗号資産の交換価格の決まり方 一般ユーザ 流動性提供 ユーザ 2つの暗号資産ペアを入れ たLPトークンをDEXに預け 入れる (ファームするとも言う)

    LPトークンという箱 “LPトークン”と呼ぶ箱に、 預け入れる暗号資産のペア を入れる ※このLPトークンはスマー トコントラクト 暗号資産交換の実施 流動性プール 流動性供給(暗号資産のDEXへの預け入れ) 一般ユーザの交換により、DEXの流動性プール にある2つの暗号資産の数量は変化していく。 ユーザに提示する2通貨の交換価格は、流動性 プールにある2通貨(X、Y)の数量と、 X*Y= K(Kは一定の定数)の式で自動決定され、 X*Y =Kの傾きが、交換価格となる(詳細は次ペー ジ)。 交換で、流動性プール内の数量が変化すると、 この式に沿って交換価格は変化していく。 特に、流動性プール内の数量が少ないと、一般 ユーザが大口取引を行うと、交換価格は大きく 動き、市場実勢価格と乖離が生じやすくなる。 この価格の歪みは一般ユーザには収益機会とな るため、活発な裁定取引が行われ、DEXの交換 価格は市場実勢に収束していく。 流動性提供の対価として手 数料やDEXガバナンストー クンの付与 DEX(AMM、Automated Market Maker)
  28. Defi(分散型金融):分散型暗号資産交換所(DEX)4 28 ◆AMM(Automated Market Maker)での暗号資産の交換価格の決まり方 DEX 一般ユーザ 流動性プール 【DEXでの2つの暗号資産の交換価格の決まり方】 流動性プールにある2通貨(X、Y)の数量と、

    X*Y=K(Kは一定の定数)の 式で自動決定され、 X*Y=Kの傾きが、交換価格となるルールで動いている。 X*Y=Kをグラフ化すると、左の形になり、一般ユーザが①でYを買い(Xを売 る)と、プール内のY数量が減り、X数量が増え、②に移ることになる。 この時、①の交換価格は①の傾き、②の交換価格は②の傾きになる。 DEXではこの単純な式で、プール内の2通貨の数量がどう動くかで、一般ユー ザに提示する交換価格が決まっている。 流動性プールの預入数量が少ないと、直前に大口取引が行われると、次の取引 の交換価格が大きく変化してしまう(①→②への乖離が大きい) これを“スリッページ”という。また、これを故意に行い利益を出そうとする取 引をフロントランという。 (参考) X*Y=K のKとは、最初にプールを作るときに決める値で何でもよい任意の値。 一般的にはその時点のXとYの時価総額が1:1になるX数量とY数量を掛け合わ せた値を用いる。 Kはどんな値でもよいのであるが、市場実勢と乖離した交換価格での値を用い ると、DEXで示される価格も市場実勢と乖離するので、一般ユーザでの裁定取 引が行われX*Y=K上の市場実勢価格に見合った点に、プール内のX数量とY数 量は大きく動いて収束することになる。 暗号資産交換の実施 交換価格の提示 交換価格の決まり方
  29. Defi(分散型金融):分散型暗号資産交換所(DEX)5 29 ◆(参考)AMM(Automated Market Maker)での暗号資産の交換価格の決まり方 数値例① AMMの価格決定について、ここでは少し複雑になるが数値例で説明する。 ▪前提 ・交換通貨ペアはETHとAPEとする。(ETHがX、APEはYとする) ・預け入れ時の市場価格

    ETH=1700ドル、APE=5.5ドルとする。 通常の暗号資産はドルや円建てで認識されるが、AMMでは片方の通貨建てで表示される。 この場合、1ETHのAPE建て価格は、1ETH=309APE(1700÷5.5)となる。 ▪流動性提供ユーザによる預け入れ 預け入れは、2つの暗号資産をセットにして行う。この時の2つの暗号資産の各数量は、時価が1:1で同じになる比率で預け入れる必要がある。 時価がETH=1700ドル、APE=5.5ドル、1ETH=309APEなので、この 1:309 の比率を維持する形で2つ通貨の数量を入れる必要がある。 以下の例は、 1:309の比率の組み合わせ例となるが、最下段の組み合わせだとこの関係にならないのでダメということになる。 流動性提供 ユーザ LPトークンという箱 (スマートコントラクト) ×4 ここで、ETH数量4、APE数量1236で流動性提供することにする。 ×1236 ドル建ての時価総額は以下となる
  30. Defi(分散型金融):分散型暗号資産交換所(DEX)6 30 ◆(参考)AMM(Automated Market Maker)での暗号資産の交換価格の決まり方 数値例② ▪預入時の交換価格 ETH数量4、APE数量1236で流動性提供したことから、預け入れ時のプールの状態は以下となる。 ※預け入れプール内では、2通貨の価格は相対価格で表示される。例ではAPE建て価格。 DEXユーザーには以下の交換価格で表示される(手数料は無視)

    ▪ここで、市場実勢のETHのドル建て価格が10%上がったとする(APE価格は不変とする) 変化前ETH=1700ドル、APE=5.5ドル、1ETH=309APE ⇒ 変化後ETH=1870ドル、APE=5.5ドル、1ETH=340APE になるということ。 ETHの価格上昇により、ETHのAPE建て価格も上がることになる。 市場実勢の価格変化を受け、DEXでも交換価格が、1ETH=309APEから、1ETH=340APEになるよう裁定取引が行われる。 この裁定取引により、プール内にあるETHとAPEの数量も変化することになる。(プールでは価格が上がった通貨量が減り、下がった通貨量が増える) プール内のETH、APE数量が変化し、新しい交換 価格となった。 (参考)新数量XとYについて 2通貨のプール内の関係は、K=XYで表され、この関数の傾きが 価格を表すことになる。 K=XYは微分すれば、-K÷X^2となり、これが価格を示すので、 K÷X^2=Pxから、変化した価格下での新数量Xは、X=√ (K÷Px)となる。 また、新数量Yは、K=XY、X=√(K÷Px)から、Y=√(KPx) となる。
  31. Defi(分散型金融):分散型暗号資産交換所(DEX)7 31 ◆(参考)AMM(Automated Market Maker)での暗号資産の交換価格の決まり方 数値例③ インパーマネントロス(Impermanent Loss、IL) DEXの流動性供給時に、インパーマネントロス(Impermanent Loss、IL)に注意しましょうという話がよくあるが、これは前ページのように

    預け入れ後に、暗号資産の価格が変化することで、プール内の2通貨の数量が変化、預入しなかった場合と比較し、以下のように機会損失が生じるこ とを言う。 ▪インパーマネントロスの計算例 前ページのETH価格が10%上がった場合、プール内の数量は右のように変化する。 ここで前後でのドル建て時価総額を計算すると、以下のように、預入をして、価格変化が起こると、時価総額が、預入をしない場合と比較し、減少しているこ とが分かる。この差額をインパーマネントロスという。これはAMMの仕組みの、価格が上がったコインの数量を減らし、価格が下がったコインの数量を増やす ことで価格調整を行うことで発生する。 LPトークンという箱 (スマートコントラクト) ×4 ×1236 流動性提供 ユーザ DEX ×3.8 ×1297 預け入れを解除して、DEXから暗号資産を引 き出すと、変化した数量で返却される。 預け入れ時にLPというスマートコントラクト の箱に入れる意味は、同じ数量ではなく、変 化した数量で返却することを認めるという契 約をしているとも言える。 価格が暴落し0に近づくと、ほとんどが暴落したコインで返却される ことになる。 ETHと草コインを預け入れし、草コインが暴落すると、ほとんど草 コインで返却され酷い目を見ることは起こり得る。 (参考)預入をしない場合と比較したインパーマネントロスの影響例
  32. Defi(分散型金融):分散型暗号資産交換所(DEX)8 32 ◆DEXに預け入れた流動性の資産効率について AMM(Automated Market Maker)の課題点として、流動性供給量が少ないと、ちょっとした量の交換が行われると、価格が大きく動いてしまう(スリッペー ジ)ため、ある程度の量の流動性をプールに入れておく必要がある。 しかし、プールに相当量の流動性を入れていても、結果的に大口の交換など行われず、価格がほとんど動かないことも多い。このため、流動性としてプールに 入れている暗号資産の資産効率が悪いという批判がある。 これに対し、Uniswapのバージョン3では、流動性供給量が少なくても、一定の範囲においては仮想的に大量の流動性があるように取り扱う技術を導入し、少

    ない流動性供給量でも、価格形成が適切に行えることとなった。今後は他のDEXでも導入されていくものと思われる。 プール内の暗号資産の数量が少ないと、 同じ量の交換が行われても、総数量対 比での割合が大きく、価格変化(傾き 変化)が大きくなってしまう。 価格が大きく動いても、裁定取引が発 生し、最終的な交換価格は市場実勢に 収束するが、価格が乱高下しやすく、 DEXとして使い勝手が悪くなる。 流動性が多いプール 流動性が少ないプール プール内の暗号資産の数量が多いため、 交換で数量変化が生じても、プール内 の総数量に対する割合が小さく、価格 変化(傾き変化)は生じ難い。 プール内の暗号資産の数量が多くても、 結果的に価格が大きく動かなければ (価格変動幅が小さい)、プールに入 れた暗号資産の資産効率は悪いことに なる。 仮想流動性(Virtual Reserves)プール 価格変動幅が①~②である場合、Xの流動性数量はX1 ~X2、Yの流動性数量はY1~Y2だけあればよいとし、 この範囲外をカバーする流動性供給は不要とする。 ※範囲外の流動性が仮想的に存在するように扱うこ とで、預入暗号資産を少なくでき資産効率が改善す る。 流動性提供ユーザは、自分の考える価格変動幅を指 定し、その範囲で流動性供給を行う。(動く価格レ ンジ外を指定していると手数料が得られない) この部分の価格レンジ をカバーする流動性提 供が不要
  33. Defi(分散型金融):分散型暗号資産交換所(DEX)9 33 代表的なDEX 1.Uniswap ・Uniswap Labsが2018年から運営する最大のDEXでEthereum上の暗号資産を交換できる(2022/6で600ペア以上の交換を提供)。 ・交換ペアの上位は、USDTやUSDCといったステーブルコインとの交換となっている。 ・仕組みの改善を継続的に実施しており、現在Version3となっている。 ・特徴は、UNIというガバナンストークンを配布し、運営の分散化を志向している点。UNIの時価総額は2022年6月初頭で37億ドルほど。 ・UNIトークンは、流動提供者に配布され、ガバナンス投票に利用できる。

    ・Uniswapを模倣したSushi(寿司)swapも作られている。 2.PancakeSwap ・2020年から複数人の開発者により運営されているEthereumと互換性のあるバイナンス・スマート・チェーン(BNB Chain)上の暗号資産を 交換できるDEX。 Ethereumよりもガス代が安い点がメリット。 ・草コインの交換に強く、3000を超えるペアの交換を提供。 ・流動性の提供で、CAKEトークンが貰える(CAKEの時価総額は2022年6月初頭で7億ドルほど)。 ・流動性提供時のLPトークン組成をケーキを焼くと言うように、独特な用語を使う。 3.dYdX ・Ethereumのメインチェーンではなくセカンドレイヤーを利用するDEX。セカンドレイヤーを利用することでガス代と処理時間を短縮。 ・DEXには珍しく板取引(オーダーブック型)の取引マッチングを行っている。板取引のため、AMM形式と異なり、流動性を出すには アクティブな取引参加ユーザ数が必要になるため、取り扱い通貨数は他のDEXに比べ非常に少ない。 ・ガバナンストークンであるDYDXトークンを発行。 ・EthereumからCOSMOSにブロックチェーンを移行予定。
  34. 34 Defiの概要:暗号資産貸出

  35. Defi(分散型金融):暗号資産貸出 1 35 DEXと並び代表的なDefiサービスである貸出(レンディング)は様々なサービスがあるが、代表的な分散型レンディングサービスのCompoundを例に 説明する。 ▪Compound ・Ethereum上に作られており、ユーザが資金の提供者(サプライヤー)にも資金の借入者(ボロワー)にもなり、自動的に24時間365日サービス が提供される分散型のレンディングサービス(運営者はCompound Labs, Inc.

    )。 ・サービスの利用でガバナンストークンであるCOMPトークンが貰える。 資金提供者 (サプライヤー) 資金借入者 (ボロワー) ①貸出用暗号資産の提供 (期間なし、引き出し自由) ②預入証明と利息分配権利を 示す「cトークン」の付与 資金提供時 「cトークン」は譲渡可能 「cトークン」保持者に資 金返還と利払いが行わ れる。 資金引出し時 資金引き出しはいつでも可能で、 「cトークン」と引き換えに預入資 金と利息が貰える。 ※時間経過で利息分「cトークン」 価値が増えていき、その分返却 資金が増える 預け入れられた暗号資産 はそれぞれプールに入れ られ、プール毎に預入量 と貸出量から預入金利と 貸出金利がモデルに基づ いて自動的に決まる仕組 み。 ②暗号資産の借入 (期間なし、いつでも返済可能) ①担保となる暗号資産差入 ③元本と利息を支払い ④利息は一部貸倒れ等に備え リザーブされる 資金借入と返済 ※「cトークン」の名前は、ETHを預入たら「cETH」、DAIなら「cDAI」とい うように、 「c預入暗号資産名」となる。
  36. Defi(分散型金融):暗号資産貸出 2 36 ▪Compoundで表示される情報例(ETHの例) https://compound.finance/markets/ETH 現在の金利情報 紫の線:貸出金利(年利) 緑の線:預入金利(年利) 貸出量、借入量に応じて、金 利モデルに沿って金利水準が

    変わる ※詳細は次ページ ETH価格、Compoundは大手暗号資産交換所の価格を利用、他の貸出サービス AAVEは分散型オラクルChainlinkを利用 預入されたETH 預入人数 借入人数 借入人が支払う利息から以下のReserve Factorの割合が貸倒などに備えてリザー ブされている 借入人が支払う利息からこの割合がReserveされる(預入ユーザーに分配されな い) ETHを担保として差入する場合の担保掛目 「借入額<差入担保*担保掛目」と超過担保になるよう差入が必要になる。 ETHを預入した対価として渡されるcトークン情報 この交換レート(金利込み)で償還される。 この場合借入額の上限はなし
  37. Defi(分散型金融):暗号資産貸出 3 37 ▪Compoundでの金利決定方法 ・貸出金利と預入金利は、金利決定モデルにより、プール内暗号資産の貸出量と預入量から自動計算される。 ・金利はCompoundが乗っているEthereumのブロック生成タイミング毎に計算され変化していくため、サービス内で年利表記(APY、Annual Percentage Yield)される金利水準は、刻々と変動する。 紫の線:貸出金利(年利) 緑の線:預入金利(年利)

    このカーブが金利決定モデル プールに預け入れられている 暗号資産の60.27%が貸出さ れていることを意味する 金利決定モデル:暗号資産ごとに金利決定モデルで貸出金利と預入金利が決まる ・プールに預け入れられている暗号資産の貸 出割合が上がると、金利が上昇する ・貸出割合が一定水準を上回ると、預入ユー ザからの引き出しに応えられなくなる(預入 満期がない)ため、金利を急上昇させること で、貸出を抑制する仕組み。 プールに預け入れられている暗号資産の4%が貸出されている場合 ・プールに預け入れられている暗号資産の貸出割合が低 いと、貸出金利も預入金利も低くなる プールに預け入れられている暗号資産の92%が貸出されている場合
  38. Defi(分散型金融):暗号資産貸出 4 38 ▪Compoundでの借入時に差入する担保 ・ユーザが暗号資産を借入れる場合、まず暗号資産の担保を差入する必要がある。 ・担保として預入可能な暗号資産は信頼できるある程度の種類に限定されており、さらに暗号資産の信用別に担保掛目が設定されている。 資金借入者 (ボロワー) 担保となる暗 号資産差入

