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ITエンジニアのためのコーポレートファイナンス入門シリーズ! #2 最低限の会計基礎

ITエンジニアのためのコーポレートファイナンス入門シリーズ! #2 最低限の会計基礎

次のオンラインイベントの投影資料です。

<イベント名>
ITエンジニアのためのコーポレートファイナンス入門シリーズ! #2 最低限の会計基礎

<イベントページ>
https://studyco.connpass.com/event/346143/

<概要>
皆さんはどれくらいコーポレートファイナンスへの興味や知見を持っていますか?

近年はAIやDXの隆盛を背景として、IT業界ではマーケット成長が見込まれています。

これらは視点を変えると、企業や政府が巨額のIT投資をしてビジネス価値/企業価値の増大やコスト削減を目指し、その中で様々なITプロジェクトが計画・推進されていくと捉えることができます。

したがって、企業所属やフリーランスいかかわらず、ITエンジニアの方々もファイナンスや金融のリテラシーを高めることで、普段の仕事がどのような影響を周りに与えるのか理解して行動していくのは意義のあることだと考えます。

一方で、いきなりファイナンスを学ぶというのは中々ハードルが高いですし、奥も深いのでどう勉強していけば良いのか分からずに困っている方や挫折してきた方も多いのではないかと思います。

そこでコーポレートファイナンスをテーマにした初心者向けの勉強会をシリーズ形式で実施します。

ガチガチの研修のような内容にならないよう、ゆるく&ざっくりと一緒に学んでいけるような会を目指したいと思うので、ご興味ある方はぜひご参加ください!

Takahiro Esaki

February 27, 2025
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Transcript

  1. ‐ 2 ‐ ‐ 2 ‐ 講師紹介 【経歴】 ◼業務/ITコンサルティング •

    基幹システム運用保守業務改革 • 基幹システム刷新PMO • サプライチェーン最適化/需要予測最適化 • データ分析システム刷新PM/アーキテクチャ設計 など ◼新規事業開発・アジャイル開発・ローコード開発 • クラウドソーシングプラットフォームサービス • アパレルプラットフォームサービス • 海外クリエーター向けe-Learningサービス など ◼CSM (カスタマーサクセスマネージャー) • AI & Cloudソリューションの活用促進 • コミュニティ活動・アドボケート活動 など ※本講演・本資料は所属組織を代表するものではございません ※発表者は財務/金融の専門家ではなく、個人的な勉強目的で調査した内容を共有します 江﨑 崇浩 (Takahiro Esaki) X @t_esaking LinkedIn ファイナンスの研修やクライアント調 査などで有価証券など分析 ※FASなどでガチのDDやバリュエー ションをしていたわけではない 会社設立や資金調達に向けた計画策定 をしようとしていた 社内向けにコーポレートファイナンス の勉強会を実施
  2. ‐ 3 ‐ ‐ 3 ‐ 勉強会の目的 ◼ 目的 •

    コーポレートファイナンスを基軸に、「投資家」「経営層」の視点から企業活動を学んでいく ◼ なぜ? • ITの世界で仕事をする上で、やはりファイナンスリテラシーは大事 ✓ 数多のITプロジェクトは企業や政府にとってはIT投資 ✓ 数字的な裏付けがないとプロジェクトの実施判断/評価ができない • ITエンジニア個人にとってもファイナンスリテラシーを持った方が有利 ✓ 経営戦略・ビジネス環境の変化に対して自分の考えを持てる、大事な情報にキャッチアップできる ✓ クライアント、Manager-Upとのコミュニケーションが円滑になる、共通の話題で話せる ✓ (一般的に)自身もManager-Upになれやすいorなってからもお金の話で苦労しにくくなる ✓ キャリアアップの可能性が広がる。他社だけでなく自分の組織の財務状況も理解できるようになる ◼ 目指すところ • コーポレートファイナンスを「完全に理解した(気になる)」 ✓ 一度や二度話を聞いただけで習熟するのは無理。「ワタシハファナンスチョットデキル」は至難な道 ✓ 情報量が多くて簡単ではないので、すぐ忘れたり分からなくなったりするのは普通 ✓ ベースとなる概念やキーワードに触れながら、興味を持ってアンテナを張れるようになるのを目指す
  3. ‐ 4 ‐ ‐ 4 ‐ レベル コンテンツ Entry Foundat

    ion Practice 学習のロードマップ ファイナンスの 全体像 ファイナンスに 必要な会計 ファイナンス分析 手法 現在価値 (PV) 資本コスト (WACC) 事業価値の算出 (DCF法) 株主市場での評価 M&A 株主還元政策 /IR政策 ◼ EntryレベルからFoundationレベルを勉強会で取り扱う予定 ◼ スコープや内容は適宜様子を見ながら調整します 本日のスコープ
  4. ‐ 6 ‐ ‐ 6 ‐ ファイナンスの全体像 事業 (資産) 有利子負債

