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電気工学II第13回 /eleceng2_13

電気工学II第13回 /eleceng2_13

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Kazuhisa Fujita

March 28, 2023
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  1. 問題 • 図の回路の出力電圧Vo[V]はどれか.ただし,Aは理想演算増幅器とする.(第 42回ME2種) 1. -5.5 2. -5.0 3. 0

    4. 5.0 5. 5.5 イマジナリショートより,各入力の抵抗に加 わる電圧は入力電圧と等しい.よって,それ ぞれの入力の抵抗を流れる電流は 𝐼1 = 1/10𝑘 𝐼2 = 0.2/20𝑘 となる.オペアンプの入力インピーダンスは 無限大なので,入力の抵抗を流れる電流の全 てが50kΩの抵抗に流れる.よって, 50kΩ の抵抗を流れる電流は 𝐼 = 𝐼1 + 𝐼2 = 1 10𝑘 + 0.2 20𝑘 = 2.2 20𝑘 = 1.1 10𝑘 よって,50kΩの抵抗にかかる電圧は 𝑉 𝑓 = 50𝑘𝐼 = 50𝑘 × 1.1 10𝑘 = 5.5 である.出力電圧は−𝑉 𝑓 なので出力はVo = − 5.5Vである. 𝑉 𝑓
  2. 問題 • 図の回路の出力電圧Vo[V]はどれか.ただし,Aは理想演算増幅器とする.(第 42回ME2種) 1. -5.5 2. -5.0 3. 0

    4. 5.0 5. 5.5 別解: 入力側の抵抗を一つづつ考える. 10kΩの抵抗のみがある場合を考える. 抵抗に流れる電流は,イマジナリショートから 𝐼1 = 1 10𝑘 𝐴 入力端子はインピーダンスが無限大なので,これ が50kΩにも流れる.よって出力電圧は 𝑣𝑜1 = −5𝑉 20kΩの抵抗のみがある場合を考える. 先程と同様に計算すると出力電圧は 𝑣𝑜2 = − 0.2 20𝑘 × 50k = −0.5V よって,出力電圧は 𝑣𝑜 = 𝑣𝑜1 + 𝑣𝑜2 = −5.5𝑉 1 10𝑘 𝐴 0.1 10𝑘 𝐴 -5V -0.5V
  3. 問題解説 • 図の回路の出力電圧Vo[V]はいくらか.(第37回ME2種) 1. -4 2. -1 3. 1 4.

    2 5. 4 -1V 1V 1V 20kΩ 40kΩ 80kΩ 80kΩ イマジナリショートから, 反転入力端子 の電圧は非反転入力端子と同じなと見なせ るので0Vである.つまり入力につながる各 抵抗にかかる電圧は,それぞれがつながっ ている入力電源の電圧そのものである. よって,20kΩ,40kΩ,80kΩの抵抗を 流れる電流はオームの法則から,それぞれ 𝐼1 = − 1 20𝑘 A,𝐼2 = 1 40𝑘 A, 𝐼3 = 1 80𝑘 Aである. オペアンプの入力インピーダンスは無限 大なので,電流 𝐼1 , 𝐼2 , 𝐼3 は80kΩの電流に流 れる.よって,80kΩの抵抗に流れる電流𝐼 は,𝐼 = 𝐼1 + 𝐼2 + 𝐼3 にかかる電圧は, 𝑉𝑓 = 80𝑘𝐼 = 80𝑘 × − 1 20𝑘 + 1 40𝑘 + 1 80𝑘 = −4 + 2 + 1 = −1𝑉 出力電圧𝑉 𝑜 は80kΩにかかる電圧に−1かけ ればよいから, 𝑉 𝑜 = 1 黄色の回路を時計回りにを考えると,入力端子は0V,80kΩの抵 抗で−1V下がる,最後に0Vにならなければならないので出力電 圧は1Vである. また電流は反時計回りに回っているので,出力電圧を電池と見 なすと上向きを+にしなければならない(つまり正である). 黄色の回路の電圧降下の図
  4. 問題解説 • 図の回路の出力電圧Vo[V]はいくらか.(第37回ME2種) 1. -4 2. -1 3. 1 4.

