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ICH E14 QT間隔延長の評価 1
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xjorv
February 18, 2021
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ICH E14 QT間隔延長の評価 1
ICH E14はQT間隔延長の評価についてのガイドラインです。不整脈の治療薬を除く医薬品に適用されます。
xjorv
February 18, 2021
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Transcript
ICH E14 QT間隔延長の評価 1 2021/1/23 Ver. 1.0
ガイドラインの概要 不整脈の薬を除く医薬品のQT間隔延長評価について • QT間隔は心臓の脱分極の遅れを反映する • QT間隔延長は致命的な不整脈*の原因となりうる • 致命的な不整脈により心室細動が起こる • QTを心拍数で調整したものはQTcと呼ばれる
• QT/QTcについて承認前に評価が必要となる *Torsade de pointes、心電図のピークが大きく揺らぐ状態を指す
QT間隔 心電図のQ波からT波までの距離を指す 𝑄𝑇𝑐 = 𝑄𝑇 𝑅_𝑅 *R_R: 心拍の間隔 QTcが0.36-0.44で正常 *http://www.chugaiigaku.jp/upfile/browse/browse2549.pdf
を参照、QTcは単位なしだと思われるが、PDFでは秒を単位としている
ガイドラインの対象 不整脈の薬を除く新規有効成分を対象とする • 全身循環する医薬品を対象とする • 部分投与・部分吸収の医薬品は対象外 • 血中濃度が増加する場合には、剤形変更も対象となる • 新適用・新規対象患者群への適用においても検証する
臨床研究 開発初期に健康成人を用いてQT間隔評価を行う • 通常時のQTが長い、不整脈リスクを持つ人は除外する • QT延長効果を持つ医薬品を服用している人も除外する • 開発後期にはより広い患者群を対象とした研究を行う
臨床研究: 安全性モニタリングと中断 不整脈を起こす可能性のある状況を捉えられるようにする • 1つ以上の心電図でQT間隔延長が認められたとき • QT間隔が500ms以上/60ms増加したときは中断を考える • 中断の閾値は患者群などを考慮して決定する
臨床研究: 徹底的なQT研究 健康成人で実施する、小さいQT延長を検出する研究のこと • 開発の初期に実施する • 5msの延長、95%信頼区間上限が10msを閾値とする • よりリスクの大きい患者での使用を担保する •
延長が認められれば、より詳細な検証を必要とする *Thorough QT/QTc Studyの訳
臨床研究: 徹底的なQT研究のデザイン プラセボ対照、二重盲検、ランダム化研究を行う • QT延長の陽性対照を準備し、感度を検証する • 並行群間もしくはクロスオーバー試験で検証 • QT間隔の変動要因が多いため、適切に評価する *日周性、活動レベル、姿勢、消化などの影響を受ける
徹底的なQT研究: 用量/時間応答性 用量応答性研究、投与後時間変化を捉える • 薬物間相互作用などによる薬物分解抑制などの検証を含む • 投与期間や投与スケジュールを用いて相互作用を調べる
徹底的なQT研究: 心電図測定のタイミング 薬物動態データに従いタイミングを決定する • 排出が早く、代謝物が残らなければ単回投与で検証 • 投与間隔のすべての期間での心電図を検証する • Cmax時にQT延長が最大になるとは限らない
徹底的なQT研究: 結果の説明 QTが平均5ms以上増加しないなら、まず不整脈リスクはない • 陽性対照の適切な選択を必要とする • 95%信頼区間が10ms以下ならQT延長はないとする • 平均5ms、95%信頼区間10ms以上なら、“陽性”とする •
外れ値の存在についても考慮する *ちょうど5msぐらいQTを延長する陽性対照を準備して行う