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現場主導の知見共有・組織担保への取り組み

 現場主導の知見共有・組織担保への取り組み

2018/01/09_JUAS QCD分科会での生貝の講演資料になります

Recruit Technologies

January 17, 2018
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Transcript

  1. (C) Recruit Technologies Co.,Ltd. All rights reserved. 2 Agenda 1.

    自己紹介 2. 会社概要 3. Rの知見共有の変遷と特徴 4. 「虎の穴」活動スタート 5. 具体的な活動事例 6. まとめ
  2. (C) Recruit Technologies Co.,Ltd. All rights reserved. 3 1.発表者紹介 いけがい

    たけとし 氏 名:生貝 武俊 株式会社リクルートテクノロジーズ ITソリューション統括部 プロジェクト推進1部 プロジェクトサポートグループ 兼 プロジェクト推進2部 共通プロジェクト推進グループ <主な経歴> ・外資系ベンダーにて、複数の公共交通機関向けシステムのSIプロジェクトに従事 ・リクルート転職後、ネットサービスのアジャイルエンハンス開発や大規模システム開発、 社内インフラの置換えプロジェクトにおいてPLを担当 ・現在は、組織PMOとしてプロジェクト推進部のプロジェクト全般の監査に関わるとともに、 組織企画担当として各種改善活動、ナレッジマネジメントを推進
  3. (C) Recruit Technologies Co.,Ltd. All rights reserved. 4 2.会社概要 リクルートグループについて

    グループ 従業員数 38,451名(287社) (2016年3月31日時点) 連結売上高 /経常利益 1兆8,399億87百万円 1,317億18百万円(2016年4月1日~2017年3月31日) 事業内容 ライフイベント領域 進学 就職 結婚 転職 住宅購入 車購入 出産/育児 旅行 ビジネス支援 生活/地域情報 グルメ・美容 ライフスタイル領域
  4. (C) Recruit Technologies Co.,Ltd. All rights reserved. 5 2.会社概要 株式会社リクルートテクノロジーズについて

    リクルートグループのIT・ネットマーケティング領域のテクノロジー開発を担う会社です。 リクルート ホールディングス リクルートキャリア リクルート住まいカンパニー リクルートライフスタイル リクルートジョブズ リクルートマーケティングパートナーズ リクルートテクノロジーズ リクルートアドミニストレーション リクルートスタッフィング スタッフサービス・ホールディングス リクルートコミュニケーションズ グローバル派遣 SBU グローバルオンライ ンHRSBU リクルートキャリア リクルート住まいカンパニー リクルートライフスタイル リクルートジョブズ リクルートマーケティングパートナーズ リクルートスタッフィング スタッフサービス・ホールディングス SBU:戦略ビジネスユニット(Strategic Business Unit) メディア& ソリューション SBU
  5. (C) Recruit Technologies Co.,Ltd. All rights reserved. 6 プロジェクト推進部とは 組織PMO部隊として、プロジェクトのサポートと監査を

    行い、組織的なプロジェクト成功担保の仕組みを運営 仮想端末・内部監査機能導入プロジェクト 経理財務汎用機リホストプロジェクト 特定事業向けクライアント機能EOSL対応 特定事業向け入稿・応募管理システムEOSL対応 特定事業向け本誌制作システム再構築 仮想端末・内部監査機能導入プロジェクト 仮想端末・内部監査機能導入プロジェクト 特定事業向け受注管理システム再構築 プロジェクトサポートグループ プロジェクト推進2グループ プロジェクト推進4グループ プロジェクト推進1グループ プロジェクト推進3グループ プロジェクト推進5グループ プロジェクト推進6グループ プロジェクト推進7グループ 業務基幹システム延命対応 提携業務対応案件 プロジェクト推進2グループ 新規サービス向けシステム開発プロジェクト 仮想端末・内部監査機能導入プロジェクト クライアントOSバージョンUp対応 ※2017/11 現在 プロジェクト推進3グループ グループ全社勤怠管理システムリプレイス プロジェクト推進1部 プロジェクト推進1グループ 共通プロジェクト推進グループ プロジェクト推進2部 戦略的な中小規模案件の推進 特定事業向けシステム刷新
  6. (C) Recruit Technologies Co.,Ltd. All rights reserved. 7 プロジェクトサポートグループ(PSGの)の役割 分類

