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ハイパースレッディングの 並列化効率への影響 / Hyper Threading

ハイパースレッディングの 並列化効率への影響 / Hyper Threading

2011年6月に物性研スパコンでハイパースレッディングが性能に与える影響について調べた実験結果。2013年にSlideShareにアップロードしたものをこちらにサルベージ。

kaityo256

May 23, 2013
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Transcript

  1. 3/13 観測事実 (2/2) (1) 粒度が疎、つまり計算時間に比して通信時間が相当 短いはずなのに、ウィークスケーリングで高並列時に 性能が劣化する (2) 力の計算時間を測定してみると、通信を含まないは ずなのにプロセスごとに時間がばらついている

    (3) 時間のばらつきはプロセス数を増やすと大きくなり、 全体同期により性能劣化を招いている (4) まったく同じ計算をしても、遅いプロセスは毎回異なる システムノイズ(OSジッタ)だろうか? しかしOSジッタにしては影響が大きすぎる
  2. 6/13 計算条件 (2/2) 東京大学物性研究所 システムB SGI Altix ICE 8400EX CPU:

    Intel Xeon X5570 2.93GHz 4コア/CPU、2CPU/ノード 計算資源: 計算条件: カットオフ2.5σのLennard-Jones粒子系 時間ステップ 0.001、数密度: 0.5 粒子数: 50万粒子/コア、 400万粒子/ノード Flat-MPIによる領域分割 計算コード:http://mdacp.sourceforge.net/ 測定日:2011年6月 ※ HT無効の計算は1ノードから1024ノードまで数点を、 HTを有効にした計算は、1024ノード、8192コアの一点のみを計算
  3. 8/13 粒子をメッシュに登録 隣接粒子リストを作成 力の計算 位置と速度を更新 リストはまだ有効か? No Yes 領域からはみ出した粒子の処理 粒子の位置情報を更新

    測定する場所 計算全体: このループを 1000ステップ積算 力の計算: ここだけをステップごと、 プロセスごとに計測 ※計算全体は並列化効率の定義のため、力の計算は揺らぎの測定のために調べる
  4. 11/13 誤差関数でフィットしてみる 特徴的な時間「τ」 ガウス分布の標準偏差に相当 HTなし:平均時間 143.785 [ms] 標準偏差 0.29 [ms]

    HTあり:平均時間 143.940 [ms] 標準偏差 0.36 [ms] 一番遅かったプロセス: HTなし: 221.543 [ms] HTあり: 164.009 [ms] 平均からのずれが256σ 統計情報からはHTなしの方が優れている(平均も揺らぎも小さい)が・・・ 一番遅いプロセスの実行時間がHTにより大きく改善された 計算時間の揺らぎ (2/3)
  5. 13/13 まとめのようなもの (1) Hyper-Threading Technologyを有効にすることで 並列化効率が大きく向上→HTによるスムーズなス レッドの切り替えが要因? (2) 揺らぐ時間は80ミリ秒といったオーダー →

    OSジッタとしては大きすぎる (3) 通信を含まないはずの領域を測定しているのに、計 算時間が大きく揺らぐ →通信の後処理が割り込んでいる?