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5.6 以前の InnoDB Flushing
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Takanori Sejima
March 07, 2015
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5.6 以前の InnoDB Flushing
InnoDB のお話です
Takanori Sejima
March 07, 2015
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Transcript
5.6 以前の InnoDB Flushing 瀬島 貴則
免責事項 - 本資料は個人の見解であり、私が所属する組 織の見解とは必ずしも一致しません。 - 内容の一部に偏ったものがあるかもしれません が、各自オトナの判断でよろしくお願いします。
自己紹介 - わりとMySQLでごはんたべてます - 3.23.58 あたりから使ってます - 一時期は Resource Monitoring
もよくやってま した - Twitter: @ts4th
今日のお題 - SSDはたくさん書いたら壊れます - checkpoint や InnoDB Adaptive Flushing や
double write buffer によって発生する書き込み 処理を踏まえ - 要件を整理し - 減らせるところは書き込みを減らして - SSDの寿命を延ばせないか考えます
InnoDB Adaptive Flushing - かつてInnoDB Plugin 1.0.4 で追加されました - MySQL5.5
でInnoDB本体に組み込まれました - 当時としては、わりと画期的だったんですが - 5.6 でかなり良くなりました - 次の資料から図を拝借すると、現状こうです - MySQL Performance: Demystified Tuning and Best Practices [CON5097]
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一つ一つ 見て行きましょう
InnoDBのファイル群 - ibdata1 - internal data dictionary・・・tableやindexのメタデータ - double write
buffer・・・耐障害性上げるためのバッファ - undo log・・・rollback segment - ib_log_file* - transaction log・・・ redo logs、 write ahead log - *.ibd - table space・・・ table のdataや index
redo log(write ahead log) - 更新内容は先ず log に書いて、 table space
に はあとでゆっくり反映 - 他のRDBMS でも用いられる手法 - logへの書き込みは sequential write になるの で、HDDでも速い - table space に反映するとき更新処理がまとめ られることも。 write combining
Log Sequence Number(LSN) - transaction log(ib_log_file*) のサイズは InnoDB の起動時に innodb_log_file_size
で 指定して決める(固定長) - transaction log は ring buffer というか cyclic というか circular fashion - InnoDB が transaction log を初期化して以降、 log の buffer に書いてきたバイト数が Log Sequence Number。
oldest_modification - page には oldest_modification というメンバ変 数がある - その page
が dirty になった最初のイベントが 書かれている log の position(LSN) が oldest_modification - dirty page をflushしてdiskに同期させると、そ の page の oldest_modification は 0 でリセッ ト
Last checkpoint at - buffer pool 上にある更新内容を、LSN 的に *. ibd
にどこまで書きだしたか示すものが Last checkpoint at。 - SHOW ENGINE INNODB STATUS で見える やつ
write combining - Last checkpoint at の進み方と disk I/O は必
ずしも比例しない - 同一の page への更新は まとめて disk に flush できる - 同一の page に格納されている複数の row への更新を、一回で disk に書けることも - log に溜めこみ、まとめて flush できるとお得
図に描くとこう
InnoDB Adaptive Flushing - log は有限なので使いきってはいけない - 具体的に言うと、(LSN - Last
checkpoint at) が max_modified_age_sync(75%くらい)を超え ると強制的に dirty page の flush 走る - 75%というのは定数ではなく、 log/log0log.cc の log_calc_max_ages() で計算してる - なるべく強制 flush 走らないように、 adaptive に flushing する機能
InnoDB Adaptive Flushing ない時代 - InnoDB Adaptive Flushing がない頃、いずれ かの状況にならないと
flush されにくかった - buffer pool 上で dirty page の比率が innodb_max_dirty_pages_pct(昔はdefault90、いまは default 75)を超える - redo log の使用率が max_modified_age_sync 超える
原初の InnoDB Adaptive Flushing - 5.1や5.5 の InnoDB Adaptive flushing
は、 master_thread という background で動いてる thread が、 innodb_io_capacity に応じて 他の タスクの合間に flush してた - むかしの master_thread は goto たのしいのでいちどよ んでみるとよいです