    項目 説明 ①ガイドライン 案件立ち上げキット プロジェクト立ち上げのノウハウとタスク定義 大規模開発プロジェクトガイド プロジェクト運営のノウハウとタスク定義 ②標準工程・ 成果物 工程定義 標準工程(フェーズ)の定義 成果物定義 標準成果物の定義 ③標準管理手法 (見える化) 進捗・課題・品質・リスク 進捗・課題・品質・リスク管理の標準管理手法 ④案件情報収集 基礎情報収取・FP計測・ メトリクス値提供 リクルートの大規模案件情報の収集とメトリクス値の活用 ⑤組織的担保 運営会 プロ推案件の状況報告を行う会議体 案件担当 案件担当がプロ推案件を支援する PSGアラート プロ推案件の進捗・品質状況を評価する指標 ⑥知見の 収集・展開 過去知見資料作成・ 知見共有機会の提供・ 知見ポータルの更新・ 知見コンシェルジュ活動 過去のプロジェクトからの知見を収集、蓄積、展開 ⑦メンバー育成 部門アサイン時導入研修 R流大規模プロジェクト推進のポリシー/ルール/心得を説明 R流PM研修 13の知識エリア毎にHowTo+R流PMとしてスタンスを説明 本日はこの部分にフォーカスを当ててお話しま す。
  7. (C) Recruit Technologies Co.,Ltd. All rights reserved. 9 プロ推の知見共有活動の変遷 プロ推の知見共有活動は、様々な取り組みを積み重ね、進化してきました。

    プロ推以前 … ソフトウェアメトリクス情報の取得、開発プロセス標準化 プロ推発足 … プロジェクト評価会を規定し、「しくじり」や「成功」 を真因まで振り返り組織的に収集する枠組みを用意 2010 知見共有会の開催 … 各プロジェクトの取組み事例をベースに、知見を共有。 収集した知見を展開するための組織施策がスタート 2012 知見共有活動の刷新(前回発表内容) … 知見共有を組織PMOの役割から組織活動と位置づけ 2016 「虎の穴」活動開始 … 本日お話しします。 2017 知見展開施策の追加実施 … 知見のポータル開設、過去プロジェクト成果物収集、 品質管理ガイド編纂 2013
  8. (C) Recruit Technologies Co.,Ltd. All rights reserved. 10 なぜ当たり前の知見が現場まで伝わっていないのか 知見共有会

    (プロジェクト 事例の共有) 知見を展開する機会が限定的 毎月1回開催、任意参加の「知見共有会」のみ 内容は案件C/Oのタイミング毎。 (一度共有された内容は題材として扱わない) スミソニアン (過去知見を集約 した資料) 一言で言うと「刺さらない」状態 ・今や当たり前、組織の常識となっている内容 ・背景が伝わらないため、「そうだねー」で 終わってしまう内容 ・凄そうだけど、活用の仕方がわからない内容 収集の問題 展開の問題 前回資料再掲
  9. (C) Recruit Technologies Co.,Ltd. All rights reserved. 11 「収集の問題」への取組み 「すでに溜まっている知見」に対する取り組みと

    「新たに発生する知見」への取り組みを行った 既に溜 まってい る知見 これから 発生する 知見 取組み1 「刺さらない」知見を「刺さる」形に再編集 マネージャー陣総出で、過去案件の知見に対して、 「魂入れ」を行ってもらう 取組み2 全メンバーにインプット実施(隔離・短期集中) 辛すぎると大評判の熱海合宿開催 取組み1 マネージャ陣が「刺さる」知見を選定 現場経験を持っているマネージャーが、現場目線で 「刺さる」知見を選定 取組み2 プロジェクトが知見をまとめる ・生情報を汎化させず生のまま残す。 ・サマリー情報に命を懸ける -キャッチーなタイトル+背景情報をセットに 前回資料再掲
  10. (C) Recruit Technologies Co.,Ltd. All rights reserved. 12 なぜ当たり前の知見が現場まで伝わっていないのか 知見共有会

