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めちゃくちゃ開発するQAエンジニアになって感じたメリットとこれからの課題感

 めちゃくちゃ開発するQAエンジニアになって感じたメリットとこれからの課題感

JaSST’26 Tokyo 事例セッション

開発者が自らテストをするのが当たり前、リリースサイクルは1日1回以上。そんなモダンな開発組織において、QAエンジニアの専門性はどう発揮されるべきでしょうか。
​本セッションでは、株式会社estieにおいて、QAの枠を超えてバックエンドやフロントエンドの開発を自ら担う道を選んだQAエンジニアの挑戦を共有します。
​AI時代に「コードがわかるQA」から一歩進んで「コードで品質を作るエンジニア」を目指す方へ、一つのキャリアパスとしての選択肢を提示します。

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yama-cha-n

March 19, 2026
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Transcript

  1. © estie Inc. 自己紹介 Ryuehi Yamamoto 株式会社estie / QAエンジニア 経歴

    2022/04 - 2025/01 株式会社SHIFT 新卒でQAエンジニアとして品質保証に従事 チームリーダとして活動 2025/02 - 現在 株式会社estie QAエンジニアとしてjoin 現在ではマーケットリサーチ系のプロダクト全般の開発に携わる estieでやっていること いいプロダクトを作るために必要なこと全般 ・開発 ・テスト ・顧客訪問/要件定義 趣味 サウナ(大学時代ロウリュのバイト経験あり) モットー 根拠のない自信でやりきる
  2. © estie Inc. アジェンダ 01 AIによって進化するプロダクト開発 02 変化する組織の中でQAが担うべきこと • 外部品質の担保はみんなでやろう!

    • テストやモニタリングの専門性を通して、内部品質、利用時品質にコミット! • 仕様検討だけじゃなく開発も! • AIドリブンなプロセスを作って、レバレッジ最大に利かす! 04 03 めちゃくちゃ開発するQAエンジニアになって感じたメリットとこれからの展望 まとめ
  3. © estie Inc. 株式会社estieのQA組織 高速な価値提供サイクルの支えになる 事業部A 事業部C 事業部B 技術戦略室 QAM

    会社としてQA組織は存在せず、バーチャルなQAエンジニア集団として連携をとりながら活動 チームやプロダクトとそれぞれが向き合うことでQAEも事業にコミットすることを目指ざす 今は3人で、兼務やローテーションをして回している状態 ◦◦ユニット ◦◦ユニット ◦◦ユニット ◦◦ユニット ◦◦プロジェクト ◦◦プロジェクト
  4. © estie Inc. estieでの開発 高頻度なリリースサイクル 一日複数回リリースすることもあるよう なスピード感で開発が進む。 AIの進化によって、このリリースサイクル は日を増すごとに早くなる。 増えていくプロダクト

    会社の売り上げの増加に伴って、プロ ダクト数や顧客数は増えていく。より少 人数で高い生産性を上げていく必要 がある。 保証範囲の広さ プロアプリケーションの品質は多角化し ており、データの品質やAIの出力品質、 サービス連携等考えることがたくさん
  5. © estie Inc. estieでの開発サイクル 高頻度なリリースサイクル 一日複数回リリースすることもあるよう なスピード感で開発が進む。 AIの進化によって、このリリースサイクル は日を増すごとに早くなる。 増えていくプロダクト

    会社の売り上げの増加に伴って、プロ ダクト数や顧客数は増えていく。より少 人数で高い生産性を上げていく必要 がある。 保証範囲の広さ プロアプリケーションの品質は多角化し ており、データの品質やAIの出力品質、 サービス連携等考えることがたくさん QAエンジニアとして どのようにプロダクトや組織に貢献していくか
  6. © estie Inc. 結論どういうマインドセットでいることにしたか 昔のマインドセット 仕様検討は一緒にやるけど、開発は任せた! テスト工程は自分にまかせてくれ! テストして品質つくっていこう! 今のマインドセット 仕様検討だけじゃなく俺も開発するぜ!

