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ICH E18 遺伝子データの管理と遺伝的サンプリング 1
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xjorv
February 26, 2021
Education
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ICH E18 遺伝子データの管理と遺伝的サンプリング 1
ICH E18は遺伝子データの管理と遺伝的サンプリングについてのガイドラインです。臨床研究において遺伝子データを取るためのサンプルを収集したり、遺伝的データを取り扱う際についての内容となっています。
xjorv
February 26, 2021
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Transcript
ICH E18 遺伝子データの管理と 遺伝的サンプリング 2021/1/31 Ver. 1.0
ガイドラインの概要 臨床研究における遺伝的サンプリングと遺伝子データについて • 遺伝的研究におけるデータ収集・保管・使用の方法を定める • 被験者のプライバシー、データ保護などを考慮する • ステークホルダー間の交流を推進する • 臨床研究における遺伝的研究を推進する
ガイドラインの対象 介入・非介入試験における遺伝的情報取り扱いを対象とする • 研究中・研究後のどちらに遺伝的研究を実施してもよい • 計画書に規定されている場合も、されない場合もある • 特定用途・非特定用途での遺伝的情報を対象とする • E15に規定された、DNAとRNAの情報を対象とする
一般的原則 遺伝的情報を最大限に利用するようになってきている • 臨床研究のすべての段階で遺伝的情報の収集が推奨される • バイアスのない収集により、遺伝的研究の品質が向上する • データの品質、正確性等が遺伝的研究の価値を高める • 情報保管/維持のセキュリティが重要となる
遺伝的サンプリング(Genomic Sampling) 遺伝的情報の収集を指す • 塩基配列、遺伝子型決定、発現、エピジェネティック*など • 検体・解析法・保管法等を適切に定める • 検体の品質が結果の正確性に影響を与える •
収集対象に適した手順を定める • 収集・取り扱いを適切に記録する *DNA→RNA→タンパク質という“セントラルドグマ”(古い用語)から外れた発現・遺伝子機能調節のこと。DNAやRNAの修飾などが代表的
検体の収集と取り扱い 収集・取り扱い時に影響を与える因子について考慮する • 施設により手順が違えば、結果も異なりうる • すべての施設で同等の訓練・手順を採用する • 被験者のプライバシー、インフォームドコンセントを重視 • 検体採取時にはバイオセーフティな手順で行う
検体の収集と取り扱い 収集・取り扱い時に影響を与える因子について考慮する • 施設により手順が違えば、結果も異なりうる • すべての施設で同等の訓練・手順を採用する • 被験者のプライバシー、インフォームドコンセントを重視 • 検体採取時にはバイオセーフティな手順で行う
検体の種類 様々な検体・組織から核酸が抽出される • 血球・組織・頬・唾液・骨髄・尿・便などが代表的 • 特別な単離方法を必要とするものもある • 測定に適した組織を選択し、採取する • 小児では採取量が少なくなるため、適した検体を採用する
• 核酸のコンタミのリスクを考慮する
検体採取のタイミング 被験者間/被験者内の変動を考慮する • 日周性や薬剤投与の影響で変動する • DNAメチル化など、エピジェネティックな性質も変動する • 生殖細胞のDNA配列は比較的安定している • ガンのDNAやRNAは組織や時期により変動する
検体の保管 保管条件は対象核酸・検体・検体量等により異なる • 血液は抗凝固剤を入れて保管するのが一般的 • 組織は液体窒素で凍らせ、冷凍保存する • 組織を固定する場合には固定・保管条件を適切に設定する • 固定方法を検証し、定めておく
検体の安定性と分解 核酸の分解による性質の変化に注意する • pHや酸素量、分解酵素などにより断片化しうる • 凍結、固定等の条件を最適化し、分解を防ぐ • 検体の加工や保管の条件を最適化し、手順とする • 保管中の条件などをモニタリングしておく
検体の体積・組成 患者の負担を最小限にし、必要十分な検体量を考慮する • 必要量採取できないときは、別の組織の使用を検討する • ガン細胞は不均一性を持ち、健常細胞も含みうる • 2種以上の細胞を採取する場合は、比較可能性を考慮する