乗継、若者、私用などへの政策的割引でおトクに 公共交通の運賃には「乗継時に初乗り 」「学生/家族に割高」「中頻度利用が割高」「長距離だと高い 」 など多くの利用の障壁があります。また無料デー・半額パスなどの政策も一過性に留まります。 ICカードばかりが話題になる熊本ですが、それ以前に公費による政策的割引が重要です。 運賃 JR は私鉄並の本数倍増、熊本電鉄は復活と都心直結 熊本市の鉄道は都心に直結しないのが弱点で、通勤通学の分担率 3.5% は政令市ワーストです。 JR は速達性に優れ利用者が多いものの、日中 2 本/hの本数を私鉄並に倍増できるかがカギです。 熊本電鉄は2025/2 の利便性低下の復活と、都心直結を中心とした再構築がカギです。 鉄道 JR 豊肥本線 都市 人口 事業者・路線 複 線 輸送密度 (2019) 昼の 本数/h 熊本 74 万 熊本電鉄 1,946 人 2 本 JR 熊本-肥後大津 11,465 人 2 本 JR 熊本-八代 複 10,514 人 2 本 福岡 161万 西鉄 貝塚線 8,855 人 4 本 浜松 78 万 遠州鉄道 11,910 人 5 本 実施項目 概算 費用 利用増 見込 朝の本数: 5 →6 本/h 36 億円 (18 両) 30% 昼の本数: 2 →4 本/h 朝の両数: 2.8 →4 両 行き違い 設備強化 30 億円 新駅(三里木~原水) 10% 鹿児島本線との直通増加 - 3% 輸送密度 19,000 (+47%) 渋滞解消便益 37 億円/年 費用の2/3 を 公費負担想定 長期的には、 2000 年代に凍結された LRT 化計画のよ うな、都心直結を軸とした再構築が不可欠です。さら にセミコン方面への BRT 整備も将来性 があります。 実現には上下分離等による公費投入が必要です。 熊本電鉄 2000 年代のLRT 化計画 ▲都心結節検討委員会の H19 年度報告 熊本電鉄計画案イメージ 従来 2025/2 - 昼間隔 30 分毎 40 分毎 朝間隔 15分毎 20 分毎 所要時間 26 分 31分 表定速度 21.9 km /h 18.3 km /h 北熊本乗継 全方向 片方向 2025/2 に運転士不 足と遅延により利便 性が低下し、混雑は 悪化し、利用は激減 しています。この復 活が喫緊の課題です。 13% の利用減(運賃申請からの推定 ) 数値は 太田試算 交通手段間の乗継やバス同士の乗継 ごとに初乗り運賃がかかることが、 交通網の利便性を下げています。 バス同士とバス ⇔鉄軌道の初乗り分 4.4 億円の割引を公費で負担しても、 利用増10% ・渋滞削減 16.2 億円の効 果があると試算しています。 これにより中心部への 直通以外の利 用が増えるほか、駅からの フィー ダーバス の導入・利用促進にもつな がります。海外ではゾーン制による 実質的な乗継割引も多くあります。 乗継割引 世界では公費投入による格安パスが多くあります。 例えば一般5000 円/月、学生 3000 円/月ほどの 乗り放題パスがあれば、定期外の私用・長距離・ 週2 -3 日の利用が増え、 家計への負担も減ります。 サブスク「くまモンパス」 参考:韓国ソウル T-money カードを使えば乗 換4 回まで通し運賃になる 参考:小山市おーばす 市内のほぼ全バスを利 用できる定期券を ・一般 28,000 円/年 ・通学 25,000 円/年 に値下げしたところ、 増便等もあいまり 7.4 倍に定期保有が増えた 参考:ウィーン市 ウィーン市内の全公共交通を利用 できる年間パスは大人 € 365 、 65 歳-€ 235 。 東オーストリア地域の 14 -23 歳向け年度パスは € 82 、 -25 歳向け市内夏休みパスは € 29.5 。アプリで購入可。