    2 5. 4 -1V 1V 1V 20kΩ 40kΩ 80kΩ 80kΩ 別解 加算回路は重ね合わせで考えることが できる. 20kΩの入力のみに考えると,出力は 4Vである(黄色の回路). 40kΩの入力のみに考えると,出力は − 2Vである(緑色の回路). 80kΩの入力のみに考えると,出力は − 1Vである(水色の回路). よって出力は 𝑉 𝑜 = 4 − 2 − 1 = 1𝑉
  5. 問題 • 図の電子回路の入力端子にそれぞれ1Vを印加した.出力電圧𝑉 𝑜 が−10Vであっ た.抵抗𝑅𝑓 の値は何kΩか. 1. 1 2.

    5 3. 10 4. 15 5. 20 イマジナリショートから,入力端子に つながる1kΩの抵抗にかかる電圧は1V である.抵抗に流れる電流はオームの 法則から 1 1𝑘 Aである. 入力インピーダンスは無限大なので, 1kΩに流れる電流は全て𝑅𝑓 に流れる. よって,𝑅𝑓 に流れる電流は 2 1𝑘 Aである. よって出力電圧は𝑅𝑓 にかかる電圧𝑉 𝑓 に − 1かければよいから −𝑉 𝑓 = −𝑅𝑓 × 2 1𝑘 = −10 となるので 𝑅𝑓 = 5𝑘
  6. 問題 • 図の回路の𝑉𝑖 に5Vを入力したとき,𝑉 𝑜 [V]はどれか.ただし,Aは理想演算増幅 器とする.(臨床工学技士国家試験35) 1. −14 2.

    −7 3. 0 4. 7 5. 14 2Vの入力により生じる電流は 2 100 = 0.02Aである.よって,この電流により200Ωの 抵抗に生じる電圧は4Vである。 5Vの入力により生じる電流は 5 100 = 0.05Aである.よって,この電流により200Ωの 抵抗に生じる電圧は10Vである。 反転増幅回路であることを考慮すると,出力電圧は− 4 + 10 = −14Vである.
  7. 減算回路 • 𝑅2 𝑅1 = 𝑅4 𝑅3 である場合, 𝑉0 =

    𝑅2 𝑅1 𝑉1 − 𝑉2 となり,出力は入力の差の定数倍となる. 𝑉0 = 𝑅2 𝑅1 𝑉1 − 𝑉2 を求める計 算は大変なので理解は必要 だが,試験対策としては公 式を覚えたほうが良い.
  8. 減算回路の出力 • 非反転入力端子の電圧𝑉2 ′は,𝑅4 に加わる電圧なので • 𝑉2 ′ = 𝑅4

    𝑅3+𝑅4 𝑉2 • イマジナリーショートを考慮すると,非反転入力端子の電圧と反転入力端子の 電圧は等しい.よって,𝑅1 にかかる電圧𝑉1 ′は • 𝑉1 ′ = 𝑉1 − 𝑉2 ′ • したがって,𝑅1 に流れる電流𝐼は, • 𝐼 = 𝑉1−𝑉2 ′ 𝑅1 これらの計算はおまけ,読み飛ばして良い. 𝑉1 − 𝑉2 ′
  9. 減算回路の出力 • 入力インピーダンスは無限大なので,𝑅2 に流れる電流は𝐼である. • よって出力電圧𝑉 𝑜 は黄色の回路を考えれば, • 𝑉1

    − 𝑉 𝑜 = 𝐼𝑅1 + 𝐼𝑅2 = 𝑉1−𝑉2 ′ 𝑅1 𝑅1 + 𝑅2 = 𝑅1+𝑅2 𝑅1 𝑉1 − 𝑉2 ′ • 𝑉 𝑜 = − 𝑅1+𝑅2 𝑅1 𝑉1 − 𝑉2 ′ + 𝑉1 = 𝑅1+𝑅2 𝑅1 − 𝑅2 𝑅1+𝑅2 𝑉1 + 𝑉2 ′ • さらに,𝑉2 ′ = 𝑅4 𝑅3+𝑅4 𝑉2 を代入すると • 𝑉 𝑜 = 𝑅1+𝑅2 𝑅1 𝑅4 𝑅3+𝑅4 𝑉2 − 𝑅2 𝑅1+𝑅2 𝑉1 キルヒホッフの第2法則:電 圧降下の総和は電源電圧の総 和に等しい. これらの計算はおまけ,読み飛ばして良い
  10. 減算回路の出力 • また,𝑅2 𝑅1 = 𝑅4 𝑅3 である場合, • となり,𝑉1