5.5以前のinnodb_io_capacity - io_capacity は正確にいうと iops ではない - master thread が一秒間にいくつ
page の i/o してもいいかという閾値 - 昔は、(select が多いなどして) disk read が多 いときは、 dirty page の flush を手加減してた - 例えば、ピークタイムに dirty page をあまり flush しない ことがあったとしたら、それは read が多いことが原因 だったり
- 5.5 以前の InnoDB Adaptive Flushing は、 io_capacity の範囲内で flush
してたので - 高速なストレージだからといって io_capacity 上げすぎ ると、 write combining が効かない - redo logを溜めずにつどつどflushしてしまう
もったいない
ここでもう一度、 Dimitri さんの図を 思い出してみましょう
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5.6 で何が変わったのか - 公式ドキュメントとコードの乖離が激しくなった - コード読もう - InnoDB team blog
には意外と説明が書いてある - back ground thread の種類が劇的に増えた - 5.5以前だと master_thread でこなしていたタスクが複 数の thread で分散 - purge や dirty page の flush など特定のタスクが重 い場合、他のタスクがそれに引っ張られてしまうケー スがあったが、それが軽減された
- 関連する parameter が増えた - 重要なのはこのへん - innodb_adaptive_flushing_lwm(lwmは low water
mark の略) - innodb_io_capacity - innodb_io_capacity_max - MySQL5.6 の公式ドキュメントに書いてある io_capacity 関係の記述は説明不足感 - innodb_max_dirty_pages_pct_lwm
page cleaner thread - MySQL5.5までは、 InnoDB で master thread と呼ばれる
thread がいろいろやってた - dirty page の flush - change buffering - purge - 5.6 でこれらの機能が複数の thread に分割 - 5.6 で追加された thread の一つが page cleaner thread blogだと このへん
flush list と LRU list - buffer pool 上の page
は、昔から二種類の list で管理されている - flush list は更新された順(oldest_modification 順)に dirty page を管理 - LRU list はすべてのpage を対象に、参照され た順に管理 - 5.6 ではpage cleaner thread がこれらに対し てback ground でタスクをこなす
5.5以前の LRU list - 5.5 以前で LRU list が参照されるケースの一 つは、
buffer pool の page があふれたとき - disk 上のデータを読み込むとき、最も参照されていない page を破棄 - もし、そのpageがdirtyだったら、diskにflushしてから破 棄 - foreground の thread でも flush 終わるまで待たされる
page cleaner thread のタスク・その一 - 5.5以前は buffer pool をぜんぶ使い切る仕様 だったが、
5.6 からは innodb_lru_scan_depth で指定されただけ、 buffer pool の free page を残すようになった - 関数的には buf_flush_LRU_tail()
buf_flush_LRU_tail() - page cleaner thread は一定間隔でLRU listを 参照し、 innodb_lru_scan_depth で指定され
ただけ free page を確保しようとする。その際、 参照されてない page から破棄する。 - page を破棄する際、 その page が dirty であ れば disk に flush する。複数あればまとめて flush する
- 他のthreadは free page 確保するために dirty page の flush を待たなくて良くなった
- innodb_lru_scan_depth は、 free page 枯渇し ないなら、そんなに上げなくてもよいのでは? - buffer pool の miss hit が多い場合は検討して もよいかも
page cleaner thread のタスク・その二 - flush list を見て dirty page
を flush する - 5.6でここのアルゴリズムが賢くなった - 関数的には page_cleaner_flush_pages_if_needed()
page_cleaner_flush_pages_if_needed() - 一秒間にflush する page の数を redo log の 残量に合わせてコントロールするようになった
- redo log の使用率がinnodb_adaptive_flushing_lwm を超えない限りは積極的に flush しないので、write combining 狙いやすい - innodb_io_capacity_max 重要 - redo log の使用率が 60% くらいいくと io_capacity_max で指定しただけ flush する
- redo log の残量に比例して flush が激しくなる == io_capacity_max に近づくので、書き込み の多いサーバに高性能なストレージを割り当て
ると、 default の設定でもそこそこ flush するよ うになった
innodb_max_dirty_pages_pct_lwm - default の 0 じゃないなら - これ と これ
の比較をしてflush の頻度が変わ る - transaction log より buffer poolの方がサイズ 大きいケースがほとんどだと思うので、そこまで 意識しなくてもいい気がする
しかし5.6の page cleaner は未完成 - page_cleaner: aggressive background flushing -
いやーしょーじきビミョーだけど - idle気味なとき、 io_capacity(maxではない)全 開まで flush してしまうケースがありえるそうな