    暗号資産借入 「借入暗号資産時価<担保暗号資産時価*担保掛目」の 範囲で借り入れが可能(超過担保) 担保掛目(Collateral Factor)の例 ・USD Coin:84% ・DAI:82% ・ETH:82% ・SushiToken:73% ・Tether:0% 差入可能な担保種類はCompound側が指定 担保は、借入人が返済しない場合に市場で処分して換金 する必要があるため、流動性や信頼性に応じて受け入れ 可能な種類が限定されている。 特に仕組みなどに疑惑のある暗号資産の担保掛目は0% と担保不適格の扱いとなっている。 レンディング サービス 資金借入者 (ボロワー) 資金提供者 (サプライヤー) ②担保として草 コインを差入 ①ETHを預入 ③ETHを借入し、 返却しないで逃 亡 ④担保処分して も草コインの価 値が暴落してお り換金価値なし ⑤ETH引き出し ができず損失 担保に草コインが認められていたり、担保掛目が草コインでも高く設定されているサービスは、 運営が“緩い”証。 UniswapなどのDEXでは流動性が乏しく大量交換できない草コインが担保に認められていると、 最初から踏み倒すつもりで、草コインを担保に優良暗号資産を借入れして、逃亡するケースも。 この場合、草コインの担保処分ができず、資金提供者は優良暗号資産の引き出しができなくなり 損失を被る。 ※草コイン以外の優良とされる暗号資産でも、インサイダーが問題情報を掴み、その暗号資産を 担保に持ち込み、別の暗号資産に変えて逃亡することも起こりうる。UniswapなどのDEXと異な り、レンディングサービスは担保範囲内で上限無く借入できることから、表に出ない間に影響額 が大きくなる可能性。 自分の預け入れた暗 号資産が、何を担保 にして貸出されてい るか紐づけができな いため、サービス全 体としてどんな担保 が認められているか、 担保掛目はどうなっ ているか確認するこ とが重要 【レンディングサービスでの担保に関連するリスク】
  39. Defi(分散型金融):暗号資産貸出 5 Flash Loan 39 ▪Flash Loanについて ・暗号資産の貸出サービスの1つであるFlash Loanは無利息無担保での貸出を返済とセットでブロックチェーンの1ブロックに書き込む仕組み。 一般的にスマートコントラクトを利用し、他のDefiサービスの取引を組み合わせて、裁定取引などを行い利益を上げる。

    ・Flash Loan提供サービスは、AAVEやdxdyなど。 ▪Flash Loanの利用例 Flash Loan+DEXでの裁定取引の例 FlashLoanで元手の借入と、2つのDEXでの暗号資産交換価格差を利用した裁定取引、借入の返済を同時に行い利益を上げる ①:Flash Loan借入 100DAI ②:DEX(1)で 100DAIを101.010USDCに交換 DEX(1)の交換比 0.99DAI=1USDC ③:DEX(2)で 101.010USDCを101.010DAIに交換 DEX(2)の交換比 1DAI=1USDC ④:Flash Loan返済 100DAI ⑤: ①、②、③、④を1つのブロックに入れて ブロックチェーンに書き込み(取引一括確定) ⑥: 利益1.01DAI FlashLoan提供サービス FlashLoan提供サービス 暗号資産交換DEX(1) 暗号資産交換DEX(2) ※無利子無担保で借入と返済を同時に行うので、 巨額の資金を借りることができ、これを別の Defiに一気に入れ価格を歪め、利益を得ようと いう“フラッシュローン攻撃”も出てきている
  40. 40 ブロックチェーンのレイヤー1、レイヤー2について

  41. ブロックチェーンのレイヤー1、レイヤー2について 1 41 ▪ブロックチェーンの“レイヤー1”とは ・ビットコインやEthereumのブロックチェーンそのものを、「レイヤー1」と呼ぶ。 ・現状のブロックチェーン技術は、セキュリティ、分散化を維持するために、スケーラビリティ(大量処理を短時間で捌くこと)を犠牲に せざるを得ない状況にあり、このため、ビットコインやEthereumなどの「レイヤー1」ブロックチェーンで、直接即時決済のマイクロ ペイメントなどの大量処理サービスを提供することは難しい。 ・ブロックチェーンによっては、スケーラビリティを達成するために、分散化を犠牲にしているものもあるが、そのようなものは中央集権管理的 な仕組みとなり、企業が運営する従来型のデータベースとの違いが無いものもある。

    ▪ブロックチェーンの“レイヤー2”とは ・「レイヤー1」の課題であるスケーラビリティを解決するために、ビットコインやEthereumなどの“外側(オフチェーン)”で処理を行う サービスを総称して「レイヤー2」と呼んでいる。 ・基本的な発想は、ブロックチェーンの“外側”で必要な処理を行い、結果だけを「レイヤー1」のブロックチェーンに書き込み、結果に対する 信頼性を確保するものとなる。 Bitcoinブロックチェーン (レイヤー1) ①外側で処理するため、資 金をレイヤー2サービスの アドレスに送る(ロック) Lightning Network (レイヤー2のペイメントサービス) ③一定期間、ユーザ間で資 金の受け払いを実施 (レイヤー1には記録しない オフチェーンで処理) ④一定期間の受け払い結果 (最終的なネッティング結果) をレイヤー1上へ決済指示 ⑤ネット結果を支払い、余 剰(おつり)があれば自分 に戻す ②動かせる資金枠 を読み取る ・大量小口取引を 即時で実施可能 ・レイヤー1に比 較し、セキュリ ティ面では弱いが 実用面では問題な いレベルを目指し ている 結果だけをレイ ヤー1に記録する 分散性、セキュ リティ確保のた め、取引承認に 時間を要する レイヤー1の世界(オンチェーン) レイヤー2の世界(オフチェーン) レイヤー2 の例
  42. 外側でのスマートコントラクトの複雑な処理結果をレイヤー1に書き込むため、その結果が正しいものかを確認する必要があり、2つの方法がある。 ①Optimistic Roll Up(ORU) ・レイヤー2の結果は、一旦正しいとして取扱い、検証期間内に異議が出ないとそのままレイヤー1に取り込まれる。異議が出されるとレイヤー1上で 検証を再実施し、不正が見つかれば、その不正な取引は正しい取引に置き換えられ、不正な結果を提出した人には罰金が科される。 (異議を出した人に報酬として渡される) ・検証期間は7日程度必要とされ、この期間は対象資金がロックされ動かせない。 ・このレイヤー2環境として有名なプロジェクトは、Optimism、Arbitrumがある。 Arbitrumは不正発見時の修正範囲が少なくできる点などが特徴

    ②zk Roll Up ・レイヤー2からレイヤー1に結果を渡すときに、レイヤー2側で正しいことをゼロ知識証明技術を使って検証してから渡すため、再検証、検証期間が 不要。便利ではあるが技術的に非常に難しい点が課題。検証期間が不要なため中長期的にはこちらが使われていく可能性。 ・このレイヤー2環境としては、StarkNet、zkSyncがある。 ブロックチェーンのレイヤー1、レイヤー2について 2 42 ▪Ethereumのレイヤー2「Roll Up」について ・Ethereumのレイヤー2はいろいろなものが考えられてきたが「 Roll Up 」というものにまとまってきている。 ・基本的な考え方は一般的なレイヤー2同様、レイヤー2で大量即時処理を行い、結果だけをレイヤー 1 であるEthereumに記録するというもの。 ・Ethereumのブロックチェーンの特徴はスマートコントラクトが実行できることであるが、レイヤー2でもスマートコントラクトが実行できないと、 Ethereum本体のブロックチェーンを使うしかないため、スマートコントラクトが実行できるレイヤー2環境として「 Roll Up 」が考えられた。 ・レイヤー2「 Roll Up 」の特徴としては、レイヤー2で実施した処理結果をレイヤー1に書き込むことで信頼性を確保できること、スマートコントラクトが 実行可能なこと、最初にレイヤー1上でレイヤー2で使う資金をロックすることが必須ではないこと、ガス代が安く高速に処理できることが挙げられる。 Ethereum ブロックチェーン(レイヤー1) ・分散性、セキュリティ確保のため、取引 承認に時間を要する、ガス代が高い課題 ・スマートコントラクトが実行可能 レイヤー1同様スマートコントラクトが実行できる ため、様々な処理が高速・低コストで可能 「Roll Up」(レイヤー2) 結果をレイヤー1へ圧縮して記録する。
  43. ブロックチェーンのレイヤー1、レイヤー2について 3 43 ▪「サイドチェーン」とレイヤー2の違い レイヤー1であるメインチェーンの負荷を分散させる技術として「サイドチェーン」もあるが、これはレイヤー2とは異なるものとなる。 レイヤー2は、結果をレイヤー1に書き込むため、その信頼性はメインチェーンに依存する。 一方サイドチェーンは、そもそも別のブロックチェーンを使い、別のブロックチェーンのコンセンサスはそのチェーン独自のものとなるため、 信頼性もメインチェーンとは独立したものとなる。 Ethereum(メインチェーン) ブロックチェーン

    サイドチェーン ブロックチェーン ①サイドチェーンのアドレ スに資金を送る(ロック) ②サイドチェーンで資 金をリリース(アン ロック) サイドチェーンに資金を 送る場合 ③サイドチェーンで資金を ロック ④メインチェーンで資金を リリース(アンロック) メインチェーンに資金を 戻す場合 サイド チェーンの 例 メインチェーンとは独立し たブロックチェーンなので、 この中での取引は、メイン チェーンとは関係ない。結 果をメインチェーンに書き 込むこともしない サイドチェーンで様々 な取引を実施 ブロックチェーン間の “ブリッジ” メインチェーンからサイドチェーンに資金を直接送ることは、サイドチェーンは別のブロックチェーンなのでできないため、「送った(ことにする)資金を 凍結(ロック)」し、もう一方で「凍結資金相当額をリリースする」ことで、送金したように見せることになる。 この2つのブロックチェーン間でのロック / アンロックの連動方法は、マイナーやバリデータが一緒に確認するなどのいろいろな方法が考えられている。 特に2つのチェーン間でコンセンサスアルゴリズムが PoW と PoS のように異なると、ブロック生成タイミングがズレるので難易度は上がる。 ※ サービス例:BTCをCOSMOSに持ってきて nBTC を発行する nomic ( https://nomic.io/ ) ※Roll Upは独立したブロックチェーン同士ではないので連携が行いやすい。独立したブロックチェーン同士でも互いに連携方法を仕組みとして組み込むと チェーン間連動の利便性は高くなる( Cosmos プロジェクトなど)
  44. 44 オラクルについて

  45. オラクルについて 1 45 ブロックチェーンがスマートコントラクトなどで外部の情報を利用して何らかの処理を行う場合、「外部情報をどう取得するか」は大きな課題となる が、この外部情報をブロックチェーンに伝える役割を「オラクル」という。 スマートコントラクト 「A社の株価が•月•日に1万 円を超えると処理を実行する」 ⇒課題: どうやってA社の株価が•月•

    日に1万円を超えたかの情報を 取得するか? オラクルの分類 ①中央集権型オラクル ・特定の企業などが API などを提供し、オフチェーン情報をブロックチェーンに伝える。 ・提供する中央集権組織を信頼する必要があり、ここが嘘の情報を流したり、 API がハッキングされるなどのリスクがある。 ②分散型オラクル ・分散型の仕組みにより、特定の誰かの信頼性に依存しないで、分散型のブロックチェーンの世界と、オフチェーンの世界を繋ぐことが可能 ・ブロックチェーン上で稼働し、独自トークンを発行、トークンを仕組みに組み込むことで、参加者に適切な情報提供を行わせるインセンティブを 設けるなど。 ・Chainlink、Pyth Network、API3などのサービスがある。 ブロックチェー ンと外の世界を 繋ぐ役割=オラ クル A社の•月•日 の株価情報 ブロックチェーン (オンチェーン)の世界 外(オフチェーン) の世界 価格、スポーツの結果 天気や気温、選挙結果 再生回数、など
  46. オラクルについて 2 46 ▪分散型オラクルの例:Chainlink ・現状幅広く使われているEthereumベースのオラクルサービスで、EthereumやPolkadotなど様々なブロックチェーンにサービスを提供展開。 ・暗号資産や金融商品の価格情報の提供、ゲームなどへの検証性のある乱数発生器の提供、天候や気温情報の提供などを行う。 ・独自トークン「LINK」を発行。 複数の信頼できる情報 提供元 仮想通貨価格であれば、

    BAINANCE、 Coinbase、UniSwap などの交換所が該当す る 外部データを取り 込む役割 情報提供元の提供するAPI等を 利用してデータ取得を行う ※有料データは購入 信頼できるデー タアグリゲー ターが選ばれる 価格情報を算出す る役割 信頼できるノード オペレーターが選 ばれ、各自が独自 の価格を算定する 価格中央値を算出 する役割 Oracle Network Aggregation 価格統合(アグ リゲーション) は、各価格を集 め「中央値」を 算出 ブロックチェーン に提供 ・参加にはトークン「LINK」を預け入れる必要、不適切な 価格提供を行うとペナルティとして没収 ・対価としてトークン「LINK」が付与される ・適切な価格提供を継続すると評価が高まり、よりトークンが 貰える ・Chainlinkのアピールポイントは、信頼できる参加者 を集めていること。 (サービスレベルアグリーメントなどの契約締結) ・“分散型”であるが、誰でも自由に参加できるわけで はない データ提供元に適切に利益配分していないと いう批判も このような価格形成プロセスを経るので、 刻々と変わるリアルタイム価格を提供するこ とは難しい 他のサービスでもオラクルの基本構造は、複 数のノードがそれぞれの価格を提出し、それ を統合(アグリゲート)して、1つの価格を 決める形となっているものが多い。
  47. オラクルについて 3 47 Chainlinkの画面例 ・ETHのドル価格を提供している部分 ・各ノードオペレーターが価格を算出し、その中央値が計算されていることがわかる 各ノードオペレーターがそれぞれの価格を算出 中央値が“価格”と して計算される https://data.chain.link/ethereum

    /mainnet/crypto-usd/eth-usd
  48. 48 ブロックチェーンの相互連携

  49. ブロックチェーンの相互連携 1 49 ▪ブロックチェーンはそれぞれ独立しているため、例えばBTCをEthereumのアドレス宛に直接送金することはできない。 そこで、ブロックチェーン間の連携方法(インターオペラビリティ、interoperability)として様々なものが考えられている。 ▪代表的なブロックチェーン間の連携方法 (1)元のコインとペグされたトークンを別ブロックチェーンで発行 ・BTCとペグされたトークンをEthereum上で発行する、WBTC(WrappedBTC)が例。 ・中央集権的なカストディアンを信頼する必要。分散型カストディアンも出てきている。 (2)サイドチェーンの利用

    ・中央集権的なカストディアンではなく、マイナーやバリデータが、一方のブロックチェーンでの資金ロックを確認し、もう一方の ブロックチェーンで資金を開放する仕組み。 (3)ブロックチェーンをそもそも連携可能な仕様で構築する ・Polkadot、COSMOSなどのプロジェクト ▪ (1)元のコインとペグされたトークンを別ブロックチェーンで発行:WBTCの例 ・Ethereum上でBTCと1:1にペグされたWBTCトークンを発行する。価値の紐づけが適切かはカストディアンに依存する。 ・WBTCは参加企業によるDAOで運営されており、カストディアンはBitGo社が担う。 https://wbtc.network/dashboard/partners ・仕組みは以下 BITCOIN ブロックチェーン Ethereum ブロックチェーン カストディアン ①BTCをEthereum上のWBTCに変換したいユーザは、カストディアンのアド レス宛にBTCを送金 ②カストディアンは、Ethereum上でWBTCをBTCと1:1の割合で発行し (ERC20規格のトークン)、ユーザのアドレスに送金 ③WBTCをBTCに戻したいユーザは、カストディアンのアドレス宛にWBTC を送金 ④カストディアンは、BTCをユーザのアドレスに送金 ① ② ③ ④ ブロックチェーン同士に連携機能はなく、カス トディアンの信頼性に依存する仕組み
  50. ブロックチェーンの相互連携 2 50 ▪ (1)元のコインとペグされたトークンを別ブロックチェーンで発行:RenBTCの例 ・ WBTCトークンと同じように、BTCをEthereum上で扱いたいというニーズで考え出されたトークン。 ・ WBTCは中央のカストディ企業の信頼性に依存する必要があるが、RenBTCはこの部分を分散化させたものとなる。 BITCOIN

    ブロックチェーン Ethereum ブロックチェーン ① ② ③ ④ RenVM(Virtual Machine)とい うプログラムがカストディアン ・BTC、RenBTCのカストディ用の秘密鍵はRenVM内に秘匿される。 ・DarkNodesの1/3の署名(BFTプロトコルの合意形成方式)があると、 RenVMが秘密鍵を 利用してBTC、RenBTCの送金を実施する仕組み。 ・参加には保証金として100,000 RENトークンを購入し預け入れる必要。 ・不適切な行動を行うと、保証金の没収。 ・多数のDarkNodesはシャードというグループにランダムにまとめられ、シャード単位で RenVMからのリスクエストに対し検証と署名を行う。 ・報酬として、BTC、ETHなどが貰える。 DarkNodesという維持管理作業 の参加ユーザ ① ユーザがBTCをRenBTCに交換したいとリスクエストすると、RenVMはBTCアド レスを生成してユーザに通知する。ユーザはそこにBTCを送金。 ② RenVMはBTCの入金を確認(裏ではDarkNodesの承認)すると、Ethereum上の ユーザアドレスにRenBTCを送る。 ③、④ RenBTCをBTCにする手順も同様 ※Renは以下のブロックチェーン間のブリッジが 可能となっている。 BTC、Ethereum、Polkadot Solana、Avalanche カストディアン
  51. ブロックチェーンの相互連携 3 51 ▪ (1)元のコインとペグされたトークンを別ブロックチェーンで発行:Interlay (InterBTC)の例 ・PolkadotのInterlay(テストネットKUSAMAではKintsugiという名称)プロジェクトでのInterBTCの例(2022/6時点ではテスト段階) ・独立した別チェーンに通貨(トークン)を送るには、カストディアンの役割はWBTCではBitGoという企業、RenBTCではRenVMというアプリが 担っているが、カストディアンの役割を一般ユーザにしてしまおうというおもしろい取り組みがInterBTCとなる。 ・BTCを、1:1でPolkadot(およびKUSAMA)上でのInterBTCに変換するサービス。

