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品質特性のすすめ

honamin
August 01, 2022

 品質特性のすすめ

honamin

August 01, 2022
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  1. 品質特性とは about Quality Characteristic 「 要求事項に関連する製品、  プロセス又はシステムに本来備わっている特性」 1. “本来備わっている”とは、そのものが存在している限り、もっている特性を意味す る。

    2. 製品、プロセス又はシステムに付与された特性(例:製品の価格、製品の所有者) は、その製品、プロセス又はシステムの品質特性ではない。 3. 品質工学では、システムの機能を確保するために必要とされ、仕様で規定される特 性。
  2. ➖ 時間効率性 製品又はシステムの機能を実行するとき、製品又はシステムの応答時間及び処理時間、並びにスループ ット速度が要求事項を満たす度合い。 テスト観点:適切な応答時間及び処理時間(一定の処理を完了するのに要する時間) time behavior ➖ 資源効率性 製品又はシステムの機能を実行するとき、製品又はシステムで使用される資源の量及び種類が要求事項

    を満たす度合い。 テスト観点:使用領域を使いすぎない(CPU負荷・通信資源など) resource utilization ➖ 容量満足性 製品又はシステムのパラメータの最大限度が要求事項を満たす度合い。 テスト観点:パラメータを最大限までつかえること(保存できる項目数・同時に利用する利用者の数・ データベースの大きさ) capacity
  3. ➖ 共存性 その他の製品に有害な影響を与えずに、他の製品と共通の環境及び資源を共有する間、 製品が要求された機能を効率的に実行することができる度合い。 テスト観点:他のソフトウェアとの共存 co-existence ➖ 相互運用性 二つ以上のシステム、製品又は構成要素が情報を交換し、 既に交換された情報を使用することができる度合い。

    テスト観点:他のシステム、装置との連動 resource utilization 📄memo 推奨環境との繋がりについて???と思う人もいるかもです。 本来推奨環境とは「このスペック以上の環境を用意してね。用意できないならもしかしてもしかするとアプリ ケーションが正常に動かないかもしれないけど、補償はしないよ」という環境のこと。 この環境には自アプリケーションの負荷がかかっていても他アプリケーションが正常に動く、という観点も含 まれる。ただしWEBブラウザ上のアプリケーションに対してはここらへんを考えて品質設計されてるものを 知らない🤔(ネイティブアプリではよくある)。そこらへんはブラウザアプリ側でよしなにしてくれている という仮説。(宿題にさせてください・・・)
  4. ➖ 適切度認識性 製品又はシステムが利用者のニーズに適切であるかどうか(機能適切性)を利用者が認識できる度合 い。 テスト観点:利用者のニーズに適した利用。(スタートアップガイド・ヘルプページなども含む) appropriateness recognizability ➖ 習得性 明示された利用状況において、有効性、効率性、リスク回避性及び満足性をもって製品又はシステムを

    使用するために明示された学習目標を達成するために、明示された利用者が製品又はシステムを利用で きる度合い。 テスト観点:覚えやすい使用方法になっているか。 learnability ➖ 運用操作性 製品又はシステムが、それらを運用操作しやすく、制御しやすくする属性をもっている度合い。 テスト観点:作業順序に応じた操作になっているか。 operability
  5. ➖ ユーザーエラー防止性 利用者が間違いを起こすことをシステムが防止する度合い。 テスト観点:誤操作防止 user error protection ➖ ユーザーインターフェース快美性 ユーザインタフェースが、利用者にとって楽しく、満足のいく対話を可能にする度合い。

    テスト観点:利用者が満足するシステムとの対話 UI aesthetics ➖ アクセシビリティ 製品又はシステムが、明示された利用状況において、明示された目標を達成するために、幅広い範囲の 心身特性及び能力の人々によって使用できる度合い。 テスト観点:身体障害者を含む全ての人が快適・有効に使用できるか(年齢による身体障害も含む) accessibility
  6. ➖ 成熟性 通常の運用操作の下で、システム、製品又は構成要素が信頼性に対するニーズに合致している度合い。 テスト観点:障害発生時に機能停止しない。(MTBF・・・Mean Time Between Failure) maturity ➖ 可用性

