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Kenji Saito
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August 23, 2026
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エージェント化するAI:現在地とその先に起きる変化 / AI as Agents: The Current State and the Changes Ahead
2026年8月29日(土)、早稲田大学で開催された早稲田大学ビジネススクール (WBS) 10周年記念イベントでのパネルディスカッションで使用したスライドです。
Kenji Saito
PRO
August 23, 2026
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Transcript
Generated by Stable Image Core エージェント化する AI:現在地とその先に起きる変化 ∼ 問題を解く AI
から、問題を見つける AI への兆し ∼ WBS10 周年を記念して 早稲田大学ビジネススクール 教授 斉藤 賢爾 エージェント化する AI:現在地とその先に起きる変化 ∼ 問題を解く AI から、問題を見つける AI への兆し ∼ WBS10 周年を記念して — 2026-08-29 – p.1/13
このスライドは https://speakerdeck.com/ks91 に置かれています エージェント化する AI:現在地とその先に起きる変化 ∼ 問題を解く AI から、問題を見つける AI
への兆し ∼ WBS10 周年を記念して — 2026-08-29 – p.2/13
簡単な自己紹介 斉藤 賢爾 (さいとう けんじ) 早稲田大学 大学院経営管理研究科 (早稲田大学ビジネススクール) 教授 同大学
ビジネス・ファイナンス研究センター パブリックテクノロジーデザイン研究会 研究代表者 一般社団法人アカデミーキャンプ 代表理事 経歴 ほか 1993 年、コーネル大学より工学修士号取得 (コンピューターサイエンス) 2006 年、慶應義塾大学よりデジタル通貨の研究で博士号取得 (政策・メディア) 慶應義塾大学 大学院 政策・メディア研究科や SFC 研究所、そして早稲田大学にて 25 年以上にわたり P2P (Peer-to-Peer) および自律分散社会等の研究に従事 2011 年夏より福島 (と全国) のこどもたちのための「アカデミーキャンプ」を仲間らと開催 2018 夏「オッケーグーグル、宿題やっといて!」 2019 冬「乙女のためのオートメーション」等を経て 2024 冬「都の西北で AI (アイ) を叫ぶ」 2024 秋「都の西北で、もう一度 AI (アイ) を叫ぶ」 2025 冬「考えるのは奴らだ (Live and Let Think)」 2025 春「Secret Vision Institute (秘密のヴィジョン研究所)」 2025 GWeeeeeeK「がんばれ!!ロボコン」 2025 SuuuuuuMMeR「燃えろ!!ロボコン」 2026 初春「ミライ、ゲーミファイ」 2026 冬「ウチらとヤツらのフューチャー・デザイン」 2026 GW「前倒し!ウチらとヤツらの自由研究 」 2026 夏「ヤツらを究めろ!ウチらとヤツらの自由研究 ∼ シーズン 2 」等を開催 → 私の頭の中ではつながっています (未来社会はこどもたちと一緒に創る) エージェント化する AI:現在地とその先に起きる変化 ∼ 問題を解く AI から、問題を見つける AI への兆し ∼ WBS10 周年を記念して — 2026-08-29 – p.3/13
(1) AI はどこまで来たのか AGI (Artificial General Intelligence (文字通り訳すならば「人工の一般知能」)) への 5
ステップ チャットボット → 推論モデル → エージェント → イノベーター → 組織 LLM (Large Language Model; 大規模言語モデル) でなぜチャットができる? LLM の元々の機能は「文章の続きを予測する」こと 莫大な量の文章から、それぞれの言語における言葉の連なり方を学習してあります ではなぜ推論ができる? エージェント化する AI:現在地とその先に起きる変化 ∼ 問題を解く AI から、問題を見つける AI への兆し ∼ WBS10 周年を記念して — 2026-08-29 – p.4/13
AGI への 5 ステップ (OpenAI によるロードマップにもとづく) レベル 1 レベル 2
レベル 3 チャットボット 推論モデル エージェント レベル 4 イノベーター レベル 5 組織 対話の相手 (ChatGPT) 博士号取得者と同等の、推論による問題解決 (o1, o3) 自律的に活動し、(休暇中の) ユーザーの代わりに 数日間に渡りアクションを取れる (> Deep research, Codex) (A 思考の自動化) 革新し、プロトタイピングを通して (新しい物理的な製品を) 発明する (X 思考の自動化) あたかも組織全体として動作する (AGI に相当) A 思考 . . . 与えられた課題を段取りに分解して取り組み、一連の部分課題を克服してゴールを達成する (学校の成績が「A」) X 思考 . . . 課題そのものを生み出す (学校では成績を付けられない) 人間にとって大事なのは X 思考と言われがちだが、自分が A 思考をできなければ自動化された A 思考を使いこなせない 組織 . . . 例えば「JR 東日本の全自動化」 ちなみに『横浜駅 SF』はお読みに?(← ソフトウェアの世界はすでに接近) レベル 3 が達成されつつあります レベル 5 までまったく手が届いていないわけではなく、工夫によりある程度のプロトタイピングが可能 エージェント化する AI:現在地とその先に起きる変化 ∼ 問題を解く AI から、問題を見つける AI への兆し ∼ WBS10 周年を記念して — 2026-08-29 – p.5/13
なぜチャットができる?(続きを予測 → チャットボット → アシスタント → エージェント) 「人間からの問いかけに対して答えようとしているところ」の続きを書けばチャットになるから 以下は OpenAI