    【仕組み概要】 ① 一般ユーザがカストディアンになるには保証金として担保のDOTをInterlayに預け入れするだけ(預入可能な適格担保は決まっている) ※預入れた担保に応じて、カストディアンとして受け入れられるBTCの量が決まる。(150%などの超過担保が求められる) ※カストディアンとなる一般ユーザを「Vault」(BTC金庫)と呼ぶ。交換手数料が収益となる。 ② BTCをInterBTCに交換したいユーザは、自分で選択した(もしくは任意の)Vaultを選び、BTCを送ると、Polkadot(もしくはKUSAMA)上で InterBTCが発行される。(逆にInterBTCをBTCにしたい場合は、 Vault からユーザにBTCが送られる) ③ Vaultは一般ユーザが管理するBTCに過ぎないので、BTCの持ち逃げリスクがあるが、 Interlayのネットワークが常にVaultのBTCアドレスを 監視しており、不正があると、預入担保が処分されるため、不正を行わないインセンティブとなる。 BITCOIN ブロックチェーン Polkadotブロックチェーン Interlay ①保証金(担保)預け入れ (DOT) Vaultを選んで ②BTCを送金 ③InterBTCを送金 Vault役の一般ユーザX Vault役の一般ユーザY Vault役の一般ユーザZ 送金ユーザA 送金ユーザA VaultのBTCが不正送金され ると、保証金(担保)が処 分される 多数のVaultに分散されてBTCが保有され るためカストディアンのリスク分散になる BTC対比で担保が暴落 すると、保証金価値< 預かりBTCとなり、多 くのVaultが持ち逃げす るリスクが考えられる (超過担保でどこまで カバーできるか?)
  52. ブロックチェーンの相互連携 4 52 ▪ (2)サイドチェーンの利用 2つのチェーン間にカストディアンが入る形ではなく、ブロックチェーンのブロックに、別チェーンに移転したとして取り扱うコインの ロック/アンロック情報を書き込む仕組みとなる。 Ethereumブロックチェーン サイドチェーン ブロックチェーン

    ①サイドチェーン向けの特 殊なアドレスに資金を送る (ロック) ②資金をリリース(ア ンロック) サイドチェーンに資金を 送る場合 ③メインチェーン向けの特殊なアド レスに資金を送る(ロック) ④資金をリリース(アン ロック) メインチェーンに資金を 戻す場合 サイドチェーンの例 メインチェーンからサイドチェーンに資金を直接送ることは、別のブロックチェーンなのでできないため、「送った資金を凍結(ロック)」し、 もう一方で「凍結資金相当額をリリースする」ことで、送金したように見せることになる。 この2つのブロックチェーン間でのロック / アンロックの連動をするときに、2つのチェーン間でコンセンサスアルゴリズムが PoW と PoS のように 異なると、ブロック生成タイミングがズレるので、確認のために数ブロック生成されるまで待機するなど必要となり、時間を要する点が課題。 サイドチェーンで様々 な取引を実施
  53. ブロックチェーンの相互連携 5 53 ▪(3)ブロックチェーンをそもそも連携可能な仕様で構築する:Polkadot、COSMOSなどのプロジェクト 後から独立したブロックチェーン間の相互連携を行うのではなく、最初から各ブロックチェーンが相互連携できる仕組みを作ろうというもの。 代表的なプロジェクトとしてPolkadotとCOSMOSがある。 ▪Polkadot ・EthereumのChief technology officer、Co-founderであったGavin

    WoodがFounder。 ・Web3 Foundation(https://polkadot.network/)により運営。 ・2020年からブロックチェーンの稼働開始。 ・Polkadotのネイティブトークン(プロジェクトガバナンスに利用)は「DOT」。 ・開発言語はEthereumのSolidityのように、Substrateと呼ばれるブロックチェーン構築ツールが用意されている。 ・トークン(通貨)に加え、データも送り合える。 ・Polkadotのメインチェーンは「リレーチェーン」と呼ばれる。 ・ 「リレーチェーン」の役割は、パラチェーンのブロックを検証し セキュリティを提供すること、チェーン間の連携に特化し、 スマートコントラクトの実行等の一般取引は行わない。 ・ネーティブトークンは「DOT」 ・コンセンサスアルゴリズムは「NPOS」 ・「リレーチェーン」につながっている各ブロックチェーンは 「パラチェーン」と呼ばれる。 ・パラチェーンは、ブロック生成だけ行い、その検証は中央のリレーチェーン が行う。そのため各リレーチェーンは、自らバリデータを集めることなどの 手間が不要となり、サービス提供に注力できる。(セキュリティの集約化) ・Substrateで開発された各パラチェーン間ではデータ連携や、別のチェーン のスマートコントラクトを別のチェーンで実行なども可能になる。 ・各ブロックチェーンはそれぞれトークンを発行可能。 ・それぞれのプロジェクトはスマートコントラクトや Defi、IoT などの機能を 提供しており、Polkadot エコシステム全体として多様なサービスが利用でき るようになっている。 ・パラチェーンとして接続するプロジェクトは、オークションに参加し、 接続する地位を確保する必要がある。 ・接続プロジェクト一覧 https://parachains.info/#projects 日本の渡辺創太氏の ASTER Network 「リレーチェーン」 「パラチェーン」 「パラチェーン」 「パラチェーン」 「パラチェーン」 「パラチェーン」
  54. ブロックチェーンの相互連携 6 54 ▪Polkadotのテストネット「Kusama」 ・Polkadotのテストネット「Kusama」は、他のテストネットと異なり、小規模なPolkadotとして本運用されている。 ・Kusamaは、Polkadotの(炭鉱の)カナリアとしての役割や、新しい試みを素早く実施してみる場としての位置付け。 ・ネーティブトークンはKSMで、値段がついており取引可能。 ・Polkadot同様、パラチェーンとして繋がるためにはオークションに参加する必要。 暗号資産の時価総額では、Polkadot11位、Kusama75位(2022/6時点) https://coinmarketcap.com/ja/

    日本のソラミツ(武宮 誠)のSORAプロジェクトもパラチェーンとし て接続。 Polkadot Runtime Environment in C++の開発、Hyperledger Irohaと の接続を実施 Polkadotのテストネット 「KUSAMA」 中身はPoladotと同じで、ネーティ ブトークンは「KSM」 ASTERのKUSAMA版 「リレーチェーン」 「パラチェーン」 「パラチェーン」 「パラチェーン」 「パラチェーン」 「パラチェーン」
  55. ブロックチェーンの相互連携 7 55 ▪Polkadotの仕組み:コンセンサスアルゴリズム「NPoS、Nominated Proof-of-Stake」 ・一般的なPoSとの違いは、コインの預入量が単純に多いValidatorの力が強くならないように、Validatorの信頼性を評価するNominatorという役割を 設け、 ValidatorとNominatorの総預入コインの量で Validatorが検証作業に選ばれる確率を高める仕組みとしている点。 ・パラチェーンのブロック検証は、リレーチェーンのValidatorが行う。

    「リレーチェーン」 「パラチェーン」 「Validator」 ・通常のPOSでのバリデータと同じ役割で、リレー チェーンの検証、ブロック生成を行う。 ・パラチェーンのブロック検証も行う点が特徴。 パラチェーンのブロック情報は圧縮して リレーチェーンに記録される。 ・DOTを預入(ステーキング)し参加、DOTで 報酬を受ける。 ・偏らないようにDOTの預入量を加味して ランダムに候補者から選ばれる。 「Collator」 ・各パラチェーンで、パラチェーン上での取引をブロックに入れて Validatorに送る役割。 ・ブロックが正しいかの検証は行わない。 ・リレーチェーンからファイナライズしたブロック情報が返ってくる と、それをパラチェーンに追加する。 ・DOTを預入(ステーキング)し参加、DOTで報酬を受ける。 ・各パラチェーンとリレーチェーンの情報授受、各パラチェーン間の 処理順番は単純に先頭から順番に処理していく形式。 「Nominator」 ・信頼できるバリデータを選択する役割。 ・DOTを預入して参加、DOTで報酬を受ける。 「Fishermen」 ・ネットワークを監視し、不正を見つける。 ・不正をしたValidatorは預入したDOTが没収され、 Fishermenに支払われる。 ・Collator(Parachain full node)が参加資格を持つ。 信頼できるバリデータを選び(DOTの委任) POS作業を任せる 「今回のブロック検 証・生成チーム」 Nominatorの委任した預入コイン 量も加味して選抜 「パラチェーン」 「パラチェーン」 「パラチェーン」 「パラチェーン」
  56. ブロックチェーンの相互連携 8 56 ▪Polkadotの仕組み:パラチェーンプロジェクトのオークションでの選定 ・Polkadotでは自由に各プロジェクトがパラチェーンとして接続できるわけではなく、接続できるパラチェーンの数は100(将来増加予定)となっ ており、パラチェーンオークションで落札しないといけない。さらに1回の落札での接続期間もある。 (パラチェーンオークションはテストネットKUSAMAでも実施) ・オークション時は一般ユーザも良いと思うプロジェクトに投票でき、各プロジェクトもユーザを集めるためいろいろな特典などを投票者に払う。 ※投票はDOTで実施、ロックされるだけなので後で戻ってくる。 ・2022/6時点で、Polkadotで19、KUSAMAで31のパラチェーンが繋がっている。

    https://parachains.info/#projects 各パラチェーンの提供するサービス内容などが確認できる
  57. ブロックチェーンの相互連携 9 57 ▪COSMOS(COSMOS-HUB) ・COSMOSは複数のブロックチェーンの相互連携基盤でPolkadotと並んで紹介されることが多いプロジェクト。 ・COSMOSは独立したブロックチェーンが、中心のハブ経由で接続した形を取る。 ・ブロック検証・生成コンセンサスは各チェーンで実施(⇔Polkadotは中心チェーンが各チェーンの分も担う) ・COSMOSの実態は、ブロックチェーンを連携するための通信規格IBC(Inter-Blockchain Communication protocol)を利用しているチェーンが

    中心のハブを介して接続し合っている構造そのものとなる。この中心のハブの名称が”COSMOS-HUB“のため、COSMOSと呼ばれている。 同じIBC規格で接続する「ハブ-接続チェーン」を別に作ることもできる(Binance Chainが例)。 ・COSMOS-HUBは2019年から稼働開始、接続チェーン数は2022年6月で265を超える。 ・COSMOS-HUBのネーティブトークンは「ATOM」 ・The Cosmos Hub Roadmap2.0に沿った開発が順調に進んでおり、意欲的にプロジェクトが進められている。 「COSMOS HUB」 ・接続する各独立したブロックチェーンは「 Zone 」と呼ばれる ・各接続ブロックチェーンは「 CosmosSDK 」というCOSMOS規格に準拠した ブロックチェーン開発ツールで作成可能 このツールで開発すると、他のブロックチェーンと連携するための通信規格 IBC ( Inter-Blockchain Communication protocol ) が適用される。 また、ブロックチェーンの基礎部分の仕様は Tendermint と呼ばれ、アプリケーション層は その上に自由に構築できる。 接続ブロックチェーン 接続ブロックチェーン 接続ブロックチェーン 接続ブロックチェーン 接続ブロックチェーン 接続ブロックチェーン 連携の通信規格がIBC (Inter-Blockchain Communication protocol) ブロックチェーンの 基礎部分仕様 Tendermint アプリケーション層 ABCI(Application Blockchain Interface) で連携 接続ブロックチェーン コンセンサスアルゴリズムはPoS+BFT ※独立したチェーンの連携のため、ファイナリティに時間が かかったり確定しないタイプだと、チェーン間の連携時に整 合性が取れなくなるため、PoS+BFTで1ブロック生成毎に ファイナリティが得られるようにしている。 CosmosSDKを用いると、下部分はできているのでアプリ ケーション層の開発に注力できる。
  58. ブロックチェーンの相互連携 10 58 ▪COSMOS(COSMOS-HUB)での各チェーン連携 接続ブロックチェーンA 接続ブロックチェーンB トークンA (Wrapped トークンBの ような名前)

    トークンB COSMOS でも、ブロックチェーン B の「トークン B 」を、ブロックチェーン A に送る場合、 ブロックチェーン A とブロックチェーン B は別チェーンなので直接送ることはできない。 他の仕組み同様、ブロックチェーン B の「トークン B 」をブロックチェーン A の「トークン A 」 ( Wrapped トークン B のような名前にして )を渡すことで代替することになる。 COSMOS のチェーン間連携は、このトークン B をトークン A にして送る連携が、規格が同じなので 行いやすい点にある。( IBC 通信ができる = COSMOS 上のトークンが楽に交換可能ということ。 一般的には、中間にカストディを置くなどして送ったことにする。) チェーン B のトークン B を、チェーン A でトークン A にして届ける例 ①チェーン B 上で送るトークン B を ロックして、チェーン B のブロックに 書き込み、そのロック情報をチェーン A に送る 接続ブロックチェーン B ②チェーン A は、チェーン B から受 け取ったロック情報を検証し、正しけ れば、チェーン A 上でトークン A を 宛先に送付する 接続ブロックチェーン A IBC通信規格で 連携、受け取り 側も同じ規格な ので検証が容易 ・ COSMOS 上には大量の接続ブロックチェーンがあり、共通の ATOM トークンはあるが、それぞれのチェーンが独自トークンを持っている。 ・これらの各チェーンの独自トークンを交換する COSMOS 上の DEX として、 ESPM というフロントランニングなどに対応力の高い価格モデルを利用した Gravity DEX( Emeris )、や AMM( Automated Market Maker )型の OSMOSIS DEX などのサービスが出てきている。
  59. ブロックチェーンの相互連携 11 59 ▪COSMOS(COSMOS-HUB)での、COSMOS外のチェーンとの連携 COSMOSは外部のEthereum、Bitconとの連携(Bridge)開発も進めいている。 (1)COSMOSとEthereumを連携するGravity Bridge(https://gravitybridge.persona.co/) ・COSMOSと外部のEthereum(ERC20トークン)の交換を行う仕組み ・カストディを間に置くのではなく、両チェーン上でのトークンのロック /

    アンロックを、バリデータの検証・投票で行う仕組み。 ・Gravity Bridgeのバリデータは、ユーザの送金指示を検証、投票する。バリデータの2/3の署名が集まると 各モジュールでトークンのロック/アンロックが実行される。 ・Gravity Bridgeのバリデータは、Ethereumチェーン上のGravity Bridgeコントラクトの送金指示も監視する 必要があるため、負荷は高い。 ・バリデータは送金手数料を得る。 Gravityモジュール Gravityコントラクト GravityBridgeバリ データ ユーザ ユーザ トークンはGravity Bridgeモジュール内 でロック/アンロック される トークンはGravity Bridgeコントラクト 内でロック/アンロッ クされる (2)COSMOSとBitcoinを連携するnomic (https://nomic.io/) ・COSMOSがSidechainとしてBitcoinとの交換を行う仕組み。 ・仕組みとしては、Gravity Bridge同様、カストディを間に置くのではなく、両チェーン上でのトークンのロック / アンロックを、 バリデータの検証・投票で行う仕組み。 ・Bitcoin にはスマートコントラクトがないが、マルチシグ署名を利用し、バリデータの 2/3 が Bitcoin 送金取引に署名することで 仕組みを実現している。 ・Bitcoin のコンセンサスアルゴリズムは PoW で、COSMOS の即時ファイナリティと異なるため、Bitcoin 取引が十分なファイナリティを 得るまで資金がロックされるので送金完了まで時間がかかる。
  60. ブロックチェーンの相互連携 12 60 ▪COSMOS(COSMOS-HUB)とPolkadotの違い 両者とも複数のブロックチェーンを連携する基盤であるが、以下の違いがある。 ・接続ブロックチェーンの合意形成方法 Polkadotは中央のリレーチェーンが、そこに繋がるパラチェーンのブロック検証をまとめて行うため、中央の親ブロックチェーンと その他の子供ブロックチェーンという構造をしている。(中央が止まると子チェーンも全部止まる) 一方のCOSMOSは、共通の通信基盤IBCで連携した独立したブロックチェーンが、ハブを介して連携している形をとるため、各ブロックチェーン は並列的な位置付けとなる。(中央のハブが止まっても接続チェーンは動き続けることが可能)

