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ドキュメント作成の3原則

 ドキュメント作成の3原則

HireRoo社主催 Re:TechTalk #17 の資料です。
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Naohiro Nakata

November 28, 2025
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  1. 小説とドキュメントの目次を比べてみよう 小説の目次(宮沢賢治『銀河鉄道の夜』より) • 一、午后の授業 • 二、活版所 • 三、家 • 四、ケンタウル祭の夜

    • 五、天気輪の柱 • 六、銀河ステーション • 七、北十字とプリオシン海岸 • 八、鳥を捕とる人 • 九、ジョバンニの切符 7 ドキュメントの目次(富永敦子・綿井雅康『わかりやすく説明する技術』より) • 第1章 上司を満足させる報告テクニック ◦ 質問に対応する答えを一言で述べる ◦ 事実と意見を分けて説明する ◦ 報告書は総論、各論、結論の順に展開する ◦ 報告書の作成手順を考える ◦ あれもこれも盛り込まない • 第2章 相手を説得し行動させる提案テクニック ◦ 最初に話のテーマと提案内容を説明する ◦ 具体的な根拠を示して立証する ◦ 問題点と解決策を対応させる ◦ 予想される質問や反対意見に備える • 第3章 上司から部下への指示テクニック (後略)
  2. 小説とドキュメントの目次を比べてみよう 小説の目次(宮沢賢治『銀河鉄道の夜』より) • 一、午后の授業 • 二、活版所 • 三、家 • 四、ケンタウル祭の夜

    • 五、天気輪の柱 • 六、銀河ステーション • 七、北十字とプリオシン海岸 • 八、鳥を捕とる人 • 九、ジョバンニの切符 8 ドキュメントの目次(富永敦子・綿井雅康『わかりやすく説明する技術』より) • 第1章 上司を満足させる報告テクニック ◦ 質問に対応する答えを一言で述べる ◦ 事実と意見を分けて説明する ◦ 報告書は総論、各論、結論の順に展開する ◦ 報告書の作成手順を考える ◦ あれもこれも盛り込まない • 第2章 相手を説得し行動させる提案テクニック ◦ 最初に話のテーマと提案内容を説明する ◦ 具体的な根拠を示して立証する ◦ 問題点と解決策を対応させる ◦ 予想される質問や反対意見に備える • 第3章 上司から部下への指示テクニック (後略) どこに何が書かれて いるかが明確 見出しから答えが わかる
  3. 小説とドキュメントの文章を比べてみよう 9 小説の文章(宮沢賢治『銀河鉄道の夜』より)  「ではみなさんは、そういうふうに川だと云われたり、乳の流れたあとだと云われたりしていたこのぼんやりと白い ものがほんとうは何かご承知ですか。」先生は、黒板に吊した大きな黒い星座の図の、上から下へ白くけぶった銀河帯 のようなところを指しながら、みんなに問いをかけました。  カムパネルラが手をあげました。それから四五人手をあげました。ジョバンニも手をあげようとして、急いでそのま まやめました。たしかにあれがみんな星だと、いつか雑誌で読んだのでしたが、このごろはジョバンニはまるで毎日教 室でもねむく、本を読むひまも読む本もないので、なんだかどんなこともよくわからないという気持ちがするのでし た。

     ところが先生は早くもそれを見附けたのでした。  「ジョバンニさん。あなたはわかっているのでしょう。」  ジョバンニは勢よく立ちあがりましたが、立って見るともうはっきりとそれを答えることができないのでした。ザネ リが前の席からふりかえって、ジョバンニを見てくすっとわらいました。ジョバンニはもうどぎまぎしてまっ赤になっ てしまいました。先生がまた云いました。  「大きな望遠鏡で銀河をよっく調べると銀河は大体何でしょう。」  やっぱり星だとジョバンニは思いましたがこんどもすぐに答えることができませんでした。
  4. 小説とドキュメントの文章を比べてみよう 11 ドキュメントの文章(富永敦子・綿井雅康『わかりやすく説明する技術』より) ビジネスマンの仕事の一つに業務改善があります。 業務改善とは、日々の業務のなかで、問題点を見つけ出 し、その原因を分析し、解決策を考え実施し、解決することです。ただし、解決策を考えたからといって、すぐ に実施できるわけではありません。 解決策を実施するには、 上司の承認が必要です。上司に解決策を説明し、 承認されて初めて解決策を実施することができます。いくら優れた解決策でも、上司が理解できなければ、また

