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対話システム

nishi-k
March 25, 2016

 対話システム

nishi-k

March 25, 2016
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  1. はじめに  参考文献 ◦ 黒橋 貞夫, 自然言語処理, 放送大学教育振 興会, 2015.3.20,

    pp.155-165  発表内容 ◦ 対話システムの歴史 ◦ 発話の意味 ◦ 質問応答
  2. 対話システムの歴史(2/5)  ELIZA ◦ 精神療法におけるカウンセリングの状況 を模倣したシステム  発話の中身を理解することは一切しない  Emacs

    の “M-x doctor” で動く  例:  リンゴが私にとっておいしすぎるんです.  なぜあなたはリンゴがおいしすぎると言うの ?
  3. 対話システムの歴史(4/5) システムの問題点 ◦ ELIZA  対話は表層的なもの ◦ SHRDLE  対象をより現実的な世界に拡張することが困難

    ⇒ どちらもテキスト入力によるシステム  1990年:音声による対話システムが構築  2000年:自動音声応答の入力をテンキーから 音声発話に置き換えるサービスが開始
  4. 対話システムの歴史(5/5)  Siri ◦ 音声対話システム ◦ ELIZA型の雑談に機能を追加  携帯端末操作, 質問応答

     しゃべってコンシェル ◦ NTTドコモ  音声アシスト ◦ Yahoo! JAPAN ⇒自然言語処理技術の進歩、 クラウド型音声認識での大幅な性能向上
  5. 発話の意味(2/4)  人間の発話 ◦ 聞き手に対する働きかけ ◦ 自分の意思の表明  依頼・勧誘・命令・約束・宣告 ◦

    字面の意味を超えて解釈が必要な場合がある ◦ 例: ◦ 日曜日は暇ですか.  日曜日に遊びに行こう (勧誘) ◦ ちょっと暑いですね.  エアコンを入れてください (依頼) ⇒ 間接発話行為: 間接的に意味を伝達すること
  6. 発話の意味(3/4)  会話には普段複雑な解釈が必要 ⇒ 普段、会話は円滑に進んでいる → 何らかの規則がある?  会話の公理 (maxims

    of conversation) ◦ 量(quantity)の公理  必要かつ十分な情報を提示すること ◦ 質(quality)の公理  真実性のある情報を提示すること ◦ 関係性(relevance)の公理  関連性のある情報を提示すること ◦ 様式(manner)の公理  明確で簡潔な形で情報を提示すること
  7. 発話の意味(4/4)  質問: 日曜日は暇ですか? ◦ 答え: 月曜日に試験があります ◦ 質問に答えていない 

    (質, 様式の)公理に反している → 公理に反するには理由があるはず → この答えは肯定でも否定でもない しかし、関連性の公理は守られていると仮定  ⇒ 遠まわしに勧誘を断っていることが分かる
  8. 質問応答  質問応答 ◦ 質問に対してその答えを明確に抽出して 答えるタスク  事実型質問 ◦ 具体的な事実を問う問題

    ◦ 例: 富士山の高さは何[m] ですか?  答えは 長さを表す数値表現  「富士山 高さ」で情報検索  ランキングを行い、最上位のものを答えとする.