- make dirty page flushing more adaptive - すごいざっくりいうと -
いまの Adaptive Flushing は flush list 優先の 仕組みで、 ほとんどのケースはうまくいくんだけ ど、 状況に応じて LRU list の flush をもっと優 先できるといいよね
なるほど
中の人がドキュメントで 説明したくない気持ちが わかった
(めんどくさい)
しょうじき 言いたい かもしれない
///) /,.=゙''"/ / i f ,.r='"-‐'つ____ こまけぇこたぁいいんだよ!! / / _,.-‐'~/⌒ ⌒\ / ,i ,二ニ⊃(
•). (•)\ / ノ il゙フ::::::⌒(__人__)⌒::::: \ ,イ「ト、 ,!,!| |r┬-| | / iトヾヽ_/ィ"\ `ー'´ /
これらを踏まえて もう一度
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とりあえず、 5.6 では - 5.5 以前から 5.6 に移行するだけで、 Adaptive Flushing
が賢くなる - SSD使ってるなら 5.6 にした方がよい - innodb_log_file_size を増やしたり、 innodb_adaptive_flushing_lwm を上げたりす るのは、SSDの書き込み寿命を伸ばすのに効 果的ですねきっと
ただ、やりすぎは禁物で - innodb_log_file_size や、 innodb_adaptive_flushing_lwm を増やすと、 クラッシュリカバリの時間ふえます。 - log_file_size がデカすぎると
page cache 持っ て行かれます - innodb_io_capacity_max はうまく使いましょう
あるいは、平滑化したいのであれば - innodb_flushing_avg_loops - innodb_adaptive_flushing_lwm 上げ過ぎない ほうがいいかも - 実際に検証するのが一番なんだけど -
page_cleaner_flush_pages_if_needed() 読む のオススメ
次に
double write buffer - 耐障害性を上げるための機能 - 具体的には torn page 対策
- double write するからといって、 iops が倍にな るというわけではない。ほぼバッファリングされ る - 書き込まれる量は倍くらいになる - 詳しくは buf/buf0dblwr.cc
- double write buffer は 合計 64*2 page、 page cleaner
が主に使うのはそのうちの 120 page - page cleaner が LRU list や flush list から page を flush するとき、対象の page を buf_dblwr_add_to_batch() して double write buffer にためて、最後に ibdata1 と *.ibd に書 き出す。
- LRU list や flush list から buf_dblwr_add_to_batch() で double
write buffer buffer にのせてる最中に 120 page 使 いきったら、その時点で buffer から flush する
やや細かく言うと - 120 page を ibdata1 に書くときは 64*16KB と (64-8)*16KB
の二回に分けて。 - メモリ上の double write buffer から ibdata1 に 書きだしたら、次は *.ibd へ io_submit() - このへんから - 最後に io_handler_thread が更新された *.ibd を fsync() して終わり
閑話休題 - innodb_flush_method - O_DIRECT で fsync() する? - O_DIRECT_NO_FSYNC
- filesystem 過信しない
残りの 8 page は? - single page flush のために予約されている -
例えば、free page を取れなかったとき、LRU list から dirty page を一つだけ flush するときなど - double write buffer が溜まるのを待ってられな いだろうから、これは即時に ibdata1 と *.ibd の fsync() までやり切るみたい - page cleaner が LRU list から flush するとき は、 120 page の方に書いてバッファリング
つまるところ - page cleaner が buffer pool から *.ibd に
flush するところは、 buffering されている - disk へ書き出すところは double write buffer によって serialize されてる - single page flush で double write buffer を flush してるとき、 page cleaner は待たされる 可能性がある。逆もある。
補足 - 5.6 の page cleaner は buffer pool instance
の数だけループを回しているところがあるんで すが、 LRU list からの flush や flush list から の flush は、そのループの中で実行されてい て、 double write buffer から ibdata1 への flush も、その中で行われるので、 instance 多 いと fsync() ふえます。
考えうる残念なシナリオ - page cleaner が flush list から大量に flush し
まくってるとき(120page*N回 flush してるとき) に single page flush がくると、 single page flush と mutex 取り合いになりそう
performance killer? - Dimitri さんが double write buffer がボトルネッ クだと言うのもわかる気がする
- buf_dblwr_add_to_batch() は 120 page 溜ま ると、それがはけるまで buf_dblwr->mutex とり あう可能性がある - よっぽど write intensive なときだろうけど
時代が変わった - HDDだと double write buffer 良かったと思う - いまはPCI-e SSD、コアたくさんのCPUとかあ
るので、よもやまさかのボトルネックになる可能 性 - ただ、性能面に関していうと、 Dimitri さん未来 に生きてるから - 彼は未来に備えてボトルネックとなりうる要素を潰さない といけないと思うから
- 現時点では、ほんとにまずいかどうか、各自検 証してから見なおせばいい - そもそも、そんなに書き込み激しい master だっ たとしたら、 slave 追いつけないかもしれないし
double write buffer でみるところ - どれくらいの頻度で double write buffer から
disk に flush されてるか気になるなら Innodb_dblwr_writes や Innodb_dblwr_pages_written を見ればOK - single page flush でも +1 されるので、 free page たりなくって Innodb_dblwr_writes 増えて るなら、 innodb_lru_scan_depth 見なおすとか
double write buffer 無効化する前に - 以下の対応で性能改善できるかも - single page flush
を抑制するために、 free page が枯 渇しないよう、 innodb_lru_scan_depth みなおす - flush list からの flush を最適化(write combining)する ために、 innodb_log_file_size を大きくする。 - innodb_adaptive_flushing_lwm 見直す - SSD なら innodb_flush_neighbors = 0 - 古くない page なら double write buffer に書き込む のを先送りしても良い感
5.7 の Atomic Write - Fusion-io 使うなら、MySQL5.7から Atomic Write が使えるようになる
- すごいざっくり言うと、 double write しなくても書 き込みの完全性が保証される - double write buffer の代わりに atomic write 使えば、Fusion-io への書き込み減らせるし性 能も改善されるようだし良いコトずくめ
ext4 の data=journal - double write buffer の代わりに file system
に 頑張ってもらう案 - Dimitri さんオススメ percona の人も検証してた - percona の人も言ってるけど、環境に依存する から、ちゃんとテストしてから使ったほうがいい - filesystem からだって bug は出ることがある
- あと、 data=journal にしちゃうと O_DIRECT 使えないそうな - https://www.kernel. org/doc/Documentation/filesystems/ext4.txt -
Enabling this mode will disable delayed allocation and O_DIRECT support.
あと、5.7ではこれが入る - innodb_log_write_ahead_size - 詳しくは (4) Avoiding the ‘read-on-write’ during
transaction log writing - facebook も percona もやってた件ですね - これで page cache に載り切らないくらい redo log を大きくしたときの性能が改善するので - とにかくでかくして flush 減らすのもありかも
ここから先は、 人によって見解が分かれる (はずなので) 自己責任でお願いします
skip-innodb-doublewrite - innodb_flush_log_at_trx_commit={0,2} なら - そもそも、 commit 時に disk への
sync が保証 されてないので、 skip しても良いのでわ - これで書き込む量ほぼ半分 - master がHAクラスタなら、slaveは検討しても よいのでわ - あるいはMHA使ってるなら
innodb_log_group_home_dir - slave がクラッシュセーフでなくてもいいならば - redo log は disk 上になくてもいいんじゃない?
- innodb_log_group_home_dir=/dev/shm - log_file_size は InnoDB 起動時にサイズが固 定されるので、 tmpfs 向き - もともと redo log は O_DIRECT で open され ないので、 page cache でメモリ持っていくし
innodb_undo_directory - 5.6 から undo_log_file を ibdata1 の外に出せ るようになった -
slaveがクラッシュセーフでなくても良いならば - これも tmpfs におけるんじゃない? - redo log と違って固定長じゃないので、先ずは disk 上で別ファイルにして、 tmpfs 上における サイズなのか確認したほうがよい
- undo log を ibdata1 の外に出そうとすると ibdata1 作りなおしなので、試すのがめんどくさ いけど -
skip-innodb-doublewrite や redo log を tmpfs に移動するだけなら、 mysqld 再起動だけで済 むので、運用上試しやすい
おまけ - 今後気になることは、このblogに書かれてる - http://mysqlserverteam.com/mysql-5-7-improves- dml-oriented-workloads/ - Future improvements -
Implementing improvements to the adaptive flushing algorithm (suggestion by Dimitri Kravtchuk) - これは実装されたらコード読みたい
参考 - Configuring InnoDB for MySQL 5.6: innodb_io_capacity, innodb_lru_scan_depth -
MySQL 5.6: IO-bound, update-only workloads - InnoDB adaptive flushing in MySQL 5.6: checkpoint age and io capacity
まとめ - 5.6 の Adaptive Flushing オススメです - SSD使ってる人は5.6以降にあげましょう -
log_file_size や adaptive_flushing_lvm 意識しましょう - double write buffer 切る前に - I/O減らせる要素はあります - Dimitri さんは未来に生きてます(きっと) - ともあれ、じっさいに検証しましょう
おわり