    (Debt) 株主資本 (Equity) 資金の運用 資金の調達 企業 投資先/取引先 投資 リターン <運用活動> (=投資、営業) 債権者 株主 投資 リターン 投資 リターン <調達活動> • 財務分析 • 現在価値、DCF • M&A • 資金調達コスト(WACC) • 最適資本構成 • 株式市場評価 • 株主還元政策 • IR戦略 このチャートは暗記で書けるようになってください! ◼ 企業のファイナンス(財務戦略)は、「調達」と「運用」の観点で整理される ◼ 「調達」の大事な利害関係者として、「債権者」と「株主」が存在する
  5. ‐ 7 ‐ ‐ 7 ‐ 時間 株式時価 総額(円) 社債発行

    IR活動 M&A 増資 市場指定 変更 自社株買い 非上場 被買収(TOB/MBOなど) >PEファンド、経営陣など 100万 設立 >創業者 設立支援 >エンジェル投資家 シード 上場 1,000億 初回上場(IPO) >証券会社 創業者による売却の場合もあり >シリアルアントレプレナー 再上場 再上場 1,000万 アーリー 増資(シリーズA、B、…) >ベンチャーキャピタル グロース 1億 借入可能 >銀行 • エクイティ・デットによる資金調達は色々な形で、一生付き合っていくことになる • エクイティ・デットを原資としてはじめて色々な運用活動(投資・営業)ができるようになる 企業の永続可能性=Going Concernの中で、調達・運用はずっと続く! Life of a company(会社の一生) ◼ 起業家・投資家の視点からコーポレートファイナンスの重要性を確認する ユニコーン企業: 10年以内に$1B+
  6. ‐ 9 ‐ ‐ 9 ‐ 会計の3つの目的 分類 目的 誰のため

    関連法規 税務会計 税金を計算すること 税務署 税法 財務会計 ステークホルダーに対して 企業の財政状態と経営成績 を開示すること 株主、債権者 会社法 管理会計 予算管理、原価管理などを 通して経営戦略のPDCAを 実施すること 経営者、事業管理者 特になし(会社の自由) 今回学習する中で意識しておきたいスコープ 税務会計の専門家になる必要はない。 まずは財務会計を押さえて、管理会計も理解していく! ◼ 会計の目的は次の3つに分類される
  7. ‐ 10 ‐ ‐ 10 ‐ 財務諸表とは ◼ 企業を取り巻く利害関係者のために、企業が自己の財政状態や経営成績、また、資金の状況や資本の状況 などを適時に開示し、情報を与えるための書類

    • B/S(Balance Sheet) • ストック • P/L(Profit & Loss Statement) • フロー • C/F(Cash Flow Statement) 参考:https://cpa-program.com/kaikeikansa/kaikei/bspl/
  8. ‐ 11 ‐ ‐ 11 ‐ B/Sとは ◼ B/S:特定時点の「資産」「負債」その差額である「純資産」の財政状況の表 •

    「資産」「負債」はそれぞれ「流動」「固定」で分類 参考:https://cpa-program.com/kaikeikansa/kaikei/bspl/
  9. ‐ 12 ‐ ‐ 12 ‐ P/Lとは ◼ P/L:年間を通した「収益」「費用」から成る企業の経営成績の表 •

    「収益」「費用」はそれぞれ、「本業か、本業でないか」で分類(営業/非営業) 参考:https://cpa-program.com/kaikeikansa/kaikei/bspl/
  10. ‐ 13 ‐ ‐ 13 ‐ 減価償却について ◼ 減価償却 •

    事業などの業務のために用いられる建物、建物附属設備、機械装置、器具備品、車両運搬具などの資産は、一般的に は時の経過等によってその価値が減っていきます • 減価償却資産の取得に要した金額は、取得した時に全額必要経費になるのではなく、その資産の使用可能期間の全期 間にわたり分割して必要経費としていくべきものです ◼ 記載 • B/S:減価償却累計額(資産でマイナス計上。固定資産に対して差し引いた状態で計上されることも) • P/L:減価償却費(販管費として計上される) • C/F:減価償却費 ◼ 大事なポイント • 帳簿上はマイナス/費用で記載されるが、実際はキャッシュアウトしているわけではない ✓ 費用が大きくなれば、帳簿上は利益が減る→税金が減る • 定額法/定率法、耐用年数などのキーワード ✓ 細かいルールなどについては割愛 出典:国税庁 https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/2100.htm 大まかには、土地以外の固定資産が 対象になると思っておけば良い
  11. ‐ 14 ‐ ‐ 14 ‐ C/Fとは 区分 説明 営業活動によるC/F

    本業の事業活動によって稼ぎ出したC/F (+だと)事業の稼ぎ力を示す 投資活動によるC/F 企業の設備投資・売却によるC/F (+だと)設備、有価証券などの売却収益 (ーだと)設備投資/有価証券購入を実施している 財務活動によるC/F 資金調達および返済によるC/F (+だと)デット/エクイティによる資金調達をしている (ーだと)借入返済、自社株買い、配当 ◼ C/F(キャッシュフロー):企業活動によって生じるキャッシュの出入り • 「キャッシュインフロー」ー「キャッシュアウトフロー」 ◼ C/F には次の3つの区分で考える
  12. ‐ 15 ‐ ‐ 15 ‐ Q. なんでC/Fが大事なの? P/Lでよくない? ビジネスは「売掛金」「買掛金」が基本なの