    承認してくれなければ実施することはできません。 どうすれば、上司は解決策を理解し、承認してくれるのでしょうか? 解決策を連呼し力説するだけでは、上司は納得しませんし、もちろん承認も下りません。上司の承認を得るに は、解決策をわかりやすく説明すること、かつ説得力のある説明をすることです。 • 事実を中心に書かれている • 主張がズバリと書かれている • 事実から主張が導かれている
  5. 絞り込みの切り口 • 読み手の知識レベル ◦ プロダクトに関する知識 ◦ 技術に関する知識 ◦ 業務に関する知識 •

    読み手の目的 ◦ 〇〇機能の仕様を知りたい ◦ データの入出力の仕様を知りたい • 読み手の立場や役割 ◦ プログラマー ◦ テストエンジニア ◦ デザイナー 3つの切り口で読み手を絞り込む
  6. プロジェクトの進捗報告書の読み手を絞り込む 切り口 絞り込みの例 読み手の知識レベル • 自部署向け • 他部署向け 読み手の目的 •

    戦略の決定に役立つ情報を得たい • チームのパフォーマンスやプロジェクトの進捗を把握したい • 業務やプロジェクトに必要な詳細な情報を得たい 読み手の立場や役割 • 経営層 • マネージャー • 実務担当者 例:他部署のマネージャー向けに、チームのパフォーマンスやプロジェ クトの進捗を伝える
  7. テーマが分解され、ドキュメントに反映される わかりやすく説明する技術 上司を満足させる報告テクニック 最初に話のテーマと提案内容を説明する ・・・ 具体的な根拠を示して立証する ・・・ 相手を説得し行動させる提案テクニック わかりやすく 説明する技術

    上司を満足させる報 告テクニック 最初に話のテーマと提 案内容を説明する 相手を説得し行動さ せる提案テクニック 上司から部下への指 示テクニック スマートな商品説明テ クニック 手順や方法をわかり やすく説明するための テクニック 具体的な根拠を示して 立証する 問題点と解決策を対応 させる 予想される質問や反対 意見に備える 33 (富永敦子・綿井雅康『わかりやすく説明する技術』より)
  8. マニュアルであれば • Why(目的): ◦ 読み手にとってその機能がなぜ必要なのか • What(目標): ◦ その機能はどういうものなのか ◦

    その機能でできること • How(手段): ◦ その機能をどうやって使うのか Why なぜ What 何を テーマ How どうやって 35
  9. 企画書であれば • Why(目的): ◦ なぜその企画が必要なのか • What(目標): ◦ 何をするのか・何をしないのか •

    How(手段): ◦ 目標をどうやって実現するのか Why なぜ What 何を テーマ How どうやって 36
  10. 報告書であれば • Why(目的): ◦ なぜその活動が必要だったのか • What(結果): ◦ 何を得たのか ◦

    結果からどのような考察が得られたか • How(手段): ◦ どうやって結果を得たのか Why なぜ What 何を テーマ How どうやって 37
  11. 3つの要素を分解する(企画書の場合) 開発速度の低下 フレームワークを Reactに移行する Why(目的) How(手段) 学習コストの高さ 開発者の確保の困難さ What(目標) Reactへの移行する

    移行による効果の検証 主なタスク スケジュール メンバー 必要なコスト リスクと対策 開発効率の向上 研修期間の短縮 レンダリング速度の向上
  12. この手順の何が問題か 1. git cloneする 2. Node.js v18をインストールする 3. npm installを実行する

