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低SN⽐信号の周期推定に関する研究

rpaka
February 05, 2020

 低SN⽐信号の周期推定に関する研究

令和元年度卒業研究発表会での発表資料です。優秀発表として表彰されました。

rpaka

February 05, 2020
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  1. 2020/2/5 低SN⽐信号の周期推定に関する研究 2 IoTの普及 研究背景(1/3) インフラ 医療 介護 製造 加速度センサ

    構造物の振動から 損傷を検知 機械の稼働⾳から 故障の予兆を検知 マイク 胸の動きから 呼吸間隔を推定 あらゆる所に取り付けたセンサから物理量を得て解析 ドップラーセンサ
  2. 2020/2/5 低SN⽐信号の周期推定に関する研究 3 研究背景(2/3) 情報 測定 対象 物理量 IoT:センサからデータを得て処理 センサ

    周波数 周期 離散 フーリエ変換 ARS [1] 処理 特徴 低周波数領域の 解像度が⾼い[2] 計算量が DFTの1/100[1] ARSの特徴 [1] Y. Kamiya,“A simple parameter estimation method for periodic signals applicable to vital sensing using Doppler sensors”, SICE Journal of Control, Measurement, and System Integration,Vol. 10, No. 5, pp. 378-384,2017. [2] R. Takao and Y. Kamiya,“A Performance Evaluation of Periodic Signal Analysis by ARS Compared with Frequency Analysis by FFT”, IEEE Sensors Journal (投稿中).
  3. 2020/2/5 低SN⽐信号の周期推定に関する研究 4 ノイズ混⼊による 研究背景(3/3) 精度低下 センサ 処理 周期? 測定

    対象 物理量 物理量 (ノイズ) ノイズの混⼊は避けられない 推定精度に影響が出る可能性 3 . 2 s ノイズ耐性が弱い場合 - . - s 3 . 2 s 3 . 2 s ノイズ耐性が強い場合 ノイズ耐性が強い 機器設置箇所などの 制限を緩和できる 得られなかった データが得られる
  4. 2020/2/5 低SN⽐信号の周期推定に関する研究 ARSのアルゴリズムの内容および提案⼿法との違い 7 3 累積結果の代表値計算 2 分割した信号の累積 1 信号の分割

    5 10 15 20 25 -0.5 0 0.5 1 1.5 2 5 10 15 20 25 -0.5 0 0.5 1 1.5 2 ARSの基本アイデア 提案⼿法と共通 処理は全く同様 提案⼿法とARSの 唯⼀の違い
  5. 2020/2/5 低SN⽐信号の周期推定に関する研究 ARSの基本アイデア 1. 信号の分割 ‒ 周期と同じ幅 8 ・・・ 5

    10 15 20 25 -0.5 0 0.5 1 1.5 2 5 10 15 20 25 -0.5 0 0.5 1 1.5 2 <周期> 5サンプル 信号の分割 重ねると・・・ 周期と同じ5サンプルの幅で分割していくと、同じ波形ばかりとなる 信号の値 時刻 [サンプル] <分割幅> 5サンプル
  6. 2020/2/5 低SN⽐信号の周期推定に関する研究 ARSの基本アイデア 1. 信号の分割 ‒ 周期と異なる幅 9 ・・・ 5

    10 15 20 25 -0.5 0 0.5 1 1.5 2 5 10 15 20 25 -0.5 0 0.5 1 1.5 2 信号の分割 重ねると・・・ 周期と異なる6サンプルの幅で分割していくと、同じ波形ばかりとならない 信号の値 時刻 [サンプル] <周期> 5サンプル <分割幅> 6サンプル
  7. 2020/2/5 低SN⽐信号の周期推定に関する研究 ARSの基本アイデア 1. 信号の分割 ‒ ⽐較 10 周期と同じ幅で分割した場合 1

    5 10 15 20 25 -0.5 0 0.5 1 1.5 2 ・・・ 周期信号 ・・・ 周期と異なる幅で分割した場合 ・・・ 分割した際に同じ波形ばかりか を評価できれば周期推定可能 累積する 分割した信号を (縦に積み上げる) 事を考える 信号の分割 同じ波形ばかり 同じ波形ばかりではない
  8. 5 10 15 20 25 -0.5 0 0.5 1 1.5

    2 5 10 15 20 25 -0.5 0 0.5 1 1.5 2 2020/2/5 低SN⽐信号の周期推定に関する研究 ARSの基本アイデア 2. 分割信号の累積 ‒ 周期と同じ幅 11 ・・・ 時刻 [サンプル] 信号の値 累積 周期と同じ5サンプルの幅で分割した信号の累積は、起伏が⼤きくなる 累積 すると・・・ <周期> 5サンプル <分割幅> 5サンプル
  9. 5 10 15 20 25 -0.5 0 0.5 1 1.5

    2 5 10 15 20 25 -0.5 0 0.5 1 1.5 2 2020/2/5 低SN⽐信号の周期推定に関する研究 ARSの基本アイデア 2. 分割信号の累積 ‒ 周期と異なる幅 12 ・・・ 信号の値 周期と異なる6サンプルの幅で分割した信号の累積は、起伏が⼤きくならない 累積 時刻 [サンプル] 累積 すると・・・ <周期> 5サンプル <分割幅> 6サンプル
  10. 2020/2/5 低SN⽐信号の周期推定に関する研究 ARSの基本アイデア 2. 分割信号の累積 ‒ ⽐較 13 周期と同じ幅で 分割した信号の累積