    外部品質の担保はみんなでやろう! テスト、モニタリングの専門性を通して、内部品質、利 用時品質にコミットするぜ! 正しいプロセスを通して、品質を保とう! AIドリブンなプロセスを作って、レバレッジ最大に利かす ぜ!
  7. © estie Inc. 外部品質の担保はみんなでやろう! 1 複雑化するアプリケーションをブラックボックス的 に担保するのは無理 コードを見ながらホワイトボックス的に検証しつつ、効率の悪 いテストをしないようにする。 であれば、テスト工程、実装工程、みたいなものを明示的に

    分けずに、全員で同じタイミングでテストをすればよい 2 一人でテストをやっていたら QAがボトルネック化してしまう 開発スピードはさらに上げていきたいのに、QAエンジニアが労 働集約的に確認をするというプロセスはしんどい 全責任を担うようになるのも精神衛生的に良くない 3 そもそもみんないいもの作りたいならテストするよ ね テストは全員でやりましょうという合意形成さえあればいいの では? 役割分担していいことって何があるんだっけ? 4 それぞれの専門性を活かしたほうが絶対によい デザインエンジニアはデザインに詳しいし、SWEはエッジケース に気付きやすい。 皆で知識を補い合うほうがいいものができる
  8. © estie Inc. estieではこんな感じでやっています 複雑化するアプリをブラックボックス的に担保するの は無理 テスト環境整備 PRで検証環境が立ち、コードレビューと手動検証を同時に実施。ホワイトボックス的に も検証できる 一人でテストしていたらQAがボトルネック化する

    小さく細かくリリース 差分を小さくして検証範囲を絞る。労働集約的にならず、一人に負荷が集中しない みんないいもの作りたいならテストするよね 妥協しない 全員でやる合意を前提に、納得いくものをチーム全体で妥協せずに作る それぞれの専門性を活かしたほうが絶対によい 不具合に対する感度を高める 各専門視点でインシデントレポートとポストモーテムを実施
  9. © estie Inc. 最強のチームってどんなチーム? 全員が一定なんでもできる中で、 それぞれの分野のエキスパートがそろっているチームが最強 個々人が開発スキルを持っているので、流動性の高い組織でも活躍できる T字型人材 ── 全員が幅広い対応力を持ち、各自の専門分野で深い知見を発揮

    ソフトウェア エンジニア データ エンジニア QA エンジニア インフラ エンジニア ━━━━━━━━━ 幅広い対応力(何でもできる) ━━━━━━━━━ デザイン エンジニア 基本的な開発スキル
  10. © estie Inc. 職種間のコラボレーションで成果を生み出した事例 処理速度改善 UX改善 QA QAがミドルウェアにログを追加し 各APIの速度を定量化 Dev

    アルゴリズムに強いエンジニアが 実際にロジックを変更 QA QAがモニタリング基盤を用意し 定量で効果測定できるように 改善のイテレーションを回す QA QAがユーザー行動ログの取り方や 分析基盤を整理 Team チームで顧客属性ごとの 利用状況を調査 PdM PdMがデータをもとに 顧客にヒアリング Design デザインエンジニアが 顧客に即したUI/UXに改善 検索の実行速度が半減 ログベースで定量評価を実現 Dev
  11. © estie Inc. 仕様検討だけじゃなく開発も! STEP 1 テスト+仕様検討 テストできて、仕様も考えられるスキ ルがある STEP

    2 AI活用で開発も AI Codingを使えば、開発の実装 もできるようになる STEP 3 価値を生む主体へ 自分がデリバリーの主体になり、顧 客への提供速度をアップ 品質も事業貢献の手札の一つに過ぎない テストも含めて、事業を最大化する動きを取れるようになろう!
  12. © estie Inc. 実際やってみて、よいことと大変なこと ◎ よいこと テストできて仕様も考えられるなら、AI使えば開発もできる 自分が価値を生む主体になって、デリバリー速度がアップした 設計/実装の知識が深まり、より本質的なアプローチで品質 向上に貢献できる