    と𝑉2 の差が求められる. これらの計算はおまけ,読み飛ばして良い 𝑉 𝑜 = 𝑅1 + 𝑅2 𝑅1 𝑅4 𝑅3 + 𝑅4 𝑉2 − 𝑅2 𝑅1 + 𝑅2 𝑉1 = 1 + 𝑅2 /𝑅1 𝑅4 /𝑅3 1 + 𝑅4 /𝑅3 𝑉2 − 𝑅2 /𝑅1 1 + 𝑅2 /𝑅1 𝑉1 = 1 + 𝑅2 /𝑅1 𝑅2 /𝑅1 1 + 𝑅2 /𝑅1 𝑉2 − 𝑅2 /𝑅1 1 + 𝑅2 /𝑅1 𝑉1 = 1 + 𝑅2 /𝑅1 𝑅2 /𝑅1 1 + 𝑅2 /𝑅1 𝑉2 − 𝑉1 = 𝑅2 𝑅1 𝑉2 − 𝑉1
  11. 問題解説 • 図の回路の入力端子aが開放状態であるときVaは何Vか.ただし,Aは理想演算 増幅器である.(第40回ME2種) 1. 0 2. 0.5 3. 1

    4. 2 5. 5 Va 1V 1kΩ 1kΩ 1kΩ 1kΩ a A イマジナリショートを適用すると,非反 転入力端子につながる抵抗𝑅に加わる電圧 𝑉𝑅 と反転入力端子の電圧は等しいと見な せる.また, 𝑉𝑅 は1Vが2つの1kΩの抵抗 で分圧であるので,0.5Vである. Vaは,1kΩの抵抗とaとGND間の抵抗で 分圧すれば求まる.aとGNDの間は開放な の抵抗値は無限大である.よって,aと GND間にすべての電圧が加わるのでVaは 0.5Vである. R VR = 0.5V 0.5V 0.5V
  12. 問題 • 図のオペアンプ回路で,𝑅𝑡 はサーミスタである.抵抗𝑅1 から𝑅3 はすべて10kΩ である.𝑅𝑡 が10kΩのとき出力𝑉 𝑜 はゼロであった.温度が上昇し𝑅𝑡

    が9kΩに変 化したとすると,出力電圧𝑉 𝑜 は何Vになるか.ただし,オペアンプは理想的と する.(第34回ME2種) 1. 10 2. 4.5 3. −0.5 4. −4.5 5. −10
  13. 問題 • 図のオペアンプ回路で,𝑅𝑡 はサーミスタである.抵抗𝑅1 から𝑅3 はすべて10kΩである.𝑅𝑡 が10kΩの とき出力𝑉 𝑜 はゼロであった.温度が上昇し𝑅𝑡

    が9kΩに変化したとすると,出力電圧𝑉 𝑜 は何Vになるか. ただし,オペアンプは理想的とする.(第34回ME2種) 1. 10 2. 4.5 3. −𝟎. 𝟓 4. −4.5 5. −10 𝑅𝑡 = 10𝑘Ωの時𝑉 𝑜 = 0か確認する. イマジナリショートから𝑅3 にかかる電圧が反転 入力端子にかかることになる.𝑅3 にかかる電圧 は𝑉𝑅3 = 𝑅3 𝑅2+𝑅3 × 9 = 10𝑘 10𝑘+10𝑘 × 9 = 9 2 V よって𝑅𝑡 にかかる電圧は 9 − 9 2 = 9 2 V 𝑅𝑡 を流れる電流𝐼は 𝐼 = 9 2 × 10𝑘 A 𝑅1 にも同じ電流が流れるので𝑅1 に掛かる電圧 は 9 2 × 10𝑘 × 10𝑘 = 9 2 V 水色の回路の電圧降下を考えると出力電圧𝑉 𝑜 は 9 − 𝑉 𝑜 = 9 2 + 9 2 𝑉 𝑜 = 0
  14. 問題 • 図のオペアンプ回路で,𝑅𝑡 はサーミスタである.抵抗𝑅1 から𝑅3 はすべて10kΩである.𝑅𝑡 が10kΩの とき出力𝑉 𝑜 はゼロであった.温度が上昇し𝑅𝑡

