Design Process for Animation Culture

2017.6.17に東京造形大学のカイシトモヤ先生のゼミにてゲスト講師を行いました。その際の講演スライドです。アートディレクターやデザイナーが、アニメーションやフィクションコンテンツ領域のデザインにおいてどのように関わっているのか、そしてチーム編成や実務において気をつけているTipsなどについてもお話させていただきました。補足記事として、私がアニメーションのデザインをすることになった経緯についての記事をMediumにアップしてあります。
https://goo.gl/qVbccZ

Transcript

1. Design Process 17.06.17 in Tokyo Zokei University Tomoyuki Arima
2. デザイナー・アートディレクター それ以前に、二次創作物や自然発生的に生まれる文化に興味があります 枠組みがあると、それを超えて展開されるもの 例：音楽のジャンル・App Store・同人誌 ……そこでの本質はContentである。しかし文化に美は必要とも思います 17.06.17 in Tokyo Zokei University Tomoyuki Arima
3. なぜ「二次元もの」のデザインか 自分なりの問題意識を見つけたから。自分が同意できる仕事を こうあって欲しいと思うことを一つずつ実装していく 属人性（ひとりひとりの力）が大きな業界は、デザインを実現しやすいという仮定 当然ですが、好きだから。物語（Content）の力を信じているから 17.06.17 in Tokyo Zokei University Tomoyuki Arima
4. 問題意識って？ 既にカッコいいものがある もっとカッコよくしたい＋もっと機能させたい 表1を良くして売れるだけがデザインか？であれば、アルゴリズムにやらせればいい 売れそうな（中程度の確からしさ）組み合わせで企画を作ることは、 Amazonで検索すれば誰でも（= アルゴリズムでも）作成できる 17.06.17 in Tokyo Zokei University Tomoyuki Arima
5. ディストピアのシナリオ： 未来における貧しさとは、計算機資源を使えずに仕事をすること 本当は人間がやらなくていいことを、やらざるを得ない状況に置かれること 17.06.17 in Tokyo Zokei University Tomoyuki Arima
6. デザインが機能する = 一貫した体験を作る Post‑webから20年。なぜか、我々は一貫性が保証されない世界で生きている 例：とても素敵なスマートフォンを張り紙がたくさんのケータイショップで購入 例：検索エンジンが認識しやすそうな言葉を無意識に選んで検索している 一貫性をデザインでサポートする。それは環境に応じて変動するユーザーの「感情」を 充足させることだから、メソッドをアルゴリズムで補完するのはかなり困難となる このアプローチは「人類に残された仕事のリスト」に含まれている可能性が高い 17.06.17 in Tokyo Zokei University Tomoyuki Arima
7. ALDNOAH.ZERO タイトルロゴ・イベントロゴ・劇中アセット・屋外広告・雑誌広告・ ポスター・配布物・BD/DVD/CDパッケージ・書籍・マンガ・グッズ・ ウェブ・SNS・PV・イベントブース 2014‑2015 17.06.17 in Tokyo Zokei University Tomoyuki Arima
8. ALDNOAH.ZERO ©Olympus Knights / Aniplex•Project AZ 17.06.17 in Tokyo Zokei University Tomoyuki Arima
9. ALDNOAH.ZERO ©Olympus Knights / Aniplex•Project AZ 17.06.17 in Tokyo Zokei University Tomoyuki Arima
10. ALDNOAH.ZERO ©Olympus Knights / Aniplex•Project AZ 17.06.17 in Tokyo Zokei University Tomoyuki Arima
11. ALDNOAH.ZERO ©Olympus Knights / Aniplex•Project AZ 17.06.17 in Tokyo Zokei University Tomoyuki Arima
12. ALDNOAH.ZERO ©Olympus Knights / Aniplex•Project AZ 17.06.17 in Tokyo Zokei University Tomoyuki Arima アルドノア・ゼロ 地球と火星が戦争状態に陥ってしまう。その状況を感じてもらえるように 戦争は互いの不理解 = 形ではなく、Contentが残るタイトルロゴ キャラクターのバックグラウンドを掘り下げる
13. BBK.BRNK タイトルロゴ・イベントロゴ・劇中アセット・屋外広告・雑誌広告・ ポスター・配布物・BD/DVD/CDパッケージ・書籍・マンガ・グッズ・ ウェブ・SNS・PV・イベントブース 2015‑2016 17.06.17 in Tokyo Zokei University Tomoyuki Arima
14. BBK.BRNK ©Quadrangle / BBKBRNK Partners 17.06.17 in Tokyo Zokei University Tomoyuki Arima
15. BBK.BRNK ©Quadrangle / BBKBRNK Partners 17.06.17 in Tokyo Zokei University Tomoyuki Arima
16. BBK.BRNK ©Quadrangle / BBKBRNK Partners 17.06.17 in Tokyo Zokei University Tomoyuki Arima
17. BBK.BRNK ©Quadrangle / BBKBRNK Partners 17.06.17 in Tokyo Zokei University Tomoyuki Arima
18. BBK.BRNK ©Quadrangle / BBKBRNK Partners 17.06.17 in Tokyo Zokei University Tomoyuki Arima
19. BBK.BRNK ©Quadrangle / BBKBRNK Partners 17.06.17 in Tokyo Zokei University Tomoyuki Arima
20. BBK.BRNK ©Quadrangle / BBKBRNK Partners 17.06.17 in Tokyo Zokei University Tomoyuki Arima
21. BBK.BRNK ©Quadrangle / BBKBRNK Partners 17.06.17 in Tokyo Zokei University Tomoyuki Arima
22. BBK.BRNK ©Quadrangle / BBKBRNK Partners 17.06.17 in Tokyo Zokei University Tomoyuki Arima ブブキ・ブランキ ブブキ・ブランキ 星の巨人 ロゴが平面に存在していなくてもアイデンティティを維持する 動的に強度のあるルックを維持できるシステム デバイス / 印刷物で持ち越せるタイポグラフィの定義
23. 17.06.17 in Tokyo Zokei University Tomoyuki Arima Re:CREATORS タイトルロゴ・イベントロゴ・劇中アセット・屋外広告・雑誌広告・ ポスター・配布物・BD/DVD/CDパッケージ・書籍・マンガ・グッズ・ ウェブ・SNS・PV・イベントブース 2016‑
24. Re:CREATORS ©2017 広江礼威／小学館・アニプレックス 17.06.17 in Tokyo Zokei University Tomoyuki Arima
25. Re:CREATORS ©2017 広江礼威／小学館・アニプレックス 17.06.17 in Tokyo Zokei University Tomoyuki Arima
26. Re:CREATORS ©2017 広江礼威／小学館・アニプレックス 17.06.17 in Tokyo Zokei University Tomoyuki Arima
27. Re:CREATORS ©2017 広江礼威／小学館・アニプレックス 17.06.17 in Tokyo Zokei University Tomoyuki Arima
28. Re:CREATORS ©2017 広江礼威／小学館・アニプレックス 17.06.17 in Tokyo Zokei University Tomoyuki Arima
29. Re:CREATORS もうひとつの現実を写し取る 多様な世界観が同一平面上に現れても機能する器 木のシルエットパズル・タングラム Re:CREATORS ©2017 広江礼威／小学館・アニプレックス 17.06.17 in Tokyo Zokei University Tomoyuki Arima
30. すべてがFになる THE PERFECT INSIDER BD/DVDパッケージ 2015 17.06.17 in Tokyo Zokei University Tomoyuki Arima
31. すべてがFになる THE PERFECT INSIDER ©森博嗣・講談社/「すべてがFになる」製作委員会 17.06.17 in Tokyo Zokei University Tomoyuki Arima
32. すべてがFになる THE PERFECT INSIDER ©森博嗣・講談社/「すべてがFになる」製作委員会 17.06.17 in Tokyo Zokei University Tomoyuki Arima
33. すべてがFになる THE PERFECT INSIDER ©森博嗣・講談社/「すべてがFになる」製作委員会 17.06.17 in Tokyo Zokei University Tomoyuki Arima
34. すべてがFになる THE PERFECT INSIDER ©森博嗣・講談社/「すべてがFになる」製作委員会 17.06.17 in Tokyo Zokei University Tomoyuki Arima すべてがFになる THE PERFECT INSIDER 見えない「F」 段階的な構造
35. 17.06.17 in Tokyo Zokei University Tomoyuki Arima 名作転生 書籍装丁 2017
36. 名作転生 ©Gakken Plus Co.,Ltd. 17.06.17 in Tokyo Zokei University Tomoyuki Arima
37. 名作転生 ©Gakken Plus Co.,Ltd. 17.06.17 in Tokyo Zokei University Tomoyuki Arima
38. 名作転生 ©Gakken Plus Co.,Ltd. 17.06.17 in Tokyo Zokei University Tomoyuki Arima
39. 名作転生 ©Gakken Plus Co.,Ltd. 17.06.17 in Tokyo Zokei University Tomoyuki Arima 名作転生 児童書のデザイン イラストレーター・シライシユウコの力 専用数字書体と本文右下のインジケータ
40. 17.06.17 in Tokyo Zokei University Tomoyuki Arima プロセス：チームについて 自分だけではできない種類の判断が存在する 所属・年齢・スキルセットの違いを横断する価値観 小さく・フレキシブルに。最小限のルール Slack / Skype / Dropbox
41. 現在の編成（8） @tatsdesign @sezitak @rgrphs @toshiki̲izumi @310u8 @cube10 @fujino114 @kirusu アートディレクション・デザイン プランニング・ディレクション グラフィック・3D・モーション ディベロップ・モーション ディベロップ プランニング デザイン・マンガ マンガ 17.06.17 in Tokyo Zokei University Tomoyuki Arima プロセス：チームについて
42. 自分だけでは知識とスキルに限界がある 諦めが肝心 だが、実現したいことはある 言葉や企画書だけでは通じない、リアルな実現性が必要な瞬間 デザイナーだけでは、デザインは実現できない 17.06.17 in Tokyo Zokei University Tomoyuki Arima プロセス：チームについて
43. 所属や立場に関係なく、好きな人と仕事がしたい 実現できることを示したい リテラシーをクライアントとも共有したい。すぐに常識になるはず 17.06.17 in Tokyo Zokei University Tomoyuki Arima プロセス：チームについて
44. 価値観を単一方向に規定しないが、理想を共有するための手段。迷ったら確認する 17.06.17 in Tokyo Zokei University Tomoyuki Arima プロセス：チームについて
45. チームとフレキシビリティ 多分10人は大きすぎる。フィードバックループを高速にしたい ルールは2つ（でも誰も知らないと思う） 1. ちゃんと伝わるように言う 2. 作った人（※思いついた人ではない）に耳を傾ける 17.06.17 in Tokyo Zokei University Tomoyuki Arima プロセス：チームについて
46. SkypeとDropbox 画面共有と通知が非同期通信にありがちな機会損失を補填する フォルダルールは厳密に 17.06.17 in Tokyo Zokei University Tomoyuki Arima プロセス：チームについて
47. 17.06.17 in Tokyo Zokei University Tomoyuki Arima プロセス：チームについて 印刷物を遠隔地で 色校/見本を共有するための対応策
48. 17.06.17 in Tokyo Zokei University Tomoyuki Arima プロセス：チームについて 結局何がしたいのか 有機的で、一箇所に集まっていないけど深く物事を考えられるチーム こうした活動全体が「デザイン」と呼ばれるようにしたい
49. 17.06.17 in Tokyo Zokei University Tomoyuki Arima プロセス：チームについて それは単体（自分たち自身）としては、一貫した体験を提供することができる だが、業界に「そうしたことは大事だ」と思われたい それは自分たちが実行するよりも効率的 体験の質が上がれば投資が行われる 最終的に、日本のストーリーテリングが輸出品目として認知されれば嬉しい