    △ 大変なこと 実装の品質担保は難しい。レビューでカバーが必要 開発に時間を取られ、本来のQA業務とのバランスが課題 AI生成コードの妥当性判断にはドメイン知識が不可欠 見返してみたら、入社してから300PR以上(機能開発系が過半数) 型で品質を守るアプローチや、トレースとスパンの解析等手札が明確に増えた
  13. © estie Inc. AIドリブンなプロセスを作って、レバレッジ最大に利かす! AIの力で、品質もスピードも妥協しない開発を当たり前にする 1 AI生成コードに 品質のガードレールがある 誰がコードを書いても、レビューとテストの仕 組みが自動で品質を守る世界

    2 要件から運用まで 一気通貫でつながっている 仕様検討・開発・テスト・運用のプロセスが AIで接続され、手戻りがゼロに近い世界 3 誰でも安全に 開発に参加できる エンジニア以外のメンバーもAIを使って安全 にプロダクトに貢献できる世界 開発するQAだからこそ、このビジョンを実現できる コードが書けて、実装から運用までの品質を一気通貫で理解している人間が、 プロセス全体を設計・改善していくことでこのビジョンを実現できる。QAはそのピース足りえるはず
  14. © estie Inc. この世界に向けて、いま模索していること ガードレール AI生成コードに 品質のガードレールがある ▼ プロンプトガイドで AI生成コードの品質基準を定義

    コードレビュー基準を策定し、 チーム全体に統一適用 一気通貫 要件から運用まで 一気通貫でつながっている ▼ 顧客の利用データの整備や、活用推進 VoCの対応プロセスを整備し 効果的な意思決定ができるようにする 誰でも開発 誰でも安全に開発に参加できる ▼ 非エンジニアが安全にコードを書けるプロセ ス設計 属人化しないAIドリブン開発フローの型づ くり CIでの確認項目を拡充&ルール整備し、 コードの品質を常に保つ
  15. © estie Inc. 結論どういうマインドセットでいることにしたか 昔のマインドセット 仕様検討は一緒にやるけど、開発は任せた! テスト工程は自分にまかせてくれ! テストして品質つくっていこう! 今のマインドセット 仕様検討だけじゃなく俺も開発するぜ!

    外部品質の担保はみんなでやろう! テスト、モニタリングの専門性を通して、内部品質、利 用時品質にコミットするぜ! 正しいプロセスを通して、品質を保とう! AIドリブンなプロセスを作って、レバレッジ最大に利かす ぜ!
  16. © estie Inc. 結論どういうマインドセットでいることにしたか 昔のマインドセット 仕様検討は一緒にやるけど、開発は任せた! テスト工程は自分にまかせてくれ! テストして品質つくっていこう! 今のマインドセット 仕様検討だけじゃなく俺も開発するぜ!

    外部品質の担保はみんなでやろう! テスト、モニタリングの専門性を通して、内部品質、利 用時品質にコミットするぜ! 正しいプロセスを通して、品質を保とう! AIドリブンなプロセスを作って、レバレッジ最大に利かす ぜ! プロダクトや組織に貢献していくために 自分が何をするべきかが明確になり バリューを出しやすくなった
  17. © estie Inc. 開発に深く入ることで得られたメリット 1 チーム全体の生産性向上 価値を生む主体として直接貢献できる 2 技術的な視野の拡大 ログ解析・自動化で品質向上のアプローチが増加

    3 協働の幅と質が拡大 チームとの共同作業の幅が広がった 4 チームを最強にできるという自信 開発もバリバリやれるQAは最強のピースになれる
  18. © estie Inc. 課題② リソース配分のジレンマ 開発タスク(新規エピック) 直接ユーザーに価値を届ける → 優先しがち VS

    QAタスク(リスク低減) テスト整備・モニタリング強化 → 後回しになりがち 開発は目に見える成果が出やすい一方、QA活動は後回しにされがち バランスの取り方が常に課題
  19. © estie Inc. これからの展望 28 課題を踏まえて、開発するQAエンジニアとしてこれから目指す方向性 1 QA知見を活かした 開発貢献の確立 テスタビリティの高い設計を提案し、

    QAの知見を開発プロセスの 上流に組み込んでいく 2 AI活用による 生産性のさらなる向上 テスト自動生成・コード解析など AIを活用し、QAと開発の 両方の効率を高める 3 チームの品質文化を リードする存在へ 開発を理解するQAとして チーム全体の品質意識を底上げし、 仕組みで品質を支える