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ある日開発者のひとりから 「価値ってなんですか?」 と問われまして / 20220903_devlove-received-a-question-that-is-what-is-value

kuramapommel
September 03, 2022

ある日開発者のひとりから 「価値ってなんですか?」 と問われまして / 20220903_devlove-received-a-question-that-is-what-is-value

kuramapommel

September 03, 2022
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Transcript

  1. ある日開発者のひとりから 「価値ってなんですか?」 と問われまして 220903 DevLOVE 15th Bride 〜過去の現場と今の現場の架け橋となる場をつくろう〜 (株)野村総合研究所 bit

    Labs 長谷川 俊英
  2. 長谷川 俊英 (Toshihide Hasegawa) • @nullpommel / kuramapommel • NRI

    bit Labs 所属 • アジャイルコーチ / テックリード zenn で 170 like いただきました 奥さんと結婚式の招待状アプリ作りました ※ 記載した内容は個人のものであり、所属団体の公式見解ではございません
  3. お話すること • ある日、開発者のひとりから「価値ってなんですか?」と問われた • この質問が出てきた理由を探ってみた • その答えは組織の ▪▪ と ▪▪

    にあった • 今絶賛取り組んでいること
  4. 主な登場人物 開発者 プロダクトオーナー スクラムマスター 支援先の スクラムチーム 長谷川 スクラムマスター支援 / アジャイルコーチ

  5. ある日、開発者のひとりから「価値って なんですか?」と問われた

  6. 週次で行っているアジャイル雑談会(通称 : 長谷川会) • ディスカッション ◦ チームメンバーからの「アジャイルに関するお題」に対して参 加者でディスカッションを行い、新たな気付きや価値観の共有 を行う •

    持ち込み企画 ◦ 新しいプラクティスやツールなどの紹介をしたり、試してみた いプラクティスを実践する
  7. 週次で行っているアジャイル雑談会(通称 : 長谷川会) • ディスカッション ◦ チームメンバーからの「アジャイルに関するお題」に対して参 加者でディスカッションを行い、新たな気付きや価値観の共有 を行う •

    持ち込み企画 ◦ 新しいプラクティスやツールなどの紹介をしたり、試してみた いプラクティスを実践する
  8. ディスカッション スクラムチームメンバーからお題を募集 最も人気の高かったものを次回のお題とする 次回のお題をメンバーに決めてもらうことで、確実に興味のある 話ができる お題ボード ディスカッション Miro を使って実施 極力口を挟まず、メンバー間でのディスカッションが活発になる

    ように促す 長谷川メモ 長谷川の考えを伝える 事前に準備しておくが、ディスカッションの内容を踏まえつつ話 す
  9. 週次で行っているアジャイル雑談会(通称 : 長谷川会) • ディスカッション ◦ チームメンバーからの「アジャイルに関するお題」に対して参 加者でディスカッションを行い、新たな気付きや価値観の共有 を行う •

    持ち込み企画 ◦ 新しいプラクティスやツールなどの紹介をしたり、試してみた いプラクティスを実践する
  10. 持ち込み企画 チームの状況に応じてプラクティスを実践したり アジャイル関連のいろいろを紹介したり プラクティスの実践 アジャイルに関する情報収集元の紹介 プラクティスの紹介や長谷川の考えを伝える 各ロール間のコミュニケーションについて、 チームメンバーからどう見えているかを考え てもらった アジャイル関連の

    YouTube チャンネルを紹 介した バリュー見積もりについて紹介した
  11. 持ち込み企画 チームの状況に応じてプラクティスを実践したり アジャイル関連のいろいろを紹介したり プラクティスの実践 アジャイルに関する情報収集元の紹介 プラクティスの紹介や長谷川の考えを伝える 各ロール間のコミュニケーションについて、 チームメンバーからどう見えているかを考え てもらった アジャイル関連の

    YouTube チャンネルを紹 介した バリュー見積もりについて紹介した この回で、事件が起こりました
  12. 開発者タナカさん(仮) 「価値」ってなんですか?

