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テクノロジーで地域課題解決~シビックテック~ 第16回まちづくりカフェ

 テクノロジーで地域課題解決~シビックテック~ 第16回まちづくりカフェ

Hiroshi Omata

July 14, 2017
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  1. Who am I 小俣 博司 / OMATA, Hiroshi (アダ名は「おとうさん」) オープン川崎/Code

    for Kawasaki 主宰 神奈川県川崎市中原区出身、川崎市高津区在住 デベロッパー・エンジニア歴30年以上の経験を持ち、ハードウェアへの組み込 み系プログラムやデータ処理等を得意としている。 日本の自治体で初めて「オープンデータ」に取り組んだ福井県鯖江市の取組に 当初より携わり、2014年9月から翌3月まで、Code for Japanのフェローとして 福島県浪江町役場に勤務し町民向けタブレットアプリ開発に携わった。 Code for Japanが昨年まで実施していた井戸端会議の世話人のひとり。 大学の研究員として、データ分析・解析、シビックテックやオープンデータ/オー プンガバメントについて精力的に活動をしている。 シビックテックのブログメディア CivicWave <http://www.civicwave.jp/>の 運用メンバーであり、日本全国をつなぐ、オンラインの井戸端会議を定期開催 中(毎月第一木曜日) ソーシャル大学のシンジョーまちなカレッジの学長も務める
  2. Step2. 知りたい将来 年をクリック Step2. 知りたい将来 年をクリック Step3. 14指標について、 3つのケースで比較 Step3.

    14指標について、 3つのケースで比較 Step4. 市民の意見を 登録 Step4. 市民の意見を 登録 5指標 (総人口, 高 齢者人口, 子供の人 口, 行政コスト, 緑地 割合) 現状の値 そのままの都市構 造の場合の将来値 計画された都市構 造の場合の将来値 5指標(医療施設、学 校、スーパー、コンビ ニ、大型商業施設へ のアクセシビリティ) 4指標(介護施設、保 育施設、行政施設、 公園へのアクセシビ リティ) Step1. 知りたいエリアを クリック (500mメッシュ) Step1. 知りたいエリアを クリック (500mメッシュ) MyCityForecast:都市の将来像可視化ツール https://mycityforecast.net/
  3. 川崎のオープンデータ(16) • 自動体外式除細動器(AED)設置施設等 • 学校給食献立表 • 応急給水拠点 • かわさきアプリのアンケート •

    かわさき市民アンケート • かわさきWi-Fi • CASBEE川崎 • ごみの分別データベース • 工業統計 • 防災・気象 • 消防 • 川崎市感染症情報発信システム • 町丁別世帯数・人口 • 町丁別年齢別人口 • 世帯数・人口 • 市政だよりのテキスト一覧 13 2017/07/11 現在
  4. 日本全国に広がる 草の根シビックテック “日本でもCode for Japanが2013年に設立されました。互助の 文化的背景を持っていた日本では、草の根的な活動を行うシビッ クテックが多いのが特徴です。設立から4年で、ブリゲイド(IT消防 団)と呼ばれるコミュニティは全国で70以上存在しています。 そこでは、地域をよく知るための活動としてのマッピングパー ティーや、複数のメンバーがチーム単位で特定の課題のアイデア

    を出し合うアイデアソンと呼ばれるワークショップが行われていま す。他にもハッカソンと呼ばれる短期間でアプリを生みだすイベン トや、行政データのオープン化をすすめる集まりなど、地域に応じ て多様な試みが行われています。“ http://code4japan.org/ http://code4japan.org/brigade http://hrnabi.com/2016/03/25/10730/
  5. シビックテック分類 シビック テック シビック テック Governmen t Governmen t Profit

    Profit Community Community Non-Profit Non-Profit 社会の3つの領域 ・市民コミュニティ ・企業民間 ・行政公共
  6. オープンデータとは 1. Open License or Status (オープンなライセンスあるいは状態  パブリックドメイン あるいはオープンな

    ライセンス (第2項にて定義) のもとで 提供されなくては ならない。作品に対して、作品のパブリックドメイン状態やライセンス規約と矛盾する状態を定め る追加条項 (例えば利用規約、ライセンサーによる特許取得など) を 付帯してはならない 2. Access (アクセス)  その全体が利用可能な状態とされなくてはならず、かつ、複製のための適切な価格の支払いを 実施する場合は複数回にわたって 行われてはならない、さらに、インターネットを通じて無償で ダウンロード可能とされる 必要がある。 ライセンスの順守に必要となるあらゆる追加情報 (例え ば帰属情報表示の際に必要とされる貢献者の名前など) は作品に 付帯されなくてはならない。 3. Machine Readability (機械可読性)  コンピュータによって容易に処理が可能な形式で 提供されなくてはならず 、また作品に含まれ る個々の要素に対するアクセスや修正が簡便に行える状態でなくてはならない。 4. Open Format (オープンな形式)  オープンな形式で 提供されなくてはならない 。オープンな形式とは、金銭的あるいはそれ以外 のあらゆる制限が無く、少なくとも1つ以上の フリー/自由/オープンソース (free/libre/open s ource) なソフトウェアによって利用および完全に処理が可能な形式を指す。 オープンの定義: http://opendefinition.org/
  7. データの側面からみた オープンデータ ➢ ボトムアップ型のデータ:データ収集への貢献 ➢ 事前や環境設定等のモニタリングデータ:Safecast ➢ 「自由な」世界地図作成プロジェクト:OpenStreetMap ➢ インターネットの百科事典:

    Wikipedia ➢ ミドルアップ&ダウン型のデータ:収集&フィードバック ➢ 市民活動としてのオープンデータ化:LinkData.org ➢ 市民協働型による街のデータ収集→課題解決 ➢ (ちばレポ、FixMyStreet) ➢ トップダウン(パブリック)型のデータ:公共データの活用 ➢ 国・自治体オープンデータ ➢ OpenGLAM ➢ {オープン}データの流通フォーマット ➢ 共通語彙基盤 ➢ GTFS(General Transit Feed Specification) オーブンデータは、トップダウンのオープンガバメントデータだけではない
  8. EDIT your City 地域の情報を自分たちの手で発信する。  Wikipedia Town/ Wikimedia commons 

    地域の百科事典  誰でも編集できるフリー百科事典  OpenStreetMap  地域の地図  自由な地図をみんなの手に  LocalWiki  地域の情報  世界中のローカルな知識をオープンにする収集
  9. ウィキペディアとは • ウィキペディアとは、百科事典=エンサイクロペディア(Encycl opedia)とウェブ上で編集することができるサービスのウィキ (Wiki) を由来とした造語です。 • 2001年にジミー・ウェールズ(Jimmy Donal “Jimbo”

    Wale s)とラリー・サンガー(Larry Sanger)により英語で開始された • 2002年に日本語の文字が使えるようになった • 非営利団体のウィキメディア財団(アメリカ合衆国カリフォルニ ア州)によって運営され、寄付によって運営が行われている
  10. データと情報 • データは、事実を示す数値や文字で作られた素材 • 情報は、データを元に意味あるものにしたもの オープンデータは情報を作るためのデータ(素材) である 公共が提供するオープンガバメントデータは市民が望む情報を提供するのではなく、提供による成 果を求めるものでもない オープンガバメントデータに必要なことは

    • 一度公開したデータのフォーマットを変更しない • インターネット上のURLを変更しない • 語彙を揃える(共通語彙基盤等) 素材があれば、新たなサービスやシステムを意味ある情報にしていくことが可能。 近年は、IoTによるセンサの増加、クラウドによるストレージ価格の低下、新しい通信 環境による何処からでも繋がる環境が整ってきている データを組み合わせた新たなる価値やサービスが生まれる状況でもある
  11. 地域と課題 • 地域 ➢ 地域=行政ではない ➢ 土地や建物だけでもない ➢ 土地、人、企業、文化を含めて全ての事を指す ➢

    地域コミュニティには選択肢が必要 • 協働 ➢ 市民参加による社会課題のオープンな解決を志向 ➢ 自立した市民の地域的拡がりによる公共との協働が必要 • 課題 ➢ 課題や問題は可能性である ➢ 課題解決と考えるのではなく、魅力的な地域にするにはどうしたら良いのか 考えると新しいアイデアも変わってくるのでは? ➢ 義務感だけではなく、興味や面白さも必要
  12. Code for America Code for Americaの現在のフォーカスエリアは3つ A.ヘルスケア カリフォルニア州の生活保護制度、CalFresh(フードスタンプ)の申請、配布などを簡単に するWebサービスの開発。(日本と違って、生活保護自体が良いか悪いかという議論はあ まりないようで、行政サービスがあるのに、それを受けられない人をいかに救うかが課題)

    B. ジャスティス 刑期終了者の社会復帰を促進するWebサービス。米国では再犯率の高さが問題となって おり、これは刑を終えてもまともな職につくことができないからだと考えられている。この部 分をサポートする仕組。犯罪記録について間違ったものを修正したり、就労支援等となる C. エコノミックデベロップメント デトロイトなど衰退した地域でのスタートアップ育成等。企業登録や許認可を簡単にした り、需要予測などを可視化する。また、行政向けには補助金などをどこに出せば効率的か をデータにもとづき判断する。
  13. Code for America Code for Americaの現在のフォーカスエリアは3つ A.ヘルスケア カリフォルニア州の生活保護制度、CalFresh(フードスタンプ)の申請、配布などを簡単に するWebサービスの開発。(日本と違って、生活保護自体が良いか悪いかという議論はあ まりないようで、行政サービスがあるのにそれを受けられない人をいかに救うかが課題)

    B. ジャスティス 刑期終了者の社会復帰を促進するWebサービス。米国では再犯率の高さが問題となって おり、これは刑を終えてもまともな職につくことができないからだと考えられている。この部 分をサポートする仕組。犯罪記録について間違ったものを修正したり、就労支援等となる C. エコノミックデベロップメント デトロイトなど衰退した地域でのスタートアップ育成等。企業登録や許認可を簡単にした り、需要予測などを可視化する。また、行政向けには補助金などをどこに出せば効率的か をデータにもとづき判断する。