    で、サービス授受と現金授受が非同期 • 黒字倒産することもある • 赤字経営でも全然問題ないケースもある • 例:A社のキャッシュフロー経営 ◼ A. Cash is King. • 大きな利益=お金持ちではない。また、利益が大きいことが良いとは限らない ◼ A. ファイナンスでは会計上の利益より、将来生み出すキャッシュが大事 • 利益は「意見」、キャッシュは「事実」 • 例:「減価償却」とは「事実」ではない • 例:T社のバリュエーション ※詳しくは、DCF法による事業価値の算出で確認 現在キャッシュフローが強い→事業存続性が高くなる 将来キャッシュフローが強い→事業価値が高くなる
  13. ‐ 17 ‐ ‐ 17 ‐ こういうことだってばよ ◼ 財務三表は次のようなスコープの活動結果を示すための資料 事業

    (資産) 有利子負債 (Debt) 株主資本 (Equity) 資金の運用 資金の調達 企業 投資先/取引先 投資 リターン <投資活動> 債権者 株主 投資 リターン 投資 リターン <調達活動> B/S P/L (& C/F) P/L (& C/F) このチャートはしっかり覚えましょう!
  14. ‐ 19 ‐ ‐ 19 ‐ 演習①:財務三表へのアクセス <ケース> ◼ あなたは「日本製鉄」を知るために、さくっと財務情報を分析しようとしています

    <演習> ◼ 日本製鉄の財務三表を取得して、分析できるよう準備してください • 手段・形式は何でも良いです • あとで「手順・結果・感想」を伺います ◼ 制限時間:3分
  15. ‐ 20 ‐ ‐ 20 ‐ 代表的な財務三表へのアクセス手段 ◼ 慣れていないと、財務三表へアクセスするだけでも迷ったり疲れたりする •

    代表的な手段として、次のようなものをご紹介 ◼ 古典的な手段 • 当該企業のIRサイト • EDINET (金融庁が提供するシステム) ✓ https://disclosure2.edinet-fsa.go.jp/weee0030.aspx • SPEEDA ※有料 • 日経テレコン※有料 ◼ 個人的なオススメの手段 • バフェットコード(一部、無料利用可能) ✓ https://www.buffett-code.com/ • すべての明細が記載されているとは限らないので注意(代表的な項目に絞っている模様) 業務でレポートを作成するわけでもないなら、一次ソースでなくとも、 3rdパーティの視認性の良いWebサービスを活用するのがおすすめ
  16. ‐ 21 ‐ ‐ 21 ‐ 演習②:財務三表の読解 <ケース> ◼ あなたは次の日本製鉄の財務情報にアクセスできました

    • https://www.nipponsteel.com/ir/pdf/nipponsteel_jp_br_2023_all.pdf • 有価証券報告書 P.167 - (【財務諸表等】で検索するとすぐヒットする) ◼ まずは、B/SとP/Lを読み解いて分析しようとしています <演習> ◼ B/SとP/Lを自分なりに読んでみてください ◼ その際、次の観点で読み解きをチャレンジしてください • B/Sとは何か、P/Lとは何なのか • 分析評価するにあたって、どのような情報に着目したいか • そもそも、どこに何が書いてあるのか • あとで「読み取ったこと・感想」などを伺います ◼ 制限時間:5分 業務でレポートを作成するわけでもないなら、一次ソースでなくとも、 3rdパーティの視認性の良いWebサービスを活用するのがおすすめ
  17. ‐ 23 ‐ ‐ 23 ‐ こういうことだってばよ ◼ 財務三表は次のようなスコープの活動結果を示すための資料 事業

    (資産) 有利子負債 (Debt) 株主資本 (Equity) 資金の運用 資金の調達 企業 投資先/取引先 投資 リターン <投資活動> 債権者 株主 投資 リターン 投資 リターン <調達活動> B/S P/L (& C/F) P/L (& C/F) このチャートはしっかり覚えましょう!
  18. ‐ 24 ‐ ‐ 24 ‐ レベル コンテンツ Entry Foundat

    ion Practice 次回の予定 ファイナンスの 全体像 ファイナンスに 必要な会計 ファイナンス分析 手法 現在価値 (PV) 資本コスト (WACC) 事業価値の算出 (DCF法) 株主市場での評価 M&A 株主還元政策 /IR政策 ◼ 今回のふりかえりも軽くしつつ、次のテーマも柔軟にやっていこうと思います 次回のスコープ
  19. ‐ 25 ‐ ‐ 25 ‐ 参考書籍 https://amzn.asia/d/2u2fUsi https://amzn.asia/d/40U0ak4 コーポレートファイナンス実践講座

    (中央経済社) コーポレートファイナンス 戦略と実践 (ダイヤモンド社)