    4. .env.exampleをコピーして.envを作る 5. npm run devを実行する 6. http://localhost:3000にアクセスする
  13. この手順の何が問題か 1. git cloneする 2. Node.js v18をインストールする 3. npm installを実行する

    4. .env.exampleをコピーして.envを作る 5. npm run devを実行する 6. http://localhost:3000にアクセスする Howしか書かれていない
  14. この手順の何が問題か 1. git cloneする 2. Node.js v18をインストールする 3. npm installを実行する

    4. .env.exampleをコピーして.envを作る 5. npm run devを実行する 6. http://localhost:3000にアクセスする Howしか書かれていない エラーが起きたときに、 読み手が原因を判断できない
  15. 各操作の意味(Why)を積極的に伝える 1. git cloneし、リポジトリをローカル環境にクローンする 2. Node.js v18をインストールし、Nodeのバージョンを本番環境と合わせる 3. npm installを実行し、プロジェクトに必要なパッケージをインストールす

    る 4. .env.exampleをコピーして.envを作り、APIのURLや認証キーなどの環境変 数をローカル環境に保存する 5. npm run devを実行し、ローカル環境でWebサーバーを起動する 6. http://localhost:3000にアクセスし、Webサーバーで起動するアプリ ケーションを開く
  16. 分解の2つのパターン テーマ サブテーマ 話題 話題 話題 話題 話題 話題 サブテーマ

    サブテーマ 概要 全体 具体 部分 具体例で分解 構成要素で分解
  17. 順に説明を展開していく スマートフォン Android スマートフォン Pixel Xperia Galaxy ・・・ iPhone iPhone

    Pro Max iPhone Pro iPhone mini ・・・ 段階を追って知識を付け加え ていくことが、わかりやすさ に繋がる
  18. 情報を適切に分解すると、読者が情報を探しやすくなる スマートフォン Android スマートフォン Pixel Xperia Galaxy ・・・ iPhone iPhone

    Pro Max iPhone Pro iPhone mini ・・・ 段階を追って知識を付け加え ていくことが、わかりやすさ に繋がる 前知識がない人は、最初 から読み、興味を持った 項目へと進む さわりだけを知りたい人 は、概要だけを読む 特定の知識が欲しい人 は、その項だけを読む どこに何が書いてあるかがわかるよう、適切なタイトルと見出しを付ける
  19. マニュアルであれば メッセージアプリ の使い方 家族や友人と話す 共通の趣味や関心を持 つ人と話す チャットする 通話する ビデオ通話する コミュニティー

    に参加する コミュニティー を作る 子供の学校の親同士で 話す場をつくりたい 自分の目的をどうすれば達成できるのか知りたいのであれば 利用目的の具体例で分解
  20. マニュアルであれば メッセージアプリ の使い方 会話 連絡帳 プロフィール チャット 通話 ビデオ通話 公開チャット

    非公開チャット 機能の用途や使い方を知りたいのであれば 公開チャットの管理者が できることを知りたい 機能の構成要素で分解
  21. 答え 読み手の目的が機能の仕様を知ることであれば、機能の構成要素で分解する プロダクトの全体像 機能要件 非機能要件 機能1 機能2 機能3 画面 帳票

    エラー ログ セキュリティ パフォーマンス 動作環境 全体から部分へと説明を展開することで、開発者はプロダクトの全体像を把握しながら各機能を開発できる
  22. 見出しで要点を伝える 68 タイトル 見出し=サブテーマ 話題 話題 話題 話題 見出し=サブテーマ 見出しで、その見出しの中の要点を伝える