  13. 長谷川 『その人の人生を豊かにするもの』 だとぼくは勝手に捉えてます 具体的にはプロダクトによって異なります

  14. あまりの鋭い質問に動揺しましたが、その時は自分なりの考えを伝え ることができました しかし、その後ぼくはこう思いました

  15. 長谷川 プロダクト開発をアジャイルに 進めていくためには、そのプロ ダクトがユーザにどのような価 値を届け続けられているかを 考えることが大切なはず、、、

  16. 長谷川 アジャイルチームでありなが ら、このような質問が上がるの は若干違和感があるな、、、

  17. 長谷川 なんでこのような質問が出てき たのかを探ってみよう!!

  18. この質問が出てきた理由を探ってみた

  19. ふたつのプロセスで探ってみた ①いろんな声を集めてみた ②スクラムマスターと一緒に考え てみた

  20. ふたつのプロセスで探ってみた ①いろんな声を集めてみた ②スクラムマスターと一緒に考え てみた

  21. いろんな声を集めてみた スクラムマスター これまで開発チーム内で価値について考える ことがあまりなかった プロダクトオーナーがステークホルダーの伝言 役状態になっている

  22. いろんな声を集めてみた スクラムマスター これまで開発チーム内で価値について考えることがあまりなかった • チームをより良くしていくために、どのような改 善点があり、改善するために何をすべきかを検 討し、実践していく力は身についている • 一方で、プロダクトに対してのより良くしていくた めの会話は、あまりなされていない

  23. いろんな声を集めてみた スクラムマスター プロダクトオーナーがステークホルダーの伝言役状態になっている • プロダクトオーナーに明確なプロダクトのビジョ ンがあるように見えない • プロダクトオーナーが方針を決めているという よりは、ステークホルダーがやりたいことをフィ ルタリングしてスクラムチームに伝えているだ

    けのように見える • スクラムチームの立ち位置が弱い
  24. いろんな声を集めてみた 開発者 その PBI がなんで必要なのかが明瞭でない ユーザーが遠い

  25. いろんな声を集めてみた 開発者 その PBI がなんで必要なのかが明瞭でない • 各 PBI の WHY

    が見えないため、落としていい ものかどうかの判断ができない • 「他のアプローチで達成できるかもしれない」と いったような提案もできない
  26. いろんな声を集めてみた 開発者 ユーザーが遠い • 直接話を聞きたいが、壁がありできない • 「プロダクトオーナーは本当にユーザが求めて いるものを伝えてくれているのだろうか」という 懸念もある

  27. いろんな声を集めてみた プロダクトオーナー ユーザーまでの間に複数のステークホルダー がいる 現場の温度感を開発チームがわかっていない ような気がする

  28. いろんな声を集めてみた ユーザーまでの間に複数のステークホルダーがいる • 「お客様まとめて管理する部(仮)」と「お客様別 に営業する部(仮)」の先にユーザーがいる • ステークホルダーがユーザーの声を聞いてくれ ているので、ステークホルダーが品質が重要だ と判断すれば品質を重要視するし、実装量が 重要だと言えば実装量を重要視する

    プロダクトオーナー
  29. いろんな声を集めてみた 現場の温度感を開発チームがわかっていないような気がする • 不具合が発生すると「お客様別に営業する部 (仮)」がお客様からのクレーム対応に追われる • クレーム対応に追われ忙しい状況であっても開 発チームは原因調査や発生防止策の検討を進 めていて深い謝罪がなく、反省が見られない プロダクトオーナー

  30. ふたつのプロセスで探ってみた ①いろんな声を集めてみた ②スクラムマスターと一緒に考え てみた

  31. SailBoat 帆船を使って、スクラムマスターがチームをどのようにしていきたいかの認識合わせ スクラムマスターと一緒に考えてみた

  32. スクラムマスターと一緒に考えてみた どんなチームにしていきたいか ユーザにとっての価値を基準として会話が進 められるチームにしていきたい チームが自発的にビジネスモデルから提案で きるチームにしていきたい ステークホルダーからの話をただ通すだけで なく、発信しむしろステークホルダーを動かす チームにしていきたい そこに向かうための足枷は何か

