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【講演】2025年8月8日_東洋大学様/ナポリ東洋大学様「嬬恋村観光協会の取り組みについて」

 【講演】2025年8月8日_東洋大学様/ナポリ東洋大学様「嬬恋村観光協会の取り組みについて」

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  1. © 2024 Tsumagoi Village and Tsumagoi Tourism Association. All Rights

    Reserved. 1 嬬恋村観光協会の取り組み (20250808)
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    Reserved. 2 自己紹介 三ツ野 元貴 神奈川県三浦市出身(地元が大好き) 2014年_都内にあるとある大学のデザイン工学部建築学科卒業(まちづくりや都市計画) ~2016年_ショッピングセンター/百貨店の店舗開発や店舗のMD(マーチャンダイジング)、イベン ト企画、内装監理などを行う不動産ディベロッパー会社に勤務 ~2019年_「より地域に根ざした仕事がしたい」という想いで転職・地域おこし協力隊 として嬬恋 村に赴任し、嬬恋村観光協会で勤務 ~現在_地域おこし協力隊の任期終了(3年間)と同時に、嬬恋村観光協会を法人化し、現在は 事務局長として勤務
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    Reserved. 3 地域おこし協力隊とは・・・ 人口減少や高齢化が進む地方において、都市地域から移住した人々が、その地域で 様々な地域協力活動を行いながら定住・定着を図ることを目的とした、総務省が進めて いる制度です。 協力隊員は、地方自治体から委嘱され、最長3年間活動します。活動期間中は、給与や 活動費が支給されるほか、住居が用意されることも多く、移住のハードルを下げることが できます。 地域おこし協力隊は、地方にとっては「新しい人材」と「新しい視点」 を取り入れる機会と なり、隊員にとっては「新たな生き方」 を見つける機会となっています。
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    Reserved. 4 「新しい人材」 「新しい視点」 「新たな生き方」
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    Reserved. 5 新たな生き方 東京や神奈川に住んで、約2年間のサラ リーマン人生を過ごしました。 通勤の所要時間は1時間30分だった期間 が約1年。それだけでも600時間、満員電 車に揺られ何もできずに過ぎていく時間。 ランチを食べれば1,000円、趣味のゴルフ やキャンプ、旅行などにも多くのお金がか かった。 →1,000円でざる蕎麦と豚丼が食べれた り、家から10分のゴルフ場、自宅の庭が キャンプ場、休みの日は草津温泉や軽井 沢にひとっ飛び。 満員電車とはおさらば! 物価も安く、自分の時間や 趣味に没頭できる。
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    Reserved. 6 「新しい人材」 「新しい視点」 「新たな生き方」
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    Reserved. 7 新しい人材 嬬恋村は、万座温泉をはじめとした「豊富な源 泉、多様な泉質」を誇る温泉地。 ヤマトタケルノミコトの伝説に由来された「妻を恋 する村=愛妻家の聖地」としてのブランド。 上信越高原国立公園に指定される浅間山や四阿 山に代表される豊かな自然。 周辺地域にも、草津温泉や軽井沢をはじめ、善光 寺や最近では八ッ場ダムもでき、長期滞在のハブ にもなる。 →当時の観光協会は任意団体で、局長は役場か ら派遣を受け、2~3年で人事異動。計画的な事業 運営ができず、ノウハウも蓄積しない。いわゆる マーケティングや観光客のデータ分析も行わず、 事業検証をしない当てずっぽうな観光施策を続け ていた。 ここ嬬恋村は、観光地としての ポテンシャルにあふれた村! なのに、観光協会は・・・
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    Reserved. 8 「新しい人材」 「新しい視点」 「新たな生き方」
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    Reserved. 9 新しい視点 ①GoogleマップやSNSは未活用。HPのデザインが古く、スマート フォンやインバウンド対応をしていなかった。データ収集、分析も含 めて、デジタル分野にはほとんど手をつけていない。 →SNSも開設し、HPも嬬恋村のストロングポイントである景色などを 写真で発信できるデザインに一新し、スマートフォンやインバウンド にも対応した表現を施した。引き続き、デジタル人材の確保を進めて いく。 ②毎晩見上げると素晴らしい星空、新緑の時期や紅葉、雪景色の壮 大さを他に類を見ないほどと感じるのに、地元の人にとっては当たり 前だったのでPRしてこなかった。またキャベツは、スーパーで自然に 買ってもらうものといった認識もあり、地域にお越しいただいた皆さん にPRしたり、首都圏での販売イベントなどにも消極的だった。 →ガイド付き星空鑑賞会の実施に協力し、多くのお客様にご参加い ただいている。キャベツにも実は、トウモロコシやジャガイモのように 様々な品種があり、嬬恋村だけでも 30種類以上生産されていて、市 場に出回らない幻のキャベツ 419という品種は地元の直売所やお店 でしか出会えない、といった PRからメディアにも多く取り上げられる ほどの人気となった。 地元の人の当たり前が 観光資源になりうる! 手をつけていなかったことも 盛りだくさん!
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    Reserved. 10 コロナ禍、物価高 旅行ニーズの変化が 起こる中 こういった新たな風が吹 き始めた。
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    Reserved. 12 年度別の観光客数の推移 嬬恋村においては、スキーブーム、 バブル期の別荘・ペンションブーム であった1993年頃をピークに衰退。 特に、1990年代中盤までは、草津 町より嬬恋村の方が入り込み客数 が多かった。 比較して、草津町は徐々に観光客 を増やし、コロナ禍からのV字回復 で過去最多を記録している。 →嬬恋村は、旅行業界全体のブー ムにのってお客様が多かったが、 観光地としての地域ブランド力 や旅 行者を惹きつける魅力が不足して いる
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    Reserved. 13 このまま観光地としての衰退が進むと・・・ 日本一の一大キャベツ産地 でありながら、農業では従事者数_約1,600人、観光サービ ス業では従事者数_約2,800人の村ということで、地域の雇用の柱 であった観光が衰退 することで、地域の雇用が失われ、さらなる人口流出やJR吾妻線の廃線危機など、地 域の持続が危ぶまれる 。 さらに、観光客の来訪により、地域のインフラ や観光施設の仕入れ先業者 、施設の整 備業者など、村内多くの事業者への波及効果も踏まえると、地域全体の経済に大きく デメリット を生じさせてしまう。 ⇨観光によって、地域を維持・発展させていかなければならない!
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    Reserved. 14 2019年における月別の観光客数の推移 また、月別の観光動向からも嬬恋村の課 題が見られ、草津町が1年を通してコンス タントに入り込みがあるのに対し、嬬恋村 は8月の入り込みが突出して高い(草津町 よりも多い)。 そのため、繁忙期の雇用が季節労働と なってしまうことにより地域住民にとって 観光業への従事は安定性を欠き、他業 種や他地域に流れてしまう ことや、需要 の最大値に合わせた供給量を用意してし まうことによる未稼働期間が長く、施設の 劣化や地域の雰囲気の低下 を招くことと なってしまう。
  14. © 2024 Tsumagoi Village and Tsumagoi Tourism Association. All Rights