    1 5 10 15 20 25 -0.5 0 0.5 1 1.5 2 ・・・ 周期信号 周期と異なる幅で 分割した信号の累積 この違いを値として出せないか? 累積 起伏が⼤きい 起伏が⼩さい 起伏の⼤きさ 累積結果の に注⽬する
  11. 2020/2/5 低SN⽐信号の周期推定に関する研究 3. 分割信号の累積結果の代表値計算 14 周期と同じ幅で 分割した信号の累積 1 5 10

    15 20 25 -0.5 0 0.5 1 1.5 2 ・・・ 周期信号 周期と異なる幅で 分割した信号の累積 代表値計算 累積結果の分散を採⽤ 提案⼿法 累積結果の起伏の⼤きさに着⽬ 累積結果の最⼤値を採⽤ ARS 起伏が⼤きい 起伏が⼩さい より明確に起伏の⼤きさを評価 ただし,計算量は⼤幅に増加 累積結果の⼀部しか 使っていない
  12. 4 ྦྷੵ݁Ռͷ෼ࢄ 最⼤値 分散 ・・・ 2020/2/5 低SN⽐信号の周期推定に関する研究 提案⼿法の全体構成 15 累積

    累積 累積 5 分散 6 分散 ・・・ 5サンプル ごとに分割 6サンプル ごとに分割 4サンプル ごとに分割 ・・・ ・・・ ⼊⼒信号 6 6 6 5 5 5 4 4 4 4 提案⼿法とARSの唯⼀の違い
  13. 2020/2/5 低SN⽐信号の周期推定に関する研究 雑⾳耐性の⽐較 - シミュレーション⼿順(1) 17 回 繰 返 5000

    2周期推定の実⾏ 基本波形⽣成 (繰り返し毎にランダム) 周期信号⽣成 (基本波形を繋げる) ノイズ付加 1信号の⽣成
  14. 2020/2/5 低SN⽐信号の周期推定に関する研究 雑⾳耐性の⽐較 - シミュレーション⼿順(2) 18 回 繰 返 5000

    最⼤値を取る周期を推定周期とする DFT ARS 提案⼿法 Yes =周期? +1 実 際 周 期 ⼀ 致 回 数 Yes =周期? +1 Yes =周期? +1 ⽣成した信号 1信号の⽣成 2周期推定の実⾏
  15. 2020/2/5 低SN⽐信号の周期推定に関する研究 雑⾳耐性の⽐較 - シミュレーション条件 19 サンプリング周期 周期数 ノイズ 基本波形

    ランダム波 31サンプル 30周期 -30dB 〜 0dB ARSおよび提案⼿法 分割幅 20サンプル 〜 40サンプル 1Hz DFT スペクトル計算範囲 1/40Hz 〜 1/20Hz
  16. 2020/2/5 低SN⽐信号の周期推定に関する研究 雑⾳耐性の⽐較 - 結果 20 信号 弱 信号 強

    雑⾳耐性の向上を達成 正 解 率 正解率: 正解数 5000 (= 試⾏回数) -18 約0.48 約0.88
  17. 2020/2/5 低SN⽐信号の周期推定に関する研究 まとめ 22 - . - s 3 .

    2 s 機器設置箇所などの 制限を緩和できる ノイズ耐性が強い 得られなかった データが得られる 測定対象 センサ センサの出⼒ 処理 本研究の⽬的 周期推定⼿法ARSの雑⾳耐性の強化 ⽬的 DFT → 周波数推定 ARS → 周期推定 低周波数領域の 解像度が⾼い 計算量が DFTの1/100
  18. 2020/2/5 低SN⽐信号の周期推定に関する研究 まとめ 23 周期と同じ幅で 分割した信号の累積 1 5 10 15

    20 25 -0.5 0 0.5 1 1.5 2 ・・・ 周期信号 周期と異なる幅で 分割した信号の累積 基本アイデア:信号の分割と累積 累積結果の分散 提案⼿法 累積結果の最⼤値 ARS 起伏が⼤きい 起伏が⼩さい 累積結果から計算する代表値を変更 周期と同じ幅の場合起伏が⼤きくなる 提案⼿法 起伏の⼤きさでより明確に差が出る ただし計算量は増加 3 累積結果の 代表値計算 2 分割した 信号の累積 1 信号の分割
  19. 信号 弱 信号 強 正 解 率 2020/2/5 低SN⽐信号の周期推定に関する研究 まとめ

    24 シミュレーションを通し提案⼿法が ARSよりも精度⾼く 周期推定を⾏えることを確認 正解率: 正解数 5000 (= 試⾏回数) 実験結果
  20. 2020/2/5 低SN⽐信号の周期推定に関する研究 発表⼀覧 25 A) ⼩久保律樹,”雑⾳に汚染された低周波数周期信号を⾼解像度で分析する新しい⼿法の提案”, IEEE東海⽀部若⼿セミナー,2019年9⽉18⽇. B) R. Kokubo,

    Y. Kamiya,”A Novel Period Estimation Method for Periodic Signals Suitable for Vital Sensing”, International Conference on Biomedical Imaging, Signal Processing 2019,2019年10⽉18⽇. C) ⼩久保律樹, 神⾕幸宏,”⽣体信号処理に適した周期解析アルゴリズムFVSの性能評価”, ⽇本⽣理⼈類学会第80回⼤会,2019年10⽉25⽇.
  21. 2020/2/5 低SN⽐信号の周期推定に関する研究 付録 27 ランダム波以外のシミュレーション Sin Sin - 雑⾳耐性⽐較 矩形

    矩形 - 雑⾳耐性⽐較 複数波(ランダム波, 3波) ⼿法による⽐較 ARSの諸問題 倍数 雑⾳による傾斜 解像度 DFTの周波数/周期解像度 ⽐較 DFTの”周波数”とARSの”周期”の違い