サービスを支えていくために利用しているさまざまなSaaSを導入した知見、 信頼性を担保するためにどのようなチーム構成で開発しているのか
業務が効率よく進むコミュニケーションから生じる信頼性by 株式会社Emotion Tech 三上 悟
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自己紹介三上 悟 (@saicologic)株式会社Emotion Tech 開発部 部長 / VPoE経歴:Web開発14年目 / 5社目2017年 3月入社 Tech Lead / Backend Engineer /分析基盤構築 / SaaS導入など2019年 1月 ~ 開発部長趣味:ゲーム( 最近は、SEKIROプレイしてます )自己紹介
1. 「信頼性」ってなんぞや?2. 利用しているSaaSサービスの変遷と導入事例a. 導入背景b. 運用c. チームの信頼はどう変化したか?3. 信頼を得るための共通ノウハウアジェンダ
「信頼性(Reliability)」今回のテーマ
元ネタは、Googleの専門職ですCustomer Reliability Engineering顧客信頼性エンジニアリング”この役職に就く人のミッションは、Google と Google Cloud Platform のお客様とが運用に関して運命共同体となり、お客様が Google に委ねている重要なアプリケーションに対するお客様側の管理権限を高め、金銭的なものよりも意義のある運命を共有することにあります。”2016-10-19 Google の新しい専門職 : CRE が必要な理由https://cloudplatform-jp.googleblog.com/2016/10/google-cre.htm
運命共同体
本日ご紹介する運命共同体は「Product Team」
Product TeamReliability Engineering
Product Team株式会社Emotion Techプロダクト開発部マーケティング部統計解析部 CS部Success/SupportEmotionTech+α [AE部(セールス)、CXS部(コンサル)]
利用しているSaaSサービスの変遷株式会社Emotion Tech2017年20人+2018年40人+2019年50人+
株式会社Emotion Tech
esaとは株式会社Emotion Tech
導入背景
SaaSサービスの変遷株式会社Emotion Tech2017年 2018年 2019年【2016/末】esa導入【2017/5】仕様書を書きまくる【2018/10】ノウハウ・ヘルプサイト1 2 3タイムライン利用サービス
esaを導入した経緯株式会社Emotion Tech社内情報のドキュメント共有ツールとしてスタート主に開発者が使い始めた2016年頃 導入2017年 議事録、要件定義書、Tips、簡単なノウハウ、社内ルールなど2018年 営業やサポートのノウハウ、サービスの使い方ガイド2019年 自己紹介、新入社員ハンズオン=>・数人が議事録やメモ用途に使い始める・他部署連携が増えるにつれ、ノウハウ共有資料が増加・人が増えると、新入社員向けのオンボーディング資料が作られる
運用
esaの使用用途株式会社Emotion Techesaは主にドキュメント共有として使用しています。MTGなどの議事録や、開発などの要件定義ドキュメント、その他社内の情報全般をまとめています。
esaをどのようにして使用しているか?株式会社Emotion Tech議事録:会議の内容をメモして記録する
esaをどのようにして使用しているか?株式会社Emotion Techドキュメント:運用手順や資料をまとめる
esaをどのようにして使用しているか?株式会社Emotion Techナレッジ:各々が集めたナレッジを共有
esaをどのようにして使用しているか?株式会社Emotion Tech自己紹介:社員同士の情報を共有
esaをどのようにして使用しているか?株式会社Emotion Tech社内ぺでぃあ
チームの信頼はどう変化したか?
チームの信頼はどう変化したか?株式会社Emotion Tech・最初、プロダクト開発部と管理部で 2〜3名しか書かない日々が続く。 1年くらい・社内への情報発信を積極的におこなう姿勢をみせたSlackで共有、会議に参加して情報共有資料として使う・ビジネスサイドとの打ち合わせ時に esaで書いた資料をみせるその場で決めたことをリアルタイムで編集することで便利さを理解してもらう・ビジネスサイドの議事録担当者が真似して使い始める文章の書き方、ドキュメントの検索の方法、画像のアップロード、タグの付け方、テンプレートの使い方一つずつ教えながら、ツールを使えるようになってもらう補助輪つきで一本書けるようになると、次回から1人で使えるようになる困ったらいつでも聞いていいよと信頼関係をつくり、不安をなくす・議事録で使い始めてたら勝ち他の部署がどんな仕事をしているか見れるようになるTODOリストに〇〇さんに聞くと書かれていたら、先手をうっておくと信頼関係が築くきやすい・当たり前のようにみんな書いてくれるようになる 2年位かかった。継続が大事Tips・普段からメモ帳をMarkdown式で書いておくと楽・議事録はテンプレート機能を使いましょう
wrikeとは株式会社Emotion Tech
SaaSサービスの変遷株式会社Emotion Tech2017年 2018年 2019年【2017/2】移行期【2017/8】Wrike使われない【2018/8】再チャレンジ1 2 3タイムライン利用サービス
Wrikeをどのようにして使用しているか?株式会社Emotion Tech切られたタスクを管理してます。Wrikeはリスト形式とボード形式両方でタスク表示ができます。画像非公開