    が9kΩに変化したとすると,出力電圧𝑉 𝑜 は何Vになるか. ただし,オペアンプは理想的とする.(第34回ME2種) 1. 10 2. 4.5 3. −𝟎. 𝟓 4. −4.5 5. −10 𝑅3 にかかる電圧は9/2=4.5Vである. イマジナリショートから抵抗𝑅𝑡 にかかる電 圧は,9 − 4.5 = 4.5Vである. よって抵抗𝑅𝑡 を流れる電流は 𝐼𝑅𝑡 = 4.5 9k A である.この電流が抵抗𝑅1 に流れるので, 抵抗𝑅1 にかかる電圧 𝑉𝑅1 は 𝑉𝑅1 = 4.5 9k × 10𝑘 = 5𝑉 である.水色の回路の電圧降下を考えると 9 − 𝑉 𝑜 = 4.5 + 5 𝑉 𝑜 = 9 − 9.5 = −0.5𝑉 キルヒホッフの第2法則:電圧降下の総和は電源電圧の総和に等しい.
  15. 問題 • 図1の回路において図2に示す電圧𝑉1 と𝑉2 を入力した場合,出力電圧𝑉 𝑜 の波形 で正しいのはどれか.ただし,Aは理想演算増幅器とする.(臨床工学技士国家 試験32回) これは減算回路である.さらに,回路定数を見ると,各端子の抵抗値の組み合わせは等しいので,この回路

    は単純に入力を引き算する回路である. 𝑉2 − 𝑉1 が0ではない区間は3から4秒なので,そこだけ出力は0でなくなる.このことから,選択肢は3か4に 絞られる. 出力は 𝑉2 − 𝑉1 の反転増幅となるので3から4秒間は出力は負となる。よって4が正しい。
  16. アクティブフィルタとは • オペアンプのような能動素子を用いたフィルタ ローパスフィルタ ハイパスフィルタ 1 2𝜋𝑅𝑓 𝐶𝑓 1 2𝜋𝑅1

    𝐶 カットオフ周波数 カットオフ周波数 入力インピーダンス𝑅𝑖 入力インピーダンス𝑅1 + 1 𝑗𝜔𝐶
  17. ローパスフィルタ • イマジナリショートより,入力端子はそれぞれ短絡しているとみなせる.よっ て抵抗𝑅𝑖 にかかる電圧は𝑉𝑅𝑖 = 𝑉𝑖 である.. • つまり𝑅𝑖

    に流れる電流𝐼𝑖 は 𝐼𝑖 = 𝑉𝑖 𝑅 である. • 入力端子のインピーダンスは無限大とみなせるので,𝑅𝑖 に流れる電流 𝐼𝑖 はす べて𝑅𝑓 と𝐶𝑓 からなる並列回路に流れる. • また,この並列回路のインピーダンス𝑍は • 1 𝑍 = 1 𝑅𝑓 + 𝑗𝜔𝐶𝑓 , 𝑍 = 𝑅𝑓 1+𝑗𝜔𝑅𝑓𝐶𝑓 • この回路は反転増幅回路なので𝑉 𝑜 は • 𝑉 𝑜 = −𝑍𝑖 = − 𝑅𝑓 𝑅𝑖(1+𝑗𝜔𝑅𝑓𝐶𝑓) 𝑉𝑖
  18. ローパスフィルタ • ローパスフィルタの出力𝑉 𝑜 は • 𝑉 𝑜 = −𝑍𝑖

    = − 𝑅𝑓 𝑅𝑖(1+𝑗𝜔𝑅𝑓𝐶𝑓) 𝑉𝑖 • 𝑉𝑜 |𝑉𝑖| = 𝑅𝑓 𝑅𝑖(1+𝑗𝜔𝑅𝑓𝐶𝑓) = 𝑅𝑓 𝑅𝑖 1+ 𝜔𝑅𝑓𝐶𝑓 2 = 𝑅𝑓 𝑅𝑖 1 1+ 𝜔𝑅𝑓𝐶𝑓 2 • この結果から,このフィルタはローパスフィルタである事がわかる. • 入力が十分低い周波数の場合, 1 1+ 𝜔𝑅𝑓𝐶𝑓 2 がほぼ1となるので,反転増幅回路 と同じと考えることができる.
  19. カットオフ周波数 • 𝑉𝑜 |𝑉𝑖| = 𝑅𝑓 𝑅𝑖 1 1+ 𝜔𝑅𝑓𝐶𝑓