    また、COSMOSは、独立したブロックチェーンの連携となるため、コンセンサスアルゴリズムに時間を要すると、ブロックチェーン間の連携で 巻き戻しが生じ、全体の整合性が取れなくなる恐れがあるため、1ブロック生成ごとにファイナリティが得られるようPoS(proof-of-stake) に確定的ファイナリティが得られるByzantine Fault Tolerance (BFT)を組み合わせたコンセンサスアルゴリズムとなっている。 (PolkadotはPoS) ・ Polkadotは中央のリレーチェーンが合意形成(コンセンサス)を行うので、接続するチェーンは、自分らのチェーンの合意形成を行ってくれる バリデータを集める必要がなく、チェーンの維持管理以外のサービス開発に注力できる。(セキュリティの提供) 一方のCOSMOSは、独立した各チェーンは、自分のチェーン管理のためのバリデータを集める必要があり、サービス開発以外のチェーンの 維持管理負荷がかかってくる。この点、COSMOSもPolkadotのように、別チェーンのセキュリティを借りバリデータを集める手間を省ける Interchain Security を開発している。 ・CosmosとPolkadotはテストネットで接続に成功していること、他チェーンとの接続技術は成長していくことが見込まれており、 どちらの基盤が良いというよりも、ブロックチェーン上の良いサービスがあれば適宜使い分けていくという形になっていくと思われる。
  61. 61 様々なブロックチェーンやサービス例

  62. 様々なブロックチェーンやサービス例 1 Solana① 62 ▪Solana https://solana.com/ja ・2020年にローンチしたブロックチェーン。 ・ネーティブトークンは「SOL」。 ・スイスのSolanaFoundationにより運営。 ・Solanaは、Ethereumなどと比較し、格段に大量の取引を短時間で処理できることが大きなポイント。

    ・外部のブロックチェーンとの連携の仕組みの提供、スマートコントラクトの実行、EthereumのERC20トークンのようなトークン発行規格SPL (Solana Program Library)による共通仕様でのFT、NFT発行など、Ethereumと競合する機能を持っている。 ・サービスも、Defi、Lending、NFTと幅広く展開(https://solana.com/ja/ecosystem) ・創業者がQualcomm出身もあり、Solanaの暗号資産ウォレットを持つスマートフォンの発売を発表するなどユーザ層の拡大にも取り組む (https://solanamobile.com/ja) ▪Solanaの仕組み ・大量の取引を高速に処理するため、一般的なブロックチェーンの合意形成とは大きく異なる非同期での合意形成を行っている。そのため、 バリデータには非常に高いマシンスペックと通信環境が求められ、非同期による検証のため全データを適切にバリデータに届ける必要がある。 バリデータ数は2022年6月で1700ほど。この点は中央集権的ではないという批判も。 ・合意形成はPoS(+TowerBFTでの非同期ファイナリティ) ・ブロックの検証作業を非同期で効率化するため、PoH(Proof Of History)という、取引の前後関係(生成順番)が非同期で確認できる 仕組みを持っている。 ・秒間5万件の取引処理、ブロック生成間隔(ブロックタイム)は0.4秒程度とされている。 ・非常に低い手数料(2022年6月では平均ガス代は$0.00025と格安)。 ・Solonaは2022年12月にネットワークがダウンするなど、複数回の障害が生じており、バリデータが非同期かつ求められる要求水準が高いこと もあり、復旧に長時間を要した。これを受け、運営は優先手数料制度の導入なども検討するとしている。 ・大量高速取引のため、意欲的に他のブロックチェーンと大幅に異なるコンセンサスアルゴリズムを持っているため、今後の継続的な開発による 発展が期待されている。
  63. 様々なブロックチェーンやサービス例 2 Solana② 63 ▪SolanaのPoH(Proof Of History) ・PoHは共通の時計をバリデータが持つ仕組みという説明がされるよう、どの取引がどの時間帯で行われたか順番を示す仕組みになっている。 ・この仕組みを見ることで、バリデータは、ブロックに入っている取引が適切な順番のものかを素早く確認可能となる。 Proof

    Of Historyとは、左のように、一定の時間毎に、どの時間帯でどの取引が行わ れたかが分かるハッシュ関数結果の履歴一覧。 前のハッシュ関数結果が、次のハッシュ関数のInputとなる連鎖構造を持っているため、 途中のInputのデータを改ざんすると、以降のハッシュ関数結果が一致しなくなるため 改ざんができない。 取引が実施されないと、単にその時間を示すカウンターと前のハッシュ関数結果が Inputとなるが、その時間帯に取引が行われると、その取引も含めてInputとなるため、 ある取引がどの時間帯(カウンター)に含まれているかが分かることになる。 バリデータは検証時、ある時間帯(カウンター)にある取引が行われたかを確認する には、①その時間帯のカウンター、②その前の時間帯のハッシュ結果、③ある取引、 をハッシュ関数に入れて、 Proof Of Historyのハッシュ関数結果と一致するかを確認す ればいいことになる。 ⇒ 一般的なブロックチェーンのバリデータは検証時、どの取引がどの順番で行われたか を他のバリデータと同期を取りながら確認していく必要があるが、 Proof Of Historyが あればバリデータが非同期でこれを確認可能となる。 Proof Of Historyを見て、バリデータは、自分の確認する時間帯のブロックに入ってい る取引が本当にそこに入る順番なのかを独立して確認できるため、時間帯毎に別々に 並列して検証作業を進めることができ、大幅な検証時間の短縮になる。 ・カウンター:一定の時間間隔ごとにカウンターが進んでいく。時間帯を示す。 ・取引:実施された取引(実際にはそのハッシュ値)、取引がなかった時間帯は 空欄となる。 ・Input:ハッシュ関数に入力するインデータ。取引が行われるとその取引も インデータとなる。1つ前のハッシュ結果もインデータとすることで、 連鎖構造を持たせている。 ・ハッシュ関数結果: ハッシュ関数(SHA256)にInputを入れた結果
  64. 様々なブロックチェーンやサービス例 3 Solana③ 64 ▪SolanaのPoH(Proof Of History)続き PoHを利用したコンセンサスは以下のようになり時間短縮が可能(ポイントだけ伝わるように大幅に意訳しています)。 一定の間隔で時間が「SLOT」という時間帯に分割され、 各SLOTでブロック生成を行うLeaderがランダムに選ばれる。

    ※Solanaのバリデータは、ブロック生成を行うLeaderと 検証作業を行うValidatorに分かれる。 SLOT1 ブロック SLOT2 ブロック SLOT3 ブロック SLOT4 ブロック SLOT5 ブロック SLOT2のValidatorはブロックに入っている 取引(取引1~4)が正しいかProof Of Historyで確認、各取引内容の検証を実施 Validator による検証 SLOT2 ブロック Validator による検証 Validator による検証 Validator による検証 Validator による検証 この作業は、前のブロックが確定したかに関わら ず、SLOT毎のブロックがLeaderで作成され次第 並列して作業可能=時間短縮になる ブロック生成 作業 ブロック検証作業
  65. 様々なブロックチェーンやサービス例 4 Avalanche ① 65 ▪Avalanche https://www.avax.network/ ・2020年9月に稼働開始した、Ethereumのようにスマートコントラクトを提供し、NFTなど多様なサービスを実現可能で、COSMOSのように ブロックチェーンを容易に作成でき、さらに1秒あたり4,500トランザクションが実行可能、ガス代も安いという総合的なプラットフォーム。 ・ネーティブトークンは「AVAX」

    ・Ava Labsにより運営 ・FounderでCEOのEmin Gün Sirerはコーネル大学の教授であったりと非常に高い暗号資産の技術知見を持つメンバーで開発されている点が特徴。 ・EthereumのEVMと互換性がありEthereumのサービスが最小限の調整でAvalanche上でも提供可能。 ・EthereumERC20との交換(ブリッジ)に加え、BTCとの交換(ブリッジ)も対応していく予定。 ・NFTを活用したゲーム基盤としても利用されている。 ▪Avalancheの仕組み • ネーティブトークンAVAX AVAXの最大上限供給量は7億2千万枚。 手数料として利用されるAVAXはすべて焼却(バーン)されるため、ステーキング報酬付与よりバーンが多いと、流通量は減少していく。 そのためコミュニティの投票で将来は最大上限供給量の範囲内で追加発行し市中供給量を増やすこともできるとされている。 • 3つのブロックチェーンから構成されている点が大きな特徴。 用途に応じて以下3つのチェーンが提供されており、すべての用途を1つのチェーンで実現する難しさを異なるアプローチで解決している。 ※各チェーン別々に合意形成、Avalancheとしてバリデータがいて、その中でどのチェーンをバリデートするか各自が決める。 ①Contract Chain(C-Chain) ・スマートコントラクトを実行する用途、EthereumEVMとの互換性がある。 ・PoS(高速化の独自SnowManコンセンサス)で合意形成。 ②Platform Chain(P-Chain) ・ここでCOSMOSのように各アプリが独自ブロックチェーン「サブネット」を作れる。 ・PoS(高速化の独自SnowManコンセンサス)で合意形成。 ③Exchange Chain(X-Chain) ・ペイメント、交換を高速で実施する用途。 ・実はここだけはブロックチェーンではなく高速処理のためDAG(Directed Acyclic Graph、有向非巡回グラフ)を採用している。 (DAGはIOTA https://www.iota.org/ でも使われている)
  66. 様々なブロックチェーンやサービス例 5 Avalanche ② 66 ▪Avalancheの仕組み • C-Chain、P-ChainのPoS(SnowManコンセンサス) AvalancheのPoSは高速化のため独自のSnowManコンセンサスという仕組みとなっている。 バリデーター

    バリデータから次のブ ロックを追加するための チームが選ばれる ブロック作成役 ブロック検証役 ブロック検証役 ブロック作成 ブロック検証 ブロック検証 選ばれたバリデータ で、ブロック作成と 検証が行われる。 バリデータには報酬 が支払われる。 問題が無ければ追加ブロック をブロードキャストし、ブ ロックチェーンに追加される 一般的なPoSの例 一般的なPoSでは、バリデータの中からブロック作成チーム を選び、そこでブロック作成・検証を行うが、この「チーム 生成」方式はバリデータ数が増えると、処理時間が急激に上 昇する課題がある。 そこでAvalancheは処理高速化を行うため「代表を選び」と いうプロセスを無くし、参加バリデータ皆が検証作業を行い、 ランダムサンプリングでバリデータの意見集約を行うことと した。 これによりバリデータの分散性を維持したまま、2秒程度で 取引確定できるようになった。 選抜チームではなく、バ リデーターが直接検証結 果を意見表示するように した 〇 〇 × 〇 〇 ? 全バリデータの意見表示を集めると時間がかかるの で、統計的に有意なランダムサンプリングを行い、 そのバリデータ達の意見表示結果を全員の「結論」 とすることにした。 ※最初は意見が「?」のままの人が多いので、 最初に小規模サンプル結果の「〇」「×」の割 合を見せることで、“みんなの意見を踏まえた判 断”ができるようになりさらに高速化を実現 〇 〇 全バリデータの意見を集計するのではなく、統計的に全体の意見 を代表するとみなせる数のバリデータの意見だけをランダムに選 ぶので、バリデータ数が増えても処理速度が落ちない。また、ラ ンダムに選ぶので、悪意のある意見表示をするバリデータがいて も、サンプリングに含まれるとは限らないので、攻撃にも強い特 性が出る。 また、バリデータは単に意見表示するだけなので高いマシンス ペックが要求されない点も分散化の点でよいとされている。 この選抜チームでの検証 に時間がかかる Avalancheでの変更点
  67. 様々なブロックチェーンやサービス例 6 Avalanche ③ 67 ▪Avalancheの仕組み • Exchange Chain(X-Chain)で採用されているDAG(Directed Acyclic

    Graph、有向非巡回グラフ)とは何か? AvalancheのX-Chainは高速処理のため基盤にブロックチェーンではなくDAGを利用している。 ブロックチェーン ・ブロックチェーンは複数のトランザクションをまとめて 1つのブロックに入れて記録する。 ・ブロックチェーンはブロック生成による処理の順番が明確 となる ・処理順番が明確であるためスマートコントラクト等が実行 可能 ・マイナー、バリデータはフルノードとして全量データを 基にして、検証を実施する(手数料、ガス代が必要) DAG DAGの基本的な仕組み ・1つ1つの箱はトランザクションを意味する。 ・矢印は一方通行(非循環)の因果関係を示す。 ・DAGに書き込みを行う人は、取引を実行する人となり、その人が自分の秘密鍵で 署名する。このため検証者は不要で、そのため手数料も発生しない。(並列処理が可能) ・ある取引が正しいかは、その取引に辿りつく矢印を全て辿ることで検証可能。 過去にたくさんの矢印がある取引があれば、それは信頼できるとして、矢印の数が多いほど 信用があると見なせる。 ・分岐が多数発生し順番が不明確になるため、送金はできるが、スマートコントラクトは実行 できない。 G +10 H +5 F +20 -5 -5 E +15 -5 A +20 -5 -10 B +30 -5 -10 C +10 -10 右のように、BitcoinのUTXOのように出金が一方通行で記録されていくイメージ。 検証を行うタイミングは、次のトランザクションが追加されるときで、そのトランザクションにつながる 手前の矢印のトランザクションが検証される(検証は後ろ向きに実施していく)。 右の例では、Gが追加されるときに、Gにつながる1つ前のE、F、そしてE、FにつながるA、B、Cが検証さ れる。(どこまで前まで見るかは設定次第) 原始的なDAGだと検証がなく、取引実行者が書き込むことになるので、これをインフラに利用する場合は、 取引記録は取引実行者ではなく運営側が行う、事前に取引の中身の検証を行う、手前いくつまでかの矢印を 検証する(矢印の多さで信用のウェイトをつけるなど)、全体としての検証を行う、など仕組みを修正して いる場合が多い。 IOTAでは2つ前までの取引の検証や、コーディネーターという全体検証を行う役割を追加している。 Avalancheでは、バリデータが取引記録を実施、過去の履歴(矢印)の信頼度を可視化し、分岐(2重払 い)発生時は手前までの矢印が多いほうを採用するルールを入れるなどしている。 D +5
  68. ▪Polygon ・Polygonは、MATICという名前のプロジェクトが2021年に名称変更したもの。 ・ネーティブトークンは旧名の「MATIC」のままとなっている。 ・2020/6からメインネットは稼働 ・1つのブロックチェーンプロジェクトというよりも、Ethereumのスケーラビリティ課題の解決のためのプロジェクト群であり、あくまで Ethereumのコミュニティーとして様々なサービスを作れる環境を提供している。(Ethereumからのサービスの移植も容易) ・メインネットは存在するが、それとは別にEthereum互換のレイヤー2(セカンドレイヤー)をいろいろな仕組みで構築できサービスを提供可能。 ▪メインネットは「PolygonPoS」 ・コンセンサスはPoS ・ブリッジでEthereumから資産移転が可能

    ・EVMが動くためEthereumのアプリ、スマートコントラクトが実行可能 ▪様々なEthereum互換のレイヤー2(セカンドレイヤー)を開発可能な環境Polygon SDKを提供 ・Roll Upでは「Optimistic Roll Up」、「zk Roll Up」、サイドチェーンも作れる。チェックポイントとして、タイミング毎にEthereumに記録を アンカー保存し、Ethereumのセキュリティを利用している。 ・以下のような4層のレイヤーがあり、サービス開発者は必要なレイヤーを組み合わせてサービス開発が可能 68 ① Ethereumレイヤー ② Securityレイヤー ③ Polygon Networkレイヤー ④ Executionレイヤー トランザクション実行、Ethereum との連携、ファイナリティ バリデータはPolygon上のいろいろなチェーン を検証可能、チェーン間でSecurityを借りるこ とも可能 各チェーン間の連携 EVMでスマートコントラクト実行 例えば、サイドチェーンを使い、スマートコントラクトを実行するが、自分でバ リデータを集めるのは手間がかかるので避けたいというサービスを作りたい場合、 ②のSecurityレイヤーで他のチェーンのバリデータのSecurityを借り、④の Executionレイヤーと組み合わせてサービスを開発することなどが可能。 ※Polygonのバリデータが各チェーンのバリデートをしてくれるものを 「Commit Chain」と呼んでいる。 ※全レイヤーを使う必要はなく必要なもの だけ組み合わせてサービスを作れる 様々なブロックチェーンやサービス例 7 Polygon
  69. 69 Ethereumのロードマップ