Wrikeをどのようにして使用しているか?株式会社Emotion Techその他に、ガントチャートを表示することもでき、これは経営陣にわかりやすく現状を伝えることができて、便利です。画像非公開
リプレイス(TrelloからWrikeへ)株式会社Emotion Tech最初はTrelloというサービスを使っていました。新しく入社したエンジニアリングマネージャーが導入を推進しました。課題・経営側からいつまでに何ができるのかわからないと言われたWrikeの導入目的・工数管理・クリティカルパス法の導入=> 開発進捗の見える化を経営陣から求められていた
2017年3月 ~ 8月ごろ 導入はじめ株式会社Emotion Techいろいろな問題・工数つけない・大型機能開発の真っ最中・社員、フリーランス、協力会社もいる(カオス)・新しいツールの使い方わからない・Trelloのカンバンで十分では?=> みんな主張が強いタイプで管理大変=> 導入推進者のエンジニアリングマネージャー退職=> Wrikeは使われなくなる
2017年8月 ~ 2018年8月ごろ 開発部ではWrikeあまり使われない時期株式会社Emotion Tech・プロダクトマネージャーが要求仕様書を作るエンジニアを信用し、いつまでにできそうかのみ聞く。ざっくり見積もり・機能開発の工数計算はするが、工数をつけない・デイリースタンドアップ朝会で昨日やったこと、本日やること、困ったことを共有(5分)。あと自由・機能単位のチケット管理。PMが管理・毎週の定例で機能の進捗を確認するのみ=> Wrike使わなくても、すごい勢いで機能開発が加速この時期、開発部の知らぬところでCS部・統計解析部のタスク管理で使われ始める。納品日が決まっているレポート作成業務がっつり使われる
2017年8月 ~ 2018年8月ごろ なぜうまくいっていたのか?株式会社Emotion Tech・PdMの発言力が強かった。説明力能力が高い・要求仕様がしっかりしている・フロントエンジニアでもあるので、製品には組み込めないような社内ツールを一人で実装。検討中段階の動くコードをスクラッチで実装。エンジニアが製品を移植するのがメイン・機能開発進捗もよしなに調整=> PdMのエンジニアリング力高すぎ・社内も社外も利用ユーザー数がそこまで多くなかった・新機能が多い。不具合が起きたらすぐ修正・保守開発専任がいる・シニアエンジニア沢山
2018年8月ごろから、管理できなくなってきた株式会社Emotion Tech問題いろいろ・数名旅立つ・社内の利用ユーザー数が増える(社員数は30人から50人へ)・カスタマーサクセスが立ち上がり顧客の声や要望数が増加・品質管理のためにテスターが増えるがエンジニアではない・カスタマーサクセスが立ち上がり顧客の声や要望数が増加=> マネージャー不在だが、機能要望数は増加。どうしよう
2018年9月 Wrikeを使いこなす株式会社Emotion Tech・リクエストフォーム機能の発見・カスタムワークフロー機能との連動
カスタムリクエストフォーム株式会社Emotion Techリクエストフォームで他部署メンバーから、相談事項などを具体的に送る仕組みカスタムフォーム機能。フォームの入力項目が自動でチケット化される
カスタムリクエストフォーム株式会社Emotion Tech不具合報告・不具合と思われる動作・期待する動作・再現手順・発生・確認した時刻・利用したときの通信環境・URL・ログインユーザー・アカウント・ユーザー権限・ブラウザの種類
カスタムワークフロー株式会社Emotion Tech
チームの信頼はどう変化したか?株式会社Emotion Tech・チャットで思い(要望)を書くから、論理立ててリクエストに変化要望する側は、開発者にどんな情報を書いたら伝わるかある程度かわかる開発者側も何が問題になっているか理解するできることが大事・発行されたチケットの状態が見える化要望が今どこまで進んでいるかわかる検討されているのか、リリース間近なのかリクエスト後のチケットのチャット機能でコミュニケーションもできる
信頼を得るための共通ノウハウ
・背景を書いてもらいましょう何に困っているのか、なぜその問題が起きてしまったのか・タスクのゴール(最終成果物)を書いてもらいましょう最終的にこうなっていると嬉しいということを書いてもらいます。不満に思っているということは、期待した動作が実際に起きなかったからです・問題が起きた環境を書いてもらいましょう人の問題ではなく、環境の問題に起因することが多い。ソフトウェアのバージョン、社内 or社外、打ち合わせ中などなど・毎朝、CSと5分でもいいからデイリースタンドアップをしましょうCS:お客様から◯◯のお問い合わせがありました。不具合でしょうか?開発:不具合ですので、リクエストフォームからチケットを作成してください・報告内容は、テンプレート化しましょう自動でチケット化される。あとで調査がしやすくなる。開発側メールやチャットから Wrikeへの転記が不要になる。チャットや口頭による時間の短縮信頼がない、信頼度が下がるとは、相手の期待に答えられない不安から起きる期待値の調整が大事。ツールの力を借りるのが良い基本は、小さな火種を見つけて、早めに鎮火すること信頼を得るための共通ノウハウ株式会社Emotion Tech
最後に株式会社Emotion Tech信頼がないとか、信頼度が下がったという気持ちは、最初に相手に期待していた期待値のズレから起きてると思います情報の透明度が上がれば、期待値のズレが可視化はされます。見えるようになると、お互いの信頼の差がわかり、期待値のずれを小さくしてくことができますコミュニケーションツールの助けを得ることで常日頃から、情報の透明度を上げておくことができ小さな火種を早めに見つかり、早期に鎮火する行動をとれ結果的に、サービスやチーム全体の信頼性が維持できると考えていますこれが、Product Team Reliability Engineeringと考えています
ご清聴ありがとうございました。