    2 • アクティブフィルタのカットオフ周波数は 1 1+ 𝜔𝑅𝑓𝐶𝑓 2 = 1 2 となる周波数である. • よって,カットオフ周波数fcは • 𝑓𝑐 = 1 2𝜋𝐶𝑓𝑅𝑓 20log10 𝑅𝑓 𝑅𝑖 信号を通過 ローパスフィルタの利得の例 カットオフ周波数 通過域
  20. 反転増幅回路を元にしたハイパスフィルタ • イマジナリショートより,入力端子はそれぞれ短絡しているとみなせる. • よって抵抗𝑅1 とコンデンサ𝐶にかかる電圧は𝑉𝑖 である. • つまり抵抗𝑅1 とコンデンサ𝐶

    に流れる電流 • 𝑖 = 𝑉𝑖 𝑅1+1/𝑗𝜔𝐶 • 入力端子のインピーダンスは無限大とみなせるので,𝑅2 に流れる電流は𝑖であ る. • よって,Voは • 𝑉 𝑜 = − 𝑅2 𝑅1+1/𝑗𝜔𝐶 𝑉𝑖
  21. ハイパスフィルタ • ハイパスフィルタの出力𝑉 𝑜 は • 𝑉 𝑜 = −

    𝑅2 𝑅1+ 1 𝑗𝜔𝐶 𝑉𝑖 = − 𝑗𝜔𝐶𝑅2 1+𝑗𝜔𝐶𝑅1 𝑉𝑖 • よって増幅度は • 𝑔 = 𝑉𝑜 |𝑉𝑖| = 𝑗𝜔𝐶𝑅2 1+𝑗𝜔𝐶𝑅1 = 𝜔𝐶𝑅2 1+𝜔2𝐶2𝑅1 2 • 分母分子をωで割ると • 𝑔 = 𝐶𝑅2 1 𝜔2 +𝐶2𝑅1 2 • ωが大きくなればなるほど分母が小さくなるので,この回路はハイパスフィルタであることが わかる. • 入力の周波数が十分高い場合, 1 𝜔2 がほぼ0となるので,ゲイン𝑔は𝑅2 /𝑅1 とみなせる.つまり ,反転増幅回路とみなせる.
  22. ハイパスフィルタのカットオフ周波数 • カットオフ周波数は • 𝐶𝑅2 1 𝜔2 +𝐶2𝑅1 2 =

    1 2 • 2𝐶2𝑅2 2 = 1 𝜔2 + 𝐶2𝑅1 2 • 𝜔2 = 1 𝐶2𝑅1 2 • 𝜔 = 1 𝐶𝑅1 , 𝑓 = 1 2𝜋𝐶𝑅1
  23. ハイパスフィルタの時定数 • 反転増幅回路なので, 抵抗𝑅1 とコンデンサ𝐶 を流れる電流に𝑅2 をかけたもの が出力となるので,その電流の時間変化がそのまま出力の時間変化に現れる. • つまり,抵抗𝑅1

    とコンデンサ𝐶の直列回路を流れる電流がわかれば良い. • RC直列回路の時定数は𝐶𝑅1 なので,このアクティブフィルタの時定数𝐶𝑅1 であ る.
  24. 問題 • 図のように反転増幅器にステップ電圧を入力した(𝑡 = 0でスイッチを入れ る).出力電圧𝑉 𝑜 はどれか.ただしコンデンサCの電荷の初期値は0とする.( 第32回ME2種) スイッチがオンになった瞬間からコンデンサに電荷がたまり始め

    るため,電流𝑰が流れる.十分時間がたつと,コンデンサに十分電 荷がたまり電流 𝑰 が流れなくなる.この電流𝐼とフィードバックの 抵抗𝑅の積−𝑰𝑹が出力電圧𝑽𝒐 となる. よって答えは1となる. 電流の変化と合致する選択肢は,1か2である.この回路は反転 増幅回路なので入力と出力の符号は逆である.出力が負となって いる選択肢は,1か4である.2つの条件を満たすのは1である. 𝐼 𝐼
  25. 問題 • 図の回路の入力インピーダンスはどれか.ただし,Aは理想演算増幅器とし,角周波数をω,虚数単位を jとする.(33回) 1. 𝑅1 2. 𝑅1 + 𝑅2

    3. 1 𝑗𝜔C 4. 𝑅1 + 1 𝑗𝜔𝐶 5. 𝑅1 + 𝑅2 + 1 𝑗𝜔𝐶 イマジナリショートを考えれば,オペアンプの入力端子はそれぞれ接地していると考えられる. つまり,入力から見れば,この回路はR1と Cの直列回路に見える. よって,入力インピーダンスは 𝑅1 + 1 𝑗𝜔𝐶 イマジナリショートより,入力端 子は短絡している,と考える.
  26. 問題 • 図の回路について,正しいのはどれか.Aは理想演算増幅器とする.(国家試験 27) a. 時定数は20msである. b. 通過域での増幅度は20dBである. c. 直流成分はカットされる.