  70. Ethereumのロードマップ 1 70 ▪Ethereumの進化については、当初計画されていた計画が変更され、「 The Marge 」(2020年予定)といわれる現行 Ethereum のコンセンサスアルゴリズムを PoW

    から PoS へ移行することが先に行われることとなった。 背景には、 PoW のエネルギー消費への批判への対応、Roll Up というレイヤー2の発展により レイヤー1上での取引処理量の改善を急ぐ必要が下がった点などがある。 ▪(参考)当初の目指していた最終的な姿 当初は以下のように Beacon Chain をコアとして、そこに子供ブロックチェーンの Shard Chain がぶら下がる形を予定していた。Shard Chain 1つ1つが 従来の Ethereum のようなもので、ここでユーザの取引、スマートコントラクトを記録・実行する( 64 個もあるので大量に取引が捌ける )、 そしてそれを取りまとめる形で Beacon Chain が存在する予定であった。 Ethereum1 ・PoWでブロッ ク生成 ・ブロックチェー ンはメインチェー ンのみ 【Consensus Layer】 メインチェーンである Beacon Chain 【Execution Layer 】 64個のShard Chain 利用者の取引、 スマートコントラクト ・Beacon Chainは、利用者の取引やスマートコン トラクトは実行しないで、各Shard Chain の状態を 一定間隔で記録していくことに特化する役割。 ・各Shard Chainの状態がBeacon Chainのブロック に書き込まれること= Ethereumでの処理確定 (ファイナリティ)となる。 バリデーター ・利用者の取引やスマートコントラクトは64個のShard Chainという ブロックチェーンのいずれかに記録、ここで実行されるため、1つの チェーンのときよりも負荷が分散され、多くの取引に対応可能。 ・スマートコントラクト環境は今のEVMから変更され、ブラウザでの 稼働や、様々な言語で開発可能になるなど。 ③Shard Chainのブロック生成・検証は、 バリデータチームがPoSで実施する。 ※不正をしたバリデータにはSlashingとい う罰(預け入れETHの没収)が与えられる。 ・バリデータのPoSへの 参加資格は、ETHを Stake(預け入れ、最低 32ETH)することとなる。 ・参加すると言って、 実際に参加しないでオフ ラインが多いとペナル ティがある。 ④バリデータの2/3が承認す るとBeacon Chainに各 Shard Chainの状態が記録さ れファイナリティとなる。 現行EthereumのデータはShard Chainの1つに移行される チーム生成 (committee) ②ランダムに選ばれ、各 チームそれぞれが64個 の各Shard Chainのブ ロックの生成・検証を担 当する(入れ替え制) PoS ①バリデータを選びチーム(コ ミッティ)を生成し、Shard Chainで新規ブロックを作る指示 【予定されていた姿】 【POSでの記録】
  71. Ethereumのロードマップ 2 71 当初計画 ▪計画の変更 “The Marge”へと計画を変更することで、前倒しで PoS への移行とスケーラビリティ(レイヤー2活用)の達成を行うこととした。 Beacon

    Chainの稼働(2020/12稼働済み) ※とりあえず独立して稼働させてPoSが動くか検証 64個のShard Chainの導入 ※まだ導入だけで取引やスマートコントラクトは 未稼働 従来のEthereum1(PoW)を統合して廃止、 これによりBeacon Chain+Shard Chain+PoSが完成 ※ここでやっとPoSへの完全移行と、Shard Chainを 活用したスケーラビリティを実現 ここまで従来の Ethereum1を使う計画 変更計画(“The Marge”)2020年半ば~ The Marge後 Dankshardingの導入に向けた議論 当初の64個のShardChainを設ける形ではなく RollUpの仕組みを前提とした仕組みの発展 従来のEthereum1+Beacon ChainでPoSへ移行 ※64個のShard Chainではなく、1個の Ethereum1チェーンを使うのでスケーラビリティは ない。 ※従来のEthereum1 のPoWを廃止しPoSへ移行する。 ? RollUpでのレイヤー2の活用 スケーラビリティの実現はオンチェー ンではなくレイヤー2で実現 当初計画だと、ここでやっとPoSへの 移行と、スケーラビリティが実現でき るが、時間が遅いとの認識 変更計画だと、64個のShard Chain が無いので、スケーラビリティの達成 ができないよう思えるが、RollUpの 発展でレイヤー2の実用性が出てきた ため、スケーラビリティはレイヤー2 に任せることで、PoS移行とスケーラ ビリティの実現を前倒しで達成できる 見込みとなった。 議論、開発次第でどうなっていくか は??
  72. Ethereumのロードマップ 3 72 ▪“The Marge”後の姿 【Consensus Layer】 メインチェーンである Beacon Chain

    ※2020/12からPoS機能 だけ稼働中 Ethereum1 【Consensus Layer】 Beacon Chain 【Execution Layer 】 旧Ethereum1 利用者の取引、 スマートコントラクト バリデーター Beacon Chain から選ばれたバ リデータがPoS に参加 スマートコントラ クトが実行できる ため、様々な処理 が高速・低コスト で可能 「Roll Up」 (レイヤー2) 結果を圧縮して記録する。 スケーラビリティはレイヤー2で実現 The Marge適用のEthereum コンセンサス 作成機能 (PoS) コンセンサス 作成機能 (PoW) 取引・スマー トコントラク ト実行機能 【PoSによる新規ブロック生成の仕組み】 過去のブロッ ク記録 PoSを管理・実行 取引・スマートコント ラクトを記録・実行 ①Executive Layerに対し 次のブロックを作れと指 示。 Engine APIで連携 ※ブロックは1対1の関係 ②追加ブロックを作成 し、中に含まれる Execution Layer での各 取引、スマートコント ラクトが正しく実行さ れているかチェックし、 Beacon Chainに追加ブ ロック内容と通知を送 る。 ③Execution Layerから受け取った追 加ブロック情報を含めて、Beacon Chainでの新規ブロック生成・検証 をPoSで実施し、ブロックを追加す る。 ④ファイナリ ティを通知 中に2つのブロックチェーンが 存在することになるが、PoSは、 Execution Layer のブロック情 報を含めてConsensus Layerで 合わせて実施する形となる ⑤ Execution Layer に 追加する ブロック が“確定 済”となる。 作者注:The Marge後のConsensus Layer とExecution Layer のやりとり①~⑤はイ メージ程度に認識ください 廃止
  73. Ethereumのロードマップ 4 The Margeの先の議論 73 The Marge により、従来の計画にあった64個の Shard Chain

    導入による水平方向の拡大によるスケーラビリティの実現は中止となり、新しく RollUp を前提 としたレイヤー2活用によるスケーラビリティの実現へ進化していくこととなった。 具体的には “ DankSharding ” ( 開発者名から命名 )を導入する議論が進んでいる。これは実際の取引はレイヤー2に寄せてしまい、メインチェーンはレイ ヤー2の取引記録だけを行うことに特化するイメージとなる。 【Consensus Layer】 Beacon Chain 各種レイヤー2アプリサービス BeaconBlock レイヤー2のRollUpデー タ(Shardと呼ぶ) 利用者 提案者 どのトランザクション の組み合わせ(crList) でBlockを作るか提案 ビルダー 貰える手数料を見て提案者の提案の中から採用する crListを選び、取引の存在を検証してブロックを生成 する。 ※RollUpデータは、“ある取引が存在する“ことだけを 記録する。この段階でRollUpの各取引内容が正しいか は検証しない。 ※従来のバリデータを提案者/ビルダーに分離するこ とをProposer-builder Separation、PBSという。 crList crList crList ビルダーは提案者の作ったcrList に入っていない取引をブロックに 入れることはできない ※MEV(Miner Extractable Value)問題というブロック生成者 が自分に都合のいい取引を他の取 引の代わりに入れたり順序を並び 替えたりして利益を得る問題が解 消 レイヤー2のRollUpデー タもまとめてブロックに 入れるのでブロックは大 きくなる RollUpデータについては、 “ある取引が存在する“こと だけを記録する。 その取引内容が正しいかは DASでの確認、アプリ側に 依存。不正取引があればア プリ側で無視する。 Ethereumを見れば、レイヤー2での取引が 存在していることは確認できる。 内容の正しさはDASでの確認に依存するため、 アプリ側でも確認などを適宜実施 ※実質取引データはアプリ側で保存 Blockが各ノードにブ ロードキャストされる 各ノードでの取引内容の検証 DAS(Data Availability Sampling) ランダムにサンプリングして取引内容が正しいかを確認す る 各ノードで 記録 作者注:あくまでイメージ程度に認識してください。今 後の議論次第で大幅に変更となる可能性があります スマートコントラ クトが実行できる ため、様々な処理 が高速・低コスト で可能 “DankSharding”導入後のEthereumでのデータ記録の仕組み(イメージ) ①レイヤー2 取引結果が Ethereumに 送られる ②取引結果がリストに 入れられる ③リストに従い ブロックを生成 ④ブロック検証
  74. 74 NFTの概要

  75. 封筒01を、アカウ ントA⇒アカウン トBへ送った 封筒01 アカウントA⇒ アカウントB へ送った ビットコイン:Aアカウ ントから1BTCをBアカウ ントへ送った

    中身 移転情 報 暗号資産(仮想通貨) FT=Fungible Token NFT=Non Fungible Token 移転情 報 封筒02を、アカウ ントC⇒アカウン トDへ送った 封筒03を、アカウ ントE⇒アカウン トFへ送った 封筒02 封筒03 中身 絵の画像 絵の画像がある アドレス http://www.*** ゲームアイテム ブロックチェーンに直接 容量の大きなデータは保 存ができない、もしくは 保存できても手数料(ガ ス代)が高くなるなどの 課題 アートNFTはほとんどがこの タイプ。ブロックチェーン外 部に実際の画像データは保存 されている NFTを別のゲームに送れば、そこ で封筒に入っているアイテムが使 える ※アイテムが置いてある外部のア ドレスを入れておく場合も 外部データがハッキングで書き換 えられる可能性 (外部データを参照する場合のオ ラクル問題) アドレスの入った封筒を持っている(封筒を 動かすための秘密鍵を持っている)ことは、 アドレスの外部サーバにあるデータを持って いることにはならないし、アドレスの外部 サーバにあるデータの何の権利を持っている かもわからない(別途法律や規約などで定ま る)=NFTの課題点 “封筒”自体が識 別可能なので、 会員権のように 使うこともでき る 誰から誰にいくら送ったという情報を封筒に入れ てブロックチェーンに保存している。 封筒の中に、紙幣やコインのように形のある“仮 想通貨“というものを入れているわけではなく、 送金情報を入れている。 どれも中身は同じ形式の送金情報が入っているだ け=封筒自体は同じでいい=封筒は「ファンジブ ル」「代替可能」 75 BTCやETHなどの”お金”として使われている暗号資産は、 1つ1つに区別はない。(1万円札1つ1つに違いがなく、 どれも1万円を意味することと同じ) これに対し、ブロックチェーン上で、1つ1つは違うもの として識別して取り扱う仕組みがNFTとなる。 以下では理解のため、各取引を“封筒”とみなし、“移転情 報”と“中身”に分けて説明していく。 NFTとは何か? どちらも封筒をまとめてブ ロックに入れて、ブロック に不正防止処理をしてブ ロックチェーンに保存する 悪者 中身は別々のものが入る封筒=“封筒”自体を識別できるようにして取り扱えるようにした=「ノンファンジブル」 「非代替可能」。封筒には以下のようにいろいろな情報を入れることができる。
  76. 封筒01をAからBへ 送る(+ガス代支 払情報) 時間の流れ 封筒02をCからDへ 送る(+ガス代支 払情報) 封筒03をEからFへ 送る(+ガス代支 払情報)

    複数の封筒が一定数まとめてブ ロックに入れられる。 NFTだけでなく、スマートコン トラクトやFTの封筒があればそ れも一緒にブロックに入れる。 ブロックチェーン http://www.*** いろいろな情報が入った識別で きる封筒をブロックチェーン上 で送り合うことができるという イメージ ・マイナー(バリデータ)は、「いろいろな情報が入った封筒」が「誰から誰に移転したのか」を一定数集め、ブロックに入れて、 ブロック単位で不正防止処理を行いブロックチェーンに保存する。 ・「誰から誰に移転したのか」の点で、送る権限(秘密鍵)があるかのチェックは行うが、 NFTについて「封筒に入っている情報が正しいか」 のチェックは行わない。 例:外部アドレスにちゃんと画像データがあるか、改ざんされていないかなどはブロックチェーンのチェック対象外となる。 76 ブロックチェーンでのNFT記録イメージ 0.5ETHをXからYに送る スマートコントラクト NFT
  77. FT封筒 AからBへ3トー クン送った 時間の流れ 1つ前のBlockの内容を示す圧縮情報(ハッシュ値) ※これがあることで前のBlockと連鎖構造になる Block01 Block02 Block03 Block04

    Block05 Block01 マイナーへの報酬 トークンの支払い情 報 封筒の移転情報 ブロックチェーン http://www. Block02 の中身 NFT封筒01をHか らJへ送る NFT Block02 Block03 の中身 アカウントAか らスマートコン トラクトをス マートコントラ クトアドレスへ 送る (例)箱の中身は、条件• が満たされると、AからP へ20トークンが自動で送 られるというスマートコン トラクト 1つのブロックには、複数の封筒の移転情報(これが取引、トランザクション)が入れられ、加えて、前のBlockの圧縮情報(ハッシュ値)と、改ざん防止用の特定の条件を 満たす情報、ブロックチェーンの維持管理を行うマイナーへの報酬支払情報を加えて、ブロックチェーンに書き込んでいる。 封筒の移転情報 77 (参考)実際のブロックチェーンのイメージ NFT NFT NFT 改ざん防止用の特定の条件を満たす情報を ブロックに入れる(PoWの場合)。 これを最初に見つけたマイナーが報酬を受 け取る 「Proof of Work」や「マイニング」とはこ の情報を見つける作業のことで、暗号学的 にこれを見つけるには膨大なコンピュータ の計算が必要となる。 ブロックの中の情報が少しでも改ざんされ ると、この情報も変わってしまうため、後 から改ざんしたBlockを作ることが極めて難 しくなる(ブロックチェーンの改ざんが難 しい要因)
  78. NFT 封筒01 ・絵の画像があるサーバアドレス http://www.abc01 ・(任意)スマートコントラクト:2次 流通時に取引額のα%をアーティストの アカウントに支払う契約などを含めるこ とも NFTプラット フォーム事業者

    アーティスト 作品 作品データを事 業者のサーバに アップロード 絵の画像があるサー バアドレス http://www.abc01 封筒 の中 身 NFT=Non Fungible Tokenを発行 パブリックブロック チェーン 78 NFTの活用例 NFTアート 基本の仕組み1 ・アートNFTを発行する場合、OpenSea(https://opensea.io/)などのNFTプラットフォーム事業者を通すことが一般的 日本のNFTプラットフォームとしては、スタートバーン(https://startbahn.io/)などがある。 ・アーティストは作品をNFTプラットフォーム事業者のサーバにアップロードし、そのアドレスを含むNFTをブロックチェーン上で発行する。 ・2次流通はNFTプラットフォーム事業者内で売買のマッチングが行われ、売買が成立すると、ブロックチェーン上で、NFTが売り手から買い手に送られる。 ・NFT購入者が得る作品の権利、2次流通購入者がどのような権利を引き継げるのかなどは、NFTプラットフォームの規約で定められており、特にブロックチェーンの仕組み とは関係がない。 中には、ブロックチェーン上での2次流通時に、一定金額がアーティストに支払われるスマートコントラクトが入っているものもある。 アートNFT発行時の動き アーティストのア ドレスに送る
  79. ・NFT封筒01を、購入者Xのアカ ウントに移転する取引 ・代金と手数料の暗号資産を購 入者Xからアーティストとプラッ トフォームに支払 NFTプラット フォーム事業者 パブリックブロック チェーン 購入者X

    作品を購入 作品を売却 2次取得購入者Y 2次流通で売買成立 ・NFT封筒01を、購入者X からYのアカウントに移転 する取引 ・代金と手数料をYからXと プラットフォームに支払 ・スマートコントラクトで アーティストに2次流通額 の内α%支払 売買成立 アーティストアカウント プラットフォームアカウント 購入者Xアカウント 作品を購入 購入者Yアカウント ※高額なNFTは購入 者が集まり共同購入 することも 【購入NFTの利用】 ・SNSアイコン ・メタバースでの展示 ・ファンコミュニティへの参加会員証 として利用 ・Tシャツ等2次展開利用 など 79 NFTの活用例 NFTアート 基本の仕組み2 アートNFT購入時、2次流通時の動き
  80. NFT 封筒01 NFTプラット フォーム事業者 本来のアー ティスト 作品 作品データを事 業者のサーバに アップロード

    絵の画像があるサー バアドレス http://www.abc01 封筒 の中 身 NFT=Non Fungible Tokenを発行 パブリックブロック チェーン 80 NFTの活用例 NFTアート 基本の仕組み3 リスクポイント ・ブロックチェーンはNFT封筒に入っているデータが「正当な権利者の作品か」、「改ざんされていないか」などは確認しようがない。あくまでNFT封筒を移転する秘密鍵を 持っている人が、NFT封筒を移転する取引を行っているかを検証するのみ。 ・アートNFTが本来の作者により出品されているか、購入者がどのような権利を持つのか(購入したアートNFTの商用利用が可能かなど)は、プラットフォームの規約に依存 する。 ・プラットフォームへの依存が大きく、プラットフォームが海外事業者の場合の法的措置実施のハードルや、事業者の管理するサーバのハッキングリスク、事業者倒産リスク なども。 アートNFT発行時の動き アーティストのア ドレスに送る 勝手に作品をコ ピーして出品 ・本来の権利者ではないのに作 品を出品する ・本来の権利者が別のプラット フォームに同じ作品を出品する ハッキングやプラットフォーム倒産などによ るデータ維持の課題 ※容量が小さい絵のデータならブロック チェーンにデータとして直接入れてしまう回 避策もあるが、ある程度ガス代が必要 海外事業者で照会に応えてくれない、法的措置 実施のハードルが高いなど ・絵の画像があるサーバアドレス http://www.abc01 ・(任意)スマートコントラクト:2次 流通時に取引額のα%をアーティストの アカウントに支払う契約などを含めるこ とも NFTトークンを持っている(トークンを動かせる秘密鍵を持っている)こ とと、作品のどのような権利を購入者が得ているかは、ブロックチェーン 外の話になり、プラットフォームの規約や法的整理に依存 プラットフォームが倒産し、作品データのあるプラットフォーム事業者の サーバが停止すると、ブロックチェーン上のNFTにあるアドレスを見に 行っても何もないことに
  81. ・NFT封筒01を、購入者Xのアカ ウントに移転する取引 ・代金と手数料の暗号資産を購 入者Xからアーティストとプラッ トフォームに支払 NFTプラット フォーム事業者 パブリックブロック チェーン 悪意の購入者X

