Upgrade to Pro
— share decks privately, control downloads, hide ads and more …
Speaker Deck
Features
Speaker Deck
PRO
Sign in
Sign up for free
Search
Search
プロセスへのメモリ割り当て(3) 実際に使うときにメモリを獲得するデマンドページング
Search
Satoru Takeuchi
PRO
July 13, 2024
Technology
1
86
プロセスへのメモリ割り当て(3) 実際に使うときにメモリを獲得するデマンドページング
以下動画のテキストです。
https://youtu.be/3mpurVs_8Sc
Satoru Takeuchi
PRO
July 13, 2024
Tweet
Share
More Decks by Satoru Takeuchi
See All by Satoru Takeuchi
ハイテク休憩
sat
PRO
2
140
利きプロセススケジューラ
sat
PRO
5
3.1k
俺とVSCode Python Debugger Extension
sat
PRO
1
190
コード再利用のしくみ ライブラリ
sat
PRO
3
60
AWKへの愛を語る
sat
PRO
3
540
syncコマンドのデータ同期 完了待ちやエラー検出
sat
PRO
0
100
動作中のLinux環境の全メモリを見る
sat
PRO
1
120
Linuxの時間を10秒止める
sat
PRO
2
220
プロセスへのメモリ割り当て4 - 実際に使うときにメモリを獲得するデマンドページング(実践編)
sat
PRO
1
150
Other Decks in Technology
See All in Technology
オプトインカメラ:UWB測位を応用したオプトイン型のカメラ計測
matthewlujp
0
170
Amazon VPC Lattice 最新アップデート紹介 - PrivateLink も似たようなアップデートあったけど違いとは
bigmuramura
0
190
GitHub Copilot のテクニック集/GitHub Copilot Techniques
rayuron
24
11k
AI時代のデータセンターネットワーク
lycorptech_jp
PRO
1
280
NW-JAWS #14 re:Invent 2024(予選落ち含)で 発表された推しアップデートについて
nagisa53
0
250
C++26 エラー性動作
faithandbrave
2
690
小学3年生夏休みの自由研究「夏休みに Copilot で遊んでみた」
taichinakamura
0
150
マルチプロダクト開発の現場でAWS Security Hubを1年以上運用して得た教訓
muziyoshiz
2
2.2k
Amazon SageMaker Unified Studio(Preview)、Lakehouse と Amazon S3 Tables
ishikawa_satoru
0
150
開発生産性向上! 育成を「改善」と捉えるエンジニア育成戦略
shoota
1
230
KnowledgeBaseDocuments APIでベクトルインデックス管理を自動化する
iidaxs
1
260
サーバレスアプリ開発者向けアップデートをキャッチアップしてきた #AWSreInvent #regrowth_fuk
drumnistnakano
0
190
Featured
See All Featured
Typedesign – Prime Four
hannesfritz
40
2.4k
Done Done
chrislema
181
16k
Fontdeck: Realign not Redesign
paulrobertlloyd
82
5.3k
実際に使うSQLの書き方 徹底解説 / pgcon21j-tutorial
soudai
169
50k
Optimising Largest Contentful Paint
csswizardry
33
3k
Design and Strategy: How to Deal with People Who Don’t "Get" Design
morganepeng
127
18k
Designing Dashboards & Data Visualisations in Web Apps
destraynor
229
52k
Responsive Adventures: Dirty Tricks From The Dark Corners of Front-End
smashingmag
251
21k
Let's Do A Bunch of Simple Stuff to Make Websites Faster
chriscoyier
507
140k
Reflections from 52 weeks, 52 projects
jeffersonlam
347
20k
Principles of Awesome APIs and How to Build Them.
keavy
126
17k
Build your cross-platform service in a week with App Engine
jlugia
229
18k
Transcript
プロセスへのメモリ割り当て(3) 実際に使うときにメモリを獲得する デマンドページング Jul. 10th, 2024 Satoru Takeuchi X: satoru_takeuchi
1
はじめに • 過去動画でmmapによってプロセスに物理メモリを割り当てると説明 ◦ 📝 過去動画「プロセスへのメモリ割り当て (1) mmap」 • デマンドページングという機能を使うと少し違った挙動をする
◦ mmapは、新たにmapした領域にプロセスからアクセス可能にするだけ ◦ 実際に物理メモリを割り当てるのは最初に使うとき ◦ メモリ使用量をおさえられる ◦ Linuxはデマンドページングを使っている • むずかしいので例によって図解 2
今回出てくる概念 • (おさらい) present bit ◦ ページに物理メモリが割り当てられているかを示すフラグ ◦ ページテーブルエントリごとに存在 •
vm_area_struct ◦ mmapした領域ごとに存在するカーネルが管理するデータ構造 ◦ ページテーブルとは別の領域 3
それぞれの関係 4 物理メモリ 仮想アドレス空間 0 100 200 プロセスのメモリ 500 600
700 未マップ領域 仮想アドレス present bit 物理アドレス 0-100 〇 500-600 100-200 〇 600-700 200-300 × vm_area_struct 範囲 0-200 ページテーブル
mmapを発行すると… 5 物理メモリ 仮想アドレス空間 0 100 200 プロセスのメモリ 500 600
700 未マップ領域 仮想アドレス present bit 物理アドレス 0-100 〇 500-600 100-200 〇 600-700 200-300 × vm_area_struct 範囲 0-200 ページテーブル ここを新たにマップしたとする 300
デマンドページングが無い場合 mmap時にメモリマップ更新&物理メモリ割り当て 6 物理メモリ 仮想アドレス空間 0 100 200 プロセスのメモリ 500
600 700 未マップ領域 仮想アドレス present bit 物理アドレス 0-100 〇 500-600 100-200 〇 600-700 200-300 〇 800-900 vm_area_struct 範囲 0-300 ページテーブル プロセスのメモリ 800 900 300
デマンドページングがある場合 mmap時にメモリマップ更新&物理メモリは割り当てない 7 物理メモリ 仮想アドレス空間 0 100 200 プロセスのメモリ 500
600 700 未マップ領域 仮想アドレス present bit 物理アドレス 0-100 〇 500-600 100-200 〇 600-700 200-300 × - vm_area_struct 範囲 0-300 ページテーブル 300
mmapした領域への初回アクセス時 8 物理メモリ 仮想アドレス空間 0 100 200 プロセスのメモリ 500 600
700 未マップ領域 仮想アドレス present bit 物理アドレス 0-100 〇 500-600 100-200 〇 600-700 200-300 × - vm_area_struct 範囲 0-300 ページテーブル 300 ここへのアクセス
ここで物理メモリ割り当て 9 物理メモリ 仮想アドレス空間 0 100 200 プロセスのメモリ 500 600
700 未マップ領域 仮想アドレス present bit 物理アドレス 0-100 〇 500-600 100-200 〇 600-700 200-300 〇 800-900 vm_area_struct 範囲 0-300 ページテーブル プロセスのメモリ 800 900 300 ここへの初回アクセス
まとめ • デマンドページングによってメモリ使用量を抑えられる ◦ マップしたものの、まだ使ってない領域には物理メモリは割り当てられない • Linuxはデマンドページングを使っている • 実例は別動画で紹介 •
具体的にどのように実現しているのかも別動画で紹介 ◦ カーネルとCPUの連携によって実現 10