    d. コンデンサ𝐶1 と抵抗𝑅2 に流れる電流は等しい. e. 入力インピーダンスは抵抗𝑅1 と𝑅2 で決まる. a. 時定数は10 × 103 × 1 × 10−6 = 1 × 10−2𝑠 = 10𝑠なので間違い. b. 通過域ではコンデンサは無視できる.反転増幅回路の増幅度は 20 log10 200𝑘 10𝑘 = 20 log10 20である.よって間違い. c. コンデンサは直流を通さないので直流はカットされる.よって正し い. d. 入力インピーダンスは無限大なので,コンデンサに流れる電流が R2にも流れる.よって正しい. e. 入力インピーダンスは𝑅1 と𝐶1 で決まるので間違い.
  27. 問題 • 図の回路について正しいのはどれか.ただし,Aは理想演算増幅器とする.( 34回) 1. 遮断周波数より十分低い帯域では𝑉 𝑜 = − 𝑅𝑓

    𝑅𝑖 𝑉𝑖 である. 2. 遮断周波数より十分低い帯域では微分特性を有する. 3. 遮断周波数は 1 2𝜋𝑅𝑖𝐶𝑓 である. 4. 入力インピーダンスは無限大である. 5. 出力インピーダンスは無限大である.
  28. 問題 • 図の回路について正しいのはどれか.ただし,Aは理想演算増幅器とする.(34回) 1. 遮断周波数より十分低い帯域では𝑉 𝑜 = − 𝑅𝑓 𝑅𝑖

    𝑉𝑖 である. 2. 遮断周波数より十分高い帯域では微分特性を有する. 3. 遮断周波数は 1 2𝜋𝑅𝑖𝐶𝑓 である. 4. 入力インピーダンスは無限大である. 5. 出力インピーダンスは無限大である. 1. 十分低い周波数の波の場合,Cfは開放とみなせるので,この回路は反転増幅回路とみなせる.つまり,出力 電圧は 𝑉 𝑜 = − 𝑅𝑓 𝑅𝑖 𝑉𝑖 となる.よって正しい. 2. イマジナリショートから,VoはCfに加わる電圧とみなすことができる.コンデンサは電荷を蓄えながら徐々 に電圧を上げていく.つまり,積分しているとみなせる.よって間違い.(ローパスフィルタなので積分) 3. 遮断周波数は, 1 2𝜋𝑅𝑓𝐶𝑓 である. よって間違い. 4. イマジナリショートを考えれば,オペアンプの入力端子はそれぞれグランドに接続しているとみなせる.つ まり,入力から見れば,抵抗Riのみ負荷がかかっている.よって,入力インピーダンスはRiである. よって間 違い. 5. 出力インピーダンスはオペアンプの出力インピーダンスと同じなので,0である. よって間違い.
  29. オペアンプを用いた積分回路 • イマジナリショートを考慮すると,抵抗かかる電圧は𝑉𝑖 だから抵抗を流れる電流は • 𝐼 = 𝑉𝑖 𝑅 •

    入力インピーダンスが無限大なので,コンデンサに流れる電流は抵抗に流れる電流𝐼と同じで ある.また電流は定義から • 𝐼 = 𝑑𝑄 𝑑𝑡 • 𝑄 = 𝐶𝑉𝐶 より • 𝐶 𝑑𝑉𝐶 𝑑𝑡 = 𝑉𝑖 𝑅 • 両辺積分すると • 𝑉𝐶 = 1 𝐶𝑅 ∫ 𝑉𝑖 𝑑𝑡 • よって 𝑉𝐶 は𝑉𝑖 を積分したものである.このため,この回路を積分回路という. • また,出力電圧𝑉 𝑜 = −𝑉𝐶 = − 1 𝐶𝑅 ∫ 𝑉𝑖 𝑑𝑡となる. 𝑉𝑖 𝑉𝐶 𝐼 𝑅 イマジナリショート 𝑉 𝑜
  30. 問題 • 図の回路において時刻𝑡 = 0sでスイッチを閉じた.出力電圧𝑉 𝑜 の経過を表す式 はどれか.ただし,コンデンサの初期電荷はゼロとし,Aは理想演算増幅器と する.(国家試験26) 1.