    使用することを要求されたとき、システム、製品又は構成要素が運用操作可能及びアクセス可能な度合 い。 テスト観点:使用可能な状態の継続度。(24時間利用可能か) availability ➖ 障害許容性(耐故障性) ハードウェア又はソフトウェア障害にもかかわらず、システム、製品又は構成要素が意図したように運 用操作できる度合い。 テスト観点:回避(エラー表示・制限) fault tolerance
  7. ➖ 機密性 製品又はシステムが、アクセスすることを認められたデータだけにアクセスすることができることを確 実にする度合い。 テスト観点:許可された者のみがアクセスすることができるか confidentiality ➖ インテグリティ コンピュータプログラム又はデータに権限をもたないでアクセスすること又は修正することを、システ ム、製品又は構成要素が防止する度合い。

    テスト観点:許可していない者がアクセスすることができないか integrity ➖ 否認防止性 事象又は行為が後になって否認されることがないように、行為又は事象が引き起こされたことを証明す ることができる度合い。 テスト観点:利用事実の証拠を証明できるか(利用規約の同意チェックの記録など) non-repudiation
  8. ➖ モジュール性 一つの構成要素に対する変更が他の構成要素に与える影響が最小になるように、システム又はコンピュ ータプログラムが別々の構成要素から構成されている度合い。 テスト観点:別々の構成要素の構成度合い modularity ➖ 再利用性 一つ以上のシステムに、又は他の資産作りに、資産を使用することができる度合い。 テスト観点:他システムへの再利用(ドキュメント類も含めることができる)

    reusability ➖ 解析性 製品若しくはシステムの一つ以上の部分への意図した変更が製品若しくはシステムに与える影響を総合 評価すること、欠陥若しくは故障の原因を診断すること、又は修正しなければならない部分を識別する ことが可能であることについての有効性及び効率性の度合い。 テスト観点:障害監視・ログ取得 analysability
  9. ➖ 適応性 異なる又は進化していくハードウェア、ソフトウェア又は他の運用環境若しくは利用環境に、 製品又はシステムが適応できる有効性及び効率性の度合い。 テスト観点:移植・OSの入れ替え adaptability ➖ 設置性 明示された環境において、製品又はシステムをうまく設置及び/又は削除できる有効性及び効率性の度 合い。

    テスト観点:インストールのしやすさ、システムの初期導入手順 installability ➖ 置換性 同じ環境において、製品が同じ目的の別の明示された製品と置き換えることができる度合い。 テスト観点:他製品(またはスプレッドシートなどの管理機構)からの置換えが可能か。csvのイン ポート機能なども含まれる replaceability
  10. 品質は常に相対評価である 競合サービスと比べてどうか 時代と環境に合っているのか まずは実務に必要な機能があるのか、 あるとしたらコストはどうか、 コストに対して使用性はどうか。 いろんな面で比べられています。 自分たちではいい!と思っていても 周りと比べるとその品質ってどうですか? ※品質がいい ≠ 不具合がない

    例えば2020年1月1日に「高品質」かつ かぎりなくパーフェクトな状態でリリース したシステムを2025年12月31日まで放っ ておいたらどうでしょう。 システムの品質は100%下がります。 子どもと違って、システムは一人では育た ないし、周りの環境は常にアップデートさ れていくからです。
  11. スライド構成 👑「品質特性」を意識することでなにがいいのか • 品質特性とは ◦ 国際標準のはなし ◦ 品質要因のはなし ◦ なぜ作られたのか

    ◦ ソフトウェア製品の品質特性について(その他6つパターンなどもせつめい) • 個々の品質特性と副特性のはなし ◦ 機能適合性からじゅんばんに • 品質特性とユーザーフォーカス