    作品を購入 作品を売却 2次取得購入者Y 2次流通で売買成立 ・NFT封筒01を、購入者X からYのアカウントに移転 する取引 ・代金と手数料をYからXと プラットフォームに支払 ・スマートコントラクトで アーティストに2次流通額 の内α%支払 売買成立 アーティストアカウント プラットフォームアカウント 購入者Xアカウント 作品を購入 購入者Yアカウント 81 NFTの活用例 NFTアート 基本の仕組み4 リスクポイント アートNFT購入時、2次流通時の動き 仕組みの外で NFTを二重譲渡 ・ブロック チェーンは外で 売却したとき (二重譲渡)の 法的整理 ・紛争時の準拠 法がどこになる か 2次購入者にどのよう な作品の権利が引き継 がれるのかの法的整理 ・投機目的による価格高騰 ・作品のアート性を評価、周知したり作家 を育成するような、キュレーションやギャ ラリー機能がない ・作品が多すぎ埋もれる ・ファンコミュニティの育成・維持、関連 商品展開などNFTであるからこその特徴を どう生かすか 別のチェーンに送ることが難しい、送れても スマートコントラクトの仕様が異なり、アー ティストに2次流通時の支払いを行うことが できなくなる 2次流通時に、ブロックチェーン・プラットフォームの外で、譲渡契約(2重譲渡)が行われた場合の法的整理や、1次取得時(アーティスト⇒1次購入者)の権利関係がど のように2次取得者に引き継がれるのか、国によって著作権法などは異なり、海外事業者も絡むと、法的整理のハードルは非常に高くなる可能性。
  82. ・NFTアートの数が増えすぎ、単体のアート作品だけではユーザへの訴求力が低下 ・以下のように、トレーディングカードのようなコレクション性がある作品を大量に作り(Collectiblesと呼称)、NFTを会員証として活用し、ファ ンコミュニティ展開、他の企業とのコラボや商品展開、トークン発行、DAO化などアートというより事業プロジェクトとしての展開に移ってきている。 プロジェクトとして、コレクション性 のある絵を多数作成、NFT化 ファンコミュニ ティの作成 ・プログラムでシステム的に生成す るもの、手作成するものなど ・各構成要素に、出現確率を設定す

    ることで、出来上がりの作品にレア 度を持たせる ・Discordなどのグループチャット アプリを利用 ・NFT保有者だけが入れるグループ を設けるなど、NFTの会員証的な使 い方 ・盛り上げに貢献したユーザには NFT優先購入権やプロジェクトトー クンを与えるなど 購入者 購入者は暗号資産ウォレットを利用 して、ブロックチェーン外のSNSア プリ等と連携しNFTを利用 アーティスト、 運営者 ・NFT作成 ・コミュニティ運営 ・プロジェクトロードマップ提示 ・ロードマップに沿った、盛り上 げるための各種施策の規格、実施 プロジェクト全体が盛り 上がることでNFT価格が 上昇、保有者は2次流通 市場での売却で利益 プロジェクトを盛り上げるための施策 他の商品などと のコラボ ・スニーカーなどのブランドとコラボ ・NFT購入者だけが買える限定グッズ リアルイベント の実施 ・NFT購入者だけが招待されるパー ティなど プロジェクト トークンの発行 ・ブロックチェーン上でプロジェクト独自の トークン発行 ・プロジェクトに貢献したファンに配布など ・他の暗号資産に換金できる/できない/譲渡不 可など様々 ・換金できるタイプはプロジェクトトークンの 売却で大きな利益になる場合も ・ガバナンストークンとして、プロジェクトの 企画決定投票など意思決定に利用 参加 プロジェクトが盛り上がり、 認知が拡大、価格も上がると、 SNSなどで保有していること をデジタルブランド品として 顕示利用(保有することでの 非金銭的リターン) 施策の企画、実施、維持管理 貢献に応じた プロジェクト トークンの配 布 購入者からの企画 提案や、採用企画 決定などの意思決 定投票にプロジェ クトトークンを利 用(DAO的な活 用) プロジェクトトー クンの売却でのリ ターン 82 NFTの活用例 NFTアートからの次の展開 1 プロジェクトトー クンの売却でのリ ターン
  83. プロジェクトとして、コレクション性 のある絵を多数作成、NFT化 ファンコミュニ ティの作成 ・プログラムでシステム的に生成す るもの、手作成するものなど ・各構成要素に、出現確率を設定す ることで、出来上がりの作品にレア 度を持たせる ・Discordなどのグループチャット

    アプリを利用 ・NFT保有者だけが入れるグループ を設けるなど、NFTの会員証的な使 い方 ・盛り上げに貢献したユーザには NFT優先購入権やプロジェクトトー クンを与えるなど 購入者 購入者は暗号資産ウォレットを利用 して、ブロックチェーン外のSNSア プリ等と連携しNFTを利用 アーティスト、 運営者 ・NFT作成 ・コミュニティ運営 ・プロジェクトロードマップ提示 ・ロードマップに沿った、盛り上 げるための各種施策の規格、実施 プロジェクト全体が盛り 上がることでNFT価格が 上昇、保有者は2次流通 市場での売却で利益 プロジェクトを盛り上げるための施策 他の商品などと のコラボ ・スニーカーなどのブランドとコラボ ・NFT購入者だけが買える限定グッズ リアルイベント の実施 ・NFT購入者だけが招待されるパー ティなど プロジェクト トークンの発行 ・ブロックチェーン上でプロジェクト独自の トークン発行 ・プロジェクトに貢献したファンに配布など ・他の暗号資産に換金できる/できない/譲渡不 可など様々 ・換金できるタイプはプロジェクトトークンの 売却で大きな利益になる場合も ・ガバナンストークンとして、プロジェクトの 企画決定投票など意思決定に利用 参加 プロジェクトが盛り上がり、 認知が拡大、価格も上がると、 SNSなどで保有していること をデジタルブランド品として 顕示利用(保有することでの 非金銭的リターン) 施策の企画、実施、維持管理 貢献に応じた プロジェクト トークンの配 布 購入者からの企画 提案や、採用企画 決定などの意思決 定投票にプロジェ クトトークンを利 用(DAO的な活 用) プロジェクトトー クンの売却でのリ ターン 83 NFTの活用例 NFTアートからの次の展開 2 リスクポイント ・アートというよりプロジェクト会員証 ・レア度による投機性 NFT販売利益が大きく、継 続的なプロジェクト育成へ のコミット低下リスク プロジェクトトー クンの売却でのリ ターン ・運営が自分で発行したトークンをコミュニティ外に売却し資金調達を行うことは、 かつてのICOブームのようになるリスク ・プロジェクトのリターンはプロジェクトの成長で会員証であるNFTの価格が上が ることが主では?付随機能のトークンの値段が上がる理屈が不明瞭 ・資金調達したい場合は、会員証であるNFTの追加発行や、借入や資本性のある NFT等を別途発行すべきでは? ・コミュニティ内で意味を持つガバナンストークンに換金性が付与され、コミュニ ティ外でこの値段が上がるのは単なる投機でありこれで資金調達するべきなのか? デジタルブランド品としてのニーズの ため、アート性よりも大規模で認知の 高いNFTに人気が集中 プロジェクトトークンの価格形成が投 機需要中心。プロジェクト外の人に トークンにどのような価値がそもそも あるのか不明瞭。よくわかってない購 入者に売り抜けるババ抜き的な側面も あるのでは? ・企画などにガバナンストークンとして投票する 意味がどれほどあるのか?万人受けのいいもの、 短期的利益になるものが採用される傾向 ・強いリーダーシップで反対の多い施策のほうが 上手くいく可能性も ・話すことが無くなり閑散としがち ・迷惑ユーザ管理負荷 ・中長期的にプロジェクトの熱心なファンを増やす ことの難しさ ・施策は短期的な露出を増やしNFTやトークン価格 を引き上げることに傾きがち ・イベントやコラボなどの目的、効果が 不明瞭 ・施策実施のニュースでNFTやトークン 価格を大きく上昇させることが目的化 非換金トークンのほうが、ファンのコ ミットの見える化、金銭的に測れな かった価値の見える化につながり、コ アなファンコミュニティ発展につなが る可能性もあるのでは?売却益狙いの 換金トークン発行が多い
  84. 新潟県の限界集落山古志(やまこし)村でのNFTプロジェクト https://nishikigoi.on.fleek.co/ ・由来のある鯉のアートNFTを発行、NFTは“山古志に共感する仲間の証”としてデジタル住民票として活用 ・世界中の人が共感し購入 ・Web上に購入者向けコミュニティを開設し、購入者と村側が協力して様々な企画を検討、実施していく ・実際に村を訪れる人も ⇒ 限界集落がNFTで突然世界とつながり、Web+リアルの関りを通して新しい価値を作っている 投機目的ではない、NFTを会員証として活用、新しい世界との繋がりを生んでいる事例 購入者

    NFT封 筒01 NFT封 筒02 NFTアート NFTを購入 =アート以上 に会員的な地 位の入手に価 値を見出す Web上のコミュ ニティ(Discord などのグループ チャット) ・現地でのプロ ジェクト Web上でのコ ミュニケー ション リアルでのコ ミュニケー ション NFT=会員証としてコ ミュニティに参加 NFT購入者も含めてコミットして 地方の活性化、参加者のやりがい や楽しみへ ・世界中の人を惹きつける魅力が参加者のコミットを引き出す ・山林や田舎の風景など、日本人には価値が無いように見えても、 世界の人には大きな魅力になる ・少数の人が興味を持っても、それが世界で起こると大きな人数になる ・NFT購入者が面白そ う!と自発的にアプリを 作ったり、宣伝をしたり とコミットを行う ・実際に訪問し、定住し てくれることにもつなが る可能性 84 NFTの活用例 会員証的利用例 会員証を持っているだけではコミットを引き出すことが難しい、いろいろコミットし てくれる人の努力を見える化できないか?(モチベーションUp)、参加者の意思決定 を効率的に行えないか?⇒トークンの活用(次ページ)
  85. プロジェクト コミュニティ プロジェクト運営 ブロックチェーン上でプロジェクトの トークンを発行 ・一般的には裏付け資産なしで、封筒の中は数 量を示すのみのFT(Fungible Token) ・NFT保有者や、プロジェクトにコミットした 人に配布

    ・譲渡不可や、他の暗号資産との交換可否は設 定次第 ・発行数量などはトークン保有者の投票で決定 など プロジェクト外 プロジェクト の意思決定投 票で利用 初期は運営が 発行や配布を 制御 85 ・NFTとは別に、プロジェクト内でプロジェクトトークンを発行し、プロジェクト企画への賛否投票に利用したり、プロジェクトに貢献した人に配布するなどの利用が行われ ている。一方、プロジェクトトークンに他の暗号資産との交換性を付与し、プロジェクト外への売却による利益確保が大きな流れとして出てきている。 ・プロジェクトトークンは、コミュニティ内での利用、流通に価値があり、使い方次第で非金銭的価値の見える化など、幅広い活用の可能性がある。必ずしもプロジェクト外 への換金性が必要なわけではない。 NFTの会員証的利用時のトークン発行 1 主にNFT購入 者で構成 トークンの配布 運営に大量のトークンが付与 され、売却で大きなリターン を得ることも(資金調達とし ての利用) プロジェクト会員証である NFTを持たない外部の人がプ ロジェクトトークンを持つ意 味は? NFTの会員証的利用時のプロジェクトトークン発行 プロジェクト外にトークン を売却できる換金性の付与 は必須要件ではない
  86. 購入者 NFT(会員証 的な利用) NFTを購入 =アート以上に会員 的な地位の入手に価 値を見出す プロジェクト コミュニティ DAO

    ・プロジェクトでの意思決定時に、投票 用トークンを配布し賛成/反対アカウント に送付してもらい多数決で決定 ※この用途をガバナンストークンと言う ①プロジェクト価値が高まる企画提案などのコ ミットをした人にトークンを配布 トークンの数量に応じてファンランキングや肩書 がつくなど、コミットの見える化(非金銭的対 価)※この場合換金性は特に不要 プロジェクト運営 ブロックチェーンでプロジェクトのトー クンを発行 プロジェクト対象 地域 賛成 アカウント 反対 アカウント ②プロジェクト内で助けてもらったりしたときに お礼として「ありがとう」トークンを送り合うこ とで、非金銭的価値を見える化 ※この場合コミュニティ内で流通できればよく、 換金性は特に不要 ③トークンはプロジェクト実施の地方などで 使える地域通貨としての活用も ※この場合換金性が必要 ※地方の店舗側が受け取ると、換金の必要性 が生じるが、プロジェクト運営でのみ換金を 受け付けたり、NFT購入者が地方に行って何 らかの作業などを行った対価としてトークン を貰えるだけの貢献度を示すだけのトークン なども考えられる 投票で発行量 を管理 【プロジェクトトークン活用例】 86 ・プロジェクトトークンの管理を運営側が行い続けると、恣意的な運用が懸念されるため、プロジェクトコミュニティ(DAO)にプロジェクトトークンの管理を任せるように 移行していくケースが多い。 ・プロジェクトトークンは、プロジェクトコミュニティ(DAO)での企画賛否の投票という“ガバナンストークン”での利用がまず考えられるが、コミュニティへ貢献した メンバーへの貢献度を測る尺度や、メンバー間の感謝を測る尺度など、必ずしも外部との換金性がなくても、コミュニティ内で流通すれば機能しうる活用も考えられる。 NFTの会員証的利用時のトークン発行 利用イメージ NFT封 筒01 NFT封 筒02 NFTの会員証的利用時のトークン発行 2 【投票対象企画】 運営やNFT保有者が提案 購入者 プロジェクト コミュニティ DAO NFT保有者 プロジェク ト貢献者 NFT保有者 NFT保有者 NFT非保有者
  87. 購入者 NFT(会員証 的な利用) プロジェクト コミュニティ DAO プロジェクト運営 プロジェクトトークンに換金性がない場合、プロジェクトにコミットした人がプロジェクト外の人であったり、外部に仕事を発注した場合、どのように支払いを行うかが 課題になる。 プロジェクトトークンに換金性がある場合は、プロジェクトトークンで支払いを行い、受け取った人が外部の交換所などでプロジェクトトークンをBitcoinなどに交換する。

    しかし、プロジェクト初期だとプロジェクトトークンには換金性があっても、流動性もなく、値段が付かない、安くしか換金できないリスクもある。 そこで、プロジェクトとして外部の人に対価の支払いが生じるタスクを依頼した場合は、プロジェクトとして会員証であるNFT販売額のα%等をBTCやETHなど流動性の 高い暗号資産でプールしておき、そこから支払うこともありうる(支払実施はガバナンストークンの投票で決定し実施)。 この形であると、プロジェクト外の人にとって投機以外の保有用途が不明瞭なプロジェクトトークンに換金性を付与することなく、プロジェクトとして必要な支払いを 行っていくことが可能となり、本来的なプロジェクト成長による会員証であるNFTの価格上昇という点に注力することが可能になる。 87 プロジェクトの各種タ スクを実行した人に対 価として支払 NFTの会員証的利用時のトークン発行 3 販売代金 NFT(会員証)販 売代金の一部を流 動性の高い暗号資 産でプール プロジェクト コミュニティ 支払は投票で 決定 プロジェクトが成長すれば、 会員証であるNFTの値段も上 がっていく 販売代金の 一部
  88. 88 DAOの概要

  89. ・DAOの定義については、現状様々な解釈で話されることが多く、“DAO的な要素”のある組織を広くDAOと呼んでいる状況。 ・細かく定義に合っているかよりも「ビジョンを掲げ、それに共感する人が自由に集まり、自律的に各自が貢献していくプロジェクト」程度に 現状では認識しておくと話が進みやすいと思われる。 ◆DAO参加者 ・ 従来の会社組織では、株主、経営陣、従業員、顧客は分離。DAOでは利益分配を受ける会員証を持つ人が、意思決定に参加し、従業員として タスクを実行し、顧客ともなる。(株主でもあり、経営陣でもあり、従業員でもあり、顧客でもある) ・ プロジェクトへの参加/退出が自由で流動性が高い。 ・