    𝑉 𝑜 = 2𝑡 2. 𝑉 𝑜 = −2𝑡 3. 𝑉 𝑜 = 0 4. 𝑉 𝑜 = 1 2 𝑡 5. 𝑉 𝑜 = − 1 2 𝑡 𝑉 𝑜 = − 1 𝐶𝑅 ∫ 𝑉𝑖 𝑑𝑡 だから, 𝑉 𝑜 = − 1 𝐶𝑅 ∫ 𝑑𝑡 = − 𝑡 𝐶𝑅 𝐶𝑅 = 2 × 106 × 1 × 10−6 = 2 よって𝑉 𝑜 = − 1 2 𝑡
  31. 同相除去比 • 差動増幅回路の各入力端子に入力v1,v2を与えたとき出力がvoだとする. 𝑣𝑜 , 𝑣1 , 𝑣2 の関 係は次のように書ける.

    • 𝑣𝑜 = 𝐴𝑑 𝑣1 − 𝑣2 + 1 2 𝐴𝑐 (𝑣1 + 𝑣2 ) • Adは差動増幅度(波形の差分を増幅) • Acは同相増幅度(同位相の波形を増幅) • 差動増幅度と同相増幅度の比を同相除去比CMRRという. • CMRR = 𝐴𝑑 𝐴𝑐 • 同相除去比をdBで表すと • 𝐶𝑀𝑅𝑅 = 20 log10 𝐴𝑑 𝐴𝑐 • 同相除去比が大きいほど良い差動増幅回路である. • 理想オペアンプの場合 • 差動利得は無限大 • 同相除去比も無限大 + - 𝑣1 𝑣2 𝑣𝑜 理想的には差動増幅回路に同相の波を入 力したら出力が無いはずが,現実には少 し波が出力される. 同相入力 出力波形
  32. 問題 • 同相利得が0.10倍,差動利得が200倍の差動増幅器がある。この増幅器の CMRR(同相弁別比)は何dBか。ただし,log 10 2=0.30とする。(第41回ME2 種) 1. 6 2.

    40 3. 46 4. 60 5. 66 定義通りに計算する 𝐶𝑀𝑅𝑅 = 20 log10 𝐴𝑑 /𝐴𝑐 = 20 log10 200 0.1 = 20 log10 2 × 1000 = 20 3 + 0.3 = 66
  33. 問題 • 同相除去比100dBの差動増幅器で,差動利得は60dBであった.同相利得はい くらか.(第42回ME2種) 1. 60dB 2. 40dB 3. 20dB

    4. -20dB 5. -40dB 同相除去比の定義から 𝐶𝑀𝑅𝑅 = 20 log10 𝐴𝑑 𝐴𝑐 = 20 log10 𝐴𝑑 − 20 log10 𝐴𝑐 = 60 − 20 log10 𝐴𝑐 = 100 よって 20 log10 𝐴𝑐 = − 100 − 60 = −40
  34. 問題 • CMRR(同相除去比)が80dBの差動増幅器がある.差動増幅器の入力端子間 に1mVを入力すると1Vが出力された.差動増幅器の2つの入力端子を短絡し, アースとの間に1Vを入力すると出力電圧は何Vになるか.(第37回ME2種) 1. 0.01 2. 0.1 3.

    1 4. 10 5. 100 + - + - 1mV 1V 1V ? 差動増幅度はAd=1/0.001=1000 同相除去比は CMRR = 20 log10 𝐴𝑑 𝐴𝑐 = 20 log10 1000/𝐴𝑐 = 80 1000/𝐴𝑐 = 104 同相増幅度は 𝐴𝑐 = 1000 10000 = 0.1 よって出力電圧は0.1V 差動増幅 同相増幅
  35. 第36回ME2種 • 増幅率40dB,CMRR100dBの増幅器に,1.2Vの雑音(同相信号)が入力され た.出力に現れる雑音の大きさはどれか.(第36回ME2種) 1. 48V 2. 30mV 3. 12mV

    4. 1.2mV 5. 12μV 増幅率40dB,CMRR100dBなので 100 = 40 + 20 log10 𝐴𝑐 20 log10 𝐴𝑐 = −60 𝐴𝑐 = 10−3 よって出力は 1.2 × 𝐴𝑐 = 1.2𝑚𝑉