    (プロジェクト 事例の共有) 知見を展開する機会が限定的 毎月1回開催、任意参加の「知見共有会」のみ 内容は案件C/Oのタイミング毎。 (一度共有された内容は題材として扱わない) スミソニアン (過去知見を集約 した資料) 一言で言うと「刺さらない」状態 ・今や当たり前、組織の常識となっている内容 ・背景が伝わらないため、「そうだねー」で 終わってしまう内容 ・凄そうだけど、活用の仕方がわからない内容 収集の問題 展開の問題 前回資料再掲
  11. (C) Recruit Technologies Co.,Ltd. All rights reserved. 13 「展開の問題」に対する取り組み 知見に接触する機会が限られているため、機会を増やす必要あり。

    大方針 知見を望むタイミング、望む方法で渡す 取組み1 過去知見についての相談窓口の開設 組織PMO+シニアメンバーが、「こんな情報ないかなー。 こんなこと知っているひといないかなー」に対応。 取組み2 オーダーメイドの知見共有の場をファシリ 過去知見を必要としているメンバーに、該当の有識者を 紹介。他メンバーも参加できるオープンMtgを調整。 取組み3 知見への接続ルートの一元化 すべての知見のIndex情報をポータルに一元化し、知見 を探したいと思った時に、自分で探せる環境を提供。 しかし、やみくもに増やしても不要な情報扱いされ かえって参照されなくなりかねない 半期で約30件 の問合せ 実績 半期で4件の 開催 盛り上がりを見せつつあり、今後さらに 知見共有に対する取り組みを加速していく 前回資料再掲
  12. (C) Recruit Technologies Co.,Ltd. All rights reserved. 15 各PJの領域別担当を 集めて、虎の穴(仮)を組織

    分科会(虎の穴) Aテスト担当 Bテスト担当 Cテスト担当 Aテスト担当 Bテスト担当 Cテスト担当 虎の穴とは 地獄の猛特訓で、強靭なプロフェッショナルに 育成する特別養成機関 コンセプト • 組織の知見を結集しPRJ横断でコアスキルを磨き込む • その磨き込んだコアスキルをPRJに注ぎ込み、 組織で成功を担保していく • その過程で個人のスキルもさらに向上させる
  13. (C) Recruit Technologies Co.,Ltd. All rights reserved. 16 虎の穴の具体的な取り組みイメージ Aテスト担当

    Bテスト担当 Cテスト担当 A案件 B案件 C案件 テストフェーズ テストフェーズ テストフェーズ テスト極意 知見の集約 知見の集約 知見の集約 テスト虎の穴 レビュー テスト計画 テスト計画 レビュー レビュー テスト計画 実プロジェクト 知見の活用 知見の活用
  14. (C) Recruit Technologies Co.,Ltd. All rights reserved. 17 移行 虎の穴

    テスト 虎の穴 要件整理 虎の穴 見立て 虎の穴 踏込が必要なテーマごとにプロジェクト横断チームを組織 虎の穴は、5つのテーマで実施 調査 テスト 開発 モニタリング 移行 プロジェクト定義 ビジネス検討 要件定義 案件 見立て 再構築 虎の穴 シニア マネージャ マネージャ マネージャ マネージャ 全体統括 エグゼクティブマネージャ マネージャ 2名
  15. (C) Recruit Technologies Co.,Ltd. All rights reserved. 19 各虎の穴ごとに、極意(知見集)を作成し、宿泊研修で共有した。 いずれも現場メンバーの実用的なエッセンスを含む「すぐに使える」知見

