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「AI⺠主化」次の壁~AI前提時代の業務の再設計を考える〜

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August 03, 2026

 「AI⺠主化」次の壁~AI前提時代の業務の再設計を考える〜

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August 03, 2026

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Transcript

  1. ⾃⼰紹介 Name : Hiromi Maganuma He llo !! Insight Architect

    / Data Scientist / AI・ML Engineer / Data Engineer @Intage lnc. 広告代理店→ITベンチャー→CCC→リクルート→インテージ(現職) ⼀貫してデータ分析に関わる仕事をしてきています 広告代理店を経て IT ベンチャーで分析コンサルティングに従事。 2006 年より CCC で提携先への T カードデータ分析コンサルや⼤学連携を推進。 2012 年よりリクルートでデータ活⽤を推進。 全社横断 PJ や CRM 分析など多数のプロジェクトに携わる。 ⼈材領域のアルゴリズム開発により全社表彰 ARINA ENGINE 受賞。 2022 年よりインテージにてデータ活⽤を推進。 Google Developer Expert ML⼥⼦部オーガナイザ 2
  2. えっと、それって具体どんな感じですか︖ • 3.2 京(けい) • トークン ⼀般的な⽂庫本(1冊)︓約10万⽂字 3.2京トークンを本に換算すると ︓ 約3,200億冊分︕

    地球の全⼈⼝(約80億⼈)で⼭分けしたとしても、 「⼈類全員が、毎⽉⼀⼈あたり40冊分の本を AIに読み書きさせている」 という計算 4
  3. Gemini Enterpriseの統合・再設計 ビジネス向け 開発者向け ユーザー体験向上 Gemini Enterprise App Gemini Enterprise

    Agent Platform Gemini Enterprise for Customer Experience 各種モデル提供をしていVertex AIの他、 Agent Studio ADKなどのAI 開発ツールが統合・リブラン ディング AIエージェントが商品検索から購⼊後 のサポートまでを⼀貫して⽀援する基 盤。ショッピング・エージェント、注 ⽂・サポートエージェント(チャットボット 本番開発をより柔軟に LLM単体ではなく適宜MLなども 組み合わせた広義のAI開発など も前提とした枠組みに 5⽉のGoogle I/Oでは「検索」 が25年ぶりに⼤きく変わる瞬間 Agent Designerという⾃然⾔ 語でAgentを構築できるような機 能など もはやAgent開発はエンジニアだ けのものではなく、全ビジネス パーソンが⾃らAgent開発を実⾏ する時代に や⾳声対応エージェント) Customer Experience Agent Studio(パーソナライズされたAIエージェント) ※Eコマース企業はUC,UCPに対応しないと⽣ き残れない時代へ 5
  4. 2025〜2026年 AI投資シフトに伴う⼈員構造の変化 出典: TrueUp, Challenger Gray & Christmas, Invezz, TechTimes

    (2026) Oracle Amazon Meta 〜30,000⼈SoftBankとのAIデータセンター合弁(400億 全体の約1/5 〜30,000⼈ 企業部⾨中⼼ 「官僚主義排除」を名⽬にAI⾃動化推進 〜8,000⼈ 「AI投資コスト相殺のため」と社内メモに明 全体の10% 〜8,750⼈ Microsoft ⽶国の約7% Block ドル)直後に断⾏ 4,000⼈ 全体の40% 1,600⼈ Atlassian 全体の10% 記 早期退職優遇でAI製品投資の原資確保 2026年 テック業界レイオフ累計 142,000+ 前年⽐ +33% 実態︓総社員数は減っていない Meta は直近2年で+20%増やした後の10%削減 ⼤半の⼤⼿企業はAI⼈材採⽤でheadcount純増を 維持 AI関連求⼈ 275,000件 が同時期にオープン ⼊れ替わっている職種 CEO Dorseyがグローバル展開AIを公式理由に 「AIの時代への対応」を公式発表 削減 採⽤ ▼ カスタマーサポート ▲ ML・AIエンジニア ▼ QA・コンテンツMO⇄▲ AIセキュリティ研究者 ▼ 中間管理職・汎⽤IT ▲ データインフラSE AI職の賃⾦プレミアム +56% 削減の約50%は同職をオフショア・低賃⾦で再雇⽤(Bloomberg)→ 「労働⼒削減」ではなく「コスト再設定」 パンデミック過採⽤修正も複合要因 6
  5. 本番開発で発揮すべき専⾨性 ⾮エンジニアの作るプロトタイプ エンジニアの本番実装 セキュリティ • • 動けばいい 鍵は直書き • 環境変数、権限縮⼩、環境分離、多層防御

