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プロセスへのメモリ割り当て(3) 実際に使うときにメモリを獲得するデマンドページング
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Satoru Takeuchi
PRO
July 13, 2024
Technology
1
79
プロセスへのメモリ割り当て(3) 実際に使うときにメモリを獲得するデマンドページング
以下動画のテキストです。
https://youtu.be/3mpurVs_8Sc
Satoru Takeuchi
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July 13, 2024
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Transcript
プロセスへのメモリ割り当て(3) 実際に使うときにメモリを獲得する デマンドページング Jul. 10th, 2024 Satoru Takeuchi X: satoru_takeuchi
1
はじめに • 過去動画でmmapによってプロセスに物理メモリを割り当てると説明 ◦ 📝 過去動画「プロセスへのメモリ割り当て (1) mmap」 • デマンドページングという機能を使うと少し違った挙動をする
◦ mmapは、新たにmapした領域にプロセスからアクセス可能にするだけ ◦ 実際に物理メモリを割り当てるのは最初に使うとき ◦ メモリ使用量をおさえられる ◦ Linuxはデマンドページングを使っている • むずかしいので例によって図解 2
今回出てくる概念 • (おさらい) present bit ◦ ページに物理メモリが割り当てられているかを示すフラグ ◦ ページテーブルエントリごとに存在 •
vm_area_struct ◦ mmapした領域ごとに存在するカーネルが管理するデータ構造 ◦ ページテーブルとは別の領域 3
それぞれの関係 4 物理メモリ 仮想アドレス空間 0 100 200 プロセスのメモリ 500 600
700 未マップ領域 仮想アドレス present bit 物理アドレス 0-100 〇 500-600 100-200 〇 600-700 200-300 × vm_area_struct 範囲 0-200 ページテーブル
mmapを発行すると… 5 物理メモリ 仮想アドレス空間 0 100 200 プロセスのメモリ 500 600
700 未マップ領域 仮想アドレス present bit 物理アドレス 0-100 〇 500-600 100-200 〇 600-700 200-300 × vm_area_struct 範囲 0-200 ページテーブル ここを新たにマップしたとする 300
デマンドページングが無い場合 mmap時にメモリマップ更新&物理メモリ割り当て 6 物理メモリ 仮想アドレス空間 0 100 200 プロセスのメモリ 500
600 700 未マップ領域 仮想アドレス present bit 物理アドレス 0-100 〇 500-600 100-200 〇 600-700 200-300 〇 800-900 vm_area_struct 範囲 0-300 ページテーブル プロセスのメモリ 800 900 300
デマンドページングがある場合 mmap時にメモリマップ更新&物理メモリは割り当てない 7 物理メモリ 仮想アドレス空間 0 100 200 プロセスのメモリ 500
600 700 未マップ領域 仮想アドレス present bit 物理アドレス 0-100 〇 500-600 100-200 〇 600-700 200-300 × - vm_area_struct 範囲 0-300 ページテーブル 300
mmapした領域への初回アクセス時 8 物理メモリ 仮想アドレス空間 0 100 200 プロセスのメモリ 500 600
700 未マップ領域 仮想アドレス present bit 物理アドレス 0-100 〇 500-600 100-200 〇 600-700 200-300 × - vm_area_struct 範囲 0-300 ページテーブル 300 ここへのアクセス
ここで物理メモリ割り当て 9 物理メモリ 仮想アドレス空間 0 100 200 プロセスのメモリ 500 600
700 未マップ領域 仮想アドレス present bit 物理アドレス 0-100 〇 500-600 100-200 〇 600-700 200-300 〇 800-900 vm_area_struct 範囲 0-300 ページテーブル プロセスのメモリ 800 900 300 ここへの初回アクセス
まとめ • デマンドページングによってメモリ使用量を抑えられる ◦ マップしたものの、まだ使ってない領域には物理メモリは割り当てられない • Linuxはデマンドページングを使っている • 実例は別動画で紹介 •
具体的にどのように実現しているのかも別動画で紹介 ◦ カーネルとCPUの連携によって実現 10