    極意についての実績と振返り 虎の穴 極意タイトル 概要 要件整理 ビジネスルールのまとめ方 要件定義を実施する前段でまとめる必要がある横断的な上流要件 (ビジネスルール)のまとめ方を、Rの事例を元に一般化したもの テスト 開発・単体への踏込み ユーザー企業におけるシステム開発においてブラックボックスとな りがちな製造・単体テストの状況把握と評価のやり方をまとめた 移行 アプリ開発体制と移行体制のく み方 移行の知識体系をRの事例をもとに、ガイド化 再構築 再構築手法の定義と手法選択の 考え方 各社各様の再構築手法をRの案件を理解するのに必要な4定義に集約。 また手法選択の考え方や複数の目的が混在する案件のとらえ方を示 した。 虎の穴極意に対するアンケートの声 • いずれの極意も今後活かせるもの • どの虎の成果物も実業務の課題を解決することに直結する内容。成果物の精度が あがる • どれもプロ推が直面している状況を捉えているので、プロジェクト特性に合わせ て多少チューニングすれば、ほぼそのまま使えそうだった • 「誰でもできる」レベルまで落とし込んでいただきたい
  16. (C) Recruit Technologies Co.,Ltd. All rights reserved. 20 ここまでの内容を踏まえた上で、相互レビューについてこれまで上期の議論の中 から出てきた目的をベースに照らし合わせ、考察した結果は下記の通り。

    相互レビューについての振返り 目的 考察 ・レビューの指摘数はPSG<虎の穴 … より複眼的にレビューできた ・マネジメント領域での指摘が多く、エンジニア領域での指摘は割と 少ない。(組織PMOのレビュー観点/視点と重複している) ・組織PMOと比べタイムリーにレビューをもらえる 「極意抽出のためのレビューという観点が薄かった」 ・メンバからは、「良い経験になった」、「勉強になった」とのポジ ティブな振り返りコメント多数 ⇒ メンバーが成長実感を得ている ・そもそも極意を作成中だったため、極意を活かせるかを確認すると いう目的ではレビューされていない。 ・「極意との紐づきは無く、単なる第三者レビューの域を出なかっ た」 極意作成 のための インプット 極意を 活かせるか を確認する アウトプット 極 意 作 成 ② 組織的担保 ① メンバー育成 ③ 【結論】 1.相互レビューは、下期も継続。「極意作成」の目的を意識しながら進める 2.相互レビューは義務化せず、PJと虎双方のニーズとタイミング、工数が合えば実施とする △ × ◦ 評価
  17. (C) Recruit Technologies Co.,Ltd. All rights reserved. 22 ・全メンバーの業務目標の中に、10%分のミッションとして割り当て 評価を虎の穴担当マネージャーが行うことにした(マトリクス組織化)

    ・虎の穴活動をバーチャルプロジェクトと見立て、全体のルール定義や 情報コミュニケーション基盤の提供を組織PMOで担当した。 ・各虎の穴毎に組織PMOメンバーを配置。 会議調整や推進ファシリを組織PMOメンバーが担当することで、 プロジェクトメンバーが本質的な活動に集中できる状況を提供 ・メールでのやり取りを禁止し、コミュニケーションをSlackに限定。 部署メンバーが相互に参照可能なチャネルを設定することで、 虎同士の活動状況を相互に見える化した ・活動開始半年後に宿泊研修を設定し、各虎の穴の成果共有することとし、 そのためのレビューマイルストーンや枠組みを組織PMOで設定した 虎の穴運営上の工夫
  18. (C) Recruit Technologies Co.,Ltd. All rights reserved. 23 上期振返りで問題となったポイントに対応しつつ、 極意の深掘りと相互レビューの推進を進める

    ・虎の穴活動を「フィジビリ」を終え、「恒常的活動」とし、 運用サイクルを回していく(枠組みの見直し、メンバー入替時期の定義) ・プロジェクトと虎の穴活動の優先順位判断基準と メンバー稼働考慮の調整フローを規定 ・遠隔拠点メンバーの負担感を軽減すべく、Web会議とクラウドファイル共有 の活用を検討する ・極意のプロジェクト実装を推進したり、外部発信を積極的に行うことで、 FBを受ける機会を得て、さらにレベルの高いものに昇華させる 今後の展望