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ITエンジニアのためのコーポレートファイナンス入門シリーズ!#全体像理解

Takahiro Esaki
February 13, 2025

 ITエンジニアのためのコーポレートファイナンス入門シリーズ!#全体像理解

次のオンラインイベントの投影資料です。

<イベント名>
ITエンジニアのためのコーポレートファイナンス入門シリーズ!#全体像理解

<イベントページ>
https://studyco.connpass.com/event/344431/

Takahiro Esaki

February 13, 2025
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Transcript

  1. ‐ 2 ‐ ‐ 2 ‐ 講師紹介 【経歴】 ◼業務/ITコンサルティング •

    基幹システム運用保守業務改革 • 基幹システム刷新PMO • サプライチェーン最適化/需要予測最適化 • データ分析システム刷新PM/アーキテクチャ設計 など ◼新規事業開発・アジャイル開発・ローコード開発 • クラウドソーシングプラットフォームサービス • アパレルプラットフォームサービス • 海外クリエーター向けe-Learningサービス など ◼CSM (カスタマーサクセスマネージャー) • AI & Cloudソリューションの活用促進 • コミュニティ活動・アドボケート活動 など ※本講演・本資料は所属組織を代表するものではございません ※発表者は財務/金融の専門家ではなく、個人的な勉強目的で調査した内容を共有します 江﨑 崇浩 (Takahiro Esaki) X @t_esaking LinkedIn ファイナンスの研修やクライアント調 査などで有価証券など分析 ※FASなどでガチのDDやバリュエー ションをしていたわけではない 会社設立や資金調達に向けた計画策定 をしようとしていた 社内向けにコーポレートファイナンス の勉強会を実施
  2. ‐ 3 ‐ ‐ 3 ‐ 勉強会の目的 ◼ 目的 •

    コーポレートファイナンスを基軸に、「投資家」「経営層」の視点から企業活動を学んでいく ◼ なぜ? • ITの世界で仕事をする上で、やはりファイナンスリテラシーは大事 ✓ 数多のITプロジェクトは企業や政府にとってはIT投資 ✓ 数字的な裏付けがないとプロジェクトの実施判断/評価ができない • ITエンジニア個人にとってもファイナンスリテラシーを持った方が有利 ✓ 経営戦略・ビジネス環境の変化に対して自分の考えを持てる、大事な情報にキャッチアップできる ✓ クライアント、Manager-Upとのコミュニケーションが円滑になる、共通の話題で話せる ✓ (一般的に)自身もManager-Upになれやすいorなってからもお金の話で苦労しにくくなる ✓ キャリアアップの可能性が広がる。他社だけでなく自分の組織の財務状況も理解できるようになる ◼ 目指すところ • コーポレートファイナンスを「完全に理解した(気になる)」 ✓ 一度や二度話を聞いただけで習熟するのは無理。「ワタシハファナンスチョットデキル」は至難な道 ✓ 情報量が多くて簡単ではないので、すぐ忘れたり分からなくなったりするのは普通 ✓ ベースとなる概念やキーワードに触れながら、興味を持ってアンテナを張れるようになるのを目指す
  3. ‐ 4 ‐ ‐ 4 ‐ レベル コンテンツ Entry Foundat

    ion Practice 学習のロードマップ ファイナンスの 全体像 ファイナンスに 必要な会計 ファイナンス分析 手法 現在価値 (PV) 資本コスト (WACC) 事業価値の算出 (DCF法) 株主市場での評価 M&A 株主還元政策 /IR政策 ◼ EntryレベルからFoundationレベルを勉強会で取り扱う予定 ◼ スコープや内容は適宜様子を見ながら調整します 本日のスコープ
  4. ‐ 5 ‐ ‐ 5 ‐ 参考書籍 https://amzn.asia/d/2u2fUsi https://amzn.asia/d/40U0ak4 コーポレートファイナンス実践講座

    (中央経済社) コーポレートファイナンス 戦略と実践 (ダイヤモンド社)
  5. ‐ 7 ‐ ‐ 7 ‐ ファイナンスの全体像 事業 (資産) 有利子負債

    (Debt) 株主資本 (Equity) 資金の運用 資金の調達 企業 投資先/取引先 投資 リターン <運用活動> (=投資、営業) 債権者 株主 投資 リターン 投資 リターン <調達活動> • 財務分析 • 現在価値、DCF • M&A • 資金調達コスト(WACC) • 最適資本構成 • 株式市場評価 • 株主還元政策 • IR戦略 このチャートは暗記で書けるようになってください! ◼ 企業のファイナンス(財務戦略)は、「調達」と「運用」の観点で整理される ◼ 「調達」の大事な利害関係者として、「債権者」と「株主」が存在する
  6. ‐ 8 ‐ ‐ 8 ‐ 時間 株式時価 総額(円) 社債発行

    IR活動 M&A 増資 市場指定 変更 自社株買い 非上場 被買収(TOB/MBOなど) >PEファンド、経営陣など 100万 設立 >創業者 設立支援 >エンジェル投資家 シード 上場 1,000億 初回上場(IPO) >証券会社 創業者による売却の場合もあり >シリアルアントレプレナー 再上場 再上場 1,000万 アーリー 増資(シリーズA、B、…) >ベンチャーキャピタル グロース 1億 借入可能 >銀行 • エクイティ・デットによる資金調達は色々な形で、一生付き合っていくことになる • エクイティ・デットを原資としてはじめて色々な運用活動(投資・営業)ができるようになる 企業の永続可能性=Going Concernの中で、調達・運用はずっと続く! Life of a company(会社の一生) ◼ 起業家・投資家の視点からコーポレートファイナンスの重要性を確認する ユニコーン企業: 10年以内に$1B+
  7. ‐ 10 ‐ ‐ 10 ‐ 会計とファイナンスの関係は? ◼ 会計は、企業の「経営戦略」を数値で記録・分析・評価するための仕組み ◼