    プロジェクトベース、タスクベースでのコミット・報酬受け取りが可能で、柔軟な働き方が実現できる。 会員証を持たなくても、タスクだけ請け負い報酬を得ることも可能。 ・ 小さいプロジェクトでも、世界中から参加者を募り、コラボや協力が容易に実現できる。(人材紹介などの中間組織不要) ◆透明性 ・ プロジェクトのアカウント(お財布)はブロックチェーン上にあるため、資金の出入り、支払/受取先確認が容易なため、財務状況の透明性が 高い。 ・ プロジェクトのガバナンスは投票トークン(ガバナンストークン)を利用し、多数決で実施可能、運営状況の透明性が高い。 ・ 会員証を持っている人をブロックチェーン上で見れば、誰が株主として参加しているか分かる。 ◆スピード ・ 組織の作成からサービスリリースまで、契約や事務などの対応期間を短縮でき、スピード感をもって実現可能。 ◆非金銭的価値の見える化 ・ 報酬として、非換金性トークンを利用し、コミットを示すような活用とすることで、金額換算できない非金銭的な価値の見える化、それを動機 としたコミットが期待できる。 ・ 金銭換算ではなく、非金銭的な価値を使うことで、従来難しかった社会問題を解決する手段とできる可能性。 89 DAO (Decentralized Autonomous Organization、分散自立組織)1
  90. プロジェクト 立案者・ 運営チーム 新しいサービ スを作ろう! ブロックチェー ンで会員証とな るNFTを発 行・販売 グループチャットを開

    設(Discordなど) ブロックチェーンでプ ロジェクトトークン (ガバナンストーク ン)を発行 興味を持ったり共感する人が NFTを購入するなどして集まり、 グループチャットでコミュニ ケーション 企画案説 明します スキル持っ てます! 人脈持って ます! 企画はこう変 更したほうが 良い! 共感したので 参加します! プロジェクト のアカウント 販売対価はプロジェ クトのお財布へ 方針、ロードマップ精緻化 タスク一覧化 賛成 アカウント 反対 アカウント NFT(会員証)ホルダーや議論にコミットして くれた人に投票トークンを配布し、意思決定 90 具体的な検討、タスク化 意思決定は投票で実施 DAO (Decentralized Autonomous Organization、分散自立組織)2 DAOの成立・運営プロセスイメージ ①DAOの立案と準備 ②DAOメンバーが自発的に集まる NFT購入者 NFT購入者 運営 NFT購入者 ③DAOメンバーが具体的に投票を行うなどし計 画の精緻化、タスク化を進める NFT購入者 NFT購入者 運営 NFT購入者 NFT非購入者 NFT非購入 者
  91. タスク一覧 このタスクできます! DAOのタス ク管理アプ リも登場 収益や費用発生 プロジェクト のアカウント プロジェクト のアカウント

    で管理 プロジェクト のアカウント NFT(会員証)ホルダー、 運営に利益分配 ・配当案も投票トーク ンを利用して決定(ス マートコントラクト活 用なども) ・ガバナンストークン での分配や、サービス 提供で獲得した流動性 の高い暗号資産での分 配など 顧客 ・NFT(会員証)ホルダー ・コミュニティ関係者 ・それ以外の人 顧客 サービス提供 91 DAO (Decentralized Autonomous Organization、分散自立組織)3 ④DAOメンバーが具体的にタスクを実行 ⑤タスクを実施し貢献したメンバーにリターン としてプロジェクトトークンなどを配布 NFT非購入者 (プロジェクト 外協力者) ⑥プロジェクトとしてサービスをローンチし運営 運営 運営 ⑦収益を分配 NFT購入者 NFT購入者 運営 NFT購入者 ⑧NFT(会員権)価値の増加 NFT購入者 プロジェクトが成長すると、NFT (会員証)価値が高まり、これを 売却することでのリターンも 売却 プロジェクトの財務状況はブ ロックチェーンのアカウント を見れば誰でも把握可能 ・タスク完了の対価としてプロ ジェクトトークンを配布すること が一般的。プロジェクト外の協力 者に対してはNFT販売額やプロ ジェクトがサービス提供の対価で 得た流動性の高い暗号資産を配布 なども。 ・配布額は投票により決定したり スマートコントラクトを活用する。
  92. ・ プロジェクトが第三者に対し損害等問題を起こした場合の権利関係が不明瞭。 特に運営の関与が低い場合は、運営がどこまで責任を負うのか?会員証を持つ人が無限責任を負うのか? 被害者は誰を相手として交渉や訴えを起こせばいいのか? ・ プロジェクトの税制が不明瞭、利益はプロジェクトとして課税されるのか、配当を受けた参加者にパススルー課税されるのか? ・ 投票で意思決定することが最適ではない分野も。強いリーダーが引っ張る場合の方が上手くいく分野も。(Appleのスティーブ・ジョブズ) ・ 参加者が適切に考えて投票するのか?

    適切な投票を行うインセンティブは、投票結果がプロジェクト価値の向上、 NFT会員証の価格上昇や、参加満足度の向上につながるため。 一方で、投票対象が些細すぎる/難しすぎる、投票数が多く1票の価値が低いなどでは、適切な投票インセンティブを削いでしまう可能性。 ⇒ 権限移譲(delegation)として、信頼できる人を投票で選び意思決定を委ね、そこで決定投票をしてもらうなどの対応も。 権限委譲した人がどう投票したかはブロックチェーンで確認できるため、自分の意見と違う場合は権限移譲先を変更すればよく、 透明性は高い。 ・ 最初の企画立案者や運営側の権限や利益分配が小さくなる可能性。逆に創業者や運営の関与や取り分を低くできる点がメリットという意見も。 運営側は、分散されていて自分らのシェアが低いとして規制や責任逃れに利用することも。 ・ 資金調達目的で、注目を集めやすいDAOを装って、換金性のあるトークンを発行することも。(ICOブームの再来) (参考)アメリカワイオミング州のDAO法 ・ 非中央集権な管理、コミュニティメンバーによる自律的運営、組織運営でのスマートコントラクト利用などを行う組織をDAOと定義。 ・ 参加メンバーが無限責任を負う任意組合的な組織ではなく、参加メンバーの有限責任を明確化。 ・ どの程度スマートコントラクトなどのアルゴリズムで運営されるかを定款で規定する必要。 ・ DAOの参加/退出が緩やかな点を踏まえ、参加メンバーは他のメンバーに信任義務を負わない。 ※自分が誠実公正に取引すればよく、他のメンバーの利益のために忠実に行動する義務は負わない。 ・ ブロックチェーンを見ればいいので、運営は財務状況などの提供義務を参加メンバーに負わない。 ・ プロジェクトの利益は、参加メンバーへのパススルー課税が適用される。 92 DAOのリスクポイント
  93. ・Nounsの発行するNFTは、作品自体はスマートコントラクトでいくつかのパターンの組み合わせにより自動生成される「Collectibles」的なもの。 ・作品自体のアート性というよりも、アーティスト・運営の恣意性を排し、ユーザも含めて平等な形で、プロジェクトの価値が高まるよう 「みんなでキャラクタービジネスを運営していく」DAOプロジェクト。NFTはそこへの参加権というようなものになっている。 ・運営の関与を大きく引き下げ、スマートコントラクトの活用で参加者が平等に参加する形でプロジェクト運営が行われる点がDAO的。 ・NFT生成コードをスマートコントラクト化し、1日1個NFT作品が自動でジェネレートされる (ジェネレートされた画像コード自体もブロックチェーンにオンチェーン保存)。 ・作品販売対価はアーティスト・運営ではなく、DAOがすべて受け取り。 ・アーティスト・運営は初期開発だけ行う(報酬は5年間、一定間隔ごとに生成されるNFT作品を受け取る、スマートコントラクトで自動実施)。 ・NFT販売代金の活用や、作品の2次利用、プロジェクト運営はすべてホルダーによる企画提案と、ホルダーに配布されるトークン投票で決定。 ・作品権利関係はクリエイティブコモンズで自由化し、作品の2次展開=認知度の向上=プロジェクト価値向上=ホルダー保有NFTの価格向上

    となるようにしている。 スマートコントラクトにプロ ジェクトの運営内容を記載 ・NFT生成ルール 画像生成コード、1日1体 ・運営への報酬支払ルール ・投票トークンの仕組み プロジェクト のアカウント スマートコントラクトで NFTを自動生成(1日1体) し販売 販売対価はすべてプロジェク トのアカウントへ(運営には いかない) プロジェクト 運営チーム 報酬は自動での定期的なNFT の付与のみ グループチャットでプ ロジェクトを“経営” NFT1個に1票投票トークン が配布され、プロジェクトの 意思決定は、運営も含め平等 に投票で行われる NFT画像の展開は、権利関係 がクリエイティブコモンズで 明確化、様々なキャラクター ビジネスなど展開可能 ・どのような企画を行うかはすべて、 NFTホルダーが提案、NFTホルダー による投票で決定される ・収益のプロジェクトへの還元は特 に必須ではない(キャラクター認知 や人気が高まれば、NFT自体の価値 が高まるため、そちらで回収と言う 考え) NFT価値が高まれば売却 最初にプロジェクト運営 内容をスマートコントラ クトとしてブロック チェーンに埋め込んでい るため、中身が明確で、 運営側の恣意性が排除さ れている DAO的な意思決定 NFTは会員証的な利用。 画像が広く商用利用など されて拡散しても会員証 的な機能に価値があるの で問題はない NFT販売で集め た資金の活用は NFTホルダーの 投票で決定 NFTの画像自体もブロック チェーンに記録しているの で改ざん、紛失のリスクが ない 93 DAOの例 アートNFTプロジェクト「Nouns」https://nouns.wtf/
  94. ・どこまでを“DAO”の定義に入れるかという点もあるが、“DAO”ということで関心を高められることもあり、自律分散性がそこまで高くなくても DAOと言っているプロジェクトも多い。特にDAOと自称する/しないは問題ではなく、意味のある活動ができていればよいのではなかろうか? ・NFTが無く、単にコミットへの対価として換金性・譲渡性のないトークンを付与する形でもDAOは機能しうると考えられる。 例えば、コミュニティ内でだけ評価されること、コミットが見える化されることが価値になる、ファン活動や、参加自体に意義を感じ、さらに コミットが見える化されることでやる気が高まるボランティア活動などが考えられる。 ・会員証としてのNFTは、コミュニティや活動への帰属意識や連帯感を生むため発行すると効果があるとも考えられる。(販売対価が活動費にもな るので、会員証以外でも、定期的にコレクション性のあるNFTなどを販売するアイデアもある。) 参加メンバー コミュニティなどで活動に貢 献した人に換金性、譲渡性の

    ないトークンを付与 特にタスクを与えるわけでは なく、参加者の自発的な活動 に任せ、結果を出した場合に トークンを付与など トークン量に応じて肩書が変化するなどあれば、やりが いにつながる。 貢献を金銭ではない形で第三者にも見える化できる点が ポイント。 トークン量や肩書に応じてコミュニティ内での評価や発 言力が高まる効果。 ガバナンストークンのように投票で意思決定しなくても、 コミュニティで十分に議論ができ意思決定できればよい。 会員証NFT 会員証NFT 会員証NFT 会員証NFTがあると帰属意識が高まる効果や、販売 して運営費に充てるなども 94 グループチャットでの コミット タスク実施での コミット 運営協力での コミット 受け取ったトークンはコミット を見える化するだけに利用され る DAOの例 換金性・譲渡性のないトークンの活用 プロジェクト 運営チーム
  95. 95 「web3」について

  96. 「web3」について 1 96 「web3」については、定義がまだ確立しているわけではなく様々な意図で用いられているが、ブロックチェーン技術の登場で実現が見込まれる新しい分 散型のweb世界、そこでの新しいコミュニティ活動、新しいビジネス等を総称して「web3」と言っている認識でよいと思われる。 ▪web3までの世界:「web1」 ・インターネット登場時の初期の頃の仕組みはweb1と呼ばれている。 ・ネットに情報をアップして、それをみんなが読むという「Read Only」の世界、ユーザは情報の消費者であった。 ▪web3までの世界:「web2」

    ・インターネット上で「双方向のコミュニケーション」が可能になった段階。 ・ユーザは「Read Only」から「互いに情報が交換できる」使い方へ。 ・やがて情報交換のハブとして、Google、Facebook等の巨大企業がプラットフォームを独占。各プラットフォームは独立しており、その中で ユーザの囲い込みが進む。ユーザの自由度はなくプラットフォームの一方的な規約ややり方に従うのみ。 ・ユーザはサービスを無料で使ってその上で情報交換が可能な反面、ユーザの情報を対価としてプラットフォームに“支払う”形へ。 ・プラットフォームはユーザの個人情報や行動データを広告などに活用、巨大な利益を上げるようになり、特定企業が個人情報を独占する世界へ。 ▪「web3」のアイデア ・最初はEthereumの元共同創設者でPolkadotの創設者でもあるGavin Woodが2014年に提唱したアイデアで以下のような内容であった。 特定企業への集中ではない分散化、ユーザやビルダーによるオーナーシップ、誰でも自由に排除されずにアクセスできるパーミッションレス、 旧来的な銀行や送金システムに依存しない暗号資産を利用したペイメント、第三者に依存しないインセンティブと経済原理に基づいた トラストレスな運営 ⇒ブロックチェーンの利用でweb2の中央集権的な課題を解決に繋げたいという問題意識だと思われる。 ・その後、様々なトークンの発行利用拡大、NFTやDAOの盛り上がりもあり、「分散化」や「トラストレス」など様々な側面に焦点を当てた 文脈でweb3が語られることが増え、また、投資ファンドによるマーケティングワードだという批判も出るなどし、web3の定義は曖昧な状況に なっている。しかし用語の定義はどうであれ、ブロックチェーン技術によって新しい分散型のweb世界、新しいコミュニティ、ビジネス活動が できるようになることは間違いなく、社会に大きなインパクトを与えていくことが見込まれる。
  97. 「web3」について 2 97 ブロックチェーン ユーザ自身によるデー タ所有・管理へ データ ・特定の事業者に依存しないで分散して保存、 共有 ・第三者にも確認可能な透明性

    トークン発行・流通 ・自由で安価なトークン(FT、NFT)発行 ・ユーザ間での自由な譲渡(流通) スマートコントラクト ・透明性があり強制力のある執行 トークンの活用による 価値の変化 ・企業やプラットフォームによるユーザデータの 所有、管理からユーザ自身での所有・管理 ・アプリやプラットフォーム内に閉じない、 データの自由な持ち運び ・ユーザ自身の自発的な選択、コミット データ履歴の意味合い の変化 ・データ履歴が第三者に確認可能なことで、 データ履歴のアイデンティティ化 ・データ履歴の価値化、信用力としての活用 【非換金性トークン付与】 ・非金銭的価値の見える化、インセンティブ化 ・コミットメントの見える化 ・新しい評価基準 【換金性トークン付与】 ・発行体によるアイデアの早期収益化、 前倒しでの評価の見える化 ・投機需要の拡大 ・新しいアイデアやプロジェクト評価基準の発展 【NFT】 ・所有しているだけから、“所有の利活用”へ ・会員証的活用で、所属していることの見える化、 活用 ガバナンスの変化 ・参加、コミットの自由化 ・トークン活用でのユーザ直接投票による ボトムアップ型ガバナンス ・スマートコントラクトによる執行の自動化 ・お金の流れの透明化 DAOの成立が可能に ・参加者のアイデンティティや過去実績、信用 の自由な持ち運びと確認のしやすさ ・NFTの会員証的活用、コミュニティの作り やすさ、持分としての活用、高い流動性、 低い参加敷居 ・非金銭的価値を利用したインセンティブ設計、 評価の見える化、新しい評価基準 ・コミットメントの見える化 ・フラットな組織と投票による意思決定 ・財務の透明性 ・スマートコントラクトによる利益配分の自動執行 ・新しい組織による様々な社会課題の解決の可能性 ブロックチェーン技術による新しい分散型のweb世界のイメージ 分散型の新しい サービス 新しいコミュニケー ション ・アイデンティティのポータブル化、見える化 (メタバースでの利用など) ・非金銭的価値、コミットメントの見える化 ・トークンの活用 ・非金銭的価値、コミットの見える化 ・中間構造がないビジネス、利益分配 ・コミュニティ、ファンとより繋がる、顧客の 運営への参加
  98. 98 「分散型アイデンティティ(Decentralized Identity)」について

  99. 分散型アイデンティティ 1 99 Web上での認証については、ブロックチェーンとは別に幅広く様々な研究が進められている。ここではその中の1つであるブロックチェーンを利用す る分散型アイデンティティについて概要を示す。(概要把握を目的にかなり意訳した説明をしています) ▪従来型ID、認証の問題点 ①IDとパスワード型 ・各サービス毎に、メールアドレスなどのIDとパスワードを設定して認証を行うもの。 ・サービス毎に設定が必要で管理が煩雑。ユーザは同じID(メアド)+パスワードの組み合わせを使いまわすことも多く、どこかのサービスで 流出すると、別のサービスで利用され不正ログインされる懸念も。