    『わかりやすく説明する技術』(富永敦子・綿井雅康)から抜粋: • 第1章 上司を満足させる報告テクニック ◦ 質問に対応する答えを一言で述べる ◦ 事実と意見を分けて説明する ◦ 報告書は総論、各論、結論の順に展開する ◦ 報告書の作成手順を考える ◦ あれもこれも盛り込まない • 第2章 相手を説得し行動させる提案テクニック ◦ 最初に話のテーマと提案内容を説明する ◦ 具体的な根拠を示して立証する ◦ 問題点と解決策を対応させる ◦ 予想される質問や反対意見に備える
  23. リード文で要点を伝える 69 スマートフォンとは何か  スマートフォンは、携帯電話とコンピューターの機能を併せ持つ携帯機器です。一般的には、タッチス クリーンディスプレイを備え、通話、インターネット、写真や動画の撮影、音楽や動画の再生、各種セン サーによる周辺情報の取得などの機能を提供します。また、アプリケーション(アプリ)をインストール して機能を追加することもできます。  スマートフォンは、インターネットへの接続が可能で、モバイルデータネットワークやWi-Fiを使用し て情報のやり取りができます。日常生活の中で場所を問わず情報にアクセスすることを可能にし、ウェブ ブラウジング、メディアの視聴、ソーシャルメディアの利用、オンラインショッピング、ビジネス活動な

    ど、さまざまな目的に使用されています。  スマートフォンは、写真や動画の撮影機器としても広く使用されています。撮った写真を、スマート フォンを使ってその場で加工したり、友人に共有したり、ソーシャルメディアに投稿したりすることも、 撮影の楽しみ方の一つになっています。  さらに、スマートフォンは、組み込まれたセンサーにより、日常生活を支援するさまざまな機能を提供 します。GPS、加速度計、ジャイロスコープ、電子コンパス、近接センサー、光センサーといった各種セ ンサーから得られる周辺情報は、地図やナビゲーションのほか、運動量のトラッキング、事故検出などと いった機能を実現します。 リード文で要点を伝える
  24. パラグラフごとの冒頭で要点を伝える 70 スマートフォンとは何か  スマートフォンは、携帯電話とコンピューターの機能を併せ持つ携帯機器です。一般的には、タッチス クリーンディスプレイを備え、通話、インターネット、写真や動画の撮影、音楽や動画の再生、各種セン サーによる周辺情報の取得などの機能を提供します。また、アプリケーション(アプリ)をインストール して機能を追加することもできます。  スマートフォンは、インターネットへの接続が可能で、モバイルデータネットワークやWi-Fiを使用し て情報のやり取りができます。日常生活の中で場所を問わず情報にアクセスすることを可能にし、ウェブ ブラウジング、メディアの視聴、ソーシャルメディアの利用、オンラインショッピング、ビジネス活動な

    ど、さまざまな目的に使用されています。  スマートフォンは、写真や動画の撮影機器としても広く使用されています。撮った写真を、スマート フォンを使ってその場で加工したり、友人に共有したり、ソーシャルメディアに投稿したりすることも、 撮影の楽しみ方の一つになっています。  さらに、スマートフォンは、組み込まれたセンサーにより、日常生活を支援するさまざまな機能を提供 します。GPS、加速度計、ジャイロスコープ、電子コンパス、近接センサー、光センサーといった各種セ ンサーから得られる周辺情報は、地図やナビゲーションのほか、運動量のトラッキング、事故検出などと いった機能を実現します。 インター ネット機能 撮影機能 センシング 機能 話題
  25. まとめ • 目的(誰に何を伝えるか)を明確にする ◦ 読み手の知識レベル・読み手の目的・読み手の立場や役割の3つを切り口に「誰に 何を伝えるか」を絞り込む • 構造化して伝える ◦ ドキュメントのテーマを分解して整理し、ドキュメントの構成に落とし込む

    ◦ テーマはWhy(なぜ)・What(何を)・How(どうやって)の3つに分解できる ◦ Whyが核 → Whyを積極的に読み手に伝えていく • 重要なこと(要点)から伝える ◦ 読者の目に入りやすい箇所(タイトル・見出し・リード文・パラグラフの冒頭) で要点を積極的に伝えていく