の各種 API 間の関係 (歴史的経緯; 現在はエージェント向けの Responses に統合) 対話する機能を 応用する 補完する機能を 応用する 機能の階層として見る 出来ることの拡がりとして見る Assistants Assistants Chat Chat Completions 廃止へ 廃止へ Completions 続きを書いてくれる チャットもできる どんな相手なのかも あらかじめプログラミングできる API : Application Programming Interface (アプリをプログラミングするための、システムとの接点で、機能を提供してくれる) エージェント化する AI:現在地とその先に起きる変化 ∼ 問題を解く AI から、問題を見つける AI への兆し ∼ WBS10 周年を記念して — 2026-08-29 – p.6/13
ではなぜ推論ができる? チャットの場合 質問 → 回答 続きを予測する 推論の場合 質問 → 中間思考
→ 中間思考 → 中間思考 → 回答 複雑な問題に対して、一気に答えるのではなく、途中の思考過程を生成しながら解く その過程で誤りを修正していく (← ズレを修正しつづける ← サイバネティクス!) 推論は 「新しい能力」というよりも、 「考えるプロセスを長く回せるようになった」に近い (「反復」がカギ) エージェント化する AI:現在地とその先に起きる変化 ∼ 問題を解く AI から、問題を見つける AI への兆し ∼ WBS10 周年を記念して — 2026-08-29 – p.7/13
(2) なぜ今「エージェント」が実現しつつあるのか エージェント = 自ら計画・行動し、必要ならやり直しながら目的達成を目指す AI エージェント化は、AI を「答える装置」から「作業を進める仕組み」に変える エージェント化する AI:現在地とその先に起きる変化
∼ 問題を解く AI から、問題を見つける AI への兆し ∼ WBS10 周年を記念して — 2026-08-29 – p.8/13
どうやってエージェントを実現するのか LLM (推論モデル) に「記憶」「道具」「反復」を外付けすることで実現 目的 → 計画する → 道具を使う →
結果を見る → どこまで出来たかによって次の行動を決める → 必要なら以前の誤りを避けて繰り返す (← サイバネティクス!) LLM : 次に何をすべきか考える (予測する) 記憶 : これまで何をしたかを書き留めておく 道具 : ウェブ検索、コード実行 (コンピューターに出来ることは何でも出来る)、メッセージ送信、等々 反復 : 結果を見て、必要ならやり直す やっぱり「反復」がカギ 実はこの構造自体は 2023 年頃には発見され試されていました 当時はイマイチ 2025 年頃に推論能力、記憶容量、ツール利用能力が大きく向上し実用的に エージェント化する AI:現在地とその先に起きる変化 ∼ 問題を解く AI から、問題を見つける AI への兆し ∼ WBS10 周年を記念して — 2026-08-29 – p.9/13
(3) エージェントは仕事や組織をどう変えるのか AI が引き起こすこと ⇒ [ 個人の生産性革命 → 組織構造革命 ]
経営者 → 管理職 → 担当者 → 成果物 から 人間 → エージェントの組織 → 成果物 へ エージェント化する AI:現在地とその先に起きる変化 ∼ 問題を解く AI から、問題を見つける AI への兆し ∼ WBS10 周年を記念して — 2026-08-29 – p.10/13
各論 1 ソフトウェア開発 (Codex, Claude Code 等々) 人間がプログラムコードを書く時代が終焉を迎え、人間のチームが縮小かつ開発速度が UP 2
調査・分析 (Deep research 等々) 情報収集、要約から報告書作成までをエージェントが自律実行 3 1 人会社 (OPC (One Person Company) /ソロプレナー) (OpenClaw, Hermes Agent 等々) 人間の社長が 1 人、あとは AI が実行する起業形態の (中国や米国での) 爆発的な流行 エージェントがパソコン上の操作 (データ入力、SNS 運用、顧客対応、株式トレードなど) を自律的にこなす 制度的 (補助金, オフィス)・ビジネス的 (中古 Mac mini 販売, 導入代行) な起業支援も ちょっと待った、なんで Mac mini? M1 プロセッサ採用以降の Mac では、CPU と GPU が同じメモリを共有する するとメモリに収まるものならローカルで LLM を実行できる (例 : Qwen3.8 27B (270 億パラメーター)) ⇒ トークン使用料が無いしデータをプライベートに処理できる ⇒ Mythos/Fable 5 利用停止騒ぎの後、高度 LLM のローカル実行能力がますます重要視されるように エージェント化する AI:現在地とその先に起きる変化 ∼ 問題を解く AI から、問題を見つける AI への兆し ∼ WBS10 周年を記念して — 2026-08-29 – p.11/13
エージェントは何をしているのか 現在のエージェント 問題 → 解決 ソフトウェアを開発する / バグを直す 調査し報告書を書く 会社の業務をこなす
すべて「与えられた問題」を解いています (A 思考) では、問題そのものを見つけること (X 思考) はできるのでしょうか どんなソフトウェアを作るべきかを決める / 直すべきバグを発見する 何を調査すべきかを決める 新しい事業を思いつく . . . まあ、ある程度なら . . . エージェント化する AI:現在地とその先に起きる変化 ∼ 問題を解く AI から、問題を見つける AI への兆し ∼ WBS10 周年を記念して — 2026-08-29 – p.12/13
まとめ チャットボットは一回答える (ことを反復する) 推論モデルは考える過程を反復する エージェントは判断・行動・内省を反復する (そして可能性をどんどん反復的に試していくことこそが、問題発見への道かも) 問題を見つける AI (レベル 4)
はまだ実現していません しかし、その兆しは見えはじめているのかもしれません エージェント化する AI:現在地とその先に起きる変化 ∼ 問題を解く AI から、問題を見つける AI への兆し ∼ WBS10 周年を記念して — 2026-08-29 – p.13/13