    Reserved. 15 観光地としての地域ブランド力や 旅行者を惹きつける魅力 を発掘し、育てていきたい 当てずっぽうな施策ではなく 地域のことを分析して より良いうち手を検討していく
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    Reserved. 17 嬬恋村のアイデンティティの一つである「愛妻家の聖地」から派生して生まれた「妻との時間をつくる旅」と いうご夫婦向けに、嬬恋村へご旅行をしていただこうというプロモーション。今までは、HPの充実を図り、仕 事をリタイアされた後のご夫婦をなんとなくターゲティングしていたが、旅行雑誌などにモデルルートとして 紹介できるようなコンテンツの発掘や、旅行者がネットなどに体験を記事として掲載してくれそうな若い客層 をターゲティングすることで、ブランド認知を高め、候補に入れてもらえる可能性が高まると考えられる。
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    Reserved. 19 おとなり軽井沢町でも盛んなペットツーリズム。嬬恋村に別荘をもつ方は、ワンちゃん連れも多く、軽井沢町よりもさらに標高が高く 広大な自然は、湿度が低くペットに虫がつきにくかったり、広い土地で自由に遊ばせることができるので、とても満足度が高い。そう いった情報をはじめ、各施設の対応状況など (「ワンちゃん連れOK」との記載だけでは、テラス席までなら OKだったけど店内はダメ、 や大型犬はNG、ほかのワンちゃん連れとのトラブルなどにも発展するケースがあるため、より細かな情報が必要 )をネット上に蓄積 していくことで、アプローチを強めていくとともに「ワンちゃんと過ごすなら嬬恋村」といったような、移住施策とも連携し、嬬恋村 =ペッ トと一緒、といった情報発信をすることで、ペットツーリズムのニーズを掘り起こしていきたい。
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    Reserved. 21 登山者たちの多くは、YAMAPやヤマレコなどの登山アプリや、岳人、ランドネといった登山 専門雑誌などを活用している方、もしくは自治体などのHPを見て情報収集される方にキレ イに分かれているので、適切な情報発信によりお客様を獲得していきたい。
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    Reserved. 23 地域の歴史については、浅間山北麓ジオパークとして注力してきたが、実を結んでいないのが現状。 現在の情報発信では、内輪向けになってしまっていると感じるので、興味を引くようなライトでわかりやすい 情報発信(鎌原観音堂一つとっても、地域の復興のために離散した家族を再結成し、新たな家族の絆を深 めて、復興を成し遂げたシンボリックなスポットで、家族の絆を深め困難に立ち向かおうとする方達の信仰 の想いを叶えるパワースポットとして磨き上げるなど)に努めたい。
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    Reserved. 25 ターゲットやツールによって適した情報発信やメディアの活用を進めていきたい。
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    Reserved. 27 各施設の特徴的な温泉をクローズアップして、情報発信していきたい。
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    Reserved. 29 特徴的なのはリピーターが多いということ。 各施設の特徴を打ち出しつつ、最初のハードルを下げられるような支援や雪を活用した新 たなニーズの発掘を検討したい。