    プライバシー 法務・権利 • • 気にしない コピペ最⾼ • • APIに投げるデータ・情報の取り扱い確認 ライセンス確認、著作権への配慮 運⽤ • 気にしない • • アクセスログとエラーログの取得 監視と通知(異常検知と通知の設定) コスト • 無料枠、定額サブスク内で⼗分 • • スケーリング時の試算と上限設定 APIの課⾦単位、ハードリミットの設定 データ保護・活⽤ • 適当にDBに突っ込む • • 暗号化、マスキング、削除ポリシー データ定義、連携⾃動化 ・・・etc 最近AIで開発を始めたジュニア層が持ち得ないナレッジ 8
  6. AIのはらむリスク ①表⾯的な学習に陥る ② ⽣産性が下がる 場合がある 「それっぽい回答」に満⾜し、深く理 解しないまま学習が完了したと錯覚す る“表⾯的学習”のリスク • ⾃⼒で⽂章を書いた学⽣に⽐べて脳

    の接続性(エンゲージメント)が著 「若⼿の⽣産性が下がった」衝撃データ しく低下 • シニア層︓⽣産性が3〜5割向上 • AI利⽤者は、執筆から数分後には⾃ • 若⼿層︓逆に⽣産性が2〜3割低下 分の書いた内容をほとんど記憶して いない (出典)arXiv 2025年11月3日 From Superficial Outputs to Superficial Learning: Risks of Large Language Models in Educa<on (表面的な出力から表面的な学習へ:教育における大規模言語 モデルのリスク) 研究機関: 香港科技大学 h"ps://arxiv.org/abs/2509.21972 単にAIを使っただけでは⼈ の能⼒は向上しない (出典)ファインディ事業戦略発表会レポート h"ps://productzine.jp/ar4cle/detail/4035?utm_source=seid_re gular_20260129&utm_medium=email 「問いを⽴てる⼒」がないとAI を使いこなすことはできない ③脳への影響 (認知負債) (出典)_Arxiv 2025年12月31日 Your Brain on ChatGPT: Accumula<on of Cogni<ve Debt when Using an AI Assistant for Essay Wri<ng Task (ChatGPT利用時の脳:エッセイ執筆におけるAIアシスタント利用 に伴う「認知負債」の蓄積) 研究機関 : MIT Media Lab h"ps://arxiv.org/abs/2506.08872 AIに任せきりにすると、⼈ 間の脳が退化してしまう 9
  7. AIで⽣産性を向上させるには専⾨知識が必要 研究結果 Computer Scienceの素養と作⽂⼒が Vibe Coding の成果を予測する 研究機関: チューリッヒ⼯科⼤学(ETH Zurich)、コンピュータサイエンス学科(Department

    of Computer Science) Computer Science Achievement and Writing Skills Predict Vibe Coding Proficiency(コンピュータサイエンス の達成度と⽂章執筆能⼒は、バイブ・コーディングの習熟度を予測する) (出典)arXiv 2026年3⽉14⽇ https://arxiv.org/abs/2603.14133 AIを使いこなすための「暗黙知」ブーム が来る •“AIを使えば誰でも作れる”は、 過⼤評価 •知識・素養のある⼈ほど、AIから 引き出せる成果が⼤きい •「正しく問いを⽴てる⼒」も、結 局は知識の上に乗っている •⾔語化・要件分解の⼒ = AI時代 に伸びる⼒ ※本研究は、2026年4⽉にスペインのバルセロナで開催の、 ヒューマン・コンピュータ・インタラクション(HCI)分野で最 も権威のある国際会議の⼀つ、CHI 2026(Conference on Human Factors in Computing Systems)の論⽂として採択さ れています 。 ⾃分がナレッジを持つ専⾨分野でこそAIを活⽤することが⽣きる 11
  8. 12

  9. みんなでAgentを作ろう レビュー観点・ 判断基準といっ ✖ た暗黙知 繁忙な上位者に 遠慮して聞けない ✖ Agent .mdを作る

    AIに聞いて とりあえずできている 企画書・議事録 などの情報 AIコーディングを個⼈の試⾏錯誤にとどめず、 チームの開発プロセスに安定して組み込む 13
  10. テストの設計と結果から先に⾒る ボリュームが減る 正しい状態を論理定義できる 先⼊観が⼊りにくい テストコードは プロダクトコードより はるかに少ない → 集中⼒が持つ テストによって