    ・2段階認証を設定することが多いが、ユーザ利便性は煩雑。 ②ソーシャルログイン型 ・TwitterやFacebook、Googleなどのソーシャルサービスのアカウント情報を利用し、各種サービスにログインするもの。 ・OAuth 2.0などの仕組みを利用して、各種サービスがソーシャルサービスを介してユーザ情報を確認する。 ・ユーザはサービス毎のIDとパスワード設定が不要になり、また、氏名や住所入力等をソーシャルサービスでの登録情報で代用できるため 入力の手間が省ける利点も。 ・課題としては、ソーシャルサービスに一方的にアカウントを停止・凍結されるリスク、ソーシャルサービス自体がサービス停止するリスク、 ソーシャルサービスにユーザがどのような活動を行っているかの情報が抜かれてしまうリスク(ソーシャルサービスはユーザ行動情報を 広告などに利用し収益化)などがある。 ⇒ 特に大手ソーシャルサービスに多数のユーザの行動を集中的に握られてしまう点が問題 ⇒ 自己主権型アイデンティティ(Self Sovereign Identity,SSI)の考え方が登場。 ・個人が自分でアイデンティティを管理する ・自分の意志でどのようなアイデンティティ情報をサービス側に提供するか選択する ⇒ この中で認証情報が特定の中央集権的な機能に依存しないよう、パブリックブロックチェーンを活用する仕組みを 分散型アイデンティティ(Decentralized Identity,DID)と呼んでいる。 サービス例が「ION(アイオン)」
  100. 分散型アイデンティティ 2 100 分散型アイデンティティの概要 ①ユーザが自身で管理する分散型識別子(Decentralized Identifier、DID)がユーザ特定のキーとなる。これを秘密鍵・公開鍵とセットに発行する。 このDIDはユーザ特定のキーとなるが複数自由に作成可能。DIDと公開鍵(のハッシュ値)はブロックチェーン側に記録される。 ②公的機関や在学証明などの認証情報を発行する発行元(Identity Provider)が、ユーザのDIDと紐付けした認証情報(検証可能な属性情報 (Verifiable

    Credentials、VC))を発行、発行元の秘密鍵で署名して、ブロックチェーン側に発行元の公開鍵と一緒に記録する。 ③認証情報を利用したいサービス(検証者、Verifier)は、ユーザから秘密鍵で署名したユーザのDIDとVCの提示を受ける。 サービスは、ブロックチェーン側でも、ユーザのDIDとVCを取得し、署名を検証することで、VCが正しい発行元からの情報であること、 ユーザのDIDに紐づく情報であることを確認する。 ・分散型識別子(DID)を発行 ・DIDに紐づく秘密鍵、公開鍵 ②-1 ・ボブである認証をIdentity Providerの 仕組みで別途実施 ・ボブのDIDを提供し在学証明のVCを要求 ① ボブのDID(公開鍵含む) を記録 ユーザ:ボブ Identity Provider 例:大学 ②-2 ボブDIDに紐づく在学証明のVCを提供 ②-2 大学の秘密鍵で署名したボブのDIDと紐 づく在学証明のVC、大学の公開鍵をセッ トで記録 認証情報を利用したい サービス (検証者(Verifier)) ③-1 ・在学しているとこを示すため、ボブの DIDと在学証明のVCを提示 ※ボブであることを示すため秘密鍵で署名 ③-2 ・ブロックチェーン側で、ボブのDID、 大学の発行したボブの在学証明のVCを 取得、検証を実施、ボブが在学している ことを確認 ③-3 ボブが学生であることを確認できたので学 割サービスを提供 ボブが在学しているかの検証時に、大学側(Identity Provider)の役割が 不要(ブロックチェーン側の記録確認だけ) ブロックチェーン側 ブロックチェーン側 ブロックチェーン側 【ユーザが学生である証明を行い、学割サービスを受ける例】
  101. 分散型アイデンティティ 3 101 ユーザが自身で管理する分散型識別子(Decentralized Identifier、DID)には、様々な発行元(Identity Provider)の検証可能な属性情報 (Verifiable Credentials、VC)を紐付けることができ、ユーザは認証情報を利用したいサービス側に、どのVCを提供するか選択でき、 また提供を取り消すこともできる。 分散型識別子(DID)

    did:ボブ固有のコード Verifiable Credentials(VC) ・A大学の在学証明 ・公的証明 ・サービスXの会員 ユーザ:ボブ Identity Provider 認証情報を利用したいサービス (検証者(Verifier)) A大学の在学証明だけを渡す A大学 公的機関 サービスX Identity Provider側には、ユーザが認証情報をどこ でどう使ったかは分からない ※ソーシャルログイン型ではバレる ユーザが何の情報を渡すか主体的にコントロール可能 ※複数のVerifiable Credentialsをまとめて渡す仕組みを Verifiable Presentationsという。 ※ソーシャルログイン型ではコントロール不能 Identity Providerが無くなった、ユーザIDがIdentity Providerで凍結された、などでも、ブロックチェーン側 の記録で検証を行うので、継続利用が可能 ボブのDIDに紐づくVC ・A大学の在学証明 ・公的証明 ・サービスXの会員 直接書き込むと第三者 に分かるので、ブロッ クチェーンにはハッ シュ値を記録し、別の ノードに情報自体を分 けて記録する、個人情 報は記録しない仕組み にするなどの対応 A大学の在学証明が正しくIdentity Provider から発行されたものかを検証 ブロックチェーン側 ブロックチェーン側
  102. 分散型アイデンティティ 4「ION」① 102 分散型アイデンティティのブロックチェーン“側”でどのような処理をしているかについて、この部分を担うサービスの一例「ION(アイオン)」を 例に説明する。(概要把握を目的にかなり意訳した説明をしています) ▪IONはスケーラブルで高セキュリティな分散型のDID基盤として2021年3月に正式稼働。 ▪ DIF(Decentralized Identity Foundation、非営利組織)において、メンバーのMicrosoftが中心に開発しているが、広く利用される基盤とするため

    オープンソースとなっている。 https://identity.foundation/ion/ https://www.microsoft.com/ja-jp/security/business/solutions/decentralized-identity ▪分散型識別子DID、検証可能な属性情報(Verifiable Credentials、VC)の記録にBitcoinブロックチェーンを利用するが、ブロックチェーンに記録する 情報はあくまで最低限のハッシュ値であり、ハッシュ値とリンクした情報のあるファイルは、IPFS(InterPlanetary File System)に保存している。 ・ブロックチェーンに記録されるものは最低限の情報のハッシュ値のみ ・Bitcoinブロックチェーンのメモ欄にハッシュ値を記録する仕組みを 「Sidetree」という。 ※他のEthereumなどのパブリックチェーンを使うことも可能。 Identity Providerへの依存を下げるためパブリックチェーンである ことに意味がある。 実際のデータのあるファイルは、IPFS(InterPlanetary File System、分散型のデータ記録の仕組み)の各ノードに記録される。 分散型識別子DID、検証可能な属性情報(Verifiable Credentials、VC)などの情報 IPFS Bitcoinチェーン 情報記録部分
  103. 分散型アイデンティティ 5 「ION」② 103 (参考) IPFS(InterPlanetary File System)について ▪IPFS(InterPlanetary File

    System)とは、分散型にデータを保存する仕組み。 (IPFSを利用したFilecoinも発展してきている) ▪“ロケーション指向”ではなく“コンテンツ指向”型プロトコルと言われる。 一般的にWEB上のデータを特定する場合は、「https://www.microsoft.com/」のように、“サーバのある場所(ロケーション)”を指定する。 この場合、場所であるサーバが落ちていたりすると、そこにあるデータは取得できない。 一方のコンテンツ指向型プロトコルでは、 WEB上のデータを特定する場合は、「求める情報のハッシュ値」でリクエストする形となる。 この場合、IPFSのどこかのサーバに当該データがあれば、そのデータが取得される。一般的に同じデータが複数のIPFS上のサーバに保存されて いるため、一部ネットワークが落ちていても、データの取得が可能になる。 ファイル名のハッシュ値でデータを指定すると、 そのハッシュ値データを持つIPFSのサーバからデータ取得が 行われる IPFS(InterPlanetary File System) ファイル名のハッシュ値を指 定してリクエスト 該当するデータが取得 できる 【IPFSについて】 ・ファイルは分割されて複数のサーバに保存されている ・どこのサーバにあるかは分からない ・サーバ間で、ファイル名(ハッシュ値)について誰か持っていればくださいと リクエストし分割されていれば破片を集めて1つのファイルにして渡してくれる。 ・無料で利用可能(ファイルを預かる人はボランティアでストレージを提供) ⇒ Filecoinはファイル保存に経済的インセンティブを付与 ストレージを多く提供するほうがよりコインが貰える仕組み ・単一障害点が無い ・一気に特定サーバにアクセスが集中することがない(負荷分散) ・中央集権組織による遮断ができない ・デメリット ファイルが永続して保存される保証はない ファイルを完全に消すことが難しい ネットワーク反映が遅い 対応ブラウザが対応していないものがまだ多い
  104. 分散型アイデンティティ 6 「ION」③ 104 IONの概要イメージ:データの記録・更新 IONノード 最低限の情報のハッシュ値が ブロックチェーンに記録される ※ Bitcoinの「Sidetree」という

    仕組みを利用 データは分散型のIPFSに保存 分散型識別子DID、検証可能な属性情報 (Verifiable Credentials、VC)などの情報 ID情報更新時 ID情報のIPFSでの保存について IPFS上の各データの更新は、CRDT(Conflict-free Replicated Data Type ) という方法で行われる。 ID情報は、暗号資産の送金のようにノード間でファイナリティを求める ようなものではなく、また、誰か別の人に送るようなものでもない。 そのため、ID情報の更新では、合意形成のような仕組みは不要となる。 CRDTは、ネットワーク上の全ノードが整合性を持って一斉更新を行う ようなものではなく、ネットワークが落ちても常にどこかに利用可能な データがあるべきという更新方法。 ※時間が経過すれば全ノードのデータは順次更新され整合的になる。 ※演算や操作の順序を入れ換えても結果が同じになる操作だけを更新方法 として認めるもので、時間が経過すると必ず同じ状態に収束する性質。 実際にID情報を検証する場合は、ブロックチェーンを見れば、どの ハッシュ値が最新かが分かるので、そのハッシュ値のデータをIPFSで リスクエストすればよく、一部IPFS上のデータが更新前でも問題はない ことになる。 Bitcoinチェーン DID、VCのデータは、ブロックチェーンにはハッシュ値、実際のデータはIPFSに保存される。 IDデータ更新時もブロックチェー ンとIPFSに保存
  105. 分散型アイデンティティ 7 「ION」④ 105 IONのイメージ:データの検証 IONノード 最低限の情報のハッシュ値が ブロックチェーンに記録されて いる データは分散型のIPFSに保存されている

    分散型識別子DID、検証可能な属性情報 (Verifiable Credentials、VC)などの情報 検証 ・IONノード経由で、ユーザから提示されたDID、VCを元に、 ブロックチェーンから最新のハッシュ値を取得 ・取得したハッシュ値を利用して、IPFSからDID、VC情報を取得 ・VCについて、正当なIdentity ProviderがユーザのDID宛に発行 したものか確認する。 ※検証作業ではIdentity Providerに問い合わせる必要はない点が 特徴となる。 Bitcoinチェーン ①DID、VCを提示 認証情報を利用したいサービス (検証者(Verifier)) ②DID、VCをリク エストし検証 IONノード ユーザ 【検証時】 ③DID、VCの最新の ハッシュ値を取得 ④DID、VCの最新 のデータをハッ シュ値を利用して 取得
  106. 分散型アイデンティティ 8 web5への展開 106 ▪「web5」は、2022年6月にtwitter創業者のジャック・ドーシーらが提唱したもの。https://developer.tbd.website/projects/web5/ ▪具体的な内容は上記リンク先で随時更新されていくと思われ、まだ詳しい内容は不明瞭な段階であるが、 ベンチャーキャピタルなどによるトークンシェアの占有など中央集権的な傾向が出ているweb3へのカウンターという意図で、ユーザの アイデンティティとユーザデータを分散型で管理することで、ユーザが主体的にコントロールできるようにするということが考えられている模様。 ▪内容例 自己主権型アイデンティティサービス

    SELF-SOVEREIGN IDENTITY SERVICE(SSIS) 自己主権型アイデンティティサービス(SSIS)内には、分散型でユーザが自分のアイデンティティ 管理ができる仕組みがパッケージ化されている。 具体的には以下のような機能を内包 ・ユーザは自分の分散型識別子(Decentralized Identifiers、DIDs)を中心に、 属性情報(Verifiable Credentials、VC、Identity Providerが提供する認証情報)等を ユーザが主体となり管理する。 ・データ保存と通信は分散型ウェブノード(Decentralized Web Node 、DWN)で非中央 集権的に実施 そして、SSISをベースにして、分散型webブラットフォーム( Decentralized Web Platform、 DWP)を実現していくという構想。 基本的には前ページまでで説明してきた分散型アイデンティティと大きく変わる概念ではないよう に見えるが、自己主権型アイデンティティサービス(SSIS)としてパッケージ化して効率的に開発 を行えるようにしようということの模様。 Web5 は分散化の中のユーザの「自己管理」に焦点を当てており、ユーザの自己管理だけでなく、 組織形態、ガバナンス、インセンティブなどの分散化を進めようという web3 の概念とは対立した り、進化したものというものでもないと思われる ( 具体的な話が今後進むと変わる可能性あり )。 https://github.com/TBD54566975/ssi-service
  107. 107 ブロックチェーンのメタバースヘの活用

  108. ブロックチェーンのメタバースヘの活用 1 108 ブロックチェーンのメタバースヘの活用という観点に絞り、「デジタルツイン、ミラーワールド」、「メタバース」 について整理を考えてみる。 ①デジタルツイン、ミラーワールド ・デジタルツイン、ミラーワールドは、現実をデジタル空間に再現しようとしたり(疑似現実)、現実にデジタル空間を 重ねようという( AR、Augmented Reality、拡張現実

    )発想。 メタバースと混同して語られることが多いが、現実との関連性の点で異なる。 ・現実との関連性があるため、完全没入する必要はなく、現実に仮想空間を重ねるスマートグラスやスマホを 活用する発想で、現実の延長線上での活動となる。 ・現実の忠実な再現にこだわり、現実の不便性、価値観などまでをデジタル空間に持ち込んでしまう恐れも。 例:デジタル空間での土地の制約など ・Google、Apple、Microsoft、Amazon などはこちらを志向している模様。 ブロックチェーンの活用 ・企業等の提供する現実を模倣した空間や拡張現実サービスをユーザは「受動的」に楽しむ傾向があり、 分散型の管理の必要性は高くはないと思われる。 ・拡張現実でのキャラクターなどをユーザが所有や作成し、別のユーザと交換する、サービスを超えて交流するなどの 分野では、NFTの仕組みが活用できる可能性。
  109. ブロックチェーンのメタバースヘの活用 2 109 ②メタバース ・メタバースは、現実とは異なる(切り離された)別の世界、仮想現実( Virtual Reality、VR )での活動となる。 ・現実との関連性がある必要はなく、価値観、常識も現実と異なることも可能で、自由な活動ができる。 ・ユーザは現実に捕らわれる必要がないので、現実とは別のアイデンティティになることができ、現実から離れた

    もう一つの場所で自由に活動し、経済活動を行い、暮らすという、現実と同じ活動がデジタル空間で 再現可能と言われる。(ソードアート・オンラインの世界に近い) ・必ずしも VR ゴーグル を使う必要はないが、現実と異なる世界に行くので、視界を丸ごと覆うことができる VR ゴーグルと相性が良い。 ・Meta ( Facebook ) は、Meta社により管理されたメタバースを志向している模様であるが、プラットフォームの 管理が強いと、web2 と変わらない問題が生じる可能性も。 ・様々な目的、世界観別に多数のメタバースが生まれ、ユーザがその中を自由に往来して主体的に活動を行えることが 発展につながる可能性。 ブロックチェーンの活用 ・ブロックチェーンはメタバースの必須技術ではないが、ブロックチェーンの活用により、アイデンティティ(アバター)の ユーザ管理や、デジタル空間でのモノの所有、ポータビリティの実現、暗号資産での経済活動ができると、 運営企業による特定のメタバースへの囲い込み、メタバース間の分断が回避でき、メタバース全体の自由な発展が期待できる。 ・メタバース自体を分散型で実現できると、ユーザ主権による自由な活動空間ができる可能性。この場合、DAOや ガバナンストークンによる透明性を持ったユーザ主体による管理、スマートコントラクトによるメタバース上での強制力を 持った法に変わる執行等でもブロックチェーンが活用できる余地が考えられる。