    開発者がステークホルダーやユーザと会話で きない 組織のルールがアジャイル向きではない ステークホルダーに対するプロダクトオー ナーの遠慮がある
  33. その答えは組織の ▪▪ と ▪▪ にあった

  34. 探って見えてきたのは組織の 体制 と 文化 が抱える問題

  35. 体制 が抱える問題 • スクラムチームとユーザーの間に別の部署が2つ挟まっている • 結果としてユーザーからの声はすべて伝言ゲームになってしまっている • ユーザーの代弁者であるべきプロダクトオーナーですら、ユーザーの声を直接聞け ない体制、開発者は更に遠い

  36. 文化 が抱える問題 • 他部署からの意見や所属部署の上司からの意見がプロダク トの方針に強い影響を与えている • 全社的なスクラムチームに対する認識がプロダクト開発チー ムではなくシステム開発チームになっている

  37. スクラムチームのなりたい姿(長谷川がしていきたい姿)

  38. なりたい姿 • スクラムチームがユーザと直接やり とりすることで、ユーザにとって価値 あるものは何かをベースにプロダクト 開発を進めることができる • プロダクトオーナーに適当な権限が 移譲されていて、プロダクトのビジョ ンを明確にすることとユーザーが本

    当に求めているものを探索すること ができる • 他部署をチームに巻き込みユーザー に対して戦略的に価値を届け続ける ことができる
  39. 今絶賛取り組んでいること

  40. スクラムチームの意識を変えること

  41. なぜなら

  42. スクラムチーム内だけで解決できる問題ではない

  43. チームをカイゼンする力は身についている

  44. いま必要なのは アジャイルをスクラムチーム外に広げていくこと

  45. そのために実践していること • 問題解決の考え方を伝える • 引き続きアジャイル雑談会でディスカッションしていく

  46. そのために実践していること • 問題解決の考え方を伝える • 引き続きアジャイル雑談会でディスカッションしていく

  47. 長谷川の問題解決の考え方 1. 「今どんな状態にあるか」の確認 2. 「なりたい姿」の認識合わせ 3. 障害となっているものの原因の分析 4. できることの最小単位の探索と実践

  48. インペディメントリストを導入 スクラムマスター • 分析した障害の原因をもとにインペディメントリス トを作成 • 「とにかく直ぐにできそうで、最も簡単そうなこと」 の粒度までブレイクダウン • 次スプリントで実践

  49. そのために実践していること • 問題解決の考え方を伝える • 引き続きアジャイル雑談会でディスカッションしていく

  50. アジャイル雑談会で伝えていくこと • しつこいほどに「価値」というキーワードを使い、日常的に「価値」 について考えるように刷り込む • 「ユーザーにとってどう嬉しいのか」を繰り返し問うことで、「ユー ザーの真意を知りたい」と意識づける • 「なぜユーザーと直接会話できないのか」など外部の事情を想像 する質問を投げかけることで、スクラムチームの外にも目を向けて

    もらう
  51. 実践してきた成果

  52. 少しずつ変化している スクラムマスターから「わたしたちはそもそも、プロダクトオーナーやステークホル ダーが、このプロダクトをどうしていきたいのかとちゃんと聞いたことがなかったか もしれない」という気づきがあり、自発的に話を聞いてみることにしていた 開発者から「何がいいのかを直接知りたいから、ステークホルダーとの打ち合わ せに同席させてほしい」という話が出てきた プロダクトオーナーから「ステークホルダーにもアジャイル研修を受けてもらい、 『なんでアジャイルでやってるのか』『アジャイルでやると何がいいのか』をきちんと 納得頂く必要がある」という話が出てきた スクラムチーム内だけで解決する問題ではなく

    組織の体制や文化を変えていかなければならないという認識が持ててきた
  53. 根深い問題なので時間はかかると思いますが、 チームが今より幸せになれるように できることから少しずつ試していきます ご静聴ありがとうございました