    どんな状態が正解かを 明⽰的に確認できる ⾃分が書いたコードへの バイアスが排除でき、 バグを⾒落としにくい ※普通にAIに任せるとハッピーパスしか通さないので、Critic Agentを配置するなどの⼯夫は必要 17
  11. Agentの⼤まかな枠組み 開発単位に分割 🤖Agent自律ループ 検証できる粒度 テスト設計 コード生成 テスト実行 目的を明文化 テストを満たす実装 結果を記録

    重要度スコアリング 影響範囲・リスク・複雑度 レビューパッケージ出力 ターゲット・目的・スコア 👤人間レビュー 重要度の高い順にレビュー テストの目的と結果を確認 承認 差し戻し 次の開発単位へ Agentへ再実行指示 18
  12. 巨⼤なエージェントは作らない。でも俯瞰して考える。 要件定義 設計 ⼈との対話に重点を置く 要件を固めるための効率化 ツールとしてAIを活⽤ なるべく短いタームで エンジニア(↔ AI)🔁 ビジネ

    スサイド の確認をしながら要件を確定 し、設計に落とす ※これを踏まえたスケジュー ル策定も重要 実装+ユ ニットテスト テスト(QA・ 統合) 重要度スコ アリング コーディングAgentに⼀気にやってもらう 開発タスクをカテゴリ分けし、その分野に適 したAgentを仕⽴てる テスト起点 レビュー ⼈が確認 CI/CD デプロイ 監視・運用 経験を持ったエンジニアが設計 アウトプットをチェック ⼈︓観点・考え⽅に基づくタスクを指⽰ AI︓ログ監視・異常検知 ⼈︓インシデント対応・改善判断 それぞれの⼯程に合わせた設計をシステムに組み込む 業務の流れそのものを変えることも視野に⼊れる 19
  13. ジュニア層が持っていないもの 1 2 3 横断的な技術知識 ビジネス × 技術の調整⼒ 本番経験からくる重⼒感 専⾨家レベルでなくていい

    「⿐が効いてその分野の専⾨家 と会話できる」こと ・要件 ・技術的限界 ・コスト(ヒト・カネ) ・スケジュール 例) データサイエンティストでも セキュリティ、インフラ、DBなどの観点・知 識が必要 を掛け合わせて うまく判断する⼒ リリース・運⽤の怖さを ⾝をもって知っていること (軽く考えがち) バイブコーディングするだけではこれらをどれも教えてくれない ̶̶むしろ「なくても動くものが作れる」ので気づきにくくなる 20
  14. 今後のStep︓Agentの出⼒を「使う⼈」に合わせて変える STEP1:経験値をAgentに埋め込む STEP2:Agentの出⼒を使う⼈で変える • レビュー観点・判断基準をAgentに学 ばせる • 議事録(動画+⽂字起こし)でビジ ネス要件を読み込ませる •

    フローごとに⼈の介在ポイントを意図 的に設計する(例︓週次で要件定義を レビュー) • Agentの構築をする中で、暗黙知が⾔ 語化される • 若⼿にはあえて正解を出さず、QA⽅ 式で考えて選ばせる • 「指⽰には強いが⾃律思考が弱い」問 題をAgentの設計で補う • AIを育成ツールとしても使う ベテラン スピードと品質を両⽴した アシスタントAI • 最適解 • 複数の選択肢と根拠 思考⼒と専⾨性を育てる • ⼀緒に構築することで⼈も考え⽅を学 ぶ 若手 • • ティーチングAI 答えを出さない 考え⽅やヒントを提⽰ 21
  15. AI時代に競争優位性(差別化)を⽣み出すポイント データ 1.企業独⾃データの武器化 顧客の声・営業現場のリアルなデータを「AI Agentがいつでも即座に参照・活⽤できる状態」 に整備する 知識 2.暗黙知をAIに移植する AIの性能を最⼤限に引き出すには、汎⽤的な知識だけでなく「⾃社固有のノウハウ(業務⼿ 順・判断基準・独⾃ルール)」をAIに埋め込むことが最重要

    プロ セス 3.業務プロセスをAI Agentから設計し直す 「既存業務の⼀部にAIを適⽤する」のではなく、「AI Agentが存在することを前提として、業 務プロセスをゼロから再設計する」 組織 4.ミッションと評価基準を⼈間中⼼に再定義する AIがオペレーションを担う時代において、「⼈間が何に集中すべきか」「どこにリソースを投 下すべきか」を根本から再設計する 最も⼤事なのは技術ではなく“何を与えるか”そして"どう変わるか" 23