    ファイナンスは経営戦略の一つで、「企業価値」の向上を目指す • 「企業価値」=「将来獲得するキャッシュフローの大きさ」※今後、改めて学習予定 • 他の戦略と異なり、単時点の費用対効果が良いというようには評価できない 営業 生産 人材 ・・・ ファイナンス 決算書、会計情報 経営戦略 会計 原 因 結 果 影響 フィードバック ファイナンスするには、会計成果物=財務諸表を分析することが大事!
  8. ‐ 11 ‐ ‐ 11 ‐ 会計の3つの目的 分類 目的 誰のため

    関連法規 税務会計 税金を計算すること 税務署 税法 財務会計 ステークホルダーに対して 企業の財政状態と経営成績 を開示すること 株主、債権者 会社法 管理会計 予算管理、原価管理などを 通して経営戦略のPDCAを 実施すること 経営者、事業管理者 特になし(会社の自由) 今回学習する中で意識しておきたいスコープ 税務会計の専門家になる必要はない。 まずは財務会計を押さえて、管理会計も理解していく! ◼ 会計の目的は次の3つに分類される
  9. ‐ 12 ‐ ‐ 12 ‐ 財務諸表とは ◼ 企業を取り巻く利害関係者のために、企業が自己の財政状態や経営成績、また、資金の状況や資本の状況 などを適時に開示し、情報を与えるための書類

    • B/S(Balance Sheet) • ストック • P/L(Profit & Loss Statement) • フロー • C/F(Cash Flow Statement) 参考:https://cpa-program.com/kaikeikansa/kaikei/bspl/
  10. ‐ 13 ‐ ‐ 13 ‐ B/Sとは ◼ B/S:特定時点の「資産」「負債」その差額である「純資産」の財政状況の表 •

    「資産」「負債」はそれぞれ「流動」「固定」で分類 参考:https://cpa-program.com/kaikeikansa/kaikei/bspl/
  11. ‐ 14 ‐ ‐ 14 ‐ P/Lとは ◼ P/L:年間を通した「収益」「費用」から成る企業の経営成績の表 •

    「収益」「費用」はそれぞれ、「本業か、本業でないか」で分類(営業/非営業) 参考:https://cpa-program.com/kaikeikansa/kaikei/bspl/
  12. ‐ 16 ‐ ‐ 16 ‐ こういうことだってばよ ◼ B/SとP/Lは次のようなスコープの活動結果を示すための資料 事業

    (資産) 有利子負債 (Debt) 株主資本 (Equity) 資金の運用 資金の調達 企業 投資先/取引先 投資 リターン <投資活動> 債権者 株主 投資 リターン 投資 リターン <調達活動> B/S P/L (& C/F) P/L (& C/F) このチャートはしっかり覚えましょう!
  13. ‐ 17 ‐ ‐ 17 ‐ C/Fとは 区分 説明 営業活動によるC/F

    本業の事業活動によって稼ぎ出したC/F (+だと)事業の稼ぎ力を示す 投資活動によるC/F 企業の設備投資・売却によるC/F (+だと)設備、有価証券などの売却収益 (ーだと)設備投資/有価証券購入を実施している 財務活動によるC/F 資金調達および返済によるC/F (+だと)デット/エクイティによる資金調達をしている (ーだと)借入返済、自社株買い、配当 ◼ C/F(キャッシュフロー):企業活動によって生じるキャッシュの出入り • 「キャッシュインフロー」ー「キャッシュアウトフロー」 ◼ C/F には次の3つの区分で考える
  14. ‐ 18 ‐ ‐ 18 ‐ Q. なんでC/Fが大事なの? P/Lでよくない? ビジネスは「売掛金」「買掛金」が基本なの

    で、サービス授受と現金授受が非同期 • 黒字倒産することもある • 赤字経営でも全然問題ないケースもある • 例:A社のキャッシュフロー経営 ◼ A. Cash is King. • 大きな利益=お金持ちではない。また、利益が大きいことが良いとは限らない ◼ A. ファイナンスでは会計上の利益より、将来生み出すキャッシュが大事 • 利益は「意見」、キャッシュは「事実」 • 例:「減価償却」とは「事実」ではない • 例:T社のバリュエーション ※詳しくは、DCF法による事業価値の算出で確認 現在キャッシュフローが強い→事業存続性が高くなる 将来キャッシュフローが強い→事業価値が高くなる
  15. ‐ 21 ‐ ‐ 21 ‐ こういうことだってばよ ◼ B/SとP/Lは次のようなスコープの活動結果を示すための資料 事業

    (資産) 有利子負債 (Debt) 株主資本 (Equity) 資金の運用 資金の調達 企業 投資先/取引先 投資 リターン <投資活動> 債権者 株主 投資 リターン 投資 リターン <調達活動> B/S P/L (& C/F) P/L (& C/F) このチャートはしっかり覚えましょう!
  16. ‐ 22 ‐ ‐ 22 ‐ レベル コンテンツ Entry Foundat

    ion Practice 次回の予定 ファイナンスの 全体像 ファイナンスに 必要な会計 ファイナンス分析 手法 現在価値 (PV) 資本コスト (WACC) 事業価値の算出 (DCF法) 株主市場での評価 M&A 株主還元政策 /IR政策 ◼ 今回のふりかえりも軽くしつつ、次のテーマも柔軟